ねぇ、ちょっと聞いてほしいんだけどさ。最近、家族のみんながわたしのことを「パパのストーカー」って呼ぶんだよ。ひどくない?わたし、そんなつもり全然ないのに!
確かに朝起きた瞬間から夜寝るまで、だいたいパパのそばにいるけど、どこに行くのか気になっちゃうし、パパが見えないとソワソワするし、気づいたら足音を追いかけちゃうのはそれはもう、しょうがないよね?
だってパパって、わたしにとって世界でいちばん落ち着く場所なんだもん。
わたし、14歳のシニア女子だし、心臓もちょっと弱ってる。病院の先生から「無理せず、のんびり過ごしてね」って言われてるけど、パパのそばにいると、不思議と呼吸も心もラクになるんだよ。
だからこれはストーカーじゃなくて、専属ボディガードってやつ!パパの安全を守るために、わたしは今日も目を光らせてるの。
まあ、その結果、家族に笑われてるんだけどね。でも、いいの。だってわたしとパパだけが知ってるひみつがあるから。
そう、今日はその10個あるひみつを、みんなにこっそり教えちゃうつもり。これを読んだら、あなたもきっと、大切な人のことをもっと見つめたくなるはずだよ。
シニア犬キャバリア、リアの秘密
ひみつ1:朝はパパの布団にダイブ
ピピピッ…
パパの目覚ましが鳴るより早く、わたしの体内時計が作動!まだ外は薄暗くて、家族もみんな夢の中。でもね、この時間こそがわたしの朝一番の任務のチャンスなんだよ。
そ〜っと起き上がって、パパの部屋のドアを鼻でツン。カチッと開いた瞬間、ふわっと漂ってくるパパの匂い。あぁ、この香りだけで心臓がときめく。(心臓病持ちだけど、このドキドキは薬じゃ止められないやつ)
そして、ためらいなくジャンプ!
ふかふかのお布団にダイブして、パパの胸のあたりにぴったりくっつくの。パパは寝ぼけながらも腕を回してくれて、「おはよ…」って低い声でささやくんだよ。その声があったかすぎて、わたしは二度寝の世界へ直行。
正直、この時間のために毎日生きてるって言っても過言じゃない。だって、パパの胸の鼓動とわたしの鼓動が重なる瞬間ってこれ以上の幸せってある?
ひみつ2:新聞より先にパパの顔チェック
パパが布団から起き上がると、まず向かうのはリビング。そこに置いてあるのが、毎朝必ず読む新聞。でも、その前にやらなきゃいけないことがあるでしょ?
そう、わたしの「朝いち顔面チェック」タイム!
パパが椅子に腰かけようとした瞬間、テーブルの前に立ちはだかるわたし。じぃ〜っと顔を見つめて、昨日と変わりはないか確認するの。ちゃんと笑顔か、目の下にクマはできてないか、寝ぐせが爆発してないかって、ぜんぶチェック済み。
そして最後に、新聞の角をペロッとひとなめ。これが「おはよサイン」なんだよね。パパは「やめろ〜」って笑いながらも、必ず頭をポンポンしてくれる。
新聞よりも、まずわたしを見てほしい。だって、ニュースは逃げないけど、わたしの「おはよ」はその瞬間しかないから。
ひみつ3:コーヒーの香りはパパの居場所のサイン
わたしの鼻は、ちょっと自慢できるんだ。
だって、台所からふわ〜っと漂ってくるコーヒーの香りだけで、「あ、パパは今あそこにいるな」ってすぐ分かるんだよ。
パパは毎朝、自分でコーヒーを淹れるの。豆をゴリゴリって挽く本格的な奴じゃなくてね、インスタンやすでに豆を挽いているパックのやつが多いんだけど、やっぱり一番は、あの香ばしくてほろ苦い香り。あれはもう、パパの専用フレグランスだね。
だから匂いをキャッチしたら、忍び足で台所へGO。
そっとパパの足元におすわりして、しっぽをゆっくり振るの。するとパパが「あ、来たな」って、ちょっと嬉しそうに笑うんだ。その笑顔を見られたら、もう朝ごはん前から心が満タン。
コーヒーはパパの眠気を覚ますけど、わたしにとっては「パパを見つける合図」なんだよね。
ひみつ4:足音だけでパパの場所を特定
パパの足音って、わたしには特別なんだ。廊下を歩くときのギシギシ音、その時のリズム、靴下を履いた足が床に触れる、すっすって音まで、ぜーんぶインプット済み。
だからね、ドアの向こうでパパが動いた瞬間、わたしの耳はピクッと反応。
他の家族が歩いてもあんまり動じないけど、パパの足音が聞こえたら、即スタンバイモードに切り替わるの。この能力、ちょっと探偵みたいでしょ?
実際、パパが「今の聞き分けはすごいな」ってびっくりしてた。まぁ、わたしにとっては日常のことなんだけどね。
足音ひとつでパパの位置を特定できるって、もしかしてパパ専用GPSって名前つけてくれてもいいのかも?
ひみつ5:ドアが開く音に0.5秒で反応
これはもう、本能レベルの反応だと思う。
パパの部屋のドアが「カチャッ」と開く音がしたら、0.5秒以内にダッシュで正面にスタンバイするつもりでスッと移動。
だってね、その瞬間を逃したら、パパがどこかに行っちゃうかもしれないじゃん?お風呂かもしれないし、キッチンかもしれないし、最悪、お外に出ちゃったら会えなくなっちゃうもん。
でもね、たま〜にお兄ちゃんやお姉ちゃんが開けたときにも反応しちゃって、「え、君じゃない…」ってなって、ちょっと気まずい。そんなときは「まぁ、あんたでもいいけど?」って顔して誤魔化すんだよ。
パパには「警備体制バッチリだな」って笑われるけど、これは愛ゆえの素早さなの!
ひみつ6:トイレ前で待機(ここ重要)
これはね、かなり大事な任務なんだよ。だってトイレって、パパが必ず立ち寄る場所でしょ?そこを押さえておけば、パパの行動を完全に把握できるわけ。
パパが廊下を歩き出したら、わたしのレーダーが反応。「もしかして…トイレ?」って思った瞬間、ダダダッと走って先回りして、ドアの前におすわり。
パパが中に入ったら、その間は静かに待機。出てくるタイミングに合わせて、しっぽを全力でブンブン!パパはちょっと苦笑いしながらも「リア、待っててくれたんだね」って言ってくれる。
まあ、冷静に考えると、トイレの前で待たれるってちょっと変かもしれないけど、でもこれも「パパの安全を見守る任務」の一環だから、外せないんだよね。
ひみつ7:テレワーク中は足元をキープ
パパがパソコンの前に座ると、カチャカチャってキーボードの音が部屋に響く。その瞬間、わたしは静かに足元へ移動して、ぴたっとくっつくの。
そこはね、ほんのりあったかくて、パパの匂いもする特等席。しかも、わたしがそこで寝てると、ときどきパパが足先でトントンってやさしく触れてくれるんだよ。
あれ、きっと「いい子だな」とか「そばにいてくれてありがと」っていうサインだと思う。
パパはテレワークで長時間座りっぱなしになるけど、わたしが足元にいれば、ちょっとした休憩のきっかけになるみたい。椅子をくるっと回して、撫でてくれることもあるしね。
だからわたしにとって、この足元キープはぬくもりの場所を確保することでもあるし、パパの健康サポートをすることでもあるんだよ。
ひみつ8:電話中におやつアピール
パパが電話を取って「もしもし〜」って話し始めたら、はい、これはわたしにとってチャンス到来の合図。
だって、電話中のパパって、両手がふさがってるでしょ?だから大きな声で「おやつちょうだい!」って言えない代わりに、わたしは無言でじぃ〜っとパパを見つめる作戦に出るの。
その視線は、言葉よりも強力。「視線レーザー攻撃」とでも呼ぼうかな。
パパは最初、話に集中してるけど、だんだん目線がわたしに引き寄せられて、
小さく笑いながらポケットを探り出す。そして、さりげなくわたしの口におやつがポンッ。
電話相手には絶対バレてない、はず。でもね、こうやっておやつをもらう瞬間、わたしの中では「今日もミッション成功♪」って花火が上がってるんだよ。
ひみつ9:ソファーで映画鑑賞の時は膝上席争奪戦
夜になると、家族みんなでソファーに集まって映画やドラマを観る時間があるんだ。
でもね、わたしにとっては映画の内容より大事なことがひとつある。それはね、パパの膝の上の席を死守すること!
この席、あったかいし、心臓の鼓動が伝わってくるし、パパが自然と背中を撫でてくれるから、もうVIPシートなんてもんじゃない。
だからパパがソファーに座る前から、わたしはソファーの前で待機して、
座った瞬間にジャンプ!すかさず膝の上に滑り込むの。
一度確保したら、あとはもう鉄壁のガード。誰かが近づいてきても、体をぐいっと押し込んで「ここはわたしの席!」ってアピール。
パパは笑いながら「人気者だな〜」って言うけど、本当はわたしがパパを独り占めしてるの。ふふっ。
ひみつ10:おやすみ前の「おでこちゅー」
一日の終わりに欠かせないのが、この儀式。
パパが「そろそろ寝るか〜」って言って立ち上がったら、わたしはすぐに枕元に移動して、じっとパパを待つの。
そして布団に入る前、パパがわたしの頭を両手で包み込んで、おでこにチュッとキスしてくれる。これがないと、わたしはどうも眠れないんだよね。
たまにパパがうっかり忘れて寝ようとすると、わたしは前足で「トントン」って合図を送る。すると「あ、忘れてた!」って笑って、ちゃんとおでこちゅーをくれるんだ。
この瞬間、わたしの心はふわっとあったかくなって、目を閉じれば、安心のまま夢の世界へ。きっとパパも同じ気持ちで眠りについてるって信じてるよ。
わたしがパパを追いかける本当の理由
ここまで読んだら、やっぱりわたしのことを「ストーカー」って思った?うん、まぁね、そう見えなくもないかもしれない。でもね、本当はそれだけじゃないんだ。
わたし、14歳のシニア犬。心臓は少し弱っていて、走り回ることも、昔みたいに長くはできない。それでも、パパのそばにいると、不思議と体が軽くなるんだ。呼吸もゆったりになるし、気持ちもぽかぽかする。
だから、パパの足音を追いかけたり、膝の上を守ったりするのは、「ずっと一緒にいたい」っていう気持ちの表れなんだよ。パパが笑ってくれるその瞬間を、少しでも多く集めて、心のアルバムに残しておきたいの。
わたしがパパを見つめるとき、それは未来のためじゃなくて、今この瞬間を大事にしてるってこと。犬の時間は、人間よりもずっと早く流れていくからね。
だから今日も、明日も、あさっても、わたしはパパの専属ボディガードとして、そばにいるつもり。
ねぇ、読んでくれてるあなたも、大切なお友達のことを今日いっぱい見つめてみて。その一瞬が、きっと一生分の宝物になるはずだからね。
リアより。
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