キャバリアの遺伝と繁殖のほんとうの話

キャバリア

こんにちは、リアだよ。

今、私たち、キャバリアのことを、ちょっとだけ思い浮かべてみてほしいの。そのあったかい毛並み、優しい瞳、くるんとしたしっぽ。もし、あなたがキャバリアと一緒にいるなら、きっと、あなたが毎日ぎゅってしたくなるくらい、かけがえのない存在よね。

わたしもそう。わたしはリア。ブレンハイムのキャバリアで、今は15歳。お耳の毛はちょっと白くなってきたけど、まだまだパパやママと過ごす時間が大好きなの。

でもね、わたしがこんなふうにあなたにお話ししようって思ったのには、ちょっとわけがあるんだ。

それは、わたしたちキャバリアがどうやって生まれてきたか、そのことを、ちゃんとあなたに伝えたいって思ったから。

もちろん、わたしは生まれたときのことなんて覚えていないし、どこで誰とどんなふうにってことも、夢みたいにぼんやりしてる。

でもね、歳を重ねて病院に行くことが増えて、お薬もたくさん飲むようになって、パパとママが心配そうにわたしの心臓の音を聞いてくれるたびに思うの。

わたしは、ちゃんと元気に生まれてこられたのかな?って。

あなたのお友達はどうかしら?最近、咳をしたり、ちょっと歩くのがしんどそうだったり、してない?それとも、まだ若くて元気いっぱいで、お散歩がだいすき?

どんなお友達でもね、実は生まれつき持ってる宿題みたいなものがあるの。それはわたしたちキャバリアが、長い時間をかけて作られてきた中で、どうしても避けられなかった先祖から伝わってきたからだの仕組みのこと。

わたしたちが可愛いって言われる、くりくりのおめめとか、まんまるのお顔とか、実はそれが、ちょっぴり重たい病気を招いてしまうこともあるのよ。

でもね、これってそういう品種だからで終わらせたくないって、最近、世界のいろんな国で考えが変わってきてるの。

キャバリアをもっと元気にしたい。もっと長く、大好きなあなたと一緒にいられるようにしたい。そんな想いから、わたしたちの未来を変えようとする取り組みが始まっているんだよ。

今日はそのことを、あなたに聞いてほしいんだ。難しい言葉じゃなくて、わたしの言葉で伝えるから、お茶でも飲みながら、ゆっくり読んでね。

きっと、あなたのお友達の未来にも、優しい光がさすはずだから。

私たちキャバリアが持っているうまれつきの宿題

ねえ、さっきの話、覚えてる?

わたしたちキャバリアには、生まれつき持ってる宿題があるってことなんだけど、今日はその話を、もう少し深く、一緒に考えてみたいの。

それはね、見た目じゃわからないんだ。でも確かに、わたしたちの体の中にあることでね、それを知らないままだと、あなたのお友達が病気で苦しんだとき、どうしてこんなことにって、きっと悲しくなってしまうから。

あなたには、そんな想いをしてほしくないの。だから、リアがちゃんとお話しするね。

あのね、わたしの心臓、ちょっとがんばりすぎてるの。

わたしが初めて僧帽弁閉鎖不全症って診断されたのは、13歳の春だったんだ。でも、実はもっともっと若いうちから、キャバリアの多くは心臓のトラブルを抱えてるんだって。

この病気、名前は難しいけど、要するに心臓の中の弁っていう部分がちゃんと閉まらなくなって、血液が逆流しちゃうの。それで、心臓に負担がかかって、どんどん疲れてきちゃうのよ。

最初はちょっと咳をするくらいだったり、お散歩のときに、ふぅって座りたくなったりするの。でも進んでいくと、呼吸が苦しくなって、食欲もなくなって、お薬なしでは生きていけなくなっちゃう子もいるんだよ。

実はこの病気、キャバリアではとっても多いの。若いうちから音が聞こえることもあるし、発症率は80%以上とも言われてるのよ。あなたのお友達も、もしまだ元気でも、定期的に心音を聞いてもらうのが大切だと思う。

リアも、病院でしっかり聴診器を当ててもらってるよ。パパがそばで、リア、がんばれよって声をかけてくれるの。あなたも、そんなふうに見守ってあげたらとても喜ぶと思うよ。

それからね、私たちの頭の中に、もうひとつの秘密があるの。

というのはね、わたしたちがもうひとつ抱えている宿題が、キアリ様奇形と脊髄空洞症っていう、ちょっと聞き慣れない病気。

これは、わたしたちの頭の骨がちょっと小さすぎて、脳や神経に余裕がなくなっちゃうことで起こるんだ。

脳と脊髄をつなぐ部分に圧がかかって、そこに水がたまって空洞ができてしまうの。そしてその空洞が大きくなると、すっごく痛くて、背中や首を触られるのを嫌がったり、泣いちゃったり、歩き方がおかしくなったりするのよ。

これも、発症してる子は多くて、MRIで調べたら、キャバリアの60〜70%に見つかるって言われてるの。

わたしはこの病気にはまだなってないけど、お友達の中には、毎日痛みとたたかってる子もいるんだよ。そのことを、あなたにも知っておいてほしいな。

どうしてこんなに多いのって思わない?それには理由があるんだ。

じゃあ、なんでわたしたちキャバリアに、こんなに多くの病気があるのかって、あなたも思うでしょ?

それはね、わたしたちが、そうやって作られてきたからなの。

わたしたちの祖先は、見た目のかわいらしさや、おだやかで甘えん坊な性格がとても人気で、この子の子どもがほしいって思われる子ばかりが、たくさん、たくさん使われてきたの。

でもね、それって実は同じ血の子が何度も、何度も交配されるってことだったの。そうすると、遺伝的に弱い部分も一緒に受け継がれちゃうのよね。

たとえば、あなたのお友達も目がくりくりでかわいいねって言われるでしょ?
でもその頭の形が、神経の病気につながることもあるの。

見た目の可愛さと健康は、いつも両立できるわけじゃない。それを無理に両立させようとしたから、わたしたちはうまれつきたくさんの宿題を背負ってしまったんだよ。

それでも、あなたに伝えたいことがあるの。

ねえ、ここまでの話、ちょっとショックだったかな?でもね、これはあなたを責めるための話じゃないの。むしろ、あなたが今こうして聞いてくれてることが、わたしたちの未来を変える第一歩なのよ。

あなたのお友達が健康で、長く、しあわせに過ごせるようにって思うし、これから新しいお友達を迎えるときに、どんなことを気をつけたらいいのか、考えてもらえたらうれしいんだ。

わたしは今、お薬を飲みながらだけど、穏やかに暮らしてる。それは、パパやママが病気のことをちゃんと理解して、いろんな選択をしてきてくれたからなんだよ。

あなたにも、そんなふうにお友達と一緒に、大切な時間を過ごしてほしいの。

だから、次はじゃあどうしたらいいの?ってお話をするね。世界では、私たちキャバリアの未来を変えようと、ある新しい選択が始まっているんだよ。

キャバリアを苦しめないために世界で始まったあたらしい取り組み

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リア

これまでの話を聞いて、ちょっと胸がぎゅっとなったかもしれないね。

わたしたちキャバリアが、かわいさや性格の良さの裏側で、たくさんのうまれつきの宿題を抱えて生きてることを知って、心配になったかもしれない。

だからね、これからちょっと希望のあるお話をしたいな。

わたしたちの未来を、少しでも明るくするために、世界のどこかで「新しい選択」をはじめてくれた人たちがいるの。それは、ちがう犬との出会いからはじまったんだよ。

実は、混ざることで、強くなるって知ってた?異なる犬との交配って聞いたことあるかな。

難しい言い方だと異系交配っていうんだけど、わたしたちキャバリアと、他の種類の犬をかけあわせることで、遺伝的な多様性を増やして、病気を減らしていこうっていう試みなの。

わたしたちって、見た目も性格もとっても魅力的だから、同じ血を持つ家族どうしで何度も何度も交配されてきたんだ。その結果、似たような病気を持つ子がたくさん生まれてしまったのね。

でも、ちがう血を混ぜることで、病気になりにくい体が生まれる可能性があるって、科学の力が教えてくれたのよ。それが今、北欧の国々で始まってる取り組みなの。

じゃあ、これからフィンランド、スウェーデン、ノルウェーで始まった物語をお話しするね。

まずね、フィンランドでは、わたしたちの健康のために、すごく真剣に取り組んでくれてるの。2022年、フィンランドのキャバリアクラブが中心になって、異系交配プロジェクトが正式にスタートしたんだ。

対象となる病気は、心臓の病気と神経の病気。そのふたつを、少しでも減らせるように、他の犬種とのかけ合わせが始まってるの。

たとえば、チベタン・テリアやデンマーク-スウェーデン・ファームドッグ、
パピヨン、日本スピッツ、プードルなど。わたしたちキャバリアと同じくらい優しくて、健康な犬たちが選ばれているのよ。

スウェーデンでも同じように、2023年から本格的な交配計画が進んでいるし、ノルウェーでは法律まで関わるほど真剣に、わたしたちの未来のために動いてくれてるの。

見た目は少し変わるかもしれない。でも大切なものは変わらないと思うんだ。

あなたの中にはもしかしたら、でも、それってもうキャバリアじゃないんじゃない?って思う人もいるかもしれない。

たしかに、最初の世代はちょっと見た目がちがうかもしれないね。耳の毛が短かったり、顔立ちが少しちがって見えることもあるかもしれない。

でもね、大丈夫。

その子たちの中には、しっかりとキャバリアの優しさと甘えん坊な心が受け継がれているの。それに、何代もかけてまたキャバリアらしい姿に戻していくように計画されているのよ。

第一世代、第二世代、第三世代、第四世代って、少しずつ、でも確実に健康でキャバリアらしい子たちが増えていくの。

まるで、長い時間をかけて、お友達の未来の笑顔を守るための“タイムカプセル”みたいでしょ?

何を大事にするかで、わたしたちの未来は変わるんだ。

今まで、スタンダードっていう、キャバリアの理想的な見た目がすごく大事にされてきたの。

でもね、今は健康で長く生きられることのほうが、もっともっと大事なんだって、世界中で意識が変わりはじめてるの。

だって、どんなにきれいな毛並みでも、どんなに理想的な顔立ちでも、わたしたちが苦しんでいたら、あなたもつらいと思うんだ。

あなたが、お友達と一緒に笑って過ごせる日々を、一日でも多くするために、そのために、このあたらしい取り組みは始まってるのよ。

まだ始まったばかり。でも、きっと変えられる。この取り組みは、まだ始まったばかりで、本当の成果が出るまでには、10年以上かかるかもしれない。

でもね、待つ価値があると思うの。だってそれは、私たちキャバリアが、もっと元気に、もっと長く、あなたのそばにいられる未来だから。

そんな未来、応援したいって、そう思ってくれる人がひとりでも増えたら、わたしたちキャバリアの明日は、きっと変わると思うの。

それじゃあ、次は、もっと踏み込んでお話しするね。純血って、そんなに大事?、とか、わたしたちのほんとうの価値って、何なの?っていったそんなことを、いっしょに考えてみようよ。

純血ってそんなに大事?私たちのほんとうの価値って何だろう

ねえ、キャバリアって、やっぱり純血じゃないとダメなのかな?ってそんなふうに思ったこと、ある?

ショーに出るためには、血統書が必要って聞いたり、この子はチャンピオンの子なんですよって言われたことがあるかもしれないね。

たしかに、純血っていう言葉には、どこか誇らしさや安心感みたいなものがあるよね。

でもね、わたしは今日、あなたにこう問いかけたいの。

「それって、本当にそんなに大事なこと?」
「あなたのお友達にとって、いちばん大切なのって、何だと思う?」

ショーのためのわたしたち?それとも、あなたと生きるためのわたしたち?

キャバリアの理想像って、決まってるんだ。耳の長さ、顔の丸さ、毛の色の入り方。それを全部満たしている子がスタンダードって呼ばれるの。

その理想像を守るために、ずっと同じ血統の中で交配が続けられてきたのよ。

でも、それって本当にわたしたちのためだったのかな?わたしたちの健康や、心の幸せは、ちゃんと考えられていたのかな?

わたしは、あなたと一緒に過ごす一日一日が宝物だよ。散歩道でくんくんする匂いや、ママに抱っこされるお昼寝の時間、パパと夜に見上げる星空。

どれも血統書には書いてないけど、わたしにとっては何よりも大切な思い出なの。

あなたのお友達だって、きっと同じよね?

理想的なキャバリアの形は、ひとつじゃない

今まで、理想のキャバリア像っていうのが、とても狭い枠で決められてきたの。

でもね、その枠にぴったりはまった子だけが本物って呼ばれるのって、なんだかさみしいなって思うんだ。

だって、ちょっと耳が短くたって、ちょっと毛の模様が変わってたって、それだけで価値が変わっちゃうなんて、おかしいと思わない?

わたしは、あなたの隣にいるときが、いちばんの自分でいられる。それが理想なんだって、胸を張って言いたいの。

キャバリアらしさって、きっと見た目だけじゃなくて、あなたと一緒にいるときのこころのかたちなんじゃないかな。

血が混ざることは、弱くなることじゃないんじゃないかな。さっき話した異系交配、つまり違う犬種との交配って、血が混ざってしまうと思う人もいるかもしれない。

でもね、混ざることって、弱くなることじゃないの。むしろ、長い目で見たら強くなるってことでもあるのよ。

自然界では、同じ血ばかりが続くと、病気に弱くなったり、環境の変化に対応できなくなったりするの。

だから、ちがう血を取り入れるって、実はとっても自然で、いのちを守るための選択なんだよ。

わたしたちキャバリアも、もっと自由に、もっとしなやかに未来を生きていけるように、見た目の理想にしばられすぎない生き方をしてもいいと思うの。

あなたのお友達の価値は、紙の上には書いてないんだよ。

わたし、血統書って見たことないの。でも、パパやママの手のぬくもり、
ごはんのにおい、リア、今日もがんばったねって言ってくれる声。

それが、わたしの血になってる気がするの。

あなたのお友達も、そうじゃないかな?たとえ血統書がなかったとしても、病気を持っていたとしても、あなただけを見て、しっぽをふってるその姿に、ほんとうの価値が詰まってると思うの。

あなたが選ぶ未来が、わたしたちを変えると思うんだ。

今、キャバリアという名前がついたわたしたちは、過去の繁殖の結果として、たくさんの課題を抱えてる。

でも、それを変えていけるのは、あなたなの。これからお友達を迎える人、今そばにいるお友達と暮らしてる人、ひとりひとりの選択が、わたしたちの未来をほんとうに変えていくんだ。

見た目の可愛さにまどわされず、いのちの質を大切にすること。

純血かどうかじゃなくて、一緒にいられる時間をどう過ごせるかを大切にすること。

それが、わたしたちキャバリアの未来を、もっとやさしく、あたたかくしてくれるって、わたしは信じてるの。

そして、次にお話ししたいのは、じゃあ、あなたにできることって何だと思う?っていうこと。

ここまで聞いてくれたあなたに、わたしが心からお願いしたいことがあるの。それは、あなた自身が小さな一歩を踏み出すこと。そのお話を、次にさせてね。

これからできることってなんだろう

ここまで、わたしの話を聞いてくれてありがとう。あなたの心の中には、いろんな想いが生まれたんじゃないかな。

驚いたこと、ちょっと悲しくなったこと、そして、なによりじゃあ自分には何ができるのかな?って、そんな気持ちが芽生えてくれたなら、わたしは、それだけでとってもうれしいの。

わたしたちキャバリアがこれからも、元気に、あなたと一緒に笑って過ごすために、今日からできる一歩を、リアと一緒に考えてみてほしいな。

まず、新しいお友達を迎えるとき、まず知っていてほしいことについて考えてみるね。

あなたがもし、これから新しいお友達を迎えようと思っているなら、ちょっとだけ立ち止まって、考えてみてほしいの。

「どこから、どんな風に生まれてきた子なのか」
「その子のパパやママは、どんな健康状態だったのか」
「どんな環境で育てられてきたのか」

こういうことって、見た目や血統よりずっと大事だと思う。

わたしたちキャバリアは、遺伝的にいろんな病気を持ちやすいって話、覚えてるよね?だからこそ、親犬に健康チェックをしているブリーダーさんや、犬の幸せを第一に考えてくれる人たちから迎えてほしいの。

  • 心臓の検査を定期的にしているか?
  • 神経や目の病気に注意しているか?
  • 必要な情報を正直に話してくれるか?

そんなことをきちんと確認して、納得できる出会いをしてほしいって思うの。血統書よりも、健康情報を大切にしてほしいんだ。

血統書って、たしかに安心感があるかもしれない。でも、それだけじゃお友達の健康は守れないの。

それよりも、この子のお父さんやお母さんは何歳まで元気だった?とか、どんな病気が家系にあった?とか、健康診断は受けていた?とかいったそんな情報こそが、未来への道しるべになるの。

それをきちんと開示してくれるブリーダーさんや施設が、あなたの味方になってくれると思うんだよ。

そして、わたしたちの健康を願う選択が、やがて新しいスタンダードになっていくって、そんな日が、きっとくると信じてるの。

そう考えるとね、保護犬やミックス犬も、幸せのかたちのひとつなんじゃないかな。

もし、あなたが見た目にこだわらないのなら、保護犬やミックス犬を迎えることも、すてきな選択だと思うの。

いろんな理由で家族を失ってしまったお友達たちがいるんだ。その子たちにも、愛される未来があるといいなって、わたしは思ってるの。

キャバリアのような性格の子もたくさんいるし、もしかしたら、あなたとぴったり合う運命の出会いが待っているかもしれない。

キャバリアらしさって、見た目だけじゃないって話、したよね?一緒に過ごす中で、心の中に宿るものなんだって、あなたならきっと気づいてくれると思うの。

そしてね、今あなたのそばにいるお友達の健康を守ることも、未来をつくることだと思う。

あなたのお友達の健康を守ること。それは、未来のキャバリアたちのためにもなるんじゃないかな。

  • 定期的な健康診断を受けること
  • 心臓の音をちゃんと聞いてもらうこと
  • ちょっとした変化を見逃さないこと
  • いつもとちがう歩き方、鳴き方に気づくこと

これらは、あなたにしかできない魔法みたいなものでね、毎日そばにいるあなただからこそ、気づけることがあるんだよ。

そして、もしその子が病気になったとき、その経験や情報が、また誰かの命を救うヒントになるかもしれない。

そう考えると、あなたのやさしい選択が、わたしたちの未来を照らすと思うんだ。

この私の話を聞いてくれてるあなたは、きっと、すごくやさしい人。

もしかしたら、知らなかったことが多かったなって思ったかもしれない。でも、知ることって、とても大きな一歩なんじゃないかな。そして、知ったあなたには、きっとできることがある。

  • 健康を大切にしているブリーダーさんを選ぶこと
  • 異系交配や保護活動を理解して、応援すること
  • まわりの人に、ちょっとだけ話してみること

どんなに小さな一歩でも、それが未来につながってるの。わたしたちキャバリアが、もっと元気に生きていけるような未来にね。あなたの選択が、わたしたちの明日を変えるのよ。

おわりに

ここまで、わたしの話をちゃんと聞いてくれて、本当にありがとう。

わたしは今、15歳。お薬を飲みながらだけど、まだ毎日ごはんはおいしいし、パパの腕の中で寝るのがだいすき。

でも、からだの中では、心臓が少しずつがんばれなくなってきてるの。病院の先生が優しくしてくれるけど、やっぱり、時々、胸がぎゅーって苦しくなることもあるんだ。

それでもね、わたしは後悔してないの。だって、こんなにも大切にされて、毎日リア、大好きだよって言ってもらえて、とってもしあわせだから。

だけど、ひとつだけ、あなたにお願いしたいことがあるの。

これから生まれてくるわたしたちのお友達が、少しでも病気で苦しまないように、少しでも長く、大好きな人のそばで生きられるように、あなたのやさしい気持ちを、未来に向けて使ってほしいの。

純血じゃなきゃって思い込まなくていい。見た目が理想通りじゃないと、なんて思わなくていい。

いちばん大事なのは、その子がどれだけあなたのことを見つめて、あなたと過ごす毎日を、どれだけ大切にできるかってこと。

そして、あなたがその子に、どれだけいてくれてありがとうって伝えられるかってこと。

あなたのそばにいるお友達も、これから出会うお友達も、みんな、そうやってしあわせのかたちを探してると思うんだ。

だから、どうか、お願い。

今日の話を、あなたの中に、小さな灯のように、とっておいてほしいの。

そしていつか、リアの話、聞いててよかったなって思ってくれたら、それだけで、わたしはとってもしあわせ。

これからも、あなたと、あなたのお友達が、笑って過ごせますように。心からの願いをこめて。

リアより

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