こんにちは、キャバリアのリアだよ。
もう15歳になるシニア犬だけど、まだまだ毎日を楽しく過ごしてるの。あなたのお友達も元気にしてるかな?
今日は、どうしてもあなたに伝えておきたいことがあるの。それはね、ブドウは絶対に食べちゃだめっていう、とっても大事なお話。
ブドウってさ、人間にとっては甘くて美味しいおやつでしょ?見た目もかわいいし、ちょっと冷やしたり、レーズンにしてパンに入れたり、色んな楽しみ方があるみたい。
私もね、パパが食べてるのを見て、ちょっとだけちょうだいっておねだりしたくなっちゃったことがあるの。甘い匂いに誘われちゃうんだよね。
でも、その一粒が、私たちの命を危険にさらすことになるなんて、正直、私も最初は信じられなかった。なんでこんなに小さくて美味しそうな果物が、そんな恐ろしいものだって言われるのか、不思議だった。
でもね、私のお友達の中には、ほんの少しブドウを食べてしまっただけで、体調を崩して大変な思いをした子がいるの。中には、もう二度と会えなくなってしまった子だっているの。
だから私は、あなたに伝えたいの。お願い、ブドウだけはやめてねって。
これはあなたを責める話じゃないよ。だって、あなたが悪いわけじゃないもん。誰もが知らなかったり、大丈夫かもって思っちゃうことだってあるよね。
でも、今日このお話を聞いてくれることで、あなたはお友達を守れるヒーローになれるんだ。
これからね、ブドウがどうして危ないのか、どんな風に私たちの体に影響があるのか、そして、もしもの時にどうすればいいのかを、私が全部お話しするね。
ちょっと長くなるかもしれないけど、大切な命のお話だから、どうか最後まで聞いてほしいの。それじゃあ、はじめようか。
ブドウにひそむ大きな危険

あなたはブドウって好き? 甘くてジューシーで、見た目もかわいいし、おやつにもぴったりだよね。あなたのお友達も、きっと興味津々で見つめてるんじゃないかな。私もそうだったからよく分かるの。
でもね、私たちにとってブドウは、おいしい果物じゃなくて、命を奪うかもしれない毒なんだよ。
これ、本当に冗談じゃないの。私の周りでも、ブドウくらいなら平気だろうと思っていたお友達が体調を崩してしまって、大きな病院に運ばれたことがあるの。
中には助からなかった子もいて、そのたびに胸がぎゅっと苦しくなるんだ。だから私は、お願い、ブドウだけはやめてねって、何度でも伝えたくなるの。
ブドウが原因で起こる中毒
あなたのお友達がブドウを食べてしまうと、体の中で急に具合が悪くなっちゃうことがあるの。嘔吐したり、お腹をこわしたり、ごはんを食べなくなったり、元気がなくなったり。
でもそれだけじゃなくてね、私たちの体の中でもっと深刻なことが起きていて、それが腎臓の機能が急に止まってしまう急性腎不全っていう状態になっちゃうらしいんだ。
腎臓って、私たちの体の中でおしっこをつくって、いらないものを体の外に出してくれる大事な臓器なんだよ。それが壊れちゃうと、体の中に毒がどんどん溜まっていって、命の危険につながるの。
実際に、たった数粒のブドウやレーズンで命を落としてしまった私のお友達もいるの。とっても怖いことだよね。
ブドウだけじゃなく危ないのはブドウ由来のもの全部
ブドウそのものだけじゃなくて、レーズン、カラント、サルタナと呼ばれる干しブドウの仲間たちも、私たちには毒になるの。他にもあってね、たとえば
- レーズンパン
- ミックスドライフルーツ
- グラノーラ
- フルーツケーキ
- サラダのトッピング
- ワイン煮料理
- ブドウジャムやジュース
こういうものにも注意が必要なの。加熱したり、調理されたからといって、毒性がなくなるわけじゃないんだよ。
だから、これはレーズン入りだけど焼いてあるから大丈夫だよね?って思わないでほしいの。
あなたのお友達がテーブルの上に置いてあったパンをパクッて食べちゃうこと、あるでしょ? その中にレーズンが入っていたら、それだけで病院に行かなきゃいけなくなるかもしれないんだよ。
一粒ぐらい平気って思ってない?
中毒って聞くと、大量に食べたときの話でしょ?って思うかもしれないね。でもね、それは大きな間違いなの。
私が聞いた話では、体重1キロあたりたった19グラムの生ブドウでも中毒になったお友達がいるの。レーズンならもっと少なくて数グラム程度で重症化したケースもあるって。
私たちって、体が小さいからほんの少しの量でも体にすごく影響が出ちゃうの。しかもね、お友達によって反応が全然違うんだ。だから、同じ量を食べても、なんともない子もいれば、命を落とす子もいるんだよ。
うちの子は大丈夫だったからって思っていると、それはすごく危険なこと。次に同じことが起きたとき、同じように無事でいられるとは限らないからね。
こんなにも危険なのに、なぜ?がわからない
もっと怖いのはね、ブドウがなぜ私たちにとって毒なのか、実はまだ分かっていないってことなの。研究者さんたちが一生懸命調べてくれているんだけど、いまだにはっきりした原因は特定されていないんだって。
酒石酸(しゃくせきさん)っていう成分が関係してるんじゃないかっていう説が今は有力なんだけど、はっきりとは言い切れないの。
カビや農薬のせいかもしれないって話もあったし、加工の過程で毒性が強まる可能性も考えられているの。
でもね、何が本当の原因かが分からないからこそ、絶対に安全な量がわからないんだ。だから私たちにとっては、1粒でも、絶対に食べちゃいけないものとして考えてほしいんだ。
あなたが、ブドウを与えない、ブドウのある場所に近づけないって気をつけてくれるだけで、私たちは危険から守られるんだよ。私たちは自分で選べないから、あなたが選んで、守ってくれることが必要なの。
次は、私たちがブドウを食べてしまったとき、体の中でどんなことが起きるのか、実際の症状についてお話しするね。
その変化はすごく早くて、時にはあなたが気づいた時にはもう手遅れ、なんてこともあるの。だから、次の話も必ず聞いてほしいな。
ブドウを食べたら、犬の体の中で何が起きるの?

さっきのお話で、ブドウは危ないってことは分かってもらえたよね。でもね、あなたのお友達がもしブドウを食べてしまったら、どんな風に体の中で変化が起きるのか、それをちゃんと知っておいてほしいの。
なぜならね、その変化はすごく早くて、しかも静かに進んでいくの。最初はちょっと具合が悪いだけに見えるかもしれない。
でもその裏では、命に関わるような深刻なトラブルが、私たちの体の中で起きていることがあるのよ。
今回は、私が見てきたこと、聞いたこと、体験したことを全部使って、ブドウ中毒のしくみをできるだけ分かりやすくお話しするね。
最初に起こるのは胃腸のトラブル
ブドウを食べた私たちは、早ければ食べてから1時間〜数時間以内に体調の変化が出てくるの。例えば、こんな症状。
- 嘔吐(とつぜん何度も吐いてしまう)
- 下痢(いつもと違う、ニオイのきついお腹のトラブル)
- よだれを大量に垂らす
- 口をくちゃくちゃさせる
- なんとなく落ち着きがない
- ごはんを急に食べなくなる
- 呼んでも反応が鈍い
- 動こうとしなくなる
あなたから見ると、ちょっと体調悪いのかな?くらいに見えるかもしれないね。でも、実はこのとき、私たちの体の中では腎臓への大きなダメージが始まっているの。
次にくるのは腎臓の悲鳴
腎臓って、私たちの体のお掃除屋さんみたいな存在。おしっこをつくって、体の中のいらないものや毒素を出してくれる、大事な臓器なんだよ。
でも、ブドウに含まれている原因不明の毒が腎臓に入ってくると、その腎臓がうまく働かなくなっちゃうの。医学的には急性腎不全(きゅうせいじんふぜん)って呼ばれる状態でね、
- おしっこの量が急に減る、またはまったく出なくなる
- 体の中に毒素がどんどん溜まっていく
- 呼吸が早くなる
- ぐったりして動けなくなる
- 心拍が速くなる、または遅くなる
- ひきつけ(けいれん)を起こすこともある
こんな風に、体の中の機能がひとつひとつ止まっていくんだ。私のお友達の中には、最初はちょっと吐いただけだったのに、翌朝には歩けなくなってしまっていた子もいるの。
おしっこが出ていないことに気づいて病院へ行ったけど、もう腎臓がほとんど機能していなかったんだって。
急性腎不全のしくみ
ちょっとだけ難しい話になるけど、分かりやすく説明してみるね。
私たちの腎臓には、尿細管(にょうさいかん)っていう小さな管がいっぱい詰まってるの。その中を血液が通って、おしっこが作られるんだけど、ブドウの中の毒はこの尿細管を直接壊してしまうって言われているの。
つまり、お掃除屋さんのホースが壊れちゃって、おしっこをつくることができなくなるの。
そして、毒素や老廃物がどんどん体にたまっていって、体全体が汚れていく状態になるのよ。
この状態が続くと、心臓にも負担がかかって、呼吸が苦しくなったり、最終的には意識を失ったりしてしまうの。腎臓って一度壊れると、元には戻らないことも多いから、本当に本当に怖いのよ。
症状が出ないまま進行することもあるの
もっと怖いのは、目立った症状が出ないまま、腎臓の中ではどんどん壊れていくケースがあるってことなの。
ちょっと吐いただけだし、もう元気そうだから大丈夫かなって思っても、実はその裏で腎臓が悲鳴をあげてるかもしれないの。だから、あなたが様子を見ようって思っても、それが命取りになることがあるのよ。
私たちって、自分の体調の変化を言葉で伝えられないでしょ?だからこそ、あなたがいつもと違うなって感じたらすぐに行動してほしいんだ。
大切な命を守るために覚えておいてほしいこと
ここで、犬がブドウを食べてしまったとき、どうなるのかっていうポイントとしてあなたに大切なことをお伝えするね。
- 嘔吐、下痢、ぐったり、食欲不振はブドウ中毒の初期サイン
- おしっこが出ないのは急性腎不全の重要な兆候
- 無症状でも腎臓は壊れている可能性がある
- 時間がたてばたつほど、治療は難しくなる
- 「様子を見る」は絶対にしないで!
あなたのお友達が、ブドウを食べたかもと思ったら、それだけでもう病院に行く理由になるの。
たとえ何の症状も出てなくても、今できる最善のことは、早めに病院で診てもらうこと。それだけで、お友達の命が守れるかもしれないんだよ。
このお話を聞いて、ブドウがどう体に悪いのかが少しは伝わったかな?私たちにとっては、ただの果物じゃなくて、体を壊す見えない毒のような存在なの。
次はね、そもそも、なんでブドウがこんなに危ないの?っていう、もっと深い話をするよ。
ブドウの中のどんな成分が、私たちの体に悪さをするのか。それはまだ分かっていないことも多いけれど、最近の研究で分かってきたこともあるの。一緒に、もう少しこのブドウの謎をのぞいてみようね。
実はよく分かっていないブドウ中毒の原因

ここまでのお話で、ブドウを食べると私たちの体にとってとても危険だということは伝わったと思うの。でもね、私がこの話を聞いたときに最初に感じた疑問があるの。
どうしてそんなに危険なのに、何が原因か分からないの?
これって、あなたも思わない?だって、他の中毒みたいに、この成分が毒ですってはっきり分かっているなら、もっと対策も立てやすいはず。
でもブドウに関しては、いまだに正体が分からない謎の毒って言われているの。
今回は、私たちがブドウを食べるとどうしてあんなに体に悪いのか、いくつかの説や研究結果を一緒に見ていこうね。
はじめに知っておいてほしいこと
まずね、研究者さんたちはずっと何がブドウを毒にしてるのかを調べてくれてるの。でも、いまだにこれだと確定できる原因物質は見つかっていないんだよ。
それでもいくつかの有力な説があって、その中から、これかもしれないっていう候補がいくつか浮かび上がっているの。私が聞いた限りでは、次の4つがよく知られているみたい。
有力説①:酒石酸(しゃくせきさん)説
この話、最近とくによく聞くの。酒石酸っていう名前、あなたは知ってた?
酒石酸っていうのは、ブドウの中に自然に含まれている成分で、ブドウを発酵させるとワインに入ってくることもあるのよ。
人間にとってはそんなに害のあるものじゃないみたいだけど、私たちの体にはすごく強く反応してしまうことがあるの。
研究では、この酒石酸が私たちの腎臓にある尿細管細胞にダメージを与えるんじゃないかって言われていて、それが急性腎不全の原因になっている可能性があるんだって。
最近、酒石酸の含まれているクリームオブタルタル(ベーキングパウダーに入ってる成分)を食べたお友達がブドウ中毒と同じような症状を起こしたっていう報告もあって、かなり注目されている説なんだって。
でもね、全てのブドウ中毒が酒石酸で説明できるわけじゃないの。たとえば同じ量のブドウを食べても大丈夫な子と危ない子がいることとか、酒石酸の含有量と中毒の重症度がはっきり一致しないこともあるんだって。
有力説②:ミコトキシン(カビ毒)説
これは少し前に注目されていた説なの。ブドウが収穫されたあとや、レーズンに加工される過程で、カビが生えて、そのカビが作る毒(ミコトキシン)が原因なんじゃないかっていう考え方。
確かに、人間でもカビ毒は体に悪い影響を与えるって言われているから、この説も信じられそうでしょ?でも、実際にはブドウ中毒を起こした食品から明確にミコトキシンが検出されたケースは少ないみたい。
それに、新鮮な生のブドウを食べただけでも中毒になったケースもあるから、カビ毒がすべての原因とは言えないと考えられているんだよ。
有力説③:農薬・化学物質説
これはね、ブドウの皮に残っている農薬や防カビ剤、または収穫後に保存のために使われる薬品が、私たちにとって毒になってるんじゃないかっていう説。
確かに、農薬は人間でも過剰に摂取すれば体に悪いし、私たちは体が小さいから、その影響を強く受けるかもしれないよね。
でもこの説にも問題があって、オーガニック(無農薬)栽培のブドウでも中毒が起きていることがあるの。つまり、農薬だけが原因とは言い切れないってことなんだ。
有力説④:犬の体質や個体差によるもの
私たちの中には、同じものを食べても平気な子と、すぐ具合が悪くなっちゃう子がいるのも事実。だから、ブドウそのものが毒というよりも、それを処理できるかどうかは犬によって違うっていう考え方もあるんだよ。
たとえば、
- 年齢(シニア犬の方が弱い)
- 元から腎臓が弱っていた
- 肝臓の解毒機能に個体差があった
- 種類や体重、遺伝的な体質の違い
こういういろんな要素が重なって、ある子は大丈夫でも、ある子は中毒になるっていうことがあるんじゃないか、って考えられているの。
この説はね、私としてはすごくリアルに感じるんだ。だって私たち、みんな同じように見えて、実は全然違うから。性格も違えば、体質も違うよね。
だからこそ、うちの子は前に食べても平気だったから大丈夫は一番危ない考え方だと思うの。
原因が分からないからこそ、絶対にブドウを避けてほしい
ここまで話してきた中で、何が一番怖いかっていうと、原因が分からないのに、命を落とす可能性があるってこと。
このブドウの毒はね、本当に珍しいケースなの。だって、普通はこの成分が毒です、とか、加熱すれば無害になります、とか、そういう対策があるよね?
でもブドウは、それがまったく分からない状態で、しかも命に関わることでしょ。
あなたが知識を持っていても、私たちの体がどう反応するかは誰にも分からないの。だから、私たちを守る方法はひとつだけ。
一粒たりとも与えないこと。そして、決して食べさせないこと。
次は、どれくらい食べたら危ないのか?というとっても気になる話をするよ。
あなたがついこれくらいなら大丈夫かな?って思ってしまいそうな、そのラインがどれだけ危険なのか。実際のデータや症例をもとに、しっかりお話ししていくね。
犬にとってブドウはどれくらい食べると危ないの?

あなたはもしかすると、こう思ってるかもしれないね。
「でも、たった一粒で本当にそんなに危ないの?」
「前にちょっとだけあげたことあるけど、何ともなかったよ?」
その気持ち、とっても分かるよ。私もね、まだブドウのことをよく知らなかったころ、パパがちょっと落としたブドウを拾って食べたことがあるの。でも運が良かっただけだったのよ。
今思えばゾッとするんだ。本当にあの時、何も起きなかったのは奇跡だったのかもしれない。
今回は、どれくらいで危ないのかというとっても大切なお話をするね。そして、私たちの中でどうして中毒が起きる量に差があるのかも一緒に見ていこう。
中毒が起きた実際の量のデータ
私が調べた中ではね、世界中の獣医さんたちが、これくらいで中毒が起きました、という報告をたくさん出してくれているの。その中でもよく言われているのが、
- 生のブドウで体重1キロあたり約20グラム〜150グラム
- レーズンでは体重1キロあたり約2.8グラム〜28グラム
という量なの。ね、思ったよりも少ないでしょ?
たとえば、体重5キロのお友達なら、生のブドウ5粒〜20粒くらいで危険になる可能性があるってこと。レーズンだったら、たった10粒前後で命の危険が出るかもしれないの。
それにね、私が読んだ報告の中には、2〜3粒で急性腎不全を起こしたっていうケースもあったの。反対に、30粒以上食べたのに無症状だったって子もいるらしくて、本当にバラバラなのよ。
個体差がとても大きいブドウ中毒
ブドウ中毒で一番やっかいなのがね、この量を超えたら絶対に危ないという明確なラインが存在しないってことなの。それはね、私たちの体がみんな違うから。
- 体重の違い(小型犬ほど少量で影響が出やすい)
- 年齢(シニアや子犬は代謝が弱く、中毒が重くなりやすい)
- 腎臓や肝臓の状態(もともと病気がある場合はリスクが高い)
- 犬種や遺伝的な体質(研究ではキャバリアのような小型犬は特に注意って言われてる)
- その時の体調(疲れてるときやストレスがあるときは中毒に弱くなることも)
私たちって、同じキャバリアでもまったく違うのよ。私とあなたのお友達では、きっと感じ方も体の反応も違うよね?それと同じように、大丈夫だった子と重症になった子は、同じ量を食べても結果が違ってくるんだよ。
一度大丈夫だったから平気、は一番危険
これ、本当に多いの。前に少し食べたけど元気だったから、今回も大丈夫かなって思いましたっていう声。
でもね、それはすごく危ない考え方だと思うんだ。だって、前は運が良かっただけかもしれないし、体調が良かったから耐えられただけかもしれないじゃない。
実際に、前回は平気だったのに、今回少量で中毒症状が出たっていう例はたくさんあるのよ。もしかすると、前回ダメージを受けた腎臓が、今回はもう我慢できなかったのかもしれないんだよね。
人にとってのフグ毒と同じかもしれない。人もフグの毒のある部分を食べて大丈夫な人とそうでない人、前は大丈夫だけど今回は毒に当たった人っているよね。
あなたが、うちの子は強いからと思っても、体の中のことは外からは見えないの。だから私は、一粒でも食べてしまったら、すぐに病院へ行ってねって伝えたいんだ。
じゃあ、どれくらいなら安全なの?
この質問、よくあるんだけど、答えはね、安全な量は存在しない、ということなの。
人間だったら、1日○グラムまでならOK、みたいなガイドラインがあるでしょ?でも私たちのブドウの場合は、それがないの。さっきも話したように、個体差が大きすぎて、科学的にも定義できないって言われているの。
だから、これは少量だから大丈夫という考え自体が、危険なのよ。
小型犬とシニア犬は特に注意
これはあなたのお友達が小さい子だったり、年をとった子だったら絶対に知っておいてほしいの。
- 小型犬は体重が軽いから、ほんの1粒でも体に与える影響が大きい
- シニア犬は腎臓の働きが年齢とともに弱くなっていることがある
- 心臓や他の持病を抱えている場合、中毒症状のリスクがさらに高くなる
あなたのお友達が、まさにそういう状態だったら、ちょっとだけのつもりが、とても危険な選択になるかもしれないんだよ。だから、絶対に食べさせない、っていう選択をしてほしいんだ。
ブドウの毒性について、いろんな説やデータが出ていても、私たちにできることはただ一つ。それは、
ブドウを一粒も与えないことであって、あなたのそばにあるブドウを、私たちから遠ざけることだと思うんだ。
それだけで、私たちは安心して暮らせるの。だってね、私たちは自分で選べないから。
目の前にあったら、匂いにつられて食べちゃうかもしれないでしょ?だから、あなたが食べない環境を作ってくれることが、とっても大切なの。
次は、もしあなたのお友達がブドウを食べてしまったとき、あなたがすぐに取るべき行動についてお話しするね。
一分一秒が大事になる場面で、落ち着いて判断するために、今のうちに知っておいてほしいことばかりだよ。
もしも犬がブドウを食べてしまったの時の対処法

ねぇ、もしも、あなたのお友達がブドウを食べてしまったとき、どうする?
ちょっと落ち込んだ顔で、うっかり食べさせてしまった、目を離したすきに拾い食いしたって話、私は何度も聞いてきたの。でも、そのとき一番大事なのは、落ち込むことじゃなくて、すぐに行動することなのよ。
今回はね、ブドウを食べちゃったかも!と思ったときに、あなたがどうすればいいかを、わかりやすくお話しするね。これを知っているだけで、あなたのお友達の命が守られるかもしれないからとても大切だと思うの。
まずすること:すぐに病院に連絡!
私たちがブドウを食べた場合、時間との勝負なの。だから、
- いつ食べたか
- どのくらいの量か
- 生か干しブドウか
- お友達の体重
- そのときの様子(元気があるか、吐いたか)
この情報をまとめて、できるだけ早く動物病院に連絡してほしいの。たとえ夜でも、近くに夜間救急の病院があるなら、そこに連絡を取ってみてはどうかな。迷っている時間が命取りになることもあるからね。
動物病院でしてもらえること
病院では、私たちがブドウを食べたと分かれば、すぐにいくつかの処置をしてくれるんだ。内容はお友達の状態や食べた時間によって変わるけど、大体こんなことをしてもらえるのよ。
催吐(さいと)処置は食べてから2時間以内が勝負!
食べてすぐなら、お友達に吐かせる処置をすることが多いの。これは、催吐処置って言って、飲み込んでしまったブドウをできるだけ外に出すための方法。
時間が経つほど胃から腸に移動して吸収されちゃうから、早ければ早いほど効果的なんだって。迷っているうちに2時間以上経ってしまったっていう話、よくあるけど、そうなる前に行動してほしいな。
活性炭の投与で毒を吸着して吸収を防ぐ
ブドウが体に吸収される前に、活性炭という黒い薬を飲ませてもらうことがあるの。これは、体の中に入ってきた毒を吸着して、便と一緒に出してくれるお薬。
味はおいしくないけど、私たちの命を守ってくれるヒーローみたいな存在なのよ。
輸液(点滴)治療は腎臓を守るための最重要ステップ
もしもブドウが吸収されてしまった後なら、私たちの腎臓に負担がかからないように、点滴治療を始めることになるの。点滴で水分をたっぷり補給することで、
- 毒素を早く体の外に出す
- 腎臓のろ過機能を助ける
- 尿をしっかり出すように促す
といった働きがあるの。これがね、48時間以内に始められるかどうかが、命の分かれ道になるって言われているんだ。
血液検査と尿検査で目に見えない危険を見つける
ブドウを食べたあと、見た目は元気でも、体の中で何かが起きてるかもしれない。だから、血液と尿の検査をして、腎臓がちゃんと働いているかどうかを確認してくれるの。具体的には、
- 血中尿素窒素(BUN)
- クレアチニン
- カリウム、リンなどの電解質バランス
こういった項目を見ながら、お友達の体の中で何が起きているかをチェックするんだよ。
利尿剤や対症療法で進行を止めるためのケア
おしっこが出ない状態が続くと、私たちの体はどんどん毒に侵されていくの。だから、病院では利尿剤を使っておしっこを出させたり、吐き気止めや整腸剤、電解質の調整をしてくれたりするのよ。
透析が必要になることもある
これは本当に重症のときだけど、腎臓が完全に機能を止めてしまったら、人工的に血液をろ過する透析をしないといけなくなることもあるの。
でも、透析ができる施設は限られていて、費用も時間もかかる。だからこそ、そうなる前に対応することが一番大事なんだよね。
家でできることはすぐに病院に行くことだけ
あなたが家でできることって、実はあまりないの。ネットに吐かせる方法とか書いてあったりするけど、絶対に自己判断でやらないでね。吐かせ方を間違えると、
- 気道に入って窒息する
- 胃が傷つく
- 吐かせられなかったうえに時間だけ過ぎる
みたいに、かえって危険なことになるの。だから、何かしてあげたいと思ったら、すぐに病院へ連れて行くことが、命を救うために一番安全に近道なの。
覚えておいてほしいんだけど、たとえ食べても元気でも中毒は進んでるかもしれないんだ。
これが一番よくあるパターン。食べた後すぐに吐いたし、今は元気そうだから大丈夫だと思ったとか、次の日もごはん食べてたし、様子見しようと思ってたってね。
でもね、過去の事例から見てわかるように、症状が出るのが数時間〜2日後ってこともあるんだ。つまり、今元気だから大丈夫は根拠にならないのよ。
大切なのはね、食べたのがブドウかもしれない、食べた量が分からない、中毒になるかどうか分からないって、この不安がある時点で、あなたが行動してくれること。
その行動こそが、私たちにとっての命を守る一歩なの。
次は、こういった事故が起こらないように、あなたが日常でできる予防の工夫についてお話しするね。あなたのちょっとした気配りが、私たちの命を救ってくれるんだよ。
ブドウ中毒の予防と家庭での工夫

ここまでお話を聞いてくれて、本当にありがとう。ブドウが私たちにとってどれほど危険か、きっとしっかり伝わったと思うの。
でもね、これだけ怖いものでも、あなたのちょっとした気配りや行動だけで、私たちは守られるんだ。だから今度は、あなたが普段からできる予防の工夫をいくつかお話しさせてね。
これは特別なことじゃなくてね、日々の暮らしの中で、少しだけ意識してくれるだけで十分なのよ。
● 台所や食卓にブドウを置かない工夫
私たちって、匂いにとっても敏感でしょ?だから、キッチンやダイニングテーブルに置いてあるブドウの匂いがしたら、ついつい気になって近づいちゃうの。
あなたのお友達がテーブルの下でスタンバイしてるなんて、よくある風景だよね?でもそこに、ブドウ入りのパンやサラダがあってそれがうっかりポロッと落ちたら、それが命取りになることもあるの。だから、
- 食卓にブドウやレーズンを置きっぱなしにしない
- テーブルの下に落ちた食べ物はすぐに拾う
- 食後の片づけを徹底する
- ゴミ箱はふた付きのものにする(中の残り物にも注意)
こういう日々の工夫だけで、リスクはぐんと減らせるのよ。
● ブドウ入り食品に敏感になってほしい
実はブドウって、見た目で分からないところに潜んでることが多いんだ。たとえば、こんな食品にはレーズンやブドウの加工品が使われてることがあるんだよ。
- レーズンパンやシナモンロール
- フルーツグラノーラ
- ドライフルーツ入りのクッキーやケーキ
- ブドウジャム
- ブドウソースの肉料理
- サラダに混ざったレーズン
- ワインで煮込んだ料理やソース
これらを調理・食事中にうっかり落としてしまったり、お友達がペロッと舐めてしまったりすると、それだけで危険になるの。
これにはブドウが入ってるかも?と、少しだけ敏感になってくれるだけで、私たちにとってはとても安心なんだよね。
● 子どもや来客ともルールを共有
家族の中でも、特に小さなお子さんは、つい犬に、はい、あーんってしてしまうことがあるよね。その優しさが、お友達の命を危険にさらしてしまうかもしれない、なんて、きっと誰も思ってないよね。
だから、犬にはブドウは絶対にあげちゃだめというルールを、家族みんなで共有しておいてほしいの。
また、来客があるときにも、犬に人間の食べ物はあげないでねと伝えてぽいたり、食べ物はテーブルの中央に置くようにしたり、できれば犬を一時的に別室に移動させておくといいと思う。
こういった気遣いがあるだけで、事故の可能性はほとんどゼロに近づくと思うんだ。
● 外出時にも油断しないで
公園やお散歩道にも、私たちにとって危険なものがたくさん落ちてるよね。実際に、落ちていたレーズンパンを拾い食いしてしまった、というケースも聞いたことがあるんだ。だから、お散歩中は
- 地面をクンクンしすぎないようにリードを調整する
- 落ちている食べ物にすぐ気づけるように目を配る
- 外では拾い食い禁止のしつけをしておく
こうしたことが、私たちの命を守る予防の基本になるの。実際のところね、私たちは、自分では守れないの。
私たちはブドウが毒だなんて知らないから、目の前にあったらつい食べてしまうんだ。甘くておいしそうな匂いがすれば、ちょっとだけ味見してみようかな?ってなるんだよね。
だからこそ、あなたが私たちの代わりに判断してくれることが、とても大事なの。
そして何より、あなたのそばにいたいって思ってる私たちを守れるのは、あなただけなんだよね。
最後に、あなたにお願いしたいことがあるんだけどいいかな。ここまで聞いてくれたあなたは、もう知らなかったってことはないと思う。だからこそ、私からのお願いがあるの。
- ブドウやレーズンは絶対に私たちに与えないでね
- 家の中のブドウ由来食品の管理を少しだけ意識してね
- 家族みんなで「ブドウ中毒」について話してみてね
- そして、万が一のときは迷わず病院へ連れて行ってね
あなたがこの4つをしてくれるだけで、どれだけたくさんの命が救われるか分からないの。
私たちはあなたを信じてる。だから、どうかこれからも、私たちのそばでしっかりと見守っていてね。
あなたとずっと一緒にいたいから

ここまで、私の長いお話を聞いてくれてありがとう。
私たちにとって、ブドウがどれほど危ないか。それを知ってくれたあなたの優しさに、私は心から感謝してる。
私たちは、自分では気づけないことがたくさんあるの。危ないものかどうかなんて、見た目だけじゃ分からないし、匂いだけで判断してしまうことだってある。
だからこそ、あなたが気づいてくれること、あなたが守ってくれること、
それがどれほどありがたいことか、言葉では言い尽くせないんだよ。
ブドウを一粒もらえなくても、私たちはがっかりしないよ。それよりも、あなたがそばにいてくれることのほうが、ずっと嬉しいんだ。
おやつを一つもらうより、あなたと一緒にいられる時間のほうが、ずっとずっと幸せなんだから。
これからもね、私たちはあなたと一緒に生きていきたい。あなたの笑う顔が見たいし、一緒にお昼寝したいし、ごはんの時間に目が合っただけで、しっぽがふわって動くあの時間を、これからもずっと感じていたいの。
だから、どうかお願い。ちょっとくらいならとか、たぶん大丈夫とかっていうのは、今日で終わりにしてね。
そして、ブドウだけは、ぜったいに、やめてね。それが、ブドウの毒から私たちを守る一番の方法だから。
リアより
 
  
  
  
  

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