シニア犬って、もうしつけとかコマンドを覚えられないよね?って、もしかして思ってない?
うん、わかるよ。私もね、13歳の春に心臓の病気って診断されてからは、無理しちゃダメ、がんばらなくていいよって、家族のみんなにいっぱい気をつかってもらってたの。
でもね、それってちょっとだけ、さみしかったんだ。
だって、わたしたちだって、本当はもっと一緒に何かしたいの。パパの声にちゃんと応えたいって思ってるし、ママの言葉、わかってるよって伝えたいんだよ。
ただの言葉じゃなくて、毎日をいっしょに歩くためのやさしい合図、それが私たちにとっての命令であり、コマンドなんだと思う。
私はもう15歳。シニアまっさかりで、正直体はゆっくりになったし、階段もひとりじゃ降りられない。でも、だからこそ待っててねとかおやすみみたいな、心にやさしいコマンドがあると、すっごく安心できるの。
コマンドって、命令じゃなくて、信じ合うための言葉だと思う。今日はね、そんな私リアが、今でも毎日大切にしてる暮らしのコマンドについてお話しするね。
シニア犬だって、まだまだ覚えられるんだよ

正直に言うね、私は13歳で心臓の病気がわかってから、まわりのみんながすごく心配してくれるようになったの。お散歩も短くなったし、ソファに飛び乗るのもダメになって、階段もだっこでねって。
うん、ありがたいし、うれしい。でもね、ちょっとだけ、もうなにもできない子みたいに思われてる気がして、さみしい気持ちになることもあったんだ。
でもある日、パパがふと私に言ったの。リア、久しぶりにおすわりしてみる?って。
え? 私に? 今から? って、ちょっとびっくりしちゃった。でもね、パパの声がうれしくて、自然と腰を落としちゃってた。
そしたらそうそう! いい子だね!って、すっごくほめてくれて、いつものおいしいクッキーをくれたの。
そのとき、私思ったの。まだ私、できるんだって。
若いころみたいに素早くは動けないし、たまにパパの声が聞こえにくいこともある。でも、コマンドって、体力じゃなくて気持ちでつながるものなんだよね。
そして、私たちシニア犬にも、できた!って感じるよろこびはちゃんとあるんだよ。
もしかしたら、あなたのお友達も、もうお年寄りになってきたかもしれないね。ちょっと耳が遠くなったり、反応がゆっくりになったりして、もう教えても覚えないかもって思うこともあるかも。
でもね、それってできないんじゃなくて、やり方を変えればできるってことかもしれないよ。たとえば、
- 声のトーンをやさしく低めにしてあげる
- ひとつの言葉を何度も繰り返してあげる
- 成功したときはすぐに、しっかりほめてあげる
こういうちょっとした工夫だけで、私たちは、わかったよ!って心がパァッと明るくなるの。
それにね、私たちは年をとればとるほど、あなたの声が心の支えになるの。だからこそ、パパやママのひとことひとことが、大切なサインになる。
コマンドってね、ただのしつけじゃなくて、気持ちを届ける手紙みたいなものなんだと思う。シニア犬でも、いや、シニア犬だからこそ、その手紙はもっと心に響くんだよ。
私が、待っててねを覚えたのも、そんな風にしてだったの。パパがちょっと出かける前に、玄関で優しく待っててねって言ってくれて、戻ってきたら必ずただいま、よく待ってたねって頭をなでてくれるの。
最初はなにげないやりとりだったけど、今では私、それを聞くと、大丈夫、すぐ帰ってくるって安心できるようになったの。
言葉って、魔法だよね。そしてその魔法は、年を重ねても、心にちゃんと届くんだよ。
老犬の私たちにやさしいコマンドって、こういうこと

私たち、犬ってね、本当に家族のことが大好きで、いつでもいっしょにいたいし、話しかけてもらえるとすごくうれしいの。だけど、年をとってくると、だんだん体が思うように動かなくなったり、気持ちはあっても反応がちょっと遅れちゃったりすることがあるんだ。
そんなときに、なんでできないの?って言われちゃうとね、ちょっと、心がしゅんってしちゃう。
だから、私たちシニア犬にとってのやさしいコマンドって、なにかをさせる言葉じゃなくて、寄り添ってくれる言葉なんだと思うの。
たとえば、おいでって呼ばれるとき。昔は走ってすぐに駆け寄れたけど、今はゆっくりしか歩けないの。でもね、パパはそんな私の歩みにちゃんと合わせて、にこにこ笑いながら待っててくれるんだよ。
その待っててくれるっていう優しさが、コマンドをただの合図じゃなくて、愛のやりとりにしてくれるの。
私はね、おやすみって言葉がすごく好き。だってその言葉を聞くと、自分のベッドに行って、安心して丸くなれるから。心臓がドキドキしてるときも、おやすみって声に包まれると、すぅっと落ち着くの。
そしてもうひとつ、大事なことがあるの。それは、家族みんなが同じ言葉を使ってくれること。
たとえば、パパは、おいで、ママは、カモン、お兄ちゃんは、Come!って、バラバラの言葉で呼んだら、私たち、ちょっと混乱しちゃうんだよね。
あれ? どれが本当の合図? 今なにすればいいの? って、頭の中がぐるぐるしちゃう。
でも、家族みんなが同じ言葉で呼んでくれるようになると、私たちも安心して動けるようになるの。あ、これは大好きなおいでだ!って、ちゃんと理解できるから。
それに、コマンドってね、覚える順番もけっこう大事。いきなり、ふせって言われても、体勢を変えるのって意外としんどいの。だから、まずはおすわりみたいに、負担が少なくて落ち着ける姿勢から始めるといいよ。
そして、見てっていうアイコンタクトのコマンド。これはね、体を動かさなくてもできるから、ちょっと体調が不安定なときでも、パパの目を見つめるだけで、ちゃんとつながってるって感じられるの。
見ては、言葉にしなくてもわかってるよって伝える魔法の時間だよ。
あ、そうそう。この前、私の心臓がちょっとしんどくなって、動物病院に行ったときのこと。待合室でドキドキしてたら、パパがおすわりって言って、そっと私のお尻をなでてくれたの。
そのとき、私はいつものおすわりポーズになって、落ち着いたの。病院の匂いも、知らない音も、ちょっと怖かったけど、コマンドがあったから安心できた。
やさしいコマンドって、私たちにとって安全な場所みたいなもの。いつもどおりの言葉がそこにあるだけで、大丈夫って思えるんだよ。
だから、お願い。お友達がシニアになっても、もう教えられないなんて思わないで。大切なのは、何をさせるかじゃなくて、どんな気持ちで声をかけるかだと思うの。
私たち、あなたたちの声がだいすきだよ。そして、その声のなかにある、やさしさをちゃーんと感じてるからね。
コマンドって、家族のやさしいルール

私たちって、いっしょに暮らしてる家族のことを、本当によく見てるんだよ。朝のパパのくしゃみの音で、あ、今日はちょっと寒いんだなってわかるし、ママの足音でそろそろごはんの準備かな?ってわかっちゃう。
お兄ちゃんがため息ついたら、今日、なんかあったのかな?って心配になっちゃうし、お姉ちゃんが笑ってると、それだけでこっちまで嬉しくなるんだ。
でも、そんなふうに空気で察するのも、だんだんむずかしくなるときがあるの。年をとってくると、耳がちょっと遠くなったり、反応が遅れたりして、いままで感じ取れていたなんとなくの合図がわかりにくくなるんだ。
だからこそ、コマンドっていう言葉のルールが、私たちの生活を安心させてくれるんだと思うの。
たとえば、おしまいっていうコマンド。
これってね、すっごく大切。だって、楽しい遊びの時間も、いつまでも続けると疲れちゃうことがあるし、ごはんのあとも、名残惜しくてもおしまいって言われたら、あ、もう終わりなんだなってちゃんと区切りをつけられるから。
無理に取り上げられるより、ちゃんとおしまいを伝えてくれる方が、私たちは納得できるんだよ。おしまいは、やさしい終わりのサインなの。
それから、見てっていうコマンド。
これはね、ただ目を合わせるだけなんだけど、私たちにはすごくうれしい瞬間なの。だって、パパやママの目を見てると、そこにある気持ちがまっすぐ届くから。
お散歩中に知らない犬とすれ違うとき、ちょっとドキドキすることがあるでしょ?でも見てって言われて、パパの目を見つめてると、大丈夫、怖くないよって安心できるの。
アイコンタクトって、心のリードなんだよ。首輪のリードがなくても、目と目でつながってるだけで、ちゃんと気持ちは届いてる。
そしてね、コマンドって、私たちがどうしていいかわからないときの道しるべになの。
たとえば、インターホンが鳴ったときとか、病院の待合室で他のわんこが吠えてるときとか。私たち、つい不安になってそわそわしちゃうけど、おすわりとか待っててねって言われると、なにをすればいいかがわかるから、気持ちが落ち着くんだ。
それって、家族との間にあるやさしいルールだと思うのよね。
ルールって聞くと、ちょっと窮屈に感じるかもしれないけど私たちにとってのコマンドは、守るための縛りじゃなくて、安心するためのおまじないみたいなものなんだよ。
たとえば、雨の日におやすみって言われてベッドに入るとき、それは今日はお散歩お休みだけど、一緒におうちでのんびりしようねっていう合図になるし、夜寝る前のまたあしたねは、今日も一緒に過ごせてうれしかったよっていう、あったかい気持ちになるの。
家族の中でコマンドがしっかり共有されてると、私たちも混乱しないし、なにより安心できる。知らない場所でも、知らない人の中でも、パパのリア、見ての声があれば、私はどこでも落ち着けるんだ。
それって、すごいことだと思わない?言葉が通じないはずの私たちと、あなたたちが、心でつながることができる方法なんだよ。
だからね、コマンドって、いっしょに生きていくための、家族だけの合図なんだと思う。
今日からできる、シニア犬のためのやさしいコマンド練習

ねえ、ここまで読んでくれてありがとう。きっとあなたも、お友達が年を重ねていくなかで、何をしてあげたらいいのかなって、毎日悩んだり考えたりしてるよね。
でもね、コマンドって、特別なことじゃないんだよ。今日からでもすぐに始められる、心のストレッチみたいな時間なの。
ここでは、私リアが実際にやってる、やさしいコマンド練習のやり方を紹介するね。無理なくて、楽しくて、そしてなにより、あなたとお友達の距離がもっと近くなる方法だよ。
おすわりから始めよう
最初におすすめするのは、おすわりだよ。このコマンドって、わかりやすくて、私たちも体に負担が少ない姿勢だから、安心して覚えられるの。もしかしたら、子犬の時に覚えたコマンドかもしれないね。
私はね、パパがちょっとおやつを手に持って、私の鼻の上から後ろにスーッと動かすのを見て、自然とお尻が地面に落ちちゃったの。そのときおすわりって言って、できたらすぐにいい子だね~ってなでてくれた。
それを何回か繰り返すうちに、おすわりって言われただけで、体が自然と覚えるようになったの。コツはね、ひとつの言葉を毎回同じように、優しくかけること。
あと、できた瞬間をちゃんと見つけて、タイミングよくほめてくれると、私たち、とっても嬉しくなるんだよ。
練習は1日5分、あとはなでなでタイム
練習って聞くと、ちゃんと時間をとらなきゃ!って思うかもしれないけど、全然そんなことないの。むしろ、長くやりすぎると疲れちゃうし、あれ? 楽しくないって思っちゃうこともあるからね。
私がやってるのは、1日5分だけ、パパとのおしゃべりタイムみたいな感じ。おすわりしたら、なでなでして、見てで目を合わせて、おやつをひとかけ。それだけで、1日のなかに心が通じたって感じる時間が生まれるの。
練習のあとは、必ずおしまいって言って、区切りをつけるのも大事。そのあとは、ただ一緒にのんびり過ごすだけでいいの。それが、私たちには何よりのごほうびなんだよ。
声だけじゃなくて、手の合図も使ってみよう
年をとると、耳がちょっと遠くなってくる子もいるよね。私も、最近は音にちょっと鈍くなってきたなって自分で思うときがあるの。
でもね、パパが手で合図してくれるようになってから、すごくわかりやすくなったんだ。
おすわりは手のひらを上に向けて上げる、おいでは胸の前で広げる、みたいに、毎回同じ動きをしてくれると、私たちもあ、この動きはあの言葉だ!ってすぐにピンとくるの。
そして何より、言葉と動きがセットになると、私たちの記憶にも残りやすいんだよ。
できたより、伝わったことを大切に
これはね、私がずっと感じてることなんだけど、コマンドって、正確にできることがゴールじゃないんだよ。
たとえば、ちょっとお尻が浮いちゃってても、おすわりって言われた意味をわかろうとしてる気持ちがあったら、それで十分だと思うの。私たちだって、わかってるよって伝えたい気持ちはちゃんとあるから。
だから、できたかどうかじゃなくて、伝わったかどうかで見てほしいなって思う。その気持ちを大事にしてもらえると、私たち、どんどん安心してチャレンジできるようになるんだよ。
毎日じゃなくても大丈夫。続けることが力になる
最後に大切なのは、あせらないこと。今日はできなくても、明日できるかもしれないし、今週はおやすみして、また来週からでもいいの。
私もね、雨の日とか、ちょっと心臓がしんどい日には、練習しない日もあるよ。でも、忘れてなんかないんだよ。また声をかけてもらえれば、ちゃんと思い出すの。
それってきっと、信じてくれてるって感じるからだと思う。
あなたとお友達だけの、やさしいコマンド。それが毎日のなかにあるだけで、きっと暮らしはもっとあたたかくなるよ。
あなたがくれるおいでとか、おやすみとか、またあしたねの言葉が、私たちにとっては、世界でいちばん安心できるメッセージなんだからね。
コマンドって、命令じゃなくて、気持ちをつなぐやさしい橋みたいなもの。おばあちゃんになった私でも、いや、だからこそ、そんな橋がとっても大切なんだ。
これからも、毎日をあなたといっしょに歩いていけるように、私は今日も、見てってあなたの目を見つめながら、ゆっくりしっかり、がんばっていくね。
リアより


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