最近言うこと聞いてくれない。シニア犬がコマンドに反応しにくくなる理由とその対策

シニア犬の日常

こんにちは。リアだよ。

ねぇ、あなたのお友達は、最近ちゃんとあなたの声に反応してくれてる?

私はね、15歳になるキャバリアのリア。心臓にちょっと不安があるけど、毎日お薬を飲みながら、パパと一緒にのんびり過ごしてるの。

でもね、最近ちょっと困ったことがあるの。パパがリア、おすわりって言ったとき、私がすぐに反応しなかったもんだから、あれ?最近リア、言うこと聞かなくなったなぁなんて呟いてたのよ。

うーん、言うこと、聞きたくないわけじゃないの。ちゃんと聞いてるし、分かってるし、反抗してるつもりなんて、全然ないのよ。ただね、若い頃みたいにはいかないだけ。

耳がちょっと遠くなったり、関節がこわばって動きづらかったり、わかってるんだけど!っていう瞬間が、どうしても増えてきちゃったの。

もしかしたら、あなたのお友達も、今までできていたことがうまくできなくなったり、呼んでもこっちを見てくれなかったりすること、あるかもしれない。

そんなとき、わがままになったのかな?、甘えで聞かないのかな?って思うこと、あるよね。うん、わかる。私のパパもそう思ってたみたいだから。

でもね、それって、年を重ねたからこその“変化”かもしれないんだよ。体も心も、ちょっとずつ変わっていく。それは自然なことで、決してわがままとか困ったちゃんってことじゃないの。

だから今日は、シニア犬が言うことを聞かなくなる理由とあなたにできるちょっとした工夫について、私からお話ししてみたいなって思ったの。いつまでも一緒に、心通わせていたいから。ぜひ、最後まで聞いてね。

ねぇ、ちゃんと聞いてるよ。聞こえにくくなっただけなの。

ねぇ、パパ。私、ちゃんと聞いてるんだよ。あなたが呼んでくれる声、ずっと心で聞いてるの。だけどね、最近その声が、ちょっとだけ遠く感じるようになっちゃったの。

音がかすれて聞こえたり、聞き取りに時間がかかったり。それって、自分でもちょっと切ないなって思うの。でも、これはシニアになった私たちには、よくあることなんだって。

私たちシニア犬はね、年を重ねるにつれて耳や目がだんだん弱くなってくるの。

あなたのお友達も、もしかしたら昔みたいにハッキリした声じゃないと聞き取りにくかったり、手の動きが見えにくかったりしているかもしれないよ。

特に後ろから名前を呼ばれたり、小さな声で話しかけられたりすると、気づけないこともあるんだ。

それに、目だってね、若い頃と違って、動くものやジェスチャーがぼやけて見えることがあるの。暗い場所や逆光だと、あなたの顔の表情もよくわからなくなっちゃって、不安になることだってあるんだよ。

だから、リア、こっち!って手を振ってくれても、それに気づくまでにちょっと時間がかかるの。決して無視してるんじゃないの。気づくまでに、ちょっとだけ、時間が必要なだけなんだよ。

それからね、体の方も、昔みたいには動かなくなってきてるの。たとえばおすわりって言われても、関節がこわばってると、腰を落とすのがしんどい時があるの。膝や股関節がミシッって痛む感じ、あなたには伝わらないかもしれないけど、実はそういう日もあるんだよ。

パパがどうして今日は言うこと聞かないんだ?って首をかしげてたあの日、私、ちょっと関節がジンジンしててね。それで、立ち尽くしちゃったの。

他にもね、私たちの頭の中も、少しずつ変わってきてるの。これって認知機能の低下って呼ばれてるんだけど、難しい言葉でしょ?

簡単に言うと、昔覚えてたことをふっと忘れちゃったり、あれ、なんだっけ?って思い出すのに時間がかかったりするの。トンネルの中でエコーみたいに言葉が響いて、どういう意味だったかな?って迷っちゃうことがあるのよ。

たとえばね、パパが言うふせっていう言葉、前はすぐにわかってたのに、ある日突然、思い出せなくなったことがあったの。

それで、しばらくじーっとパパの顔を見てたんだけど、パパは困った顔してて、そのとき私、とっても申し訳なくなったの。

だけど、何度か言い直してくれて、ゆっくりジェスチャーも見せてくれたから、ああ、そうだった!って思い出せたのよ。

そうやって、あなたがあきらめずに私と向き合ってくれたら、少しずつでもまた思い出せる。だからね、焦らず、怒らず、見守ってくれると嬉しいな。

あともうひとつ、大切なことを言わせてね。私たち、年をとるとちょっと頑固になるって言われがちだけど、それって、実は安心したい気持ちの裏返しなんだよ。

いつも通りのこと、いつもと同じ順番、そういう決まりごとが心を落ち着かせてくれるの。だから、急に違うコマンドを出されるとか、今日は気分を変えて違う道を歩こうってなると、戸惑っちゃうの。

私たちは、変化よりも慣れた安心を求めるようになるの。あなたの声、あなたのしぐさ、それが変わらないことが、一番の安心になるんだよ。

だからね、聞こえない?無視してる?って思ったら、ちょっとだけ視点を変えてみて。もしかしたら、聞こえにくい・見えにくい・動きにくい・わかりにくいっていう、小さなサインかもしれないから。

私たちは今も、あなたの声を聞きたいし、あなたのことを喜ばせたいと思ってる。その気持ちは、ずっと変わらないんだよ。

パパがオスワリって言ったとき、私が反応しなかった本当の理由

あの日のこと、私は今でもはっきり覚えてるの。おうちのリビングで、パパとゆっくり過ごしてた午後。いつも通り、おやつの時間が近づいて、リア、おすわりって、パパが優しい声で言ったの。

でもね、私はそのとき、じっとパパの顔を見つめるだけで、動かなかったの。

パパはちょっと困った顔をして、リア、どうした?おすわりだよ?って、もう一回言ってくれた。でも私はその場に立ったままで、身体が言うことを聞かなかったの。

パパが少しずつ不安そうになっていくのを見て、私も胸がキュッとなった。言うことを聞きたくないわけじゃなかった。怒らせたいわけでも、ふざけていたわけでもないのに。パパの期待に応えられなかったことが、ちょっと悲しかったんだ。

実はね、その日の朝から、右の後ろ足が少し痛くてね。たぶん、寝てる間に変な体勢になってたのか、関節がこわばってて、腰を下ろすのが怖かったの。

それに、少し冷たい風が窓から入ってきていて、身体の芯まで冷えていたから、筋肉も固まってたみたい。いつもならストンッと座れるのに、その日はどうしても怖くて、体が固まっちゃったの。

でもね、パパはそのあとで、私の腰をそっと撫でて、今日はちょっとしんどいか?って優しく話しかけてくれたの。

その瞬間、私、涙が出そうなくらい嬉しかった。パパはわかってくれたんだって。無理におすわりさせようとせずに、そっと寄り添ってくれたことが、何より心強かった。

あなたのお友達にも、そんな日があるかもしれない。昨日はできたことが、今日はできない。それは、わがままじゃなくて、体のどこかがうまく動かない、なんとなく怖いっていう小さなサインかもしれないよ。

それから、もうひとつ気づいたことがあるの。最近、パパが言うオスワリの声のトーンやタイミングが、前とちょっと変わってきたのかもしれないって。

人間も日によって声の出し方やテンポが違うでしょ?私たちって、それをすごく敏感に感じ取ってるの。

だから、少しでも声の調子が違うと、あれ?本当にコマンドなのかな?って戸惑ってしまうことがあるの。

それにね、同じ言葉でも、言い方が急に変わると、認識しづらくなることがあるの。

リア、おすわり!って強めに言われると、ちょっとびっくりしちゃうし、り〜あ〜、お〜す〜わ〜り〜ってゆっくり言われると、逆にどう反応していいかわからなくなるの。

だから、いつもと同じ声のトーンで、同じ言い方で言ってもらえると、安心して、はいっ!ってできるのよ。

あとはね、オスワリって言われた直後にすぐ反応しなかったからって、何度も何度も繰り返されると、あ、これはそんなに重要な指示じゃないのかな?って思っちゃうこともあるの。

一回言って、ちょっと待ってもらえたら、私たちはちゃんと考えて動こうとするの。だから、すぐ動かないから聞いてないんじゃないかなって思わないで、ちょっとだけ待っててくれると嬉しいな。

こんなふうに、私がおすわりしなかったっていうたったひとつの行動の裏にも、実はいろんな理由が重なってるの。

体の調子、気分、声の聞こえ方、指示の伝わり方、ぜんぶが少しずつ変わってくるから、できないっていう日があるんだよ。

でもね、できない日があるからこそ、できた日の喜びはすごく大きいの。この間、オスワリがちゃんとできたとき、パパが本当に嬉しそうに笑ってくれて、私も嬉しくなって、そのまましっぽをブンブン振っちゃった。

ああ、これがわたしの居場所なんだなって、あったかい気持ちになったの。

あなたのお友達も、きっと同じ。できなかった行動には、その子なりの理由がある。だからこそ、どうしてそうなったのかを一緒に考えてあげてほしいの。

そして、できた時には、うんと褒めてあげて。そうすれば、またがんばろうって気持ちになれるから。

また笑顔になるために、今日からできること

私たちシニア犬が、あなたの声に反応しにくくなるときって、さまざまな理由があるの。

でもね、そんなときこそ、あなたにしかできないやさしい魔法があるんだよ。それは、「気づいてあげること」「工夫してあげること」「信じてあげること」。

たったそれだけで、私たちはまた安心して、あなたのそばに寄り添えるの。

ここでは、私が実際に体験したことや、お友達たちの間でもよくあるケースをもとに、あなたが今日からできることをお話しするね。

聞こえにくいなら、見えるを味方にしよう

年をとると、耳が遠くなるのは自然なこと。だからね、声だけじゃなくて、手の動き(ハンドサイン)を使ってくれると、とっても助かるの。

パパは最近、オスワリのときに手のひらを下に向けて、ふわっと下げる動きを見せてくれるようになったの。

その動きが見えた瞬間、あ、これね!って思い出せるんだよ。もしあなたのお友達が声に反応しにくくなってきたら、動きのあるジェスチャーを一緒に覚えさせてあげて。

あと、私たちは口の動きもよく見てるの。あなたがはっきりと口を動かして話してくれるだけで、あ、何か言ってる!って気づきやすくなるの。

だから話すときは、なるべくこっちを向いて、顔を見せながら声をかけてくれると嬉しいな。

体が動かない日は、無理をさせない

関節や筋肉がこわばる日って、誰にでもあるの。おすわりや伏せができない日は、今日はちょっとしんどいのかな?って気づいてあげることが、一番の優しさだよ。

しなくてもいいよって言ってもらえると、すごくホッとするし、逆に次の日にはスッとできたりするの。

それに、もし毎日の動きがゆっくりになっていたり、階段や段差を避けるようになったら、それは痛みのサインかもしれないから、早めにお医者さんに相談してね。

我慢強い私たちは、なかなか痛いって言えないの。でも、あなたには気づいてほしいな。

コマンドはいつも同じように

シニアになると、変化に弱くなるの。だからね、あなたが出すコマンド(指示の言葉)も、できるだけ毎回同じトーン・同じ言い方でお願いしたいの。

たとえば、リア、おすわり、おすわり、リア、ほら、座ってみたいに言い方がバラバラだと、え?今なんて言った?ってなっちゃうの。私はリア、おすわりって言われるとスッと反応できるけど、違う言い方だとちょっと戸惑っちゃうのよ。

だから、家族みんなでコマンドを統一するのがコツなんだって。あなたのおうちでも、みんなで言葉を決めておくと、お友達も混乱せずに安心できるはずだよ。

できたことをちゃんと褒めてね

シニアになっても、私たちはあなたの嬉しい顔が何よりのごほうび。昔より体が動かなくても、記憶があいまいになっても、あなたにすごいね!って言ってもらえることが、一番うれしいの。

だからね、どんなに小さなことでも、できたって気づいてくれたら、それをすぐ褒めてほしいの。特に、褒めるタイミングはすっごく大事。できた瞬間に、すぐほめる!がポイントなんだよ。

それから、たまには特別なおやつや、大好きなおもちゃで遊んでくれると、またがんばろう!って元気が出るの。私たち、年をとっても“ごほうび”にはちゃんと反応するのよ。

違う反応にも意味があることを忘れないで

もしかしたら、あなたがいつもと同じように接してるのに、お友達が違う反応をしたり、動かないことがあるかもしれない。でも、それにはきっと、理由があるんだよ。

見えない痛みかもしれないし、思い出せない指示かもしれないし、怖くなって動けなかったのかもしれない。だから、すぐに言うことを聞いてないって判断しないで、その子の気持ちに寄り添う気持ちを忘れないでね。

そして、迷ったときは、専門の先生やトレーナーさんに相談するのも大切な選択だよ。一人で抱えなくていいんだよ。私たちは、あなたと一緒に考えていけるパートナーだから。

年を重ねても、私たちは変わらずあなたが大好き。ちゃんと聞いてるし、伝わってるし、これからもあなたと心を通わせたいって思ってるの。

だからどうか、焦らず、見捨てず、私たちの変化を受け止めて、一緒に新しいカタチの暮らしを作っていこうね。

あなたのお友達のために、今日からできることはたくさんあるよ。全部じゃなくてもいい。ひとつずつでいいから、やってみてね。

リアより

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