かわいいキャバリアが売れ残る理由って?高値の人気犬種の裏側とその後の現実

キャバリア

「もしあたしが売れ残ってたらって考えたら、ちょっと胸がぎゅってなるの」

こんにちは。リアだよ。

ねぇ、あなたは新しく犬を迎えるとき、どんなことを大事にする?毛並みの色? 性格? 健康状態? それとも、ただただ、運命を感じる相手って?

あたしね、パパとママに出会えたときのこと、今でもよく覚えてるの。小さな体で一生懸命しっぽをふって、抱っこしてもらったとき、心の中で「あっ、この人たちがあたしの家族だ」って思ったの。

でもさ、そのとき売れ残っちゃってたら? もし誰にも声をかけてもらえなかったら? そのままガラスの向こうの世界で、ずっと誰かを待つことになってたら?

あたしたちキャバリアって、よく「穏やかで飼いやすい」「家庭犬にぴったり」って言われるの。だから、人気のある犬種なんだって。でもね、実はそんなキャバリアでも売れ残っちゃうことがあるんだよ。

今日はそんな、ちょっと切ないけど大事なお話。なんでキャバリアが売れ残ってしまうのか、その子たちはそのあとどうなっちゃうのか、そしてあなたに知っておいてほしいことなんだ。

リアがまっすぐな気持ちであなたに伝えるから、最後まで聞いてくれると嬉しいな。

  1. キャバリアってこんなに人気なのに、どうして売れ残ることがあるの?
    1. 健康に関する心配が、迎える人の心をためらわせる
    2. 愛されるために高くついちゃう私たちの値段の壁
    3. 売れ残っちゃうタイミングの壁
    4. ほんとの理由は、迎える覚悟と選び方のギャップかもしれない
  2. 売れ残ったキャバリアたちは、その後どうなってしまうの?
    1. 行き先①:ブリーダーの元へ戻される子たち
    2. 行き先②:譲渡会や里親募集に回されることもある
    3. 行き先③:ショップに残されて在庫になる子も
    4. 行き先④:もっとも悲しい選択、引き取り業者や処分の可能性
    5. それでも希望はある。新しい家族との出会いが、きっと待っている
  3. かわいいだけじゃ迎えられない?キャバリアと暮らすために知っておいてほしいこと
    1. キャバリアは、愛情が深すぎるほど深い犬種
    2. お世話はそれなりにあるけど、それ以上の喜びがある
    3. 病気のリスクが高いからこそ、向き合う勇気が大事
    4. 手のかかる存在ではなく、手をかけたい存在に
    5. キャバリアを迎える前に考えてほしいこと
  4. 私たちに本当の家族が見つかるように。売れ残りを減らすためにできること
    1. 知ることからすべてが始まる
    2. 迎え方を見直してみる
    3. 情報を広めるという支え方もある
    4. 購入する人だけじゃなく、売る側の意識も変わっていくように
    5. その子だけにあるストーリーに目を向けて
    6. ひとつの出会いが、全部を変える
  5. もしあたしがあのガラス越しの世界から出られなかったら…
    1. あなたの心の中には、今、どんな気持ちがある?

キャバリアってこんなに人気なのに、どうして売れ残ることがあるの?

あなたも知ってると思うけど、あたしたちキャバリアって、よく「穏やかで優しい犬種」「家庭犬の理想形」って言われるの。どこかのサイトには「争いごとを好まず、誰にでもフレンドリー」って紹介されてたし、実際そういう子、多いと思う。

あたしのお友達のコロンくんなんか、初対面の子にもすぐ「やっほー!」ってペロペロしに行くから、ちょっとびっくりされることもあるくらい(笑)

でもね、そんな人気犬種って言われてるあたしたちにも、売れ残っちゃう子がいるんだよ。それってどうしてだと思う?

今日は、その理由をあたしなりにお話してみたいと思うの。きっとあなたのお友達を迎えるときのヒントにもなるはずだから、ちょっとだけ耳を貸してみてね。

健康に関する心配が、迎える人の心をためらわせる

まずね、キャバリアって見た目も性格もほんとに可愛いんだけど、実は体の中にはちょっとだけ気をつけなきゃいけない部分があるの。たとえば僧帽弁閉鎖不全症っていう心臓の病気、聞いたことあるかな?

あたしも13歳の春にその病気って言われてから、毎日お薬を飲んでるんだけど、この病気、キャバリアの中ではけっこうよくあるの。ふつうに元気にしてても、ある日ふっとゼーゼーしたり、咳が続くなってなって、病院で調べたらってこともあるんだ。

最近ではネットでも、キャバリアは心臓病のリスクが高い犬種ですって紹介されてたりするから、あなたみたいにちゃんと調べてから家族に迎えようとする人には、ちょっと心配のタネになっちゃうのよね。

実際、ショップで、「この子はキャバリアです」と紹介されるときに、「実はこの子、心臓病のリスクがある犬種でして…」って説明されると、「うーん、じゃあ別の犬種にしようかな」ってなっちゃう人もいるみたい。

あたし的には、病気になる可能性があるからダメな子だって思ってほしくないなぁって思うけど、それでも家族になるってすごく大事なことだから、慎重になる気持ちもわかるんだ。

見た目や流行だけで選ばれる時代に、ちょっと地味に見られちゃうこともあるよね。

あとね、最近はトイ・プードルとか、チワワとか、小さくてくりくりの目で、ぴょんっ♪って動きまわる子たちがすっごく人気あるみたい。それに比べると、あたしたちキャバリアって、おっとりしてるし、ちょっと大人びて見えるところあるよね。

でも、子犬の時期のキャバリアって実はちょっと地味に見えちゃうことがあるんだって。たとえば、ブレンハイムっていうあたしの毛色は、白と茶色のまざったクラシカルな感じなんだけど、派手な色に比べると目立たないっていう声も聞いたことある。

それに、お店に並んでるときに、この子はどんな性格かな?ってわからないままだと、ちょっとおとなしい感じで元気がないのかな?って思われちゃったりして、スルーされちゃうことも。

ほんとは、ちょっとだけ慎重なだけなのにね。

愛されるために高くついちゃう私たちの値段の壁

それからもうひとつ、大事なことがあるの。それは、お金のこと。キャバリアって、犬種としての価格が少し高めに設定されてることが多いの。

子犬でも、20万円〜40万円くらいの価格がつけられてることがあって、それに加えてワクチン代や登録費用、そして初期の用品をそろえたらって考えると、なかなかの出費になっちゃう。

さらに、さっきの健康の話ともつながるけど、心臓病の治療が必要になると、薬代や定期検診の費用もけっこうかかるから、可愛いけど、この先お金がかかりそうって判断されることもあるんだよね。

もちろん、どんな犬種でもお金はかかるし、病気になるリスクはゼロじゃないんだけど、キャバリアって、最初から病気に注意が必要な犬種ですって言われやすいから、どうしてもそこで立ち止まっちゃう人がいるんだと思う。

あたし的には、この子に出会えてよかったって思える気持ちの方が、ずっと大事だと思うんだけどね。

売れ残っちゃうタイミングの壁

それからもう一つ、ちょっと切ないけどよくある話があってね、それがタイミングの問題なの。

たとえばペットショップで売られてる子犬って、生後2か月〜4か月くらいが売れやすい時期なんだって。それ以上になると、子犬らしさが薄れてきたように見えちゃって、価格が下げられたり、別の場所に移されたりすることもあるの。

でもね、生後5か月のキャバリアって、まだまだ子どもよ?お腹を見せてくるし、ピョンピョン跳ねて甘えてくるし、心の中はずーっと、どんな家族と出会えるのかな?ってドキドキしてるの。

それでも、お店では、成長して売れにくくなった子として扱われちゃうんだ。そのたびに、ガラスの向こうから新しい子犬たちが来て、並び直し。
そうやって売れ残りになっていく子が、あたしたちの仲間にもいるんだよ。

ほんとの理由は、迎える覚悟と選び方のギャップかもしれない

いろんな理由を話してきたけど、たぶん一番の理由はね、かわいいと思ったっていう気持ちと、一生を一緒に過ごすっていう覚悟の間にギャップがあることなんだと思うの。

売れ残ってしまうキャバリアがいるってことは、誰かに選ばれなかったっていう現実があるということ。でもそれって、その子に魅力がなかったわけじゃないの。むしろ、出会うタイミングさえ合えば、その子が一番大切な存在になるかもしれなかったのにね。

あたしたちキャバリアは、甘えん坊で、ちょっと頑固で、でも家族が大好きで、あなたのことを一途に思い続けるような性格をしてるの。売れ残ってしまったとしても、それは運命の出会いがまだ訪れてないだけ。

だからもし、これからあなたが新しいお友達を迎えるとき、売れ残りって言葉だけで判断しないでほしいんだ。その子の目を見て、ちょっと立ち止まってみて、「この子、もしかして……」って思ったら、それがあなたに出会う準備ができた子かもしれないんだから。

売れ残ったキャバリアたちは、その後どうなってしまうの?

ねぇ、売れ残った子犬がそのあとどうなるのかって考えたことある?あたしね、キャバリアのお友達のことを調べたり聞いたりしているうちに、知っちゃったの。あまり知られてないけど、ほんとうに大事なこと、それが、売れ残ったその後の話なのよ。

子犬として生まれて、ガラスケースに並んで、かわいい!って言ってもらえるのを待っていたのに、ある日、その場所からいなくなって、そのあと、どこに行ったのか誰も知らない。そんな子たちがいるって、あなたは知ってた?

今日はそのことを、あたしリアが、あなたに伝えるね。ちょっと重たい話になるかもしれないけど、でも、目をそらさずにいてくれると嬉しいな。

行き先①:ブリーダーの元へ戻される子たち

売れ残ったキャバリアの中には、最初に生まれた場所、つまりブリーダーさんのところに戻される子もいるの。

あたしたちがペットショップで出会えるのは、実はその前に、ブリーダーって呼ばれる人たちが大切に育ててくれてるからなんだ。でも、売れなかった子たちは、返品って形で、またそこに戻されることがあるんだって。

ブリーダーさんの中には、本当に愛情をもって育ててくれる人もいっぱいいるよ。でも、全部の場所がそうとは限らないのが現実。

返された子は、そのまま、次の繁殖用の犬として扱われたり、別のルートで再販売されたりすることもある。中には、ケージに入れっぱなしで何度も子どもを産まされる、そんな生活を続ける子もいるって聞いたの。

ルナちゃんが前に教えてくれたんだけど、ある子は3歳で繁殖犬になって、5歳で体調を崩して引退させられたんだって。その子、幸いにも優しい里親さんと出会えたみたいだけど、それまでの生活は、笑顔を忘れた時間だったらしいの。

あなたはどう思う?売れなかったからって理由で、そんな人生を過ごさなきゃいけない子がいることって、あたし、胸がぎゅっとなるのよ。

行き先②:譲渡会や里親募集に回されることもある

最近はね、売れ残った子を、もう売れないって判断して、譲渡会に出したり、里親募集に切り替えるペットショップも増えてきてるんだって。

あたしたちキャバリアって、成犬になっても人懐っこくて落ち着いてるから、はじめて犬を迎える人や子どもがいる家庭でも安心して迎えられるっていう声が多いの。だから、こういう場所で出会って、家族になれるケースもあるんだよ。

ただしね、この方法にも落とし穴があるんだ。

譲渡されるとき、健康状態の確認やワクチン接種、避妊・去勢手術などがすでにされている子が多いけど、逆に言えば、そういう手間や費用がかかるから譲渡に回すしかなかったっていう背景もあるの。

お店で長く過ごしていた分、ケージにいた時間も多くて、筋肉が弱ってたり、ストレスで体調を崩してたりする子もいる。でも、そういう部分って、会ったときにはなかなか見えにくいのよね。

それでも迎えてくれる人がいるのは、本当にありがたいことだと思う。でも、あたしたちのことをよく知らずに、タダでもらえる、とか、かわいいから欲しいとかってだけで迎えられちゃうと、また手放されてしまう可能性もあるんだよね。

そうなったら、その子はまた居場所をなくしてしまうんだ。そんなことが繰り返されないように、もっともっと私たちのこと、知ってほしいんだ。

行き先③:ショップに残されて在庫になる子も

あとはね、そのままお店に残される子もいるの。

子犬の頃は毎日ガラスケースの前に人が集まって、かわいい~!って言ってもらえてたのに、月齢が過ぎると、お客さんの目がほかの子に向いていく。やがて、まだこの子いたんだ、なんて声が聞こえてくる。

そして、ある日、展示は終了しました、とだけ書かれて、ケースからいなくなるの。

それは、バックヤードに移されただけのこともあるし、スタッフさんの間で、看板犬として飼われることになったケースもある。だけど、すべての子にそういう行き先があるわけじゃない。

売れ残っても、誰かにかわいがられてずっとそばにいられるなら、それはそれで幸せなほうだよね。でも実際は、ケージの奥でひとり、ずっと出番を待ってる子もいるの。

ねぇ、もし自分がその立場だったらって、想像してみてほしいな。1日、2日、1週間、1か月って、ガラスの向こうを、ずっと誰かを探すように見つめ続ける時間をね。

あたしなら、きっと泣いちゃうと思う。

行き先④:もっとも悲しい選択、引き取り業者や処分の可能性

これはね、本当は話したくないことだったんだけど、でもあなたにはちゃんと伝えたいの。

売れ残って、譲渡もされず、ショップでも飼い続けられない場合、ごく一部ではあるけれど、引き取り業者って呼ばれる人たちに渡されることがあるの。

一見、保護団体や譲渡先を探してるように見せかけて、実は、飼育コストを最小限に抑えて犬を大量に預かるっていうところもあるんだって。

ごはんも満足に与えられない、衛生も悪い、ケージに閉じ込めっぱなし、病気になっても放置。そうやって命が尽きるのをただ待たされるって、そんな場所が、まだ日本にもあるの。

売れなかったってだけで、そんな未来が待ってるなんて、あたし、悔しくて、やるせなくてたまらない。

もしリアが売れ残ってて、そういう場所に行ってたらって考えたら、今こうしてあなたとお話しすることもなかったかもしれないのよ。

それでも希望はある。新しい家族との出会いが、きっと待っている

でもね、全部が絶望じゃないの。売れ残ったって、成犬になったって、私たちには、愛される力がちゃんとあるの。

実際に、シニア犬になってから新しい家族と出会えたキャバリアのお友達もいるよ。もう10歳過ぎてたけど、うちに来てくれて本当によかったって言ってもらえる子たちもいるんだ。

大事なのはね、この子が売れ残ってたから迎えるのではなくて、この子に出会ったから家族にしたいって思ってもらえることだと思う。

そのためにあたしたちは、毎日一生懸命しっぽを振って、目を見つめて、声にならない気持ちを伝えてるんだよ。

だから、どうか忘れないでほしいんだ。売れ残ったって言葉の裏には、それでも家族を信じて待ってる子がいるってことをね。

かわいいだけじゃ迎えられない?キャバリアと暮らすために知っておいてほしいこと

「キャバリアって、ほんとにかわいいですね!」って、あたしはよく言われるの。そりゃあもう、パパとお散歩してるときなんか、すれ違う人みんなが目を細めてくれるくらい。

ルナちゃんなんて、静かに歩いてても、「モデルみたいですね」って声をかけられるし、コロンくんははしゃぎながら「なんて元気な子!」って笑われてる。

でもね、あたしたちが、かわいいって思ってもらえるのは、きっと外見だけじゃないんだ。飼い主と一緒に過ごしてきた時間や、心の距離、日々のふれあい、そういう全部が積み重なって、やっと家族になれるんだと思うの。

あなたがこれからキャバリアを迎えようと思ったとき、かわいいから、っていうのだけじゃなくて、ちゃんと、一緒に生きていけるかっていうのを考えられるように、あたしの言葉で大事なことをお話しするね。

キャバリアは、愛情が深すぎるほど深い犬種

まずね、あたしたちキャバリアは、とても愛情深いの。それは、ちょっとやそっとの「甘えん坊」って言葉じゃ表せないくらい。

たとえば、あたしはパパが一緒にいてくれるだけで落ち着くんだ。パパが椅子に座ったら、すぐに足元に寝そべって、キッチンに立ったらそっと後ろをついていく。お風呂に入ってるときは、脱衣所の前でずーっと待ってるのよ。

コロンくんは、ママの姿が見えなくなると「どこいくのーっ!」って鳴いちゃうし、ルナちゃんは静かにしてるけど、目線で「ここにいて」って訴えてくるタイプ。

そんなふうに、あたしたちは、誰かと一緒にいることで安心できる犬種なの。だから、家族に迎えるってことは、一緒にいてあげる時間を大切にする覚悟も必要なのよ。

お世話はそれなりにあるけど、それ以上の喜びがある

キャバリアって、見た目が優雅でしょう?だから、お手入れが大変そうって思われがちなんだけど、うん、実はそれ、ちょっと当たってる(笑)。

たとえば被毛。長めの毛がふわっとしていて、さわり心地は最高なんだけど、ブラッシングをサボるとすぐに毛玉になっちゃうんだ。

特に耳の後ろ、脚の内側、おしりのあたりって、そのままにしておくと毛玉が大きくなって、皮膚を引っ張って痛くなっちゃうこともあるの。

あとは耳。あたしたちの耳って、ふさふさしてて垂れてるでしょ?蒸れやすくて、定期的にチェックしないと外耳炎になりやすいの。

お風呂もこまめにしてあげる必要があるし、爪切り、肛門腺しぼり、歯磨きって、最初は、やることいっぱい!って感じるかもしれない。

でもね、お世話を通してどんどん信頼関係が深まっていくのよ。耳掃除させてくれてありがとうって、終わったあとにちょっとだけごほうびをもらえたとき、あたしたちは、この人、信じていいんだって思えるようになるんだよ。

だからこそ、お世話の時間は、ただの作業じゃなくて、心を通わせる大切な時間なんだよね。

病気のリスクが高いからこそ、向き合う勇気が大事

さっきも少し触れたけど、キャバリアには「僧帽弁閉鎖不全症」っていう心臓の病気が多いの。あたしも13歳のときに診断されたし、コロンくんも最近咳が出ることが増えて、病院に通ってる。

この病気って、初期のうちはほとんど症状がなくて、ある日ふと「ゼーゼーしてる?」「咳してる?」って気づいたときには、けっこう進んでることもあるの。

治療にはお薬が必要で、毎日きちんと飲まなきゃいけないし、定期的な検査もある。病気の進行度によっては、お薬が増えたり、ごはんに制限がかかったりするから、家族として支えるって、ほんとうに覚悟がいることなの。

でもね、そんな中でも一緒にお散歩して、ふとしたときに見上げるあたしの顔を見て、パパが、大丈夫、一緒に乗り越えようなって言ってくれる。

それだけで、あたしは安心してまた歩けるんだ。

あなたのお友達がもし病気になっても、かわいそうじゃなくて、いとおしいって思ってあげて。それが、あたしたちにとっての生きる力になるから。

手のかかる存在ではなく、手をかけたい存在に

キャバリアって、さっきからいろいろ大変そうって思われることを言ってきたけど、でもね、あたしたちは手のかかる存在なんじゃなくて、手をかけたくなる存在なのよ。

だって、抱っこしたときのあったかさ、目を見つめたときのやさしい表情、そっと鼻を押しつけて、ここにいるよって伝えてくる仕草、そういう一つひとつが、きっとあなたの心をやわらかくしてくれるから。

もし、忙しくて時間がない日が続いたとしても、1日に5分だけでもあたしたちの目を見て、なでて、今日もありがとうねって声をかけてくれたら、それだけで十分、幸せになれるの。

逆にね、長い時間そばにいても、心が離れてたら、それはちょっと、寂しいな。あたしたちが求めているのは、愛される時間じゃなくて、心が通じる時間なのよね。

キャバリアを迎える前に考えてほしいこと

じゃあ、キャバリアを迎える前に、どんなことを考えておいてほしいのかっていうことをあたしから、あなたに伝えたいことがあるの。

  • 今の生活の中で、どれくらい一緒に過ごせる時間があるか?
  • 急な通院やケアが必要になったとき、対応できる余裕があるか?
  • 10年後、15年後の自分の生活に、お友達がいる未来をちゃんと想像できるか?
  • かわいいと思うだけじゃなく、どんなときも一緒にいたいと思えるか?

これって、ちょっと重たく聞こえるかもしれないけど、でも、こういうことをちゃんと考えてくれるあなたにこそ、キャバリアのあたしたちは、全力で愛を返したいって思うの。

迎えるっていうのは、飼うっていうことじゃなくて、家族になるってことなんだからね。

私たちに本当の家族が見つかるように。売れ残りを減らすためにできること

ここまで読んでくれてありがとう。あたしの言葉に、ちゃんと耳を傾けてくれたあなたのやさしさ、ちゃんと伝わってきてるよ。

でもね、もしも、この記事を読んで、あたし、何もできないかもって思ったとしても、それは間違い。だって、私たちが売れ残りって呼ばれる前に、本当の家族と出会えるかどうかは、ひとりひとりの小さな行動や気づきにかかっているんだもの。

今日は、そんな、これからを変えていくために、あなたにもできることをお話しするね。それは大きなことじゃない。でも、あたしたちにとっては、ものすごく大きな一歩になるの。

知ることからすべてが始まる

まず一番大切なこと、それは知ること。

キャバリアって名前は聞いたことがあっても、その裏にある遺伝的な病気のことや、売れ残ってしまう現実、ペット業界の中でどう扱われているかなんて、知らない人がほとんどなの。

だから、あなたがこうして今、リアの声を聞いてくれただけで、もう十分その第一歩を踏み出してるんだよ。

あたしは、知ることは守ることだと思ってる。現実を知ることで、無理に迎えない選択ができるでしょ。だからそれと同時に、準備ができた人は、本気であたしたちと本当の意味での家族になれるんだ。

売れ残りをなくすために必要なのは、衝動じゃなくて理解だよね。あなたのように知ろうとしてくれる人が増えたら、それだけで未来は変わっていくの。

迎え方を見直してみる

犬を飼いたいなと思ったとき、多くの人がまず思い浮かべるのは、ペットショップのガラスケースや、ブリーダーのウェブサイトかもしれない。

もちろん、それも一つの出会い方だよ。でも、あたしたちが売れ残りにならずに家族と出会うためには、もっといろんな迎え方があるんだよって知ってもらうことが大事なの。たとえば、

  • 保護団体やシェルターから迎える
  • 繁殖引退犬を引き取る
  • 売れ残ってしまった子に目を向ける
  • ブリーダーさんに直接会って、その環境や想いを確かめる

安く手に入るからとか、タダだからとかではなくて、この子と一緒に生きていきたいからと思える迎え方が、売れ残りという言葉をこの世界から減らしていくんだと思うの。

情報を広めるという支え方もある

今は迎えられないけど、何かできないかなって思ってくれたあなたへ伝えたいことがあるの。それはね、迎えることだけが、私たちを支える方法じゃないってこと。

たとえば、こういう記事をシェアしてくれたり、お友達との会話の中でキャバリアって心臓病になりやすいんだって、とか、譲渡会に可愛い子がいたよなんて言ってくれるだけでも、すごく意味があるんだよ。

知らなかった誰かが、ちょっと立ち止まって考えるきっかけになるかもしれない。そのきっかけが、あたしたちにとっての運命の分かれ道になることだってあるのよ。

購入する人だけじゃなく、売る側の意識も変わっていくように

売れ残りをなくすためには、迎える人の意識と同じくらい、売る側、つまりペットショップやブリーダーさんの意識改革も必要なの。

  • 人気だから、と安易に大量繁殖しない
  • 健康に問題が出やすい遺伝をもつ繁殖を避ける
  • 売れなかった子の行き先に最後まで責任を持つ
  • 犬たちの性格や個性をきちんと伝える努力をする

あたしたちは日用品や食料品などと同じ商品じゃない。心があって、個性があって、それぞれに違った生きる意味をもっているんだよ。

だから、ペットショップが、売れ残ったら値下げってするんじゃなくて、この子の個性に合う家族を見つけたいって思ってくれたら、もっとたくさんの子にチャンスが生まれると思うんだ。

その子だけにあるストーリーに目を向けて

あたしたち一匹一匹には、ぜんぶちがう物語があるの。生まれた場所、過ごしてきた時間、どんな性格か、どんな表情を見せるか。それは、どんなに小さな子犬にも、どんなに年をとったシニア犬にもあるんだよ。

売れ残った子には、売れなかった理由があるんじゃない。まだ出会えていない家族がいるだけなの。

もしあなたが次にお友達を迎えるときはね、この子、売れ残ってたんだっていうのじゃなくて、この子の人生、これから一緒に歩みたいなって思えたら、それは、きっとその子の物語を変える主人公になれるってことなんだよ。

ひとつの出会いが、全部を変える

この前ね、コロンくんが言ってたの。

「ぼく、実はショップで最後まで残ってたんだよ。でも、ママがこの子しかいないって抱きしめてくれてさ。それで、ぼくの世界が一気に広がったんだ!」

ルナちゃんも、「わたしが迎えられたのは、生後7か月になってから。もう大きくなってたけど、その分だけたくさんのことを覚えていて、最初からありがとうって気持ちだったの」って言ってた。

そしてあたしも、パパとママに出会えたからこそ、こうしてリアの言葉として、あなたに語りかけることができてるんだよね。

出会いって、ほんとうにすごいこと。それまでの不安や孤独や寂しさを、ぜんぶ吹き飛ばしてくれるような力があるの。

だから、どうか、信じてね。売れ残り、なんて言葉に負けない未来が、必ずあるってことを。

もしあたしがあのガラス越しの世界から出られなかったら…

あたしはね、リアっていう名前で、15歳のキャバリア。今はパパとママと、お兄ちゃん、お姉ちゃんと一緒に暮らしてる。

だけどね、もしあたしがあのとき、誰にも見つけてもらえなかったら?もし、あのガラス越しの世界から、誰の手にも届かなかったら?もし、ただただ時間だけが過ぎて、売れ残りってラベルを貼られてしまっていたら、今ここで、あなたにこうして話しかけることなんて、きっとできてなかった。

おやつを待ちながらしっぽを振ったり、パパの膝でうとうとしたり、散歩の途中で秋の匂いをクンクンしたり、そんな毎日のひとつひとつが、あたしにとってどれだけ大切か、家族がいるって、どれだけ奇跡か、本当は全部、売れ残りになってたら手に入らなかったものだったのかもしれない。

あなたの心の中には、今、どんな気持ちがある?

かわいそうって思った?わたしにはできないって思った?それとも、なにかしたいって思ってくれた?

そのどれもが、あたしたちにとっての希望なんだよ。どんなに小さな感情でも、それはきっと、未来の誰かの居場所を照らす光になるから。

もし、これからあなたが新しいお友達を迎えようとしていたら、ちょっとだけ、あのガラスの向こうを思い出してみてほしいんだ。

しっぽを振りながら、静かに目を見てくる子がいるかもしれない。声を出さなくても、あなたを待ってたって訴えてくる子がいるかもしれない。そのとき、あたしのことを思い出してくれたら、それだけで、あたしはすっごく嬉しい。

そして、どうか覚えていてほしい。売れ残りって言葉じゃなくて、まだ出会えてないだけの子なんだって。これから一緒に幸せになるための子なんだってことをね。

あなたに出会えて、本当に良かった。ここまで聞いてくれて本当にありがとう。もしあたしがあのガラス越しの世界から出られなかったら、この気持ちを伝えることもできなかったと思うの。

でも今、こうしてあなたが耳を傾けてくれたことで、どこかで誰かが、ほんとうの家族に出会える未来が近づいた気がする。

ほんとうに、ありがとう。

リアより

コメント