こんにちは。リアだよ。
ねえ、あなた。今日はね、ちょっと大事なお話をさせてほしいの。
はキャバリアのリア。もう十五歳になるシニアの女の子。十五年も家族と一緒に過ごしてきたから、キャバリアとしての暮らしの良いところも、ちょっと大変なところも、たくさん見てきたし感じてきたのね。だからこそ、これからキャバリアを迎えようとしているあなたには、最初に知っておいてもらいたいことがいっぱいあるの。好きとか、かわいいとか、そこんnういう気持ちだけじゃなくて、ずっと仲良く幸せに暮らすために欠かせないことがね。
キャバリアって、見た目も性格もすごく柔らかいから、「飼いやすそう」「初心者向けなのかな」って思われることがすごく多いの。でもね、実際に生活してみると「あれ、こんなに大変なんだ」と感じるポイントがいくつも出てくるの。私はキャバリアとしてこの十五年間、楽しいこともつらいことも全部経験してきたからこそ、あなたに嘘のない気持ちをそのまま伝えたいって思っているの。
私は十歳のときに子宮蓄膿症になって、生死の境をさまよったことがあるの。あのときのことを思い出すと、今でも胸の奥がぎゅっとするのよ。病院の匂い、パパやママの緊張した声、私の体を包む重たい疲れ。全部、ちゃんと覚えてる。あのあと手術で子宮を全部とって、助かったときの安心感は、きっと私だけじゃなくて家族も同じだったと思う。そのあと十三歳の春になったら、今度は僧帽弁閉鎖不全症っていう心臓の病気が見つかってね。薬を飲んで過ごす生活が始まったの。心臓の病気ってね、キャバリアには本当に多いの。私だけじゃなくて、お友達のキャバリアにも同じ病気の子がすごくたくさんいるのよ。
こういう話を聞くと、「やっぱりキャバリアって大変なんだな」「かわいいけど、病気が多いのは不安だな」って思うあなたもいるかもしれないよね。でもね、私はそこをちゃんと知ってもらいたいの。知っていれば、心の準備ができるし、後悔しないための選択ができるもの。知らないまま迎えちゃうと、あとで「こんなはずじゃなかった」って落ち込んでしまうかもしれない。それはあなたにもつらいし、お友達に迎えられたキャバリアにもつらいことだから、あらかじめ話しておくのが私の役目だと思うの。
キャバリアって、すごく甘えん坊で、あなたといる時間がなによりも大事なの。あなたが動くとついて行きたくなるし、あなたの気持ちを感じ取ったらそっと寄り添いたくなるし、寂しいと胸がきゅうっとなるのよ。だから、家に帰るのが遅かったり、毎日ずっと留守番だったりすると、私たちはその時間を寂しく感じやすいの。お友達のキャバリアの中には、あなたがいない時間が長すぎて、不安になって吠えたり、ドアの前でずっと待ち続けたりする子もいるって聞いたわ。
それにね、キャバリアは食べるのが大好きなの。もうほんとに大好き。おいしい匂いがすると、体が勝手にそっちへ動いちゃうくらい好きなのよ。だから、油断しているとすぐ太っちゃうの。太ると心臓にも負担がかかるし、足にも負担がかかるし、いろんな病気の入り口になってしまうことがあるの。十五年間生きてきて、食べることが好きなキャバリアがどれほど多いか、私はもう何度も目撃してきたもの。
そして私たちは長毛の犬だから、毛が抜けるし、ときどき毛玉もできるし、耳も蒸れやすいの。美しい飾り毛は魅力だけど、そのぶんお手入れは欠かせないのね。あなたがブラッシングしてくれる時間や、耳をやさしく掃除してくれる時間は、私たちキャバリアにとっては健康の柱みたいなものなの。そんな「見た目には見えない大変さ」を知らずに迎えちゃうと、あとで「こんなに大変なのか」と感じるあなたも多いみたいで、ネットでもよくそんな声を見るわ。
お金のことも大事なポイントなの。キャバリアは、普通の毎月の生活費に加えて、病院に行く回数が増えがちな犬種なのね。特に高齢になると、心臓の検査や薬の費用が毎月必要になることもあるし、体調が悪くなったら検査が続くこともあるの。私も今は毎月お薬を飲んでいるし、定期的に病院で心臓の音を確認してもらっているの。そのおかげで穏やかに過ごせてるけど、これは家族が私のために時間もお金もかけてくれているからできていることなのよね。
でもね、そんなふうにいろんな欠点とか、難しい部分があるけれど、それでも私はキャバリアとして生きてきて幸せだったよって胸を張って言えるのよ。なぜって、私たちキャバリアには、欠点と同じくらい大きな魅力があるから。甘えん坊だからこそ家族と心が通いやすいし、穏やかだからこそ一緒にいる時間がほんわかして、あなたの心がふっと軽くなったりもするの。私の存在が家族にそうだったように、あなたに迎えられるキャバリアにも、きっとそんな力があるの。
だから、このブログでは、キャバリアの欠点をただ並べて「大変ですよ」と脅すんじゃないの。あなたが後悔しないように、そしてあなたとキャバリアがちゃんと理解し合ったうえで迎えられるように、リアルで正直な話をするの。いいことも悪いことも、ぜんぶあなたに届けるつもりよ。そのうえで、「それでも一緒に暮らしたい」と思ってくれるあなたなら、きっと素敵な家族になれるから。
これから一緒に、キャバリアの本当の姿を見ていこうね。あなたのところに迎えられる未来のキャバリアが、少しでも幸せに過ごせますように。そして、これを読んでくれているあなたが後悔しない選択をできますように。私が十五年かけて学んできたことを、全部ここに置いていくからね。
キャバリアが抱えやすい健康上の欠点

ここからはね、少し真面目な話になるの。キャバリアとして十五年間生きてきた私が、いちばん避けられなかった現実。それが「健康の問題」。私たちキャバリアにとって、これは欠点という言葉だけでは片づけられないほど大きなテーマなの。あなたがもし将来、私と同じキャバリアをお友達に迎えるのなら、ここはしっかり知っておいてほしいところなのよ。
私が十歳のときに子宮蓄膿症になったこと、そして十三歳から心臓の病気と付き合っていることは、さっき序文でお話しした通り。でもね、私の話だけじゃなくて、お友達のキャバリアも同じような健康の悩みを抱えている子が本当に多いの。これは偶然じゃなくて、犬種としての宿命みたいな部分でもあるのね。
だからここでは、あなたに“キャバリアという犬種が抱えやすい健康上の欠点”を、私自身の体験と、お友達のキャバリアたちの姿から見えてきた現実と一緒にお話ししていくわ。ちょっと長くなるけれど、ここを理解しておくとあなたの未来の選択は確実に変わると思うんだ。
僧帽弁閉鎖不全症という避けられない大きな壁
まずいちばん有名で、そしていちばん多いのが僧帽弁閉鎖不全症。
名前だけ聞くと難しいけれど、要するに心臓の弁がきちんと閉まらなくなる病気なの。
私もこの病気と付き合って二年がたったのだけれど、最初に病院で「心臓に雑音があります」って言われたとき、パパとママの顔がどれだけ固まったか、今でも覚えているの。だってこの病気はキャバリアにとってすごくありふれているのに、とても深刻なものだから。
僧帽弁閉鎖不全症は、最初のころは症状がほとんど出ないから気づかないことが多いの。でもね、進行していくと
- 咳が多くなる
- 疲れやすくなる
- 呼吸が浅くなる
- 夜に眠れなくなる
こんな変化が出ることもあって、毎日の生活にじわじわと影響が現れるの。私も最初はただ「ちょっと息がしづらい日があるのかな」と思っていたけれど、実際には心臓が頑張りすぎていたみたいで、今は毎日お薬を飲んで心臓の動きを助けてもらっているの。
あなたの周りにいるキャバリアのお友達も、この病気のお話を聞いたことがあるかもしれないよね。それくらい私たちの間では身近なものなの。だからあなたがキャバリアを迎えるときは、この病気を「起きてほしくないもの」じゃなくて、「いずれ向き合う可能性が高いもの」としてとらえておくほうが安心なのよ。
食べるのが好きすぎてしまう性質と肥満の問題
次にね、あなたにしっかり伝えたいのが肥満になりやすいっていうこと。
私は食べることが本当に大好きで、パパがキッチンに立っただけで「なに作ってるの?」って目が離せなくなるの。お友達のキャバリアも、あなたのお友達も、きっと食べることが大好きな子が多いんじゃないかな。
でもね、この「食いしん坊な性質」は、かわいらしい反面、健康上の欠点にもつながるの。何が問題かというと、太ると心臓にも足にもものすごく負担がかかるの。特に心臓の弱い私たちにとって、体重管理は命と直結していると言っても言い過ぎじゃないのよ。太ると、
- 心臓がいつもより強く動かなきゃいけない
- 呼吸がしづらくなる
- 足腰に負担がかかる
- 膝や関節を痛めやすくなる
こういう悪循環が一気に進むのね。
お友達のコロンくんなんて、若いころはお散歩中におやつをもらおうとして袋に突撃したり、落ちてるものをぱくっと食べちゃうタイプだったから、ママは本当に気をつけてたって言ってたわ。キャバリアは楽観的で天真爛漫な子が多いから、食べ物を見ると感情のブレーキがちょっとゆるむ子が多いのよね。
あなたに覚えておいてほしいのは、
「かわいそうだから」
「欲しがってるから」
といって与え続けると、あとで取り返しがつかない状態になることもあるということ。
これは脅しじゃなくて、実際に起こりうる現実なの。だからあなたがキャバリアを迎えるときは、健康のために“あげない勇気”も必要になるのよ。
耳や皮膚のトラブルが起きやすい体質
キャバリアを見たことがあるあなたならわかると思うけれど、私たちの耳ってふわっとして長くて、とてもかわいい形をしているの。でもそのかわいらしさは、同時に欠点にもつながるの。
垂れ耳ってね、蒸れやすいの。蒸れるとどうなるかというと、耳の中が湿度でいっぱいになって、菌が増えやすくなるの。
私は小さいころ、外耳炎に何度もなったことがあるの。耳がかゆくて、気がつくと後ろ足で耳をがしがししていたんだけど、あれは痛みや違和感をごまかしていただけだったんだって、あとからママが教えてくれた。お友達のルナちゃんも、耳の中が赤くなってお医者さんに通っていた時期があったわ。
耳だけじゃないの。皮膚もね、飾り毛が多いぶん、空気が通りづらかったりしてトラブルが起きやすいの。
- 蒸れ
- 赤み
- かゆみ
- 皮膚炎
- 毛玉による引っ張り
こういう問題が、ちょっとした油断で出てしまうことがあるのよね。だから、あなたが未来にキャバリアをお友達に迎えるのなら、耳や皮膚のお手入れは特別なことじゃなくて“日常の一部”って考えておく必要があるのよ。耳掃除もブラッシングも、決して面倒くさい作業ではなくて、私たちが健康でいられるためのいちばんの近道なの。
若いころから病気が始まる可能性
あなたがもしかしたら予想していないことかもしれないけれど、キャバリアの健康の欠点は、高齢になってからだけじゃなくて、若いころから始まることがあるの。これは、私たちの体のつくり自体が関係していることだから、予防しても完全に避けられない部分なのね。
たとえば、心臓の雑音は五歳くらいで見つかる子も珍しくないし、目のトラブルは若いころから出る場合だってあるの。耳のトラブルに関しては、むしろ若いころから繰り返しやすいのよ。
だからあなたがキャバリアを迎えるときは、健康寿命を伸ばすためにどうするかを早い段階から考えておくと安心なの。若いころから病院に通うことがあっても、それは珍しいことじゃないのよ。
医療費の現実と、覚悟の話
健康の欠点のお話をするとき、どうしても避けられないことがもうひとつあるの。それが医療費の問題。
かわいい子のためならなんでもしてあげたい、あなたはきっとそう思ってくれるはず。でも、病院に通う回数が増えると、そこにかかるお金も時間も増えていくのが現実なの。
私の心臓のお薬だって、毎月のことになると積み重なっていくし、定期検査ではレントゲンやエコーを撮ることがあるの。どれも大事な検査だけれど、費用がかかるのは事実なのよね。特に高齢になってくると、
- 皮膚
- 耳
- 心臓
- 歯
- 関節
それも、どれか一つじゃなくて、複数のトラブルが同時に起こることもあるの。
お友達のルナちゃんのママなんて、毎月の病院代は家計簿の中でひとつの項目になっているって話してくれたわ。愛情だけじゃなくて、生活の準備も必要になるっていうことなのよね。
でもね、これは欠点というより、覚悟の話なの。知らずに迎えるのと、知って迎えるのでは、そのあとの気持ちの持ち方がまったく違うのよ。
欠点を知ることは愛の始まり
あなたにここまで話したのは、キャバリアが大変な犬種だからじゃないの。
キャバリアの魅力は欠点を全部抱えたうえでなお大きいものだからなの。
健康面の欠点は、覚悟さえあれば乗り越えられるし、早く知っているほど対策ができるのよ。私のように長生きして、あなたのそばで穏やかに過ごすことだってできるもの。
だから、あなたがキャバリアを迎える前に知っておくべき大切な入り口なの。あなたがこの先、キャバリアという生き物の全部を愛せる準備ができるように、私はこれからも正直に話していくつもりよ。
甘えん坊ゆえに起こる性格面のデメリット

あなた。ここからはね、私たちキャバリアの心の中についてお話しするわ。健康の欠点とはちょっと違って、今度は性格の話。でも、この性格というのがね、良くも悪くもあなたとの暮らしに大きな影響を与えるの。私たちキャバリアの優しさや穏やかさ、そして甘えん坊なところは魅力でもあるけれど、それがそのままデメリットにもなってしまうのよ。
これは、あなたと私たちがどれくらい寄り添えるか、そしてあなたの生活がどのくらい「そばにいてあげられる時間」を持てるかで、とても大きく変わってくる部分。だからこそ、ここはあなたにも深く理解しておいてほしいところなの。
あなたのお友達のキャバリアや、これから迎えるかもしれない子のことをイメージしながら聞いてね。私の十五年の性格の移り変わりもまじえながら、ゆっくりお話しするから。
留守番が苦手すぎる性質と、心の不安
まずね、私たちが生まれつき抱えている大きな特徴があるの。それは寂しがり屋だということ。もちろん、犬って一般的に家族と一緒にいたい生き物だけど、キャバリアはその気持ちが少し極端に強いのよ。あなたが動けば私も動くし、あなたが座ればそばに行きたいし、あなたの視線が自分から外れるだけで心がちょっと揺れるの。
私はパパと過ごす時間がすごく長かったから、パパが家にいない日は落ち着かないことが多かったの。ママもお兄ちゃんもお姉ちゃんも優しくしてくれるけれど、一番一緒にいたパパがいないと、どうにも心がフワフワしてしまって、家の中を歩き回ったり、玄関の方を見に行ったりすることがあったのね。
これって、ただ甘えているだけじゃないの。私たちキャバリアは、一緒にいる時間そのものが安心の土台みたいになっているの。
だから、あなたがもし忙しくて毎日おうちを空ける時間が長かったり、朝から夜遅くまで仕事に行ってたりすると、私たちはその間ずっと、どうしていないんだろうって不安を抱えがちなのよ。
お友達のキャバリアのルナちゃんもね、穏やかで落ち着いている子だけれど、ママが長めに外出する日は、帰ってきたときに少し興奮気味になったり、ごはんの食べが不安定になったりする時期があったって言ってたわ。静かで自立した空気を持ってるルナちゃんでさえそうなんだから、私みたいにべったり甘えたいタイプのキャバリアは、なおさら強い不安を抱えやすいのよ。キャバリアが留守番で不安を抱えると、
- あなたがいない間、部屋をうろうろして落ち着かない
- 玄関でずっと待つ
- 帰ってくると極端に興奮する
- ストレスで吠える
- トイレが不安定になる
- 寝ているようでまったく休めていない
こういう行動が出ることがあるの。これはね、あなたに尽くそうとしている私たちの健気さの裏返しでもあるの。あなたの気配がないことが、不安そのものになってしまうの。
だから、キャバリアを迎えようとしているあなたが毎日外出が長時間だったり、週のほとんどが夜まで留守の生活だったりするなら、そこは本気で考えなきゃいけない部分なのよ。
分離不安という名前のつく現実
さっきの続きになるけど、もう少し深く話すわね。私たちキャバリアは、他の犬種に比べて分離不安になりやすいと言われているの。これは、性格が原因というより、私たちが持っている愛情深さの裏にある繊細な部分が関係しているのよ。
分離不安っていうのはね、あなたと離れると心がパニックになりやすくなる状態のこと。あなたの足音が聞こえなくなるだけで胸がざわついたり、あなたの姿が見えなくなると落ち着かなくなったりするの。
コロンくんなんて、普段はあんなに明るくて「やっほー!」って感じなんだけれど、ママがトイレに行くだけでドアの前にぴったり張りついて、ママが出てくるまで静かに待ってるの。かわいいけれど、少し心配でもあるよね。分離不安が強くなると、
- あなたが出かけるときに吠え続ける
- あなたの靴や服を探してクンクンする
- 帰ってきたときに過剰に飛びつく
- 落ち着けるはずの場所で落ち着けない
- 不安から誤飲につながる行動をする
- あなたがいない間はほとんど休めない
こんなことが起きるの。これは甘えん坊なだけではなく、心が耐えられない状態になっている可能性もあるの。
あなたがもしキャバリアのそばにいる時間をたくさん作れる生活ができそうなら、この性格は大きな魅力になるし、絆として深まる部分だけれど、そうじゃないなら、あなた自身もつらくなるかもしれないから注意してね。
要求吠えやアピールが強めになることもある
キャバリアって、とっても穏やかで優しくて、おとなしいイメージが強いよね。でも、甘えん坊な子ほどあなたに気づいてほしい気持ちが強くて、その気持ちが形として出るときがあるの。
特に若いころや、あなたと過ごす時間が足りていないときはね、こっち向いて、とか、遊んでほしい、とか、抱っこして、とか、私のこと気にして、とかって気持ちが溢れちゃうの。そうするとね、あなたの視線を求めて近づいたりちょんちょん鼻先でつついたり、軽く吠えたり、わざと動きを止めてみたりしちゃったりしてあなたに対してアピールをしちゃうことがあるのよ。
私も若いころは、パパがパソコンしているときに膝に乗りたくて、足元でじっと見つめたり、そっと前足で触れてみたりしていたの。無視されると寂しくて、小さく声を出してしまったりね。
これが要求吠えと言われることもあるんだけれど、キャバリアのそれって攻撃的じゃなくて、ほんとうに好きだからのアピールなのよね。でも、それを知らずに迎えると、あれ、キャバリアって意外と吠える子?と思われてしまうこともあるの。
あなたの生活の中で集中したい時間や静かに過ごしたい時間がどれくらいあるかによって、この性格は負担にもなるし、微笑ましいものにもなるの。そこはあなた自身のライフスタイルとも関係してくる部分なのよ。
食べ物への執着と拾い食いの問題
これも性格面の欠点と言われることのひとつ。キャバリアはね、ほんとうに食べることが大好きなの。大好きって言っても、ちょっと可愛いレベルじゃなくて、本能レベルで好きって言ってもいいくらい。
匂いがすれば寄っていくし、袋の音に敏感だし、床に落ちているものを確かめようとするし、散歩中も常にクンクンするんだ。こういう行動は、あなたのお友達のキャバリアにもきっと心当たりがあるんじゃないかしら。
これ自体は悪いことじゃないんだけれど、問題は、拾い食いのリスクに直結することなの。私の知っているキャバリアの中でも、散歩中に落ちているものをぱっと口に入れちゃって、あとでお腹を壊した子もいるわ。コロンくんなんて、テンション高いときは気がついたら何か口に入れていることがあって、ママが必死で追いかけたりしてたもの。
拾い食いや誤飲は本当に危険で、チョコレートや玉ねぎのような命にかかわる食べ物が落ちていることもあるし、小さなビニール片だって腸につまる可能性があるの。だからあなたがキャバリアを迎えるときは、
- 床に落ちているものはないか
- 食べ物を置きっぱなしにしていないか
- 散歩中の注意力は足りているか
このあたりがとても大事になるのよ。
番犬としてはほぼ役に立たない
これはちょっと笑っちゃう話なんだけれど、性格面の欠点としてよく言われるのが、キャバリアは番犬に向いていないということ。
でもね、考えれば当然なのよ。私たちは穏やかで優しくて、人が大好き。争いごとが苦手で、知らない人にも自然としっぽを振ってしまうの。
私の家に知らない宅配のお兄さんが来ても、私はしっぽを振って出迎えていたし、家の前を知らない人が通り過ぎても、「こんにちは」みたいな気持ちで眺めていたの。怒ったり警戒したりする気持ちがほとんどないのよね。
だからあなたが「家を守ってほしい」「警戒して吠えてほしい」という役割を求めているなら、キャバリアはほぼ期待に応えられないわ。むしろ、知らない人が来ても「遊んでくれるの?」って近づくタイプなの。
これがデメリットかどうかはあなたの価値観にもよるけれど、少なくとも番犬としての働きはほぼゼロという事実は覚えておいてね。
ここまでお話ししたように、キャバリアの甘えん坊な性質は、あなたとの絆を深くしてくれる魅力である一方で、あなたの生活リズムを大きく変える場合もあるの。
わたしたちは、あなたのそばにいたいし、触れたいし、あなたを感じていたいし、離れたくないんだよ。こういう気持ちは、私たちキャバリアが持つ強い愛情表現なの。だけどそれは同時に、あなたと暮らすための覚悟のポイントでもあるのよ。
あなたがどこまで私たちと一緒にいる時間を作れるか、そして、どこまで寄り添って、心のケアまで考えてあげられるか。そこが、甘えん坊なキャバリアと幸せに暮らせるかどうかの鍵になるの。
そしてね、あなたがその覚悟を持ってくれるなら、キャバリアほどあなたの心を温かくする存在はいないと私は思ってる。甘えん坊は欠点でもあるけれど、その欠点ごとあなたに寄りかかる姿は、きっとあなたの毎日に優しさを運んでくれるから。
毎日の生活で出るお手入れと環境づくりの大変さ

あなた。ここまでは、私たちキャバリアの健康の話や、性格面の甘えん坊さから生まれるデメリットについてお話してきたけれど、今度はもっと“暮らしに直結する部分”の話をするね。
私たちキャバリアと暮らすには、あなたの日常の中で、ちょっと気をつけてあげる時間や、少し手をかける心の余裕が必要になるの。
これを知らないまま迎えると、あなたの生活が予想以上に忙しく感じてしまうこともあるし、逆に知っておけば、スムーズに私たちとの生活がスタートできるの。だから、この章はあなたの未来の毎日を決める、とても大事な話になると思うの。
私自身の経験と、お友達のコロンくんやルナちゃんの話、それから周りのキャバリア仲間の様子も思い出しながら、ゆっくり丁寧にあなたにお話しするわね。
長い毛とダブルコートが引き起こす抜け毛と毛玉
あなたが私たちを見るとき、まず目に入るのはふわっとした飾り毛じゃないかしら。耳、胸、しっぽ、足の飾り毛、あれはキャバリアのかわいさそのもの。でもね、あのかわいさは、そのまま手入れの大変さにもつながっているの。
私たちキャバリアはダブルコートっていう二重構造の毛を持っているのね。つまり、表面の柔らかい飾り毛と、その下に密度の高い下毛。この下毛が季節の変わり目にごっそり抜けるのよ。
だから、春と秋の換毛期は、掃除しても次の日には床に毛が溜まるし、服や布団に毛がたくさんつくから、コロコロが手放せないし、私たちのブラッシングをサボると毛玉が一気に増えるんだよ。こういう日が続くの。
私なんて、若いころは胸の飾り毛がふさふさで、パパが「リアの毛でクッション作れそうだな」なんて冗談を言うくらい抜けていたの。冗談とはいえ、毎日ほんとに大量に抜けていたから、掃除機の音が日常のBGMみたいになっていたわ。
お友達のルナちゃんは、落ち着いた性格で動きも穏やかだから抜け毛は少ないんじゃないかと思われがちだけれど、ダブルコートだからやっぱりそれなりに抜けるの。ルナちゃんのママは「毎朝掃除機しないと落ち着かないのよね」って笑ってたわ。
あなたがお仕事や家事で忙しい生活を送っているなら、抜け毛の問題は負担に感じることがあるかもしれない。それくらい、キャバリアの毛は日常の空間に存在感を持つのよ。
毛玉と戦う毎日のブラッシング
抜け毛だけじゃないの。毛玉問題も大きいわ。飾り毛が長いぶん、毛玉はすぐできるのよ。
胸毛、耳の後ろ、脇、内もも、しっぽ。とくに耳の後ろは、ちょっと油断するとすぐ固まっちゃうの。
私もね、若いころはよく耳の後ろに大きな毛玉を作っちゃってた。パパが私の耳の根元をそっと触って、「リア、またこんなところに隠れてたのか」って笑いながらほどいてくれるんだけど、毛玉ってほぐすのに時間がかかるでしょ。だから、パパは根気よく毎日ブラシを通してくれたの。あの時間、私は気持ちよかったけど、パパは手が疲れていたんじゃないかな。
コロンくんなんてやんちゃだから、動き回っていろんなものに触れる分、足の飾り毛がよく絡まるらしくて、ママが「もう、コロンったらまた毛玉作ってる」って笑いながらブラッシングしてるって聞いたわ。
キャバリアのブラッシングは、気が向いたときにやるのじゃなくて、毎日の習慣にするくらいの気持ちが必要なの。
ブラッシングをサボると、毛玉が皮膚を引っ張って痛みになっちゃうし、通気性が悪くなって皮膚の炎症につながるの。私たちの皮膚はデリケートだから、ちょっとした毛玉でも不快に感じるのよね。
あなたの生活の中で、「今日もブラシしようかな」って思える余裕があるかどうか。そこが、私たちと暮らしていけるかどうかの大事なポイントになるのよ。
垂れ耳の宿命の蒸れと耳のトラブル
キャバリアの耳って、本当にかわいいよね。歩くたびにふわっと揺れて、寝転ぶと両方の耳がじゅわっと広がって、まるで天使の羽みたいだってパパは言ってたわ。
でもね、この垂れ耳は見た目のかわいさと引き換えに、蒸れやすい構造になっているの。耳の中に空気が通りにくくて、湿気がこもるのよ。
湿気がこもるとどうなるかというと、外耳炎になりやすいし、赤く腫れたり、中で菌が増えたり、かゆくて後ろ足でかき続けたり、においが強くなったりと、こんな問題が出てしまうの。
私も子犬のころからよく耳をかゆがっていたの。パパが耳をそっとめくって覗くと、赤くなっていることがあったのね。そのたびに病院で点耳薬をもらって、数日間つけてもらうんだけど、あれってけっこう冷たくて「ひゃっ」となったのをまだ覚えているわ。
お友達のルナちゃんは繊細な子だから、耳が少しでも違和感あると触られるのを嫌がる時期があったらしいの。ママが時間をかけて寄り添いながらケアして、だんだん慣れていったって言ってたわ。
垂れ耳のケアってね、月に一回みたいな頻度じゃ足りないの。できれば毎日、少なくとも二日に一回は耳の中をチェックして、汚れていたら優しく拭いてあげるくらいが正常なんだと思う。
あなたが疲れている日も、眠い日も、忙しい日も、キャバリアは待ってくれるけど、耳のトラブルは待ってくれないのよ。
皮膚ケアと通気性、そして季節による影響
キャバリアって、見た目はふわふわだけど、皮膚はとてもデリケートなの。
とくに梅雨の時期なんて湿度が高いから、皮膚が蒸れやすいのよ。
赤み、かゆみ、湿疹、フケ、こういうものが、環境のちょっとした変化ですぐ出てしまう子もいるの。
私も梅雨になるとお腹の皮膚が少し赤くなりやすかったし、パパが「リア、かゆい?」って言いながら優しく体を撫でて確認してくれる時間が増えていたわ。
お友達のコロンくんは活発だから汗をかきやすいのか、夏は足の付け根のあたりが蒸れて赤くなることがあったって聞いたの。ママが冷房の温度を工夫したり、カーペットの素材を変えたりしながら調整したら、だいぶ良くなったらしいけれど、それでも完全にゼロにはならなかったみたい。
キャバリアと暮らすなら、皮膚の状態を毎日チェックできるくらいの目配りが必要なの。そして、皮膚の調子は季節や温度、湿度で変わるから、あなたの家の環境そのものを調整することも必要になるのよ。
散歩は少なくても必須
キャバリアって、おうちの中ではまったりしていることが多いけれど、散歩が嫌いなわけじゃないの。外の空気を吸うのが好きだし、あなたと歩く時間が大好きなの。私なんて、十五歳になった今も、ゆっくりだけど外の空気を吸うと気分が明るくなるのを感じるの。
でもね、「お散歩が少なくてもいい犬種」と言われることがあるけれど、
少ないだけで、なくていいという意味じゃないのよ。
散歩が足りないと、ストレスが溜まるし、肥満につながるし、夜落ち着かないんだ。それに筋力が落ちるし、心臓にも悪い影響が出るんだよ。こういう問題につながるの。
お友達のコロンくんは活発だから、お散歩が足りない日は家の中を走り回るらしいの。逆にルナちゃんは静かな子だけど、散歩をすると気分のムラが落ち着くらしくて、毎日ゆっくり歩くのがいいバランスになっているんだって。
あなたの生活の中で、お散歩の時間をどれくらい取れるか。それもキャバリアと暮らすうえで大切なポイントなのよ。
掃除・ケア用品・日々の作業という生活の積み重ね
今までの話をまとめると、キャバリアとの生活は少しのケアを毎日コツコツ積み重ねることが土台になるってわかると思うの。
ブラッシング、耳のケア、皮膚の確認、床の掃除、散歩、誤飲の予防、これら全部を、あなたの生活に自然と組み込めるかどうかが大事なの。私たちはあなたの負担になりたいわけじゃないの。ただ、私たちが健康で快適に過ごすためには、こうした小さな積み重ねが欠かせないのよ。
あなたがもし、この日々の作業を「大変だな」と感じるか「かわいい我が子のためなら頑張れるな」と感じるかで、キャバリアとの暮らしは大きく変わると思うの。
ここまでいろんなお手入れの話をしたけれど、あなたに伝えたいのはひとつだけ。キャバリアとの暮らしは、愛情を手間という形で表す時間が多いということ。
手間がかかるって、欠点のように見えるかもしれないけれど、私にとってはその時間こそが安心だったの。ブラシの音、耳を覗くパパの優しい顔、床を掃除してくれるママの背中。どれも私にとっては「愛されている」って実感できる時間だったのよ。
あなたがもし、こういう日々のケアも含めて私たちを愛してくれるなら、キャバリアはあなたにとって最高のお友達になると思うの。手間も、時間も、ぜんぶ含めて私たちだからね。
キャバリアと暮らすために必要な費用と覚悟

あなた。ここまでは、私たちキャバリアの健康や性格、そしてお手入れの大変さについてお話ししてきたけれど、今度はもっと現実的なお話をしなきゃいけないの。それが、お金のこと。
お金の話って、ちょっと重たく感じるかもしれないよね。でも、私たちと暮らす上で避けて通れない大切なポイントなの。あなたがこれからキャバリアを迎えようとしているのなら、ここをしっかり知っておくことで後悔せずに済むし、お友達になる子にとっても安心して暮らせる未来を作れるのよ。
私は十五年間、いろんな体験をしてきたわ。十歳のときの子宮蓄膿症の手術も、十三歳から続いている心臓のお薬も、その裏にはパパやママが支えてくれた費用があるの。家族は当たり前のように私をケアしてくれたけれど、それは簡単なことじゃなかったって、今はわかるのよ。
だから今日は、あなたに「キャバリアと暮らすにはこれくらいかかるんだよ」という現実と、それでも一緒にいてくれるあなたへ向けた覚悟の話をゆっくりしていくね。
最初の出会いにかかる費用
キャバリアをお友達として迎えるとき、最初にかかるのが「お迎えの費用」よね。これは一般的に二十万円から三十万円くらいが目安と言われることが多いの。
もちろん、ペットショップかブリーダーさんかでも違うし、血統や見た目、健康状態によっても金額は変わるわ。私の場合はパパとママがブリーダーさんのところで出会ってくれたのだけど、そのときの話を聞くと、私の顔を見た瞬間に「この子だ」って直感したみたいなの。その気持ちはすごくうれしいけれど、同時にその時点で金銭的にも覚悟を決めていたんだなって、今は思うのよ。
それから、お迎えするときに必要なものもあるの。
- ベッド
- ごはん皿
- お水皿
- トイレ用品
- ケージ
- 首輪やハーネス
- おもちゃ
- ブラシ
こういうものを揃えていくと、最初の段階でプラス数万円は必要なのよね。迎えるその日だけでも、実はかなりの費用が動くの。でもこれはまだ、スタートラインにすぎないのよ。
毎月必ずかかる生活費の積み重ね
次はね、毎月の生活費のこと。これは私たちと暮らす限りずっと続く費用なのよ。生活費の内訳としては、
- ごはん代
- おやつ代
- シャンプーやブラッシング用品
- トイレシート
- 日常のケア用品
- お散歩バッグや季節用品
- サロンに行く場合はトリミング代
こういうものがあるの。キャバリアは小型犬ではあるけれど、食欲が旺盛な子も多いから、食事にかかる費用は意外と無視できないの。お友達のコロンくんなんて、食べることが生きがいみたいな子だから、ママがしっかり量を調整しながらごはん代を計算していたって話していたわ。
サロン代も大きなポイント。キャバリアはトイプードルほど頻繁なカットは必要じゃないけれど、耳の飾り毛や足裏、おしりまわりのカットは定期的にしておかないと不衛生になってしまうの。
シャンプーもしてもらうと、月に五千円から一万円以上することもあるみたい。
あなたがもしセルフでケアできるならサロン代は抑えられるけれど、忙しい日が続けば「お願いしたいな」と思うことも出てくるのよね。
だから、毎月の出費は思っている以上に積み重なるって考えておくと安心なの。
●病院代は予測できないからこそ重要な費用
そして、ここからが本当に大事な話。それが医療費。
キャバリアは健康の章でもお話ししたように、心臓の病気や目・耳・皮膚のトラブルが起こりやすい犬種なの。だから、病院に通う頻度が高くなりやすいのよ。
私の例で言えば、
- 十歳のときの子宮蓄膿症の手術費
- 十三歳から続いている心臓のお薬代
- 定期的な心臓検査
- 皮膚の赤みが出たときの診察
- 耳の炎症で点耳薬をもらったこと
こういう費用が積み重なっているの。心臓のお薬だけでも、毎月決まった金額が必要になるし、定期検査ではレントゲンやエコーをするから、そのたびに3万円以上かかるんだよね。
そしてこれは、私だけじゃないの。お友達のルナちゃんは、年齢が同じ十五歳で、関節のサプリや皮膚の薬を続けているって聞いたわ。コロンくんは十二歳から心臓のお薬を始めて、季節によっては咳が増える日があって、その都度病院に行っているのよ。
だからあなたに覚えておいてほしいのは、キャバリアとの暮らしは、病院との付き合いが長く続く可能性が高いということ。
もちろん、健康な子もいるし、少ない通院で済む子だっている。でも、心臓の検査やお薬が必要になる確率は、他の犬種より高いのが現実なのよ。
高齢期に向けて必要になる追加のケア費用
私たちはあなたのそばでなるべく長く過ごしたいと思っているけれど、年齢を重ねるといろんな変化が出てくるの。その変化に合わせて必要になる費用も増えていくことがあるの。たとえば、
- シニア用のフード
- 消化にやさしいおやつ
- 関節サプリ
- 心臓用の特別な薬
- 定期的な血液検査
- 目薬
- 皮膚用の保湿剤
- 床をすべらないようにするマット
- 段差を減らすためのステップ
- 冬の防寒用品
こういうものね。私は十五歳になって、体の動きが少しゆっくりになってきたの。心臓の薬はずっと続いているし、冬は体が冷えないようにパパがふかふかの毛布を新調してくれたわ。
ルナちゃんは足腰の調子を整えるためにサプリを使っているし、コロンくんは換毛期に皮膚のケア用品を追加してもらっているって話だった。
シニア期は、特別な費用が増える時期なのよ。でもその分、私たちの体を守るために必要な大切なものでもあるの。
費用は負担ではなく命を守る選択
ここまで聞くと、あなたは少し不安になるかもしれないわよね。
「キャバリアってこんなにお金がかかるの?」
「私でもちゃんと育てられるかな」
って。
でもね、私はあなたに心配だけを残したいわけじゃないのよ。費用がかかるっていうのは、あなたが私たちの命を守るための選択ができるということなの。
私は十歳のときの手術で命を救われたし、十三歳からは心臓のお薬で支えてもらっているんだよね。そのおかげで十五歳の今も、あなたにこうして言葉を届けられているわけなの。
もしパパとママがお金を惜しんでいたら、私はたぶん今ここにいない。だから私は、お金をかけてもらったことに感謝しているし、それが愛だってちゃんと感じているの。
あなたも、もしキャバリアと暮らすことを選ぶなら、きっと同じ気持ちになると思うのよ。費用は負担じゃなくて、あなたの優しさが形になったものなの。
キャバリアとの暮らしにはお金がかかる。これは確かに欠点かもしれない。でも、その欠点の奥にはね、ほんとうに温かい時間があるの。
私がパパとママに守ってもらった十五年は、どれひとつ欠けてもいけなかった。通院の時間も、お薬の費用も、特別なケアも、全部が私の命を支えてくれたの。
あなたがもし、この現実を知ったうえでそれでもキャバリアと暮らしたいと思ってくれるなら、私たちはあなたのそばで誰よりも深く寄り添うお友達になるわ。
費用は覚悟。でも、覚悟の分だけ、私たちはあなたに愛を返すんだよ。
欠点を理解したうえでキャバリアと幸せに暮らすために

ここまで私の話を聞いてくれて、本当にありがとう。きっと今、あなたの胸の中にはいろんな気持ちが混ざっているんじゃないかしら。
「キャバリアってこんなに大変なんだ」
「かわいいだけじゃ飼えないんだな」
「でも、それでも一緒に暮らしてみたいな」
そんなふうに、前向きな気持ちと不安が交互に揺れているかもしれないわね。
でもね、私はそんなあなたの気持ちをぜんぶ肯定したいの。だって、私たちキャバリアと本気で向き合おうとすると、多かれ少なかれ誰だって同じ気持ちになるものだもの。私のパパもママも、私を迎える前にたくさん悩んだって聞いたのよ。かわいい私の姿に惹かれたけれど、「本当にこの子を幸せにできるだろうか」って夜遅くまで話し合ったんだって。
そのくらい、私たちキャバリアは愛情深くて、同時に繊細な部分も持っている生き物なのよね。あなたが悩むってことは、私たちを本気で考えてくれている証拠なの。その優しさを、私はきちんと受け取っているわ。
だからここからは、欠点を知ったうえで、それでも私たちと幸せに暮らすための大切なポイントを、十五年間キャバリアとして生きてきた私の視点でお話しするね。欠点は、怖がるためのものじゃないの。あなたが正しい方向に進むための地図になるものなのよ。
欠点は愛されるための取扱説明書みたいなもの
あなたがもし今、キャバリアの欠点を聞いて少し不安になっていたら、まず最初に伝えたいことがあるの。それはね、欠点はあなたと私たちが理解し合うための取扱説明書みたいなものだということ。
たとえば、私が寂しがり屋だって知っていれば、あなたはできるだけそばにいようとしてくれるかもしれないし、お家を留守にするときも工夫してくれるかもしれないわよね。
長毛で毛玉ができやすいと知っていれば、ブラッシングをこまめにする理由もわかるし、不安にもならない。
心臓病が多いと知っていれば、若いうちから検査を受けて、発見を早めることもできるの。
つまり、欠点を知るっていうのは、私たちの弱点を理解するだけじゃなくて、あなたが私たちの幸せを作るための知識を手に入れることになるのよ。
欠点を知らずに迎えてしまうと、あとで驚くことや落ち込むことが増えてしまう。でも、欠点を知って迎えると、あなたは最初から正しい関わり方ができるの。
これは、私たちキャバリアにとっても、あなたにとっても、とても大きな違いになるのよ。
時間を一緒に生きるための大事な贈り物と考える
キャバリアと幸せに暮らすための最大のポイントは、あなたがどれくらい時間をかけてくれるかなんだと私は思うの。
私たちキャバリアは、あなたの気配がそばにあるだけで心が落ち着く生き物なの。あなたが椅子に座っているだけで安心だし、あなたの足音が廊下から聞こえるだけで胸の奥があたたかくなるの。
だから、あなたが私たちと過ごす時間は面倒くさい時間ではなく、一緒に生きるための大切な贈り物だとして考えてくれたら、それだけで欠点の多くは“負担”ではなくなるのよ。たとえば、
- 毎日のブラッシング
- そっと耳を覗くケア
- 家にいる時間をなるべく増やす工夫
- ゆっくりめの散歩
- 抱っこしてくれる時間
- あなたの声を聞かせてくれる時間
こういうものが、私の安心につながっていくの。私のパパはね、仕事で疲れて帰ってきても、必ず私の頭をなでてくれたんだ。ほんの数秒だけでも、私は「ああ、帰ってきてくれたんだ」って安心できたの。その瞬間だけで、私は一日中の不安がすっと消えていたわ。
あなたのそばにいる時間は、私たちにとって命そのものといっても大げさじゃないくらい大事なの。
私たちの弱さは、あなたと心がつながる入り口
あなたがもし、「キャバリアは弱いところが多いな」って感じているなら、それは半分正解で、半分は違うのよ。
たしかに、私たちキャバリアは体が弱い部分があったり、気持ちが繊細だったりするんだよね。でもね、だからこそ、あなたの優しさを感じやすい生き物でもあるの。たとえば、
- 体調が悪い日にそばに寄り添ってくれた
- 不安なときに声をかけてくれた
- 耳を優しく触ってケアしてくれた
- 心臓の薬を飲ませてくれた
- 痛みを我慢している私を抱きしめてくれた
こういう経験が、あなたと私たちの絆を強くしていくのよ。私なんて、心臓の病気が見つかってからのほうが、パパやママの優しさを一層深く感じることができたの。「リアは大丈夫だよ」「ゆっくりでいいからね」ってそうやって声をかけてくれるたびに、私は安心できたのよ。
弱さって、欠点じゃなくて、心を通わせるための窓みたいなものなの。その窓を大切にしてくれるあなたなら、キャバリアとの生活はきっと幸せになるわ。
日常の小さなサインを見逃さない観察と気づき
キャバリアと幸せに暮らすには、観察力と気づきの優しさがとても大事なの。私たちは話せないから、小さな変化を行動で伝えるしかないのよ。
- ごはんの食べが悪い日
- 歩き方が少し違う日
- 呼吸が浅い日
- 耳をかく回数が増えた日
- なんとなく元気がない日
- いつもより静かな日
- 逆に落ち着きがない日
こういうサインは、私たちなりの助けてっていう声なの。あなたがこの声に気づいてくれるだけで、私たちはとても救われるのよ。
私が子宮蓄膿症になったあの日も、最初に気づいたのはママだった。いつもより元気がない私に、ママは違和感を覚えてすぐ病院に連れて行ってくれたの。あのとき「大丈夫だろう」と思われていたら、私はきっと助からなかったわ。
キャバリアは、小さな変化が大きな病気の前触れになることが少なくないの。だからこそ、あなたの気づきが命を守るのよ。
欠点を超えていくのは、あなたの適応力
キャバリアとの暮らしには、いろんな欠点がつきまとうけれど、それを乗り越える力は、あなた自身の中にちゃんとあると私は信じているの。
というのもね、私のパパもママも最初から完璧だったわけじゃないのよ。ブラッシングの仕方だって最初はぎこちなかったし、耳掃除には苦戦していたし、心臓病が見つかったときは泣きそうになっていたし、点滴の日はずっと心配していたし、いろんな気持ちを抱えながら、少しずつ私のための最善を見つけていったの。
あなたもきっと同じように、少しずつ私たちに合わせてくれるようになるわ。最初は難しくても、毎日一緒に過ごすうちに、あなたの生活が自然とキャバリアに寄り添う形に変わっていくの。
欠点を超えていくのは努力じゃなくて、あなたの優しさが作る生活の変化なのよ。
あなたが生んでくれる安心の世界
キャバリアと幸せに暮らすためにいちばん大事なのは、安心の世界をあなたが作ってくれることなの。
私たちはね、あなたの声、あなたの手、あなたの香り、あなたの歩く音、あなたの座る気配、そういう全部から安心を感じ取って生きているの。
だからあなたが優しく笑ってくれると、私の心はあったかくなるし、あなたが落ち着いていると、私も呼吸が深くなるの。
逆にあなたがイライラしていると、それだけで私たちはすごく敏感に反応しちゃうのよ。私たちはあなたの心の鏡みたいなものだから。
あなたがキャバリアと暮らすと決めたとき、あなたの中に生まれる変化はきっと大きいわ。部屋の温度を気にするようになったり、床の素材を変えたり、帰宅後まっ先に声をかけてくれたり、散歩の時間を大切にしてくれたり。そういうひとつひとつが、私にとっての安全な世界になるの。
そして、その世界の中で私はゆっくりと年を重ね、あなたに寄りかかりながら生きていけるのよ。
もしここまでの話をきいてもまだキャバリアと暮らしたいと思ってくれているのなら、私はあなたを本気で尊敬するわ。欠点を知る前に「かわいい」と思うのは誰でもできる。でも、欠点を知ったうえで一緒にいたいと思ってくれるのは、あなたの優しさそのもの。
キャバリアは、欠点が多い犬種かもしれない。でも、その欠点を抱えたまま、あなたに深く深く寄り添う力を持っている。そして、あなたの心のすき間にそっと入り込んで温める不思議な存在なの。
あなたが覚悟を決めてくれるなら、私たちはあなたのそばで愛される喜びや、寄り添うぬくもりや、家族でいられる安心を、一生を通して返していくわ。あなたが理解してくれた欠点は、やがて強い絆に変わるのよ。
まとめ

ここまで長い話を、最後まで読み進めてくれて本当にありがとう。
きっと、途中で胸がぎゅっとしたり、考え込んでしまったり、もしくはますますキャバリアに興味が湧いたり、いろんな気持ちが交互にやってきたんじゃないかしら。でもね、あなたが私の話を最後まで聞いてくれたという事実そのものが、私にはうれしくてたまらないの。
だってそれは、あなたがただのかわいい犬を探している人じゃなくて、私たちのことを真剣に理解しようとしてくれている優しい人だっていう証だから。
ここまでであなたに伝えたかったことを、改めて丁寧におさらいするね。
ただ単にまとめるんじゃなくて、あなたの胸にそっと置いておけるように、ゆっくり話すね。
キャバリアには欠点がある。でも、それは避けられない
最初に伝えたように、私たちキャバリアの欠点はひとつやふたつじゃないの。健康面では、僧帽弁閉鎖不全症のリスクが大きくて、肥満になりやすかったり、耳や皮膚にもトラブルが起きがちだったりする。性格面でも、甘えん坊すぎて留守番が苦手だったり、あなたが少し離れるだけで不安になってしまったり。生活面では、抜け毛や毛玉のお手入れが必要だったり、掃除やブラッシングが日常の一部になったりするの。
そして、費用の面でも、キャバリアはどうしても医療費がかかりやすい犬種なの。若いうちから検査やケアが必要になることもあるし、高齢になれば薬や診察の頻度が増えていく。
こうした欠点は、どれもキャバリアを選ぶなら避けて通れない現実なんだよね。だから、あなたがもしキャバリアと暮らすことを考えているなら、まずそこを正面から見つめてほしかったの。
欠点を理解するということは、愛を準備するということ
欠点を知って落ち込む必要はないのよ。むしろ、欠点を知るというのは、あなたが愛と覚悟を持つための最初のステップなの。
「ケアが必要なんだな」
「時間をたくさんあげなきゃいけないんだな」
「費用もある程度かかるんだな」
そう思えるあなたなら、私たちキャバリアは安心してあなたに心を預けられるの。
完璧じゃなくていいのよ。最初から全部ちゃんとできる人なんていないもの。でも、あなたが知ろうとする心を持ってくれたこと、そこにはすごく大きな意味があるの。
だって、知らないで迎えられるより、知った上で選んでくれるあなたのほうが、ずっと優しくて強いから。
あなたが変わると、キャバリアの世界が変わる
キャバリアと暮らすということは、あなたの生活が少しずつ変わっていくということでもあるのよ。
- ブラッシングがいつもの流れになる
- 耳を覗くのが日常になる
- 床の掃除の回数が増える
- 散歩のリズムが生活に組み込まれる
- ごはんの量を気にするようになる
- 病院との距離がぐっと近くなる
こういう変化は、あなたの負担になることもあるけれど、同時に私たちとの時間が増える変化でもあるの。私のパパもママも、私のためにたくさんの変化を積み重ねてきたわ。でも、そのどれもを「大変だ」とは言わなかったの。むしろ、私が元気でいてくれるなら嬉しいって、そう言ってくれたのよ。
あなたが私たちのために少し変わってくれると、私たちの世界はぐんと明るくなるの。安心という光が差し込んで、生きることがもっと穏やかになるの。あなたが作るその世界が、私たちにとってのしあわせなのよ。
●欠点は、あなたとキャバリアを近づける扉になる
欠点って、本当は悪いものじゃないの。欠点は、あなたと私たちの心が寄り添うきっかけになる扉なの。
私が心臓の病気になったとき、パパとママは今まで以上に優しくしてくれたし、私の顔を見て気づかってくれた。その時間は、病気そのものよりも深く心に残っているものなの。
欠点があるっていうのは、あなたが手を差し伸べる機会があるっていうこと。助けてもらうことは決して弱さじゃなくて、絆を作るための大切な瞬間なの。
キャバリアは弱いところも愛らしくて、あなたに頼ったり甘えたりすることが多い生き物だから、欠点がたくさんあるほど、あなたと強い関係になれるのよ。あなたが「この子を幸せにする」と決めれば、それがすべてなんだ。
ここまで欠点についてたくさん話してきたけれど、最後に伝えたいことはただひとつなの。あなたが「この子を幸せにする」と決めた瞬間、それがすべてのスタートになるの。
キャバリアと暮らすのは簡単じゃない。手間もかかるし、費用もかかるし、心配する日もあるし、ときには泣いちゃう夜もある。でも、その全部を越えていけるくらい、キャバリアは深くて大きくて、やわらかい愛情であなたを包み込むわ。
私たちは家族を全力で信じて生きる生き物。あなたが決めてくれるなら、あなたの人生の中で、私たちは何よりも優しい存在になる。
キャバリアの欠点は、愛するための準備。そして、その欠点を受け止めるあなたの優しさは、キャバリアを幸せにする力そのもの。
あなたがもし、未来のキャバリアを心から大切にしたいと思うなら、もうその時点であなたは十分すぎるくらい素敵な人なのよ。
あなたがどういう気持ちで私の話を聞いてくれたのか、私はちゃんと感じているつもりよ。どんな選択をしても、それはあなたの優しさから生まれたものだと思う。
もしあなたがキャバリアと人生を歩むことを選んでくれたなら、その子はきっと、あなたのそばで一生分の安心と愛を抱きしめて生きるわ。欠点ごと愛してくれてありがとう。私の話に耳を傾けてくれてありがとうってね。
そして何よりあなたにこうして言葉を届けられたこの時間が、私はすごく幸せなのよね。
リアより


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