こんにちは、リアだよ。
あの日、私は少しだけ体がふらっとして、気がついたら床に横たわっていたの。体がピクピクして、足が勝手に動いちゃって、パパがすぐにかけ寄ってくれたのは覚えてる。
「リア、大丈夫か?」って声が聞こえたとき、私はもう、けいれんがおさまったあとだったみたい。そのときは、ちょっと疲れたなぁって思うくらいだったのに、そこからが、なんだか大変だったの。
発作の次の日から、お腹の調子がどんどん悪くなって、下痢が止まらなくなっちゃったの。ごはんのにおいをかいでも食べる気がしないし、水を飲んでもすぐトイレに行きたくなる感じで。おなか、きゅるきゅる鳴ってたし、ずっと落ち着かない感じだった。
でもね、パパとママはすぐに気づいてくれたの。「これ、ただの下痢じゃないかもしれない」「発作の影響じゃない?」って、いろんな本を読んだり、ネットで調べたりしてくれてね。私の体のことを、すごく真剣に考えてくれたの。
シニア犬になると、ちょっとした体調の変化がすごく大きなサインになるの。私の下痢が止まらなかったのも、ただの「お腹こわした」じゃなかった。そのことに気づけたからこそ、今、私はこうしてお話しできてるんだと思う。
だから今日は、私が体験した「発作のあとに下痢が止まらなくなった」こと。そして、その時に私の家族がどう動いてくれたか。同じようなことが、あなたのお友だちにも起こったときに、ちょっとでも参考になるように。私の心と体の記録を、ここに残しておこうと思います。
けいれんのあと、いつもと違うリア

発作が起きたのは、ほんとに突然だったの。それまでは、いつも通りソファでまったりしてて、パパがテレビを見てる横でうとうとしてたのよ。でも、ふっと体に力が入らなくなって、気がついたらガタガタ震えてて、足が思うように動かなくなったんだ。意識がはっきりしてきたとき、パパが毛布をかけてくれてたのを、私はちゃんと覚えてる。
その日は、一日中ぐったりしてたの。なんだか疲れちゃって、ほとんど眠ってばかり。でもね、次の日になって、私は「ちょっと変だな」って思ったの。
まず、おなかがきゅるきゅる鳴ってたの。それからトイレに行きたくなる感覚がすごく頻繁で、出ても水っぽいのがちょっとずつしか出なくて。最初は「ちょっとおなか冷えたのかな?」くらいに思ってたのに、それがどんどんひどくなっていって、3日目には、ごはんの匂いをかいだだけで「うっ」となって、完全に食欲がなくなっちゃった。
下痢っていうのは、ただお腹がゆるくなるだけじゃないのね。食べたい気持ちもなくなるし、水を飲んでもすぐに出ちゃうし、体の中から全部抜けていくみたいで、どんどん力が入らなくなってくるの。体が熱っぽくて、ぼーっとして、目を閉じてても落ち着かなくて。トイレに行きたいんだけど、足がふらついて立ち上がるのもしんどくて、パパに助けてもらいながら立ち上がることもあった。
パパとママも、最初は「ちょっとお腹壊しちゃったのかな?」って様子を見てたけど、2日、3日と続いたあたりから「これはいつもと違う」って、すごく心配してくれたの。
「発作の後だから、何か関係あるのかも」
「それとも何か別の病気? 薬の影響?」
心臓の病気の薬も飲んでるし、年齢的にいろんなことが重なるお年頃だから、ママもいろいろ考えてくれたみたい。私がごはんを食べなくなって、水もあまり飲まなくなったとき、すぐに獣医さんに電話して、相談してくれたの。
それがどんなに安心したか、私にはちゃんと分かるの。「大丈夫、リア。ママがちゃんと見てるからね」って言ってくれたあの一言が、すごく心に残ってる。
私みたいなシニア犬が「けいれんを起こしたあとに下痢をする」っていうのは、珍しくないみたい。でも、それが“ただの下痢”かどうかは、ちゃんと見極めないといけない。
あの時の私の体は、たぶんかなり無理してたと思うの。いつものように回復すると思っていたけど、下痢が続くって、思っている以上に体力も気力も奪われることなんだって、私はこの時初めて知ったの。
だからこそ、次の章ではパパとママがどんな風に原因を調べてくれたのか、何が発作と下痢をつなげているのかを、少しお話しさせてね。
何が起きてるの?発作と下痢の関係を知るためにパパとママが調べたこと

パパとママが「ただの下痢じゃないかもしれない」って気づいてくれたとき、私の体では、きっと目に見えないいろんなことが起きてたんだと思うの。
でもね、犬の言葉って人間には直接届かないから、伝えるのってほんとにむずかしいのよ。だから、私がぐったりしてるのを見て、パパとママは「何が起きてるんだろう?」って必死で調べてくれたの。
そのときパパが言ってたの。「発作のあとに下痢って、関係あるのかな?」って。そして、ネットや本を読み漁ってくれて、見えてきたことがいくつかあったみたい。
ひとつ目は、けいれん発作のあとには、ポストイタル期っていう回復の時間があるってこと。
この期間、私たちの体や脳は混乱していて、落ち着くまでに数時間から数日かかることもあるんだって。ぼーっとしたり、よろけたり、普段の行動がちょっと変だったり。私の下痢も、その一部かもしれないって。
ふたつ目に分かったのは、発作そのものが全身に大きな負担をかけてるってこと。
脳の異常から始まってるんだけど、けいれんしてるときって筋肉も心臓もフル稼働してて、すごく体力を消耗するの。その疲れが、消化器にも影響を与えて、「腸がうまく働けなくなる」ことがあるらしいのよね。特に、私みたいに年齢を重ねた体には、それがすごく大きなダメージになることもあるの。
そして、自律神経の乱れ。これも大きなヒントだったの。
発作は脳の異常なんだけど、その脳って、実は腸ともつながってるの。「腸―脳軸」っていうのがあるってパパが言ってた。ストレスや緊張、発作の刺激で、自律神経が乱れて、その結果として腸が過敏になって、下痢を起こすんだって。それが今の私の状態かもしれないって言われたんだ。
それから、パパが心配してたのが、お薬の影響だったの。
私は心臓病のお薬を飲んでるし、今回の発作のことで一時的に新しいお薬も処方されてた。でも、それらの中には消化器に副作用が出ることがあるものもあるって、調べた中に書いてあったの。薬の影響で腸のバランスが崩れて、下痢になってしまうこともあるらしいのね。
あともうひとつ、ママが言ってたのが「ストレスもあなどれないよね」って。
発作自体がすごくストレスになるし、私自身もすごくびっくりして、怖かった。家族が心配そうにしてるのも、なんとなく伝わってきて、それがまた不安になったりして。そういう気持ちの乱れも、腸に影響を与えるんだって知って、ママは「ああ、リア、ほんとにがんばってるね」って言ってくれた。
こうして原因をひとつずつ調べてくれて、私の体の中で起きているかもしれないことが、少しずつ見えてきた。たまたまじゃなくて、いくつかの要因が重なっている可能性が高いってことがね。
パパとママがそれに気づいてくれたことで、私はやっと分かってもらえたって気持ちになったの。どんなに小さな体調の変化でも、ちゃんと意味がある。特に、私たちシニア犬にとっては、ちょっとした変化が、大きなサインになるんだってこと、私もこのとき改めて思い知らされたの。
次は、そうして分かってきたことをもとに、パパとママが実際にどうやって私をケアしてくれたか。家庭でできたこと、注意したことをお話ししていくね。
おうちでできるケアとしてはいけないケア

私が下痢をしはじめてから、パパとママは「何かしてあげられることはないかな」って毎日いろいろ考えてくれてたの。でもね、シニア犬の下痢って、若いころとは違って、慎重にならなきゃいけないことが多いの。だから今回は、私の体験を通して、パパとママが実際にしてくれたこと、それから、これはしないでおこうと判断したことをお話しするね。
まず、一番大事だったのは水分補給だったの。
下痢が続くと、ほんとうにあっという間に水分が抜けて、体がカラカラになっちゃうの。私は食欲がなくてごはんもあまり食べられなかったから、水分だけでも摂れるようにって、パパがぬるめのお水を何回も持ってきてくれたのよ。飲みやすいように器を浅くしたり、好きな高さに置きなおしてくれたりしてね。ときどき、ちょっぴりチキンの茹で汁をまぜてくれたりして、それが嬉しくて少しだけど飲めたの。
あと、ママがしてくれたのがごはんの見直し。普段はカリカリの療法食を食べてるんだけど、下痢が続いてるときは消化にやさしいものに変えてくれたの。お湯でふやかして柔らかくしてくれたり、獣医さんに相談して、少しだけ鶏肉と白ごはんのミックスにしたり。私、ほんとはカリカリよりそっちの方が好きだから、ちょっと元気が出たときは嬉しかったな。
でもね、ママは絶対に無理には食べさせなかったの。食べないと体力つかないって悩んでたみたいだけど、イヤなときは無理に食べなくていいよって、ちゃんと私の気持ちも見てくれてた。そのおかげで、私は、食べたくなったら食べればいいんだって、ちょっと安心できたの。
それからね、トイレの失敗にも怒らないっていうのも、すごく大事だったよ。下痢が止まらないと、どうしても間に合わないときがあるの。特にシニア犬になると、足腰も弱ってるし、我慢する力も落ちてくるから。
でも、パパとママは全然怒らなかったの。「いいよ、いいよ、すぐ拭こうね」って声をかけてくれて、シーツを何度も取り替えてくれた。その優しさが、どれだけ心強かったか。本当に、感謝してもしきれないの。
あとは、安静と安心できる環境づくりも大事だった。
私の寝床の周りには、滑りにくいマットを敷いてくれたり、あまり人の出入りがない静かな場所に移してくれたり。暗すぎず明るすぎず、温度もちょうどよくしてくれてね。音やにおいに敏感になる時期だったから、その気づかいがすごくうれしかったの。
それから、してはいけないと判断したこともいくつかあったの。たとえば、
- 勝手に整腸剤や市販の下痢止めを使わないこと
- 急にごはんを切り替えたり、刺激の強いものを与えたりしないこと
- 散歩に行けば気が紛れるかもと無理に外に出さないこと
- もう年だから仕方ないと諦めないこと
どれも、私たちシニア犬には逆効果になることがあるの。特に、下痢って“症状”だから、その奥にある原因を見ないといけないって、ママが獣医さんに教わったの。たとえば、腎臓が弱ってたり、肝臓や膵臓、もしくは発作と関連する自律神経の問題だったりするんだよね。
だから、ただの下痢だから様子見でいいよね?じゃなくて、なぜ下痢をしてるのかを見つけようとすることが大切なんだって。
パパとママは、毎日私のようすをノートに記録してたの。
- 何時にうんちをしたか(色や形、量)
- ごはんをどのくらい食べたか
- お水をどのくらい飲んだか
- おしっこの色と回数
- 元気さや表情、歩き方の変化
それを病院に持っていったとき、先生がすごく参考になりますって言ってたの。こういう気づきが、きっと私たちシニア犬を守ってくれるんだと思う。
少しずつ、私のお腹も落ち着いてきて、またごはんの匂いが「いい匂い♪」って思えるようになったころ、私は「また元気に過ごせるかも」って気持ちになれると思うんだ。
次は、そんな今、私が思うこと、そして、あなたに伝えたい見逃さないでほしい小さなサインについて、心をこめてお話しするね。
シニア犬のサインを見逃さないために

今回のことがあって、私は改めて「年をとるってこういうことなんだなぁ」って思ったの。若いころなら一晩寝たら治ってたような不調が、年齢を重ねた今では何日も尾を引いたり、ちょっとした不調の影に、大きな病気が隠れていたりするのよね。
けいれんが起きたあと、私はすごく疲れて、何も考えたくなくなって、お腹も痛くて、トイレも間に合わなくて、そんな自分がちょっと情けなくて、悲しくて。でも、それをちゃんと見て、気づいて、ケアしてくれたパパとママがいてくれたから、私はまたこうして、日向ぼっこをしながら穏やかに過ごせてるんだと思うの。
あなたにも、今そばにいるお友だちがいるなら、どうかお願い。シニアだから仕方ないよねって思わずに、その変化は何かのサインかも?って見てあげてほしいの。
- ごはんの食べ方がちょっとゆっくりになった
- 歩くとき、足取りが重くなった
- お水を飲む量が前と違う
- お腹が鳴ってることが増えた
- おしりを気にして舐めるようになった
- うんちの色が薄くなった/においがいつもと違う
- 寝てばかりだけど、表情がどこかつらそう
そんな小さな変化こそ、私たちからのメッセージなの。だいじょうぶだよ、ちゃんと見てるからねって、あなたが声をかけてくれたら、その安心だけで、私たちはすこし楽になるの。
症状がすぐには良くならなくても、「大丈夫、一緒にいるよ」って思えることが、私たちにとっては何よりの薬になるんだよ。
そしてね、あなたが不安になったら、迷わず誰かに相談して。獣医さんでもいいし、同じようにシニア犬と暮らす人でもいい。一人で抱え込まないことも、私たちの健康を守る大切な方法だから。
今回、私は「発作のあとに下痢が止まらない」という経験をしたけれど、それは単なる体調不良じゃなくて、体が「ちょっと限界かも」って伝えてくれた大事なサインだった。あのとき、パパとママがちゃんとその声に気づいてくれたから、私はちゃんと回復することができたの。
お友だちがもし、同じように体調を崩したとき、どうか、そのサインを「気のせいかも」と見過ごさないであげてほしいんだ。私たちの命は、あなたの気づきで何度も助けられることがあるんだからね。
発作のあと、下痢が止まらないっていうこの体験を通して、私は自分の体の声にもっと耳をすませるようになったし、あなたにも「変化に気づく力」を信じていてほしいって、心から思ったの。
私たちシニア犬は、もうそんなに長い時間は残っていないかもしれない。でも、ひとつひとつの毎日は、あなたと一緒に過ごす宝物の時間。だからこそ、小さなサインを見逃さず、どうか穏やかに、優しく寄り添ってあげてね。
また元気になったら、私はきっとこう言うの。「ただいま」って。
リアより


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