こんにちは、リアだよ。
ねえ、ちょっと聞いてほしいことがあるの。
私ね、ずっと小さいころから、ご飯の時間が一番の楽しみだったの。パパがキッチンに立つだけで胸がどきどきしちゃうくらい、ご飯が大好きだった。キャバリアってみんなそうなのかもしれないけど、私はとにかく食べることが生きがいみたいだったのよ。
でもね、この前ふと気づいたら、お皿の前に座っているのに、前みたいに「食べたい」って気持ちが湧いてこなかったの。匂いを感じてもワクワクしないし、一口めを噛むのも少しおっくうで、なんだか胸の奥がもやもやしていたの。あなたのお友達にも、こんな経験があったりしない?
シニアになると、体のあちこちがちょっとずつ変わっていくって聞いてはいたんだけど、まさか自分が「ご飯が進まない日」を迎えるなんて思ってなかった。だって私、ご飯命だったんだよ。
なのに、ある日を境に食べたい気持ちがうまくつながらなくなって、私自身すごく戸惑ったの。
あなたも、大切なお友達が急にご飯を食べなくなって、不安になったことがあるんじゃないかな。
「どうして食べないんだろう」
「病気なのかな」
「ただのわがまま?」
そんなふうに考えて、胸がぎゅっとしたこと、きっとあると思う。
だからね、今日は私が実際に体験したことと、シニア犬の食欲低下について知ったことを全部あなたに話そうと思ったの。私が感じた怖さとか、パパやママがしてくれた工夫とか、キャバリアならではの心臓病との関係とか、知っておくと安心できることがいっぱいあるの。
あなたのお友達も、もしかしたら私と同じように、自分でも説明できない変化に戸惑っているのかもしれない。その小さな変化に気づいて寄り添ってあげるのは、あなたみたいな優しい家族しかできないことなのよ。
この先は、私が「食べられなくなった日」から気づいたことや、あなたに知っておいてほしいサイン、そして家でできるケアまで、全部あなたに向けて話していくからね。あなたのお友達との毎日が、少しでも穏やかになったら嬉しいな。
ご飯が命だった私に訪れた食べられない日

あなた、ちょっと想像してみてほしいの。毎日の楽しみが、急に楽しみじゃなくなる瞬間って、胸の奥がきゅっとしない?私ね、その日が突然来ちゃったの。ご飯命だった私にとって、それは本当に大きな変化だったのよ。
小さいころから私は食べることが大好きで、パパがキッチンに立つ音だけで耳がぴんっと上がっていたの。お皿にカリカリが落ちる音なんて、もうそれだけで全身がわくわくして、足が勝手に動いちゃうくらいだった。
パパもママも、「リアは本当に食べることが好きだねえ」って笑いながら言ってくれて、その時間は私の毎日のエネルギーの源みたいなものだった。あなたのお友達にも、そんなふうにご飯を心から楽しみにしている子っていない?
そんな私なのに、ある日の朝、いつものようにお皿の前にすわった瞬間、胸の中に変な違和感が広がったの。匂いはちゃんとするのに、あのいつもの高まる気持ちが湧いてこない。お皿を見つめても、前みたいに「早く食べたい」って感覚が動き出さない。私はその時、自分で自分に驚いていた。
とりあえず一粒くわえてみたんだけど、噛んだ瞬間、いつもより固く感じて、飲み込むのもちょっと大変だったの。それで思わず口を止めちゃって、そのままお皿から顔をそむけてしまったのよ。パパが「リア、今日は気分じゃないのか?」って優しく言ってくれたけれど、私自身どうしてこんな気持ちになったのか説明できなかった。だって、ずっと当たり前に大好きだったものが、急に遠くに感じるなんて、そんなの初めてだったから。
あなたもきっと、いつも元気いっぱいだったお友達が、お皿の前で止まっていたら驚くよね。私がそのとき感じたのも、そんな気持ちに近かったと思う。「どうしたんだろう、私……」って、胸がざわざわして、いつもより不安が広がっていったの。
その日のお昼頃、コロンくんが遊びに来たの。あの子って、とにかく明るくて元気で、いつもテンション高いから、私が少し落ち込んでても気づかないタイプかと思っていたのよ。
でもね、私がお皿の前でぼんやりしていたら、コロンくんが近づいてきて、「リア、どうしたの?いつものきらきらしてる顔じゃないよ?」って顔をのぞきこんできたの。あの子って、人を元気にするのは得意だけど、じっと様子をうかがうのは珍しいから、その瞬間ちょっと胸が温かくなったの。
私が「なんかね、食べたい気持ちが動かないの」って言ったら、コロンくんは目を丸くして、「リアが?信じられないよ!」って驚いていた。でも、その驚きの表情が逆に私の気持ちを軽くしてくれたの。だって、ずっと食いしんぼうの私を知ってくれてるお友達が、私の変化にちゃんと向き合ってくれたんだもの。あなたのお友達も、仲のいい子が落ち込んでいたら気づいてくれるよね。
それでね、夕方になると、今度はルナちゃんがふらっとやってきたんだ。あの子はいつも静かで落ち着いているから、私の目を見るだけで気づいたみたいなの。リア、今日はちょっと元気がないね」って優しい声で言ってくれた。ルナちゃんは、言葉の強さじゃなくて、隣にそっと座るだけで心に寄り添ってくれるタイプなのよ。そのやさしさがゆっくり胸に流れ込んできて、私は少し安心した気持ちになれたんだ。
でもね、どれだけお友達に支えてもらっても、食べたい気持ちは戻らなかった。夕ご飯の時間になっても、お皿の匂いはちゃんと香ってるのに、心の中がしんと静まり返っているような感じで、体が動かなかったの。パパが「リア、どうしたの?」って目線を合わせてくれたけど、私はしっぽを少し揺らすのが精いっぱいだった。パパはすごく心配そうで、その表情を見たら胸がずんっと重くなっていったの。
あなたも、きっと似た経験があるんじゃない?お友達がご飯を食べなくなると、「どうして?」って気持ちがあふれて、不安が広がっていくよね。私の場合、自分でも理由がわからないから、余計に戸惑いが大きかったの。身体の中の何かがゆっくり変わっていたのに、私は気づけてなかっただけだったのよ。
その夜、パパとママが「リアの様子がいつもと違うね」って小さく話している声が聞こえて、私は目を閉じながら耳だけを向けていたの。なんだか申し訳ない気持ちが生まれて、しっぽも動かせなくて、心の中がぽつんと孤独になった気がした。だけど同時に、「この変化をちゃんと見つけてくれる家族がいる」って思ったら、少し安心もしたの。あなたも、そんな気持ちになったことない?
シニアになると、体の中で起きている変化は自分じゃ説明できないし、気づいたときにはもういつもの自分とは違っていることがあるのよ。食べたい気持ちがふっと弱くなったり、喉を通すのが少し大変だったり、姿勢を保つのがしんどかったり。若いころは考えたこともなかったことが、ある日突然現れることだってあるの。
私はあの日、初めて「食べられない自分」と向き合ったの。その戸惑いは大きかったけれど、パパやママ、お友達の存在があったから、その変化と向き合う勇気が少しずつ湧いてきたの。あなたのお友達もきっと、そんな小さな勇気を必要としていると思う。
だからね、この後は私が気づいた「食べられなくなる理由」をあなたにも話していくよ。あなたの大切なお友達を守るために、少しでも役に立つといいなって心から思っているの。
シニア犬がご飯を食べないときに隠れている理由

さっき私が「食べたい気持ちが動かなくなった日」の話をしたでしょ。あのね、その後パパとママがすごく心配して、私の体のことをいろいろ調べてくれたの。それで気づいたんだけど、シニアになると、ご飯を食べられなくなる理由ってひとつだけじゃないのよ。むしろ、いくつもの小さな変化が重なって、気づいたら食欲がふっと落ちちゃうことが多いの。
今日はね、その「隠れている理由」を、私自身の体験やお友達の話も交えながら、あなたに全部伝えていくね。あなたのお友達にも起こりやすいことばかりだから、きっと心当たりが見つかると思う。ひとつずつ、一緒に見ていこうね。
においが分かりにくくなることがあるの
シニアになると、においの感じ方がゆっくり変わっていくことがあるのよ。私たちにとって「食べたい」という気持ちって、においでスイッチが入る部分が大きいの。ご飯の香りが強ければ強いほど、気持ちがわくわくしてくるんだけど、年齢を重ねるとそのスイッチが前みたいに動きづらくなっていくの。
私もね、あるときから急に「いつもの香りなのに、ときめかない」という瞬間が増えたの。前は食べ物の袋がカサッとするだけでテンションが上がっていたのに、気づいたら耳は動くのに心がついてこない日があったのよ。あなたのお友達も、においの反応が少し鈍く感じることない?
においが弱く感じると、ご飯そのものの魅力が半減するような感じがして、気持ちのスイッチが入りにくくなるの。これって、わがままとか飽きたとかじゃなくて、体の自然な変化なのよ。
噛むのがつらくなることがあるの
あなた、私たちって実は歯のトラブルがすごく多いの。特にシニアになると、歯ぐきが少しずつ弱くなったり、歯がぐらついたりして、固いものを噛むのがつらくなることがあるのよ。
前はカリカリをバリバリ噛むのが大好きだったのに、ある日噛んだ瞬間に「ちょっと痛いかも」って感じる日があったの。その一回の違和感があるだけで、ご飯を前にすると「今日も痛いのかな」と心のどこかで不安が動くようになって、口が止まっちゃうことがあるの。
それにね、歯だけじゃなくて、口の中が乾きやすくなることもあるの。唾液が少ないと飲み込みづらくなるから、食べたい気持ちはあるのに、うまく飲み込めなくて途中でやめちゃうこともあるのよ。
あなたのお友達が、ご飯を前に少し考え込んでいたり、一粒食べただけでやめちゃったりするなら、口の中がつらいのかもしれないね。
飲み込む力が弱くなる日がくるの
これもね、シニアになるとよくある変化なの。特に私みたいなキャバリアは、のんびりした性格の子が多いから、もともと飲みこむのが少しゆっくりな子もいるのよ。
でもね、年齢を重ねると喉や舌の動きが少しずつ変わってきて、以前みたいにスムーズに飲み込めない日がくることがあるの。私はその変化を感じたとき、「なんでこんなに疲れちゃうんだろう」と戸惑ったものよ。
ご飯を口に入れるたびに、飲み込む瞬間がちょっとしんどいと、それだけで「次の一口」をためらってしまうの。あなたのお友達が、ご飯を前にしてもゆっくりしていたり、何度も噛み続けているように見えたら、飲み込みの力が関係しているかもしれないね。
腸や胃が以前と違ってくるの
シニアになると、消化のスピードも少しずつ変わるの。私もね、昔みたいに勢いよく食べると、そのあと胃が重くなる日が増えていったのよ。
食べると疲れるように感じる日があったり、ちょっとした量でもお腹がはる日があったりして、そういう日が続くと、ご飯を見るだけで「今日はやめておこうかな」という気持ちになったりするの。これは決してわがままじゃなくて、体からの静かなメッセージなのよ。
あなたのお友達が食べたあとぐったりしたり、お腹を触ると嫌がったりするなら、消化がつらいのかもしれないね。
ご飯の姿勢がしんどくなることもあるの
これ、あなたも意外に思うかもしれないけれど、私たちってご飯を食べる姿勢って結構大事なのよ。若いころは気にならなかった高さでも、シニアになると首を下げる姿勢が負担になったり、前足や後ろ足に力が入りにくくなったりすることがあるの。
私もね、お皿の前に立つだけでちょっと疲れる日があったのよ。前は全然平気だったのに、なぜか姿勢を保つだけで息が上がってしまう日が出てきて、そんな日は食べたい気持ちがあっても、お皿に顔を近づけるのがつらかったの。
もしあなたのお友達が、ご飯前にすぐ座り込んだり、途中で立つのをやめたりするなら、姿勢がしんどいのかもしれないね。
心が疲れて食べられなくなることがあるの
シニアになると、体だけじゃなくて心も変化していくの。私たちって、家族の気持ちや家の中の空気にとっても敏感なのよ。あなたが忙しかったり、家族の誰かが落ち込んでいたりすると、それが伝わることがあるの。
私もね、パパが心配ごとを抱えている時期に、なぜか食が進まない日が続いたことがあったの。そのときは、自分が心を疲れさせているなんて気づかなかったんだけど、今思うと気持ちが落ち着いていなかったんだと思う。
あなたのお友達が急に食欲をなくしたとき、家の中の変化や生活リズムの変化も、少し思い出してみてほしいな。
そして、病気が隠れていることもあるの
あなたに一番知っておいてほしいのはここなの。シニアになると、体のどこかに病気が隠れていることがあって、それが食欲低下のきっかけになることも多いのよ。
例えばね、
・腎臓の病気
・肝臓の負担
・腸や胃の炎症
・体の中のしこり
こういうものは、静かに進むことが多くて、食べないことで初めて気づくこともあるの。
そして、キャバリアにとって特に気をつけたいのが心臓の病気。この話は次の章で詳しく話すけれど、心臓の機能が少し弱くなるだけで、食欲に影響が出てしまうことがあるのよ。
あなたのお友達が、急に食べなくなったり、元気が落ちていたりしたら、体の中の静かな変化が関係していることもあるから、無理に食べさせるよりも、まずその変化を受け止めてあげてほしいな。
食べないのはわがままじゃないの
これだけは絶対に覚えておいてほしいことなのよ。
シニアのお友達が食べないとき、それは決して「わがまま」でも「好き嫌い」でもなくて、体のどこかが「ちょっとつらいよ」って静かに伝えているサインだったりするの。
私もね、自分がご飯を前にして止まってしまったとき、その理由がわからなくて不安になったの。でも、パパとママがその変化を見つけて、しっかり寄り添ってくれたから、私も安心してその問題に向き合えたのよ。
あなたのお友達も、きっとそういう気持ちを抱えていると思う。だから、食べないことを責めるんじゃなくて、「どうしたの?」って優しく気持ちを寄せてあげてね。
キャバリアと心臓病、そして食欲低下の意外なつながり

あなた、ここからの話はね、私にとってちょっと特別な意味があるの。だってこれは、私が実際に向き合ってきた病気のことだから。そして、キャバリアとして生まれた私にとっては、避けて通れない宿命みたいなものでもあったのよ。
あなたのお友達がキャバリアならなおさら、そうじゃなくてもシニアのお友達と暮らしているなら、とても大事な話になるから、少しだけ真剣に聞いてほしいな。でも怖がらなくていいからね。これは「知ることで守れること」がたくさんある話だから。
キャバリアは心臓病と向き合うことが多いの
あなたも知っているかもしれないけれど、キャバリアってね、すごく優しくて穏やかで、家族が大好きな性格なの。そのかわり、体のつくりにはちょっとだけ弱いところがあって、そのひとつが心臓なのよ。
私は13歳の春に「僧帽弁閉鎖不全症」って診断されたの。最初聞いたときは、病名が長すぎてよく分からなかったし、パパもママも不安そうで、家の中の空気が少し変わったように感じたの。
でもね、この病気ってキャバリアには本当に多いの。私たちの血筋の中に、この病気になりやすい子が多いみたいで、年齢を重ねるほど発症しやすくなるのよ。だから私だけが特別なんじゃなくて、キャバリア全体にとって「向き合う可能性が高い病気」なんだって、パパが教えてくれたの。
あなたのお友達がキャバリアなら、まだ元気いっぱいでも、心臓のことだけはいつも気にしてあげてほしいな。
心臓の力が落ちると、どうして食欲に影響が出るの?
あなた、心臓の役目って何か知ってる?私たちの体の中で、全身に血を送り続けるポンプの役目なの。でもね、僧帽弁閉鎖不全症が進んでくると、このポンプが前よりしっかり動かなくなってくるのよ。
そうするとね、体のいろんな場所に十分な血が届かなくなるの。そのひとつが「胃腸」なの。
胃や腸って、食べたものを消化するためにたくさん血が必要なのに、心臓の力が少し弱くなると、そこへの血の流れがゆっくりになってしまうことがあるの。するとね、
・食べたあと疲れる
・すぐお腹が張る
・気持ち悪くなる日がある
・なんとなく食べたい気にならない
こういう変化がじわじわ出てくるのよ。
私もまさにそうだったの。パパが用意してくれたご飯を前にしても、「食べたいのに胸の中がもやっとする感じ」があって、体が前みたいに動いてくれなかったの。あの感覚は言葉にするのが難しくて、自分でも説明しづらかった。
あなたのお友達も、もしかしたら同じような気持ちを抱えているかもしれないね。
呼吸が少ししんどいと、それだけで食べる気持ちが弱くなるの
心臓の力が弱くなると、もうひとつ気をつけたいことがあるの。それは「呼吸」なの。
私もね、心臓のことがわかった頃から、寝る前や歩いたあとに息が少し早くなる日があったの。咳が出ることもあったし、胸の奥がつまったような気がして落ち着かない日もあったの。
そんな状態のときにご飯を食べようとするとね、食べ物の匂いはわかっても、気持ちがそっちに向かないの。呼吸を整える方が大事になってしまって、ご飯どころじゃなくなるのよ。
あなたのお友達が、
・呼吸が少し早い
・寝る姿勢が安定しない
・咳が増えた
・散歩直後にぐったりする
こんな様子を見せるなら、ご飯を食べない原因が心臓にある可能性も考えてほしいな。
薬が体に合わないこともあるのよ
心臓の病気って、薬で進行をゆっくりにしたり、楽に過ごせるようにしたりすることができるんだけど、その薬が体に合わなくて「ご飯が進まない」こともあるの。
私はね、薬を飲み始めたばかりのころ、一時的に食欲が落ちたことがあったの。パパとママがすぐに病院に相談して、薬の量を調整してくれたら、食欲もゆっくり戻ってきたんだけどね。
あなたのお友達も、新しい薬を飲んだあとに食欲が落ちたなら、薬が合っていない可能性があるから、すぐに相談してあげてね。シニアの体はすごく繊細だから、少しの変化でも強く影響が出ることがあるのよ。
心臓病のある子は、ちょっとした変化が大きなサインになることがある
これはね、私が自分の体で一番感じたことなの。心臓が弱っていると、小さな変化が他の子よりも大きなサインに見えてくるのよ。
例えば、
・少し元気がない
・ご飯を残す
・寝る時間が増える
・お水の量が変わる
こんな「変化っていうほどでもないような変化」が、心臓の状態を知る大事なヒントになるの。
私の場合は、ご飯を残すようになったことが、パパとママにとって最初のシグナルだったのよ。そこから病院でしっかり診てもらって、薬を調整してもらったり、生活のペースを変えたりしてもらって、毎日を穏やかに過ごせるようになったの。
あなたのお友達にも、そういう小さな変化ってきっとあるはず。あなたみたいな家族が気づいてくれることで、守れる命がたくさんあるんだって、私は実感しているのよ。
怖がるためじゃなく守るために知っていてほしいこと
あなたに心臓病の話をしているのは、決して怖がらせたいからじゃないの。むしろ、逆なのよ。
知っているとね、早く気づけるようになるし、対応だってすぐにできるようになる。早く気づけば気づくほど、お友達の時間を穏やかに伸ばしてあげられるの。
私はパパとママが早く気づいてくれたおかげで、心臓病になるとすぐにつらくなるっていうわけではなくて、心臓病とは上手につきあいながら暮らしていくものとして受け止められるようになったのよ。
そしてそのおかげで、今もこうしてあなたに話すことができているの。
キャバリアと心臓病、そして食欲低下の関係は、とても深くてとても大切なテーマなの。あなたのお友達も、その静かなサインを誰かに気づいてほしいと思っているかもしれないね。
様子見は危険なときもある。動物病院へ行くべきサイン

ここからの話はとても大事なの。シニアになった私たちは、ちょっとした変化が大きなサインになることがあるのよ。でもそのサインって、ほんとうに静かで、小さくて、気づきにくいの。
私も、ご飯を食べられなくなったあの日、ただの気まぐれだと思われてもおかしくなかった。でも、パパとママは「いつものリアと違う」って気づいてくれたから、早く対処できたのよ。
あなたにも、あなたのお友達にも、同じように大切にしてほしいことがあるから、ここでしっかり伝えるね。これは不安にさせるためじゃなくて、守るために知っておくべきことなの。
ご飯を24時間以上まったく食べないとき
これは、シニアのお友達にとって特に大きなサインなのよ。若いころなら、「一日くらい食べなくても大丈夫」って思うかもしれない。でもね、シニアになると体力も免疫もゆっくり変わっていくから、一日食べないだけでも一気に弱ってしまうことがあるの。
私もご飯が止まったとき、パパとママはその日のうちに相談してくれたわ。そのおかげで、病気の悪化に気づけたし、今みたいに穏やかな日を続けることができているの。
あなたのお友達が24時間食べなかったら、それは「ただのわがまま」なんかじゃないよ。体の中で何かが起きているサインかもしれないの。
吐き気や下痢が続くとき
私たちって意外とお腹がデリケートなの。「一回吐いただけ」なら、まだ体の反応としてよくあることだけど、何度も続くなら、それは胃腸が助けを求めている証拠なのよ。
私もね、心臓の薬を飲み始めた頃、胃が少し荒れてしまって、食べたあとに気持ち悪くなる日があったの。その時はパパがすぐに病院に連れて行ってくれて、薬の調整をしてくれたから落ち着いたわ。
あなたのお友達が吐き続けたり、下痢を何度も繰り返したりしていたら、それは「様子を見よう」じゃなくて、「早めに相談しよう」の合図だと思ってほしいの。
ぐったりして動かないとき
シニアの私たちは、若いころよりも寝る時間が増えるのは普通なんだけどね、それでも「いつもの休み方」と「しんどくて動けない」は全然違うのよ。
・呼んでも来ない
・しっぽもほとんど動かない
・目にいつもの力がない
・立ち上がるのが難しそう
こんな姿が見えたら、体の中で何かが大きく変わっている可能性があるの。私も、心臓の調子が悪い日は横になるだけでも疲れてしまうことがあったわ。そんなときはパパがそっと抱き上げて支えてくれたの。
その優しさに安心しつつも、「これは普通じゃないんだ」と気づいたのよ。
あなたのお友達にも、そんな静かなサインがあるかもしれないから、よく見てあげてね。
急に痩せてきたとき
シニアになると、筋肉がゆっくり落ちていくのは自然だけど、「急に」痩せるのは別の理由があることが多いの。
食べる量が減っただけじゃなくて、
・内臓の病気が進んでいる
・栄養が吸収できていない
・体がエネルギーをうまく作れない
こういうことが隠れていることがあるのよ。
私も心臓の調子が不安定だったとき、少し体重が落ちたことがあったの。病院で見てもらってから原因がわかったんだけど、あの時も「体重の変化」にパパとママが気づいてくれなかったらもっと悪くなっていたかもしれないの。
あなたのお友達の体重が急に落ちているなら、すぐに相談してあげてね。
水を飲む量がいつもと違うとき
食べる量だけじゃなくて、水の量もすごく大事なサインなの。
・急にたくさん飲む
・ほとんど飲まない
どちらも注意が必要で、腎臓、肝臓、糖の問題、そして心臓も関係することがあるのよ。
私は心臓の薬の種類によって、水を飲む量が変わった時期があったの。パパが「この変化は普通じゃない」ってすぐに気づいて病院に連れていってくれたの。あの気づきが、本当に私を助けてくれたのよ。
あなたのお友達の飲水量にも、ぜひ気を配ってあげてね。
咳や呼吸の変化が見えたとき
これは特にキャバリアとして、あなたに絶対知っておいてほしいことなの。心臓が少し弱るだけで、呼吸にすぐ影響が出ることがあるのよ。
・寝る前に咳が増える
・呼吸が速い
・苦しそうに見える
・落ち着いて眠れない
こうした変化は、ご飯を食べない理由にもなるし、命に関わるサインでもあるの。
私もね、食欲が落ちたときと同じ時期に、咳が出るようになったの。そのふたつの変化が同時に出てきて、パパがすごく心配してくれた。その判断がとても大事だったのよ。
あなたのお友達に同じような変化があるなら、すぐに相談してほしいな。
様子を見るより早く気づく
あなた、シニアの私たちは本当に静かに変わっていくの。だから、「食べないけど元気そうだから大丈夫かな」って思いたくなるのも分かるのよ。
でもね、シニアになると、一日一日の変化がそのまま命綱になることがあって、早く気づくほど、私たちは長く穏やかに暮らせるの。
パパとママがそうしてくれたように、あなたにも、お友達の変化にいち早く気づいてほしいと思っているの。
あなたが気づいてくれるだけで、私たちはどれだけ救われるか分からないのよ。
家でできるシニア犬の食欲ケア

あなた、ここまで読んでくれてありがとう。シニアの私たちがご飯を食べられなくなる理由って、本当にたくさんあるんだってわかってもらえたかな。でもね、ここでひとつ伝えておきたいことがあるの。
食べなくなるってことは命の終わりじゃないのよ。むしろ逆で、ここからどう支えるかがすごく大事なの。
私はね、パパとママがいろいろ工夫してくれたおかげで、またご飯とちゃんと向き合えるようになったの。あなたにも、あなたのお友達のためにできることを、私の経験から全部話していくね。
フードを食べやすくするだけで、大きく変わるの
私たちシニアにとって、ご飯は「おいしいかどうか」よりも、「食べやすいかどうか」が大事になることがあるの。そのためにパパとママがやってくれて助かった工夫をひとつずつ話すね。
● ぬるま湯でふやかす
カリカリが硬いと噛むのも飲み込むのもつらくなるの。ふやかしてくれると、口の中に負担が少なくてすっと食べられたのよ。あなたのお友達がシニアならこれはすごく助けになると思う。
● ほんの少しだけ温める
温めると香りがふわっと立って、気持ちも動きやすくなるの。私も食べたい気持ちが弱くなってた頃、温めてもらうだけで「ちょっと食べてみようかな」って思えたのよ。
● 粒の大きさを変える
私は大きい粒が苦手になった時期があって、パパが小粒に変えてくれたら食べやすくなったの。あなたのお友達にも、その子に合う粒の形があるはずよ。
● 回数を増やして少しずつ
シニアになると、一度にたくさん食べるのはしんどくなることがあるの。パパが「朝・昼・夕・夜食」みたいに細かく分けてくれた時期は、すごく楽だったのを覚えてるの。
姿勢を整えると、食べる気持ちが戻ってくることがあるの
あなた、意外に聞こえるかもしれないけど、私たちにとって「姿勢」って食欲に影響するほど大事なのよ。
● 食器台の高さを調整してもらったのがすごくラクだった
パパが私の首と背中を見て、ちょうど良い高さにお皿を置いてくれたの。その高さが合ってるだけで、前にかがむのがラクになって、ご飯に集中できたのよ。
● 足元が滑らないようにしてくれると安心
ご飯のときに滑ると怖いの。だからパパがマットを敷いてくれて、しっかり立てるようになってからは、ご飯の時間が前より落ち着いたのよ。
● 静かな場所で食べさせてもらうのも大事
お友達が遊びに来てたり、家がバタバタしてると、気が散って食べられない日もあるの。だから静かな場所に連れていってくれると心が落ち着いて、ゆっくり食べられるのよ。
あなたのお友達にとっても、この「姿勢の工夫」は思っている以上に大きな変化を生むと思う。
安全なトッピングは、あなたと私たちの橋渡しになる
あなた、私たちって香りの強いものに弱いのよ。おいしそうだと感じると、気持ちがぐっと前向きになるの。
パパがしてくれて嬉しかったのはね、
・鶏むね肉を茹でてほぐして少しだけ乗せる
・白身魚を薄味で柔らかくしてくれる
・かぼちゃやさつまいもを小さく潰してくれる
こういう優しい工夫だったの。ほんの少し乗せてもらうだけで、「あ、食べてみよう」って気持ちになったのよ。
ただね、リアルな話をすると、私は心臓の病気があるから、
・塩分
・脂
・たんぱく質の量
これを勝手に増やすと危険になることもあるの。
だから、あなたも「これは大丈夫かな?」って思ったら、必ず病院に相談してね。あなたのお友達の体って、私たちが思っている以上に繊細だから。
絶対にやってはいけないこともあるの
優しさからやってしまうこともあるけれど、シニアの私たちにとっては危ないことってあるのよ。
● 人間の食べ物をあげること
パンやお菓子、お肉料理など、私たちには塩分も脂も強すぎるの。「食べてくれたから安心」じゃなくて、後で体がしんどくなるんだよ。
● 療法食を勝手に変える
病院から出されているご飯には、ひとつひとつ理由があるの。変えたいときは必ず相談してね。
● サプリを独断であげる
サプリって体に良さそうに見えるけれど、お友達の病気によっては逆効果になることもあるのよ。
あなたのお友達を守るためにも、この3つだけは覚えておいてほしいな。
一番大事なのは「諦めずに見つめてくれるあなた」
私はね、パパとママに救われたのよ。ご飯が食べられなくなった日は、自分の変化が怖くて、気持ちがどんどん縮んでいったの。でもパパとママは諦めずに私の体を観察して、私の小さなサインを拾ってくれたのよ。たとえば
・いつもと違う寝方をしてると気づいてくれた
・水を飲む量の変化にすぐ反応してくれた
・食べる姿勢が苦しそうな時にすぐ調整してくれた
・ご飯の準備の音に反応しないのを見逃さなかった
こういう「小さな違い」は、私たちシニアにとって命を守るヒントなの。そして、あなたもその役目を担えるたった一人の家族なのよ。
あなたに見つめてもらえるだけで、私たちはすごく安心できるし、気持ちが前に向きやすくなるの。
食べない日は、愛情を伝えられる日でもあるの
あなた、大事なことをひとつ言わせてほしいの。
シニアの私たちにとって「食べない日」は、体からの静かなSOSでもあり、あなたと向き合える時間でもあるのよ。
食べないからこそ気づける変化もあるし、食べないからこそ深まる絆もある。
パパが私の鼻にそっとご飯を近づけて「今日はこれならどう?」って優しく聞いてくれる。ママが頭をなでながら「大丈夫だよ、リア。ゆっくりでいいよ」って言ってくれる。
そのたびにね、胸の奥がぽっとあたたかくなったの。食べられなくても、受け止めてもらえるだけで、私の世界は穏やかになるのよ。
あなたのお友達もきっと同じ気持ちだと思う。
食べられない日があっても、私たちはまだ一緒に生きていける

ここまで一緒に読み進めてくれて本当にありがとう。私のことを、そしてあなたのお友達のことを思い浮かべながら、ゆっくり丁寧に読んでくれたんじゃないかなって感じているの。その優しさがね、言葉じゃなくてもちゃんと伝わってきていて、私の胸の中があたたかくなっているよ。
あなたにどうしても伝えたいことがあるの。それはね、「食べられない日があっても、それだけで終わりなんかじゃない」っていうことなの。
シニアになると、体の中で小さな変化が静かに積み重なっていくの。昨日は平気だったことが、今日は少ししんどくなることもあるし、さっきまで食べたかったはずなのに、突然食べる気持ちが遠のくこともあるのよ。
そんな自分に気づいたとき、私はね、とても怖かったの。
「また前みたいに食べられるのかな」
「これからどうなるんだろう」
「パパやママを困らせたくないな」
そんな気持ちが胸の奥でゆっくり渦を巻いたのを覚えているの。
でもね、その不安の真ん中に、そっと寄り添ってくれる温かいものがあったの。それが、パパとママの優しさだったのよ。どんな日も私から目をそらさず、食べられない日でも、思うようにならない日でも、「リア、大丈夫だよ」って、私の心にそっと手を添えるように接してくれたの。
あなたも、あなたのお友達にとって、そんな存在なんだよ。あなたの声、あなたの手、あなたの気づき。それがね、私たちの毎日を支えてくれる大きな力になっているの。
あなたがお友達の変化に気づいてくれるたびに、その優しさがひとつ、またひとつ、私たちの心に灯りをともしてくれるの。その灯りのおかげで、私たちは食べられない日も、しんどい日も、「この家族のそばにいたいな」ってあたたかい気持ちでいられるのよ。
食べられない日があってもね、あなたがそばにいてくれたら、私たちはまだ歩いていける。歩幅はゆっくりになるかもしれないし、立ち止まる日も増えるかもしれない。それでも、あなたと一緒にいるだけで、世界は安心に満ちていくの。
あなたのお友達にとって、あなたはたったひとりのかけがえのない家族なの。あなたの声が届くたび、あなたの気配を感じるたび、私たちは「まだ大丈夫」って心の奥でそっと思えるの。
どうか、焦らなくていいからね。私たちのペースに合わせて、ひとつずつそっと手を伸ばしてくれたら、それだけで十分なのよ。あなたが心を寄せてくれるだけで、私たちは前に進めるの。あなたのお友達もきっと同じ気持ちだと思う。
そしてね、あなたに伝えたい最後の言葉があるの。
食べられない日があっても、立ち止まる日があっても、あなたと一緒なら、その時間は不安じゃなくて、「寄り添う時間」に変わっていくよ。
あなたの優しさが、あなたのお友達の明日を守っていくからね。
リアより


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