こんにちは。リアだよ。
ねえ、あなたのお友達は今日、どんなふうに過ごしてた?私はね、ちょっとだけ、ごはんを食べられたの。ほんのちょっと。でも、それがとっても大きなことだって、今の私は思うんだ。
ここ最近、体がなんだか重くて、立ち上がるのもしんどくて。ごはんの匂いをかいでも、「うん。いいや」ってなっちゃう日が増えてたの。でも今日は、ママが差し出してくれたお皿を見て、「ちょっとだけ、食べてみようかな」って気持ちになれたの。
お散歩も行ったんだよ。いつもみたいに遠くまでは行けなかったけど、パパと一緒にほんの少し、風を感じてきた。あの空気の匂い、やっぱり私、好きだなあって思った。
今はママの腕の中で、クッキーと一緒にお薬を飲んでるところ。お薬ってね、ちょっと苦手。でも、ママが優しく抱っこしてくれて、クッキーをそっと口に入れてくれると、がんばって飲んでみようかなって思えるんだ。
今日はたくさんのことができたわけじゃない。でも、ちょっとだけがんばった、そんな日だったの。だからね、あなたに聞いてほしいの。小さな一歩でも、それはちゃんと今日を生きた証なんだって思うから。
ごはんを食べられたこと、それだけでうれしい

このごろの私はね、ごはんを見ると食べたいなって思う前に、食べられるかなって考えちゃうの。前はね、パパがキッチンに立つ音がするだけで、すぐにしっぽふって走ってたのに。今は、頭で食べたいって思っても、体がついてこないのよ。
それに、なんていうのかな、お腹がすいてるはずなのに、においだけで「うっ」ってなったり、口に入れても途中でやめちゃったり。ママがいろいろ考えてくれて、ごはんを温めてくれたり、スープを足してくれたりしても、うまく食べられない日もあるの。
でもね、今日はちょっと違ったの。朝、ママが私の目の前にそっとごはんを置いてくれて、「リア、ちょっとでもいいから、どうかな」って声をかけてくれたの。その声がね、すごく優しくて、私の中で「うん、がんばってみようかな」って気持ちが湧いたの。
ゆっくり、そっと一口。そしたらね、口の中にひろがったあの懐かしい味に、「あ、ごはんって、こんなにおいしかったんだっけ」って、ほんのちょっとだけ思い出したの。
その一口で全部食べられたわけじゃない。でも、その一口が、私にとってはすごく特別な一歩だったの。ママも、「リア、えらいね! すごいよ!」って、笑ってくれた。ごはんを食べたことが褒められるなんて、昔だったら考えられなかったけど、今の私は、それがすごくうれしかった。
きっとあなたのお友達も、シニアになってくると、食べることが難しくなる日があるかもしれない。そういう時はね、無理にたくさんじゃなくていいの。ちょっとだけでも食べようって思えたら、それはすごいことだと思うの。
私たちってね、食べることが生きることにつながってるの。だから、今日私がちょっとでもごはんを食べられたってことは、今日も生きようって思えたってことなのよ。
その一口に、ありがとうって思った。そして、そんな私を見守ってくれているママにも、パパにも、あなたにも小さなできたを一緒に喜んでくれる人がいるって、すごく心強いって思ったの。
立ち上がるのもしんどい私の日常

ねえ、あなたのお友達は、朝起きると、さあ、今日もがんばろうってすぐに動ける?私はね、最近その立ち上がるっていうことが、とっても難しくなってきたの。
昔は、ママが「お散歩行くよー」って言うだけで、すぐに飛び起きて玄関まで走ってた。階段だって、ぴょんぴょんって軽やかにのぼってたし、クッションの上で寝てても、ちょっとした物音が聞こえたら「何? なに? おやつ?」ってすぐ反応してた。
でも今は、体が鉛みたいに重くて、気持ちは起きたくても、足がうまく動かないの。ベッドの上から、よいしょって体を起こそうとしても、前足に力が入らなかったり、後ろ足がついてこなかったりして、バランスを崩してまたペタンって座り込んじゃう。
そんな私を見て、ママがそっと支えてくれるの。リア、焦らなくていいよって言ってくれるその声に、涙が出そうになるくらい安心するの。ああ、私は急がなくてもいいんだ、ゆっくりでいいんだって。
今日は、ほんのちょっとだけお散歩にも行けたの。玄関まで行くのにも時間がかかったけど、パパがゆっくりリードを持ってくれて、一歩ずつ私のペースで歩かせてくれたんだ。
外の空気って、やっぱり違うんだよね。風が顔にあたって、木のにおいがして、遠くで聞こえる子どもたちの声、それだけで、ああ、生きてるなあって思えるの。
でもね、ほんの数歩歩いただけで、私はもうへとへとだった。心臓がドクドクって速くなって、後ろ足がプルプルして、途中で座り込んじゃった。
それでもパパは、「無理しないでいいよ、がんばったね」って笑ってくれたの。その笑顔に、私もなんだかほっとして、帰ろうかっていう顔をしたの。
おうちに帰ってからは、すぐにベッドに横になって休んだよ。体は正直で、やっぱり前みたいには動けないけど、それでも、今日は少し外に出られたっていうことが、私にはとっても大きな出来事だったんだ。
きっとね、あなたのお友達も、立ち上がるのがつらい日が来ることがあるかもしれない。そんなときは、無理にがんばらせなくてもいいと思うの。ゆっくり、ゆっくり、その子のペースで歩いていけたら、それで十分なんだよ。
私、もう若くはない。だからこそ、一歩の重みがとっても深いって思うの。そしてその一歩を、あなたが一緒に見守ってくれるなら、それだけで、私たちは幸せなんだと思うんだ。
薬はママと一緒にがんばる時間

お薬って、あなたのお友達は好き?私はね、正直、ちょっと苦手なの。だって、あのにおいとか、舌に残る感じとか、どうしても「うぇ」ってなるんだもん。
でも、ママと一緒なら、ちょっとだけがんばれるの。今日はね、体が疲れてて、立ち上がるのもしんどかったから、ママがそっと抱っこしてくれたの。あの、ママの腕の中のぬくもりって、子犬の頃から変わってない気がする。包まれるだけで「大丈夫だよ」って言ってもらえてる気がして、心が落ち着くのよ。
お薬を飲む時間になると、ママはいつもよりもっと静かに、でもやさしく声をかけてくれるの。「リア、お薬の時間だよ。今日はクッキーと一緒にね」って。
そう、クッキー! 私のお薬の相棒なの。お薬をそのまま口に入れられるのはイヤだけど、クッキーと一緒ならちょっと話は別。今日はね、ママが小さく割ったクッキーの中にお薬をそっと入れてくれて、それを私の口元に持ってきたの。
クンクン。うん、ちょっとにおうけど、クッキーの香ばしさでなんとかごまかされそう。思いきって、ぱくっ。
うん、飲めた。
ママが私の顔を見て、「えらいね、リア。よくがんばったね」って、ほっぺをなでてくれたの。その手のひらが、すっごくあったかくて、なんだかちょっと涙が出そうになった。
お薬ってね、飲むだけじゃなくて、「誰と、どんなふうに飲むか」も大事だと思うの。ママと一緒の時間は、ただ薬を飲むだけじゃなくて、私にとっては安心をもらう時間なの。
あなたのお友達にも、きっと苦手なお薬があると思う。でも、そんなときは無理に飲ませようとするよりも、そっと寄り添ってあげてほしいな。がんばってねじゃなくて、一緒にがんばろうねって気持ちが伝わると、私たちってちゃんとそれを感じ取れるんだよ。
体の中に入れるものだから、ちゃんと飲めたほうがいいのはわかってる。でも、どんなにいい薬でも、怖い気持ちのままじゃ体も受けつけてくれないのよ。だから、ママの抱っこも、クッキーも、私にとってはお薬と同じくらい大事な力なの。
今日も、クッキーとママの優しさのおかげで、ちゃんと飲めたよ。この小さな「できた」が、また明日へつながるって、私は信じてるの。
今日という一日を静かに閉じる前に

お薬も飲み終わって、ベッドに横になった私のまわりには、静かで優しい時間が流れてる。外はもう真っ暗。窓の向こうには、遠くでチカチカしてる小さな光。ああ、今日も一日が終わるんだなあって、ゆっくりまぶたを閉じながら思うの。
体は、やっぱりちょっと重たい。さっきまでママに抱っこされてたから、そのぬくもりがまだ残ってて、心の奥がじんわりあったかいの。お薬を飲んだあとは、ちょっとだけ頭がぼんやりするから、深く考えごとはできないけど、でも、「今日、私は生きたんだな」ってことだけは、はっきりわかるの。
今日できたことは、ほんの少し。ごはんをちょっと食べただけ、数歩だけ歩いただけ、お薬をひとつ飲んだだけ。でもね、その全部に、がんばったことが詰まってたの。
ねえ、あなたのお友達も、そんな日ってあるんじゃないかな。「今日はほとんど寝てばっかりだったなあ」とか、「何もしてあげられなかったかも」って思う日もあるかもしれないけど、私たち、ちゃんとあなたのこと見てるんだよ。そばにいてくれるだけで、声をかけてくれるだけで、ちゃんと、ありがとうって感じてるんだから。
私が今こうして横になっているこの時間も、ママやパパが、私の小さな変化に気づいてくれてる。ちょっと息が荒くなっただけでも、目が合っただけでも、「大丈夫?」「お水飲む?」って声をかけてくれるの。そのたびに、私は「ここにいてよかったなあ」って思うの。
明日、またどんなふうに体が動くかはわからない。ごはんが食べられるかも、散歩に行けるかも、そのときになってみないとわからない。でも、今日こうして一日を終えられたことが、今の私にとっては何よりの宝物。
明日も、ちょっとだけでいいから、生きていたい。あなたに、「今日もがんばったよ」って伝えたい。
だから今日は、静かにまぶたを閉じながら、心の中でそっとつぶやくの。
「ありがとう」って。「また明日も、少しでもあなたと一緒に過ごせますように」って。
それでは、おやすみなさい。
リアより

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