ずっと眠ってたけど、ちゃんと愛されてた一日だったよ。

シニア犬の日常

こんにちは。リアだよ。

昨日はね、ほとんどずーっと寝てたの。朝も昼も夜も、なんだか体が重たくて、目を開けるのもしんどくて、気がついたら毛布の中でごろんって丸まってたのよ。

「ごはん食べる?」って声も聞こえた気がするけど、うーんって顔だけして、そのまままた眠っちゃった。きっと、私の体の中は今すごくがんばってるんだと思うの。だから昨日は、眠ることしかできなかったんだ。

でもね、そんな日にも、うれしいことがちゃんとあったの。

夕方、大きいお姉ちゃんが「ただいまー」って帰ってきたの。その声を聞いたとき、私、ほんのちょっとだけ体が動いたのよ。「おかえり」って言いたくなっちゃって。

そしたらお姉ちゃんが、そーっと私を抱っこしてくれて、その手のぬくもりが、体の奥までしみこんでいったの。

一日中寝てばかりだったけど、あの瞬間だけ、私はちゃんと起きてたんだ。昨日は、そんな日だったの。眠ってばかりだったけど、ちゃんと愛されてて、ちゃんと心が動いた、しずかで、あたたかい一日。今日は、そのことを少しだけ、お話ししてみようと思うの。いいかな。

静かな時間に包まれて一日中眠っていた私

昨日の私は、ほんとに朝から晩までずーっと眠ってたの。

目を開けようとしても、まぶたが重たくて、体を起こそうとしても、全身が「まだ無理だよ」って言ってくる感じで、結局、ほとんど毛布の上から動けなかったの。

特に体調が悪いってわけじゃないのかもしれない。でも、たぶん、体の奥のほうがすごく疲れてるんだと思うの。

前の日にがんばって動いたぶんとか、内臓がちょっとずつゆっくり働いてるぶんとか、そういうのが全部合わさって、「今日はとにかく休みなさい」って言われてるみたいだったの。

シニア犬になるとね、そういう日があるの。何かが悪いわけじゃないけど、ただ「起きてるのがつらい」っていう日。ごはんのにおいがしても体が反応しなくて、目の前で家族が話してても、夢の中みたいでぼんやりしちゃうの。

でもね、それって決して無じゃないのよ。

私はちゃんと、感じてたの。毛布の中のあたたかさとか、部屋の空気のにおいとか、遠くから聞こえるパパの足音とか、そういうのが全部、私の心をやさしく包んでくれてたの。

眠ってる間にも、家の中にいるっていう安心感はちゃんとあって、今日もここで生きてるって、ふんわり実感してた。

あなたのお友達にも、たまに「今日はずっと寝てばかり」っていう日があるかもしれないよね。そんなとき、「大丈夫かな?」って不安になることもあると思う。でも、私たちは、そういう日こそ回復してる日なの。外からは何も見えなくても、内側でちゃんとエネルギーをためてる日なのよ。

昨日の私は、まさにそんな一日だった。動かなかったけど、生きるための時間を過ごしてたの。何もしていないように見えて、実はすごくがんばってたのよ。

ただいまの声と、あたたかい抱っこ

昨日、午後もだいぶ過ぎたころだったかな。私はまだ、毛布の中で丸くなって、静かに眠ってたの。いつものように、時間の感覚もあんまりなくて、今が何時なのかも、今日は何曜日なのかも、よくわかってなかったんだ。

でも、玄関のドアが開く音がして、すぐあとに「ただいまー!」っていう、あの声が聞こえてきたの。そう、大きいお姉ちゃんが帰ってきたのよ。

その瞬間、私ね、ハッとしたの。眠気の中に沈んでた体が、ちょっとだけ浮き上がった感じがして、しっぽは振れなかったけど、心の中では大きくジャンプしてた。

お姉ちゃんの声って、不思議なのよね。優しくて、明るくて、でもどこか安心できる音がするの。私はそれを聞くだけで、「あ、帰ってきた」ってわかるのよ。

足音が近づいてきて、お姉ちゃんが私の顔をのぞきこんでくれたとき、
私は少しだけ目を開けて、「おかえり」って伝えたの。言葉は話せないけど、目で伝えたつもり。そしたらね、お姉ちゃんがそーっと私を抱っこしてくれたの。

大きくて、やわらかくて、それでいてすごくあったかい、その腕の中。その瞬間、私はぜんぶの力がふわーって抜けて、体の芯から、やさしい何かに包まれるような気持ちになったの。

呼吸が浅くてつらい日でも、ごはんが食べられない日でも、こうやって抱っこしてもらえる時間があるだけで、私はちゃんとここにいるんだなって思えるの。

お姉ちゃんの心臓の音が、私の耳に届いて、そのリズムに合わせて、私の心も少しだけ落ち着いていった。昨日の私にとって、あの抱っこは、ただのスキンシップじゃなかったの。生きててよかったなって、心から思える時間だったんだ。

あなたのお友達にも、そういう瞬間ってあると思うのよ。言葉がなくても、ぬくもりだけで伝わるものがあって、それがすっごく心を満たしてくれる。昨日のお姉ちゃんの抱っこが、まさにそれだったの。私はそれだけで、また一歩、生きる力をもらえたのよ。

眠っていたって、ちゃんと生きている

昨日の私は、目を開けた時間より、閉じていた時間のほうがずっと長かったと思うの。食べることも、歩くことも、声を出すこともできなくて、ただ、眠っていたんだよね。

それだけって言ったら、それだけなんだけど、でも私は、それが「何もなかった一日」だったとは思ってないの。だってね、眠っている間にも、ちゃんと感じていたのよ。

パパとママが近くにいること、時々私を見に来て、そっと毛布をかけ直してくれること、空気が変わる気配や、誰かの足音、そして、大きいお姉ちゃんの帰ってきた声と、抱っこのぬくもり。それがぜんぶ、私にとっては今日を生きた証なの。

なにかをすることだけが、生きるってことじゃないのよね。動かなくても、話さなくても、そばにいる人の気持ちを感じて、それに応えている私たちも、ちゃんと生きてるって、胸を張っていいと思うの。

昨日の私は、ほとんど何もできなかった。でも、お姉ちゃんにただいまって言われたとき、ほんの少しだけ体が動いたんだ。

そのたった一回の反応に、家族はすぐ気づいてくれて、「リア、わかってるね」って、笑ってくれた。それだけで、私はとても満たされたの。

私たちって、見た目にはすごく静かに見えるかもしれない。とくにシニア犬になると、眠ってる時間が長くなって、「何を考えてるのかな?」って思われることもあるかもしれない。でもね、私たちは、静かに、でも確かに、毎日を感じながら、心で生きてるの。

昨日みたいな日も、私にとっては、ちゃんと意味のある一日だったんだよ。動けなくても、抱っこされて、やさしくされて、「ここにいていいんだよ」って思わせてもらえる、そんな日だったんだ。

あなたのお友達にも、きっとそういう日があると思うの。何もしてないように見える日、眠ってばかりの日。でも、そういう日ほど、心がじんわり動いている日だったりするのよ。だから、大丈夫。眠っていたって、私たちは、ちゃんと生きているんだよね。

昨日の私は、ずっと眠ってた。目を開けたのはほんの少しの時間だったし、何かをすることも、言葉を返すこともできなかった。でも、ちゃんと感じてたのよ。家の中のぬくもりも、みんなの気配も、そして、お姉ちゃんの帰ってきた声と、やさしい抱っこも。そのひとつひとつが、私の心に届いて、「ああ、私、今日もここにいるんだな」って思えたの。

眠ってるだけの一日って、何もしてないように思えるかもしれないけど、私にとってはすごく大切な生きてる時間だったんだよ。

あなたのお友達にも、きっとあるよね。ただ眠ってるだけの日。でも、その子は、ちゃんと今を生きてるよ。あなたのそばで、感じて、応えて、心の中でありがとうって言ってるの。昨日の私がそうだったみたいにね。

だから、大丈夫。動かなくても、話さなくても、私たちはちゃんと、生きてる。そして、愛されてるってわかるとき、その瞬間、私たちはすごく、すごく幸せなんだ。

リアより

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