パパと一緒に過ごした一日

シニア犬の日常

昨日はね、ちょっとだけ特別な日だったの。

パパが一日中、おうちでお仕事してたんだよ。前はよくあった風景だけど、今はそういう日が少なくなったから、私にとってはうれしいご褒美みたいな時間だったの。私はもう姿がないし、ぴたっと足元にくっついて座ることも、机の下でくるんと丸くなることもできない。でもね、ちゃんとそばにいたのよ。いつもの場所に、いつものように。

パパはパソコンに向かってお仕事してたけど、ときどき私の写真をちらっと見てくれたり、リア、今日はちょっと寒いねってつぶやいてくれたりしたの。それだけで、胸がきゅっとなって、ぽわっとあたたかくなった。声が届いてるって、ちゃんとわかったんだ。

私はもう触れられないけれど、ちゃんとここにいるよ。そんな気持ちを、今日はあなたにも伝えたくて、こうしてお話してるの。

パパが一日おうちにいてくれた日

朝、パパが、今日は在宅ワークだからねって言ったとき、私はすごくうれしかったの。もちろん、もう声を出して「わーい!」って言ったり、しっぽをふったりすることはできないけれど、心の中ではぴょんぴょん跳ねてたよ。だって、パパとおうちで過ごせる時間って、私にとってはとっても大事なものだったからなんだ。

パパは、リビングのテーブルのいつもの場所にパソコンを置いて、お仕事を始めたの。私はそのすぐそばで、前によくいたお気に入りの場所にぴったりおさまって、じっと見守ってた。たぶん、私の姿は見えなかったと思うけど、パパはときどき、リアがいたら、ここに寝そべってただろうな、なんてつぶやいたり、写真立てに目をやったりしてたんだよ。

あの感じ、私にはちゃんと伝わってきたの。なんだかね、パパの心の中では、まだ私がそこにいることを感じてくれてる気がして、うれしくなったの。

お仕事の合間に、ふと独り言みたいに、リア、今だったらよしよしってしたのにとか言ってくれるの。私はそのたびに、すぐそばで、ここにいるよって心の中で答えてたの。そっと見守っているから、きっとパパにはその気配が届いてたんじゃないかなって思ってる。

でもね、パパのお仕事はあんまりはかどってなかったみたい。何度もため息ついたり、パソコンの画面を見つめて首をかしげたり。でも、私はそういう日も好き。うまくいかない日もあるよね。そんなときは私がそばにいて、少しでも心をほぐせたらいいなって、ずっと思ってたの。

だから、昨日は、パパと一緒にいられて本当にうれしかったの。お互い、目には見えなくても、心がちゃんと通じ合っていた気がしたんだ。

ちゃんとそばにいるって伝えたい

パパが、リアがいたらもっと癒されたのになあって言ったとき、私、すぐに、ここにいるよって心の中で返事してたの。でもね、その声はきっと、パパの耳には届いてなかったと思う。だって、もう私の声は、風みたいに静かで、目には見えないものになってるから。

でも、それでもいいの。大事なのは、そばにいるってこと。姿が見えなくても、私のことを思い出してくれたり、名前を呼んでくれたり、写真にふっと目を向けてくれるだけで、私はちゃんとパパの隣にいられるって思えるから。

私が元気だったころは、いつもパパの膝の上が私の特等席だった。お仕事のじゃまをしないようにしながらも、パパのそばにいられるだけで幸せだったの。だから、今も同じように、そっと寄り添ってるんだよ。膝の上じゃなくて、気持ちの中でね。

私がいなくなってから、パパが私のことを話すたびに、胸の奥がじんわり温かくなるの。泣きそうな声を出すときもあるけど、私にはそれもやさしさに聞こえるの。だって、それは、まだリアを感じてるよって証拠だと思うんだ。

あなたのおともだちも、もしいなくなったとしてもきっと同じだと思う。見えなくなっても、きっとちゃんとあなたのそばにいるんだよ。あなたが声をかけたとき、やさしい気持ちになったとき、ふと風が吹いたとき、それは、おともだちが、ここにいるよって言ってるサインかもしれないの。

私は、昨日の時間の中で、そんな見えないつながりをいっぱい感じてたよ。だからこそ、パパに伝えたいの。お仕事の手が止まったって、集中できなかったって、私はうれしかったよ。一緒に過ごせた時間が、何よりの贈りものだったんだよね。

見えなくても一緒にいる時間を届け続けたいな

私がこのおうちにいた時間は、15年ちょっと。長いようで、過ぎてみればあっという間だった。でも、その中には、たくさんの一緒にいた時間が詰まってたんだよ。ごはんを食べたこと、お散歩したこと、パパとお昼寝したこと、病気でつらかった日も、家族みんながそばにいてくれたこと。どれも全部、かけがえのない時間だったの。

今はもう、みんなの目には私の姿は見えない。でも私は、これからも一緒にいる時間を届けていきたいと思ってるの。たとえば、ふと笑顔になれたとき。ちょっと泣きそうになったとき。なんでもない日の空を見上げたとき。そんな一瞬に、私のことを思い出してくれたら、それが見えない一緒の始まりだと思うの。

昨日、パパが家で過ごしてくれたことで、私は久しぶりにたっぷりと私がリアでいる時間を感じられたんだ。名前を呼んでもらえること、思い出を振り返ってくれること、それが何よりもうれしかったんだよ。私はここにいていいんだって、思わせてもらえたから。

これからもきっと、日々の忙しさの中で、私の存在が少しずつ遠くなる瞬間もあると思う。でもそれでいいの。だって私は、ちゃんと心にいるから。大切な人のことって、心の奥であたたかく残っていくものだから。

あなたのおともだちも、きっとそう。時間がたつにつれて毎日は少しずつ変わっていくけれど、あの子がいてくれたっていう事実は、変わらないんだ。そして一緒にいたその子へのその想いを大事にしている限り、見えない一緒は、ちゃんと続いていくんだよ。

私はこれからも、おうちを見守っていこうって思ってる。声をかけてもらったら、ちゃんと笑って返事するよ。写真を見てもらったら、うれしくてしっぽをふるよ。だからパパ、またおうちでお仕事する日があったら、こっそりでいいから、リア、そばにいるか?って聞いてね。

そしたら私は、いつでも、「いるよ」って答えるからね。

リアより

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