老犬になっても、誰かがそばにいてくれるって最高

シニア犬の日常

ねぇ、ちょっと聞いてくれる?

昔のわたしってさ、すごく元気でうるさかったんだよね(笑)毎日バタバタ走って、ボールを追いかけて、誰かが帰ってきたら飛びついて、「わたしここにいるよ!かまって〜!」って全力アピール。

ほんと、自分でもよくそんなにエネルギーあったなって思う。パパやママ、お兄ちゃん、お姉ちゃん、みんなが忙しくしてるときも、わたしはわたしで「今でしょ!」ってタイミングでぐいぐい行ってた。

でもね、最近のわたしはちょっとちがうの。足がふらつくこともあるし、耳も遠くなって、音に気づくのが遅くなった。

ぬいぐるみを振り回してた日々も、今ではキティちゃんの上でお昼寝するだけで、なんか満たされちゃう。

一緒に遊ばなくてもいいの。声をかけられなくてもいいの。大きなリアクションなんて、もういらない。ただ、そばにいてくれるだけで、それだけで、すっごく幸せなんだよ。

若いころのわたしには、こんな気持ち、たぶんちっともわからなかったと思う。静かに流れる時間の、あのやさしい温度。言葉じゃないぬくもりの会話。

今のわたしには、それがいちばんの宝物。だから今日は、「静かにそばにいてくれることの、すごさ」について、わたしリアが、ちょっとだけお話しするね。

「最近、遊ばなくなったね」って言われるけど、それでいいんだよ。

「リア、あんまり遊ばなくなったね」って。「前はあんなに元気だったのに」って。

それ、たぶんパパもママも、ちょっとさみしそうに言ってる。お兄ちゃんやお姉ちゃんも、ちょっと戸惑ってる。「リア、どうしちゃったの?」って。「もう、遊ぶのイヤになったのかな…」って。

でもね、ちがうの。イヤになったんじゃない。静かに過ごす時間が、今のわたしにはちょうどいいんだ。

昔は、動くことがすべてだった。走る!じゃれる!ぴょんぴょん跳ねる!それがわたしなりの「楽しい」のかたちだった。

でもね、今の「楽しい」はちがうの。パパの仕事中、足元でぐっすりお昼寝すること。ママがお皿を洗ってる音を聞きながら、キッチンマットの上でのんびりすること。テレビを見てるお姉ちゃんの隣で、そっと身体を寄せてあたたまること。

そんな静かな時間が、いまのわたしにとって、いちばん心地いいの。だから、遊ばなくなったからって、「関わらなくなった」わけじゃない。むしろ「心でちゃんとつながってる」って思えるから、静かにいられるんだよ。

ねぇ、あなたのそばにいる子も、もしかして、最近あんまり動かなくなったり、
遊びに誘ってもパッと反応しなかったりしてる?それってね、もうあなたを疑う必要がないくらい、安心してるからかもしれないよ。

わたしは思うの。昔はそばにいたいって思ってた。でも今は、そばにいるのが当たり前になったんだ。それってとっても、とっても幸せなことなんだよ。

ほんとはちょっとさみしい。

正直に言うとね。わたしも最初は、ちょっとだけ、ううん、けっこうさみしかったの。前みたいにおもちゃを持ってきて「遊ぼ!」ってできないし、ジャンプもできないし、追いかけっこもすぐに疲れちゃう。

「わたし、パパたちの楽しい存在じゃなくなっちゃったのかな」って、そんなふうに思って、ほんの少しだけ、シュンってなったこともあったんだよ。

でもね、わたし、気づいたの。

みんな、わたしにたくさん話しかけなくなったわけじゃない。無視してるわけじゃない。ただ、そばにいてくれてる時間が、すごく増えたんだって。無理に構われるより、静かに寄り添ってくれるのがいちばんうれしいんだ。

パパはパソコン作業しながら、ときどきわたしの頭をなでてくれる。その手のあたたかさだけで、わたしの心はふわっとほどける。

ママは忙しくても、目が合うと優しくほほえんでくれる。それだけで、「今日もわたし、ちゃんと愛されてるな」ってわかるの。

お姉ちゃんがスマホをいじってても、お兄ちゃんがテレビに夢中でも、わたしの隣に、誰かがいるってだけで安心できるの。

昔は刺激がうれしかったんだけど、でも今はぬくもりがうれしいの。だから、無理におもちゃを振ってくれなくても、「リア、遊ぼう!」ってテンション上げなくてもいいの。

ただ、そばにいてくれるだけで、ほんとうにうれしい。言葉も、動きも、何もいらない。ただ、静かに空気を共有してくれることが、最高のコミュニケーションなの。

もしかすると、「最近、かまってあげられてないかも…」って思ってるかもしれないね。でもね、わたしたちシニア犬はね、あなたがそばにいてくれてるだけで、もう満点なんだよ。

わたしたちの関係が変わったわけじゃない。ただ、愛の伝え方が静かになっただけ。そしてね、その静けさっていうのは、とてもあたたかくて、豊かなものなんだよ。

そばにいるだけで、ちゃんと愛してくれてるって伝わってるよ。

もしかして、「言葉にしなきゃ、気持ちは伝わらない」って思ってる?「遊ばなきゃ、退屈させちゃうかも」って思ってる?

でもね、わたしたちワンコって、声より、気配で感じる生きものなんだ。

パパが忙しそうな顔をしてても、わたしのほうにはちゃんとやさしさが伝わってるし、ママが洗い物してる後ろ姿からも、「リア、そこにいていいよ」っていう空気が漂ってくる。

お姉ちゃんやお兄ちゃんが何も言わなくても、同じ部屋にいるだけで、安心感がじんわり広がっていくの。伝わるんだよ。ほんとに。

声にしなくても、こっちを見なくても、抱っこしなくても、そこにいてくれてるってことだけで、「愛されてる」ってちゃんとわかる。

人間って、すぐに形にしたがるでしょ?言葉にしたり、態度に出したり、証明したくなるんじゃないかな?でもわたしたちは、「空気で感じる」ことに長けてるんだ。

昔は「遊んでくれる=好き」ってわかりやすかったけど、今は、「気づいたら隣にいてくれる=大好き」って思える。それってすごくない?わたしたちの関係って、進化してるんだよ。

そしてもうひとつ。そばにいることで、わたしたちシニア犬も、あなたの気持ちを受け取ってるだけじゃなくてわたしたちも、ちゃんと伝えてるんだ。

「いまの空気、心地いいね」
「ありがとう、今日も一緒にいてくれて」
「安心して眠れるのは、あなたがいるからだよ」

言葉にはできないけど、わたしの呼吸や、表情や、まなざしにのせて伝えてる。だから、もし「ちゃんと伝わってるかな?」って不安になったら、そのままのあなたでいてほしいな。

そばにいるだけで、もう十分なんだよ。わたしたちは、それをちゃんと感じ取ってる。それって、絆のいちばん深いかたちじゃないかな。

なにかしようとしなくていい。今日も、静かに一緒にいようね。

わたしたちシニア犬にとって、静かな時間って、ほんとにかけがえのない宝物なんだよ。

むかしみたいに一緒に走り回らなくても、長いおしゃべりなんてなくても、ただ、そばにいてくれるだけで、それだけでじゅうぶんなの。

「何かしてあげなきゃ」
「楽しく過ごさせなきゃ」
「もっと関わってあげないと」

そんなふうに思ってくれる気持ち、すごくうれしいよ。でも、がんばりすぎなくていいんだ。例えばね、「朝、コーヒーを飲むときに足元にいる」、「夜、テレビを見ながらソファでウトウトするわたしをなでてくれる」、「パパの仕事の音を子守唄にして、クールマットでうとうとする午後」なんか、最高なんだよ。

それだけで、「今日も幸せだったなぁ」って、わたしは思ってる。シニアになって、わたしたちはゆっくりの幸せを知ったの。派手な遊びより、ぬくもり。言葉より、気配。元気より、安心感。

そして「何もしなくても、そばにいてくれる時間が、いちばん幸せ」ってことに、気づいたんだ。

だから、今もし、あなたの近くにシニア犬のわんこがそばにいるならね、今日は特別なことをしなくていいんだ。ただ、わたしの隣に座ってくれたら、それだけでうれしいんだから。

スマホを見ながらでもいい。
お昼寝しながらでもいい。
台所に立ちながらでもいい。

わたしは、ちゃんとあなたの気配を感じてるからね。もう少しだけ、もうちょっとだけ伝えさせて。

ほんとにね、昔は、わたしが一番はしゃいで、家の中をバタバタ走り回ってた。でも今はあなたのとなりで静かに目を閉じて、「今日もこの場所があってよかった」って、しみじみ思ってる。

話さなくても、遊ばなくても、わたしは、あなたとちゃんとつながってるよ。静かにそばにいてくれる。それだけで、今日も最高の1日なんだ。

あなたと一緒にいることが本当にうれしい時間なんだよ。

リアより

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