こんにちは。リアだよ。
ねえ、あなたは知ってるかな、ミックス犬は病気に強いって、よく言われるてること。たとえば、キャバリアとプードルのミックス、いわゆるキャバプーとかね。ふわふわで可愛くて、性格も穏やかで人気なんだけど……その言葉、ほんとうに全部が安心って言えるのかな?
私はキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの女の子で、いま15歳になるの。10歳のときに子宮の病気をして、それからは家族と一緒に穏やかに過ごしてきたんだけど、13歳の春に心臓の病気、僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)っていうのを見つけてもらったの。キャバリアの仲間では、とても多い病気なんだって。
心臓の病気ってね、静かに、でも確実に進んでいくの。最初はちょっと咳が出るだけ。でも放っておくと、だんだん息がしづらくなったり、元気がなくなったりしてしまうの。そんな病気と向き合うようになって、私は何度も「もし、私がミックス犬だったら、もっと元気でいられたのかな?」って考えたことがある。
最近ね、あなたのお友達の中にも、キャバリアと他の犬種のミックスちゃんがいるんじゃない?「ミックスだから心臓は安心」「キャバリアの血が入ってるけど大丈夫」そんなふうに聞いたことがあるかもしれないね。でも、実はその言葉の中には、安心と注意のあいだに、ちゃんと境界線があるの。どっちに近づくかは、その子がどんな血を受け継いでいて、どんなふうに育てられているかで変わってくるのよ。
私はキャバリアとして生まれたけど、もし私のパパかママが別の犬種だったら、どんな毎日を過ごしていたのかなって思うことがあるの。もしかしたら病気の進み方が違っていたかもしれないし、あるいは同じように薬を飲みながら、変わらず笑っていたかもしれない。そんなことを考えているうちに、キャバリア系ミックス犬の心臓病リスクについて、ちゃんと知っておくことが大切だと思うようになったの。
「キャバリアの血を引くミックス犬は、病気に強いの?」
「純血のキャバリアより安心していいの?」
「それとも、気をつけなきゃいけないことがあるの?」
今日の話はね、その境界線のこと。キャバリアの血を持つミックス犬たちが、どこまで安心できて、どこから気をつけなきゃいけないのか。それを私の経験と、いろんな情報をまぜながらお話ししていくね。
次のところでは、まず「どうして私たちキャバリアは心臓が弱いって言われるのか?」を、わかりやすくお話しするわ。私が心臓の病気を見つけた日のことも、ちょっとだけ話すね。あなたのお友達の健康を守るヒントにもなると思うから、ぜひ聞いてほしいの。
キャバリアはどうして心臓病になりやすいの?

ねえ、心臓って、どんな働きをしているか知ってる?私たち犬の体の中で、心臓はいつもトクトクと休まず動いて、全身に血を送り出してくれているの。その血の流れが止まらないおかげで、私たちはごはんを食べたり、お散歩を楽しんだりできるんだ。でもね、その心臓がちょっと疲れてくると、身体のいろんなところに“変化”が現れてくるのよ。
私が13歳の春、少しずつ咳が出るようになったの。最初はね、ママも、毛が喉に入っちゃったのかな、くらいに思ってた。でも、夜になるとコンコンって、乾いた咳が続く日が増えていったの。それで、病院に行って聴診してもらったら先生が静かに言ったの。「リアちゃん、心臓から雑音が聞こえますね。キャバリアさんによくあるタイプの音です。」
その時、私の家族は少し驚いてたけど、先生の言葉はやさしかったんだ。「キャバリアちゃんはね、僧帽弁という心臓の弁のトラブルが多いんですよ」ってね。
僧帽弁(そうぼうべん)っていうのは、心臓の中にあるドアみたいなもの。血液が流れる方向を調整して、逆流しないようにしてくれているの。でも、そのドアが少しずつ傷んでくると、ピタッと閉まらなくなっちゃうんだ。そうすると、血が逆流してしまうから、心臓がよりたくさんの仕事をしなければならないようになるのね。それが僧帽弁閉鎖不全症、キャバリアでいちばん多い心臓病。
この病気は、年を重ねると誰にでも起こり得るんだけど、キャバリアは特別なの。世界中の獣医さんが調べているんだけど、キャバリアは他の犬よりずっと早く、そして高い確率でこの病気になる傾向があるんだって。たとえば、10歳を過ぎたキャバリアのほとんどは、程度の差はあっても心雑音があるって言われているの。中には、5歳や6歳で見つかる子もいるくらい。
どうしてそんなに多いのかというとね、それは遺伝が深く関係しているの。キャバリアは長い歴史の中で、人に愛される優しい性格や、美しい毛色、丸い瞳を守っていくために、限られた血のつながりの中で育てられてきたの。その結果、性格や見た目は理想的になったけど、同時に心臓の弱さという遺伝的な特徴も受け継がれてしまったのね。まるで、優しさと一緒にちょっとした宿題ももらったみたいな感じだよね。
でも、それって悪いことばかりじゃないの。なぜなら、キャバリアを愛する人たちはその宿題をちゃんと理解して、少しずつ解いてきているからなんだ。たとえば、交配をする前に心臓の検査をして、問題のない子を親に選ぶようにしたり、若いうちから健康診断で心音を確認したりしてるんだよ。そうやって、未来のキャバリアたちが少しでも元気に過ごせるように努力しているの。
私も診断を受けたとき、もうお散歩もできないのかなって思ったけど、先生は言ったの。「大丈夫、リアちゃんはまだ元気ですよ。ちゃんとお薬を飲んで、無理をしなければ、これからも楽しい日々を過ごせます」って。それから私は毎朝、パパと近所をゆっくり歩くようになった。風の匂いをかいで、季節の音を聞いて、少しずつ呼吸を整えながらね。病気とたたかうというより、寄り添う感じっていったらわかってもらえるかな。でね、心臓が頑張っている分、私も穏やかに生きようって決めたの。
キャバリアの心臓病って、最初は本当に気づきにくいの。あなたのお友達の中にも、咳が出たり、ちょっと疲れやすくなった子はいない?そういうとき、歳のせいかなって思ってしまいがちだけど、もしかしたら心臓が、ちょっと休ませてって言ってるサインかもしれないの。だから、咳や呼吸の変化に気づいたら、早めに病院で聴診してもらうことが大切。早く見つけて、早くケアしてあげれば、進行をゆっくりにできることもあるの。
私が心臓の音を初めて指摘されたとき、正直少し怖かった。でも、知ることで安心できたの。病気を知るって、怖がることじゃなくて、守るための第一歩なんだよね。もしあのとき知らないままだったら、私は今みたいに穏やかな日々を過ごせなかったかもしれない。
キャバリアって、ほんとうに優しい性格でね。人の気持ちを感じ取るのが上手だから、家族が心配してると、それを敏感に察してしまうの。だからこそ、飼い主さんが「ちゃんとわかっているよ」「大丈夫、見守っているからね」っていう気持ちで接してくれると、安心して穏やかに暮らせるの。病気があることよりも、病気を理解してくれる家族がいることのほうが、私たちにとっては何よりの薬なのよ。
キャバリアが心臓病になりやすい理由は、遺伝や体の仕組みのせい。でも、どう生きていくかは、あなたと私たちの努力次第で変えられるの。これは私自身が体験してきた、確かなことだよね。
さて次はね、キャバリアと他の犬種を掛け合わせたミックス犬についてお話しするわ。ミックスだから病気に強いと言われるけれど、その言葉の中にはどんな意味があるのか。キャバリアの血を引く子たちの安心と注意の境界線、そこを一緒に見ていこうね。
ミックス犬は病気に強いって本当?キャバリアの血を引く場合の注意点

最近ね、ドッグランやお散歩の途中で、キャバプーちゃんやキャバチワちゃんと出会うことが多くなったの。キャバリアとプードル、キャバリアとチワワ、どちらもすごく愛らしくて、性格もやさしい子が多いのよ。ふわっとした毛並みとつぶらな瞳、それに人懐っこい性格。どこか私たちキャバリアのあたたかさをそのまま受け継いでるようで、会うたびに思わずしっぽが揺れちゃうんだよ。
そんなミックス犬のことを純血種より病気に強いって言う人がいるらしいんだ。確かに、その言葉には少しだけ真実があると思うの。私たちキャバリアみたいに、特定の遺伝子を代々受け継いできた犬種より、いろんな血の流れを持つミックス犬のほうが、病気のリスクが分散されることがあるからね。これは遺伝的多様性っていって、もともと人間の世界でも同じことが言われているのよ。
でもね、それは、どんな親犬の血を引いているかでずいぶん変わってくるの。もしミックス犬の片方の親がキャバリアなら、その子はキャバリアの優しさといっしょに、心臓の弱さも少しだけ受け継ぐ可能性があるってことなんだ。つまり、ミックス犬だから病気に強いっていう言葉は、キャバリアの場合、少し慎重に考えたほうがいいんだと思うの。
たとえば、キャバリアとプードルのミックス、キャバプーちゃん。プードルは比較的心臓が強い犬種だけど、キャバリアの僧帽弁の遺伝的傾向を受け継ぐと、その部分だけリスクが残ってしまうことがあるんだ。反対に、キャバリアの血をあまり強く受け継がなければ、心臓病になりにくくなることもある。でも、これは見た目では判断できないのよね。どっちの遺伝子がどのくらい強く出るかは、まるでくじ引きみたいなものなんだ。
だからこそ、キャバリア系ミックス犬を迎えるときには、その子がどんな親犬から生まれたかを知ることがとても大事なの。もしブリーダーさんや保護団体さんが親犬の健康検査をしてくれていたら、それは大きな安心につながるわ。特にキャバリアを親に持つ場合は、心臓のエコー検査をして僧帽弁の状態を確認しておくことがとても意味があるんだよ。
私のお友達のトライカラーのキャバリア、コロンくんは、ママに似た甘えん坊でね、いつも「ママ~!」って追いかけてるの。そんなコロンくんの家にも、キャバプーちゃんが遊びに来ることがあるのよ。その子は12歳で元気いっぱいなんだけど、ママさんがいつも言ってた。「お母さんがキャバリアだから、心臓の音を定期的に聴いてもらってるの。今のところ大丈夫だけど、ちゃんと気にしていこうと思ってるの」って。その言葉を聞いて、私はとても安心したの。知っているって、それだけで強いことなんだって感じたわ。
ミックスだから大丈夫と言って何も検査しないより、キャバリアの血があるから気をつけてあげようって思うほうが、ずっと優しい選択だと思うの。だって、私たちは誰かに守られてこそ安心して暮らせるからね。
でね、弱くなる可能性も確かにあるけれどミックス犬が持つ強さは、確かにあるかもしれない。いろんな遺伝のバランスで、純血のキャバリアよりも症状が出にくい子もいるはずなんだ。でも、それは心臓が絶対に丈夫という意味じゃないの。安心と注意の境界線は、親犬の健康と暮らし方の中にあるのよ。
だから、あなたがキャバリア系ミックスのお友達を育てているなら、定期的に病院で心臓の音を聴いてもらって、その上で体重を管理すし、ストレスを減らすってことが大事。それだけで、心臓の負担はずっと減らせるのだからね。先生たちが見ていると、肥満やストレスがあると心臓病の進み方が早くなることもあるんだって。逆に、のんびりと落ち着いた環境で暮らしている子は、長く安定して過ごせることが多いの。
ミックス犬だからといって、安心しすぎる必要もないし、怖がる必要もない。大切なのはキャバリアの血を持っているということを理解して、その子に合ったケアをしてあげること。病気のリスクを知るということは、愛するための準備みたいなものなの。私も、病気を知ったことで、自分の体の声を聞くようになったし、パパやママがその変化に気づいてくれるたびに、私、守られてるんだって感じるようになったんだ。
キャバリアの優しさと、ミックス犬のたくましさ。その両方を持っている子たちは、ほんとうに素敵だと思う。ただ、その優しさの裏には、少しだけ注意が必要なことを忘れないでね。それって不安じゃなくて、愛情の形なんだから。
さて次は、その“愛情”をどうやって形にすればいいのか、つまり、ミックス犬でも病気を遠ざけるために、私たち家族ができることをお話しするね。親犬の健康や日々の暮らし方、心臓を守るための小さな習慣。それを知ることで、あなたのお友達の毎日が、もっと穏やかになると思うの。
親犬の健康と環境がカギ!ミックス犬でも気をつけたいこと

私が心臓の病気とつきあい始めてから、もう2年が経ったんだよね。いまも毎日お薬を飲んでるけど、こうして穏やかに過ごせているのは、きっと気をつけることを少しずつ積み重ねてきたからだと思う。
キャバリア系ミックスのお友達もね、同じように日々の積み重ねが心臓を守る鍵になるの。病気に強いとか、弱いとかっていうよりも、どう暮らすかで未来は変わっていくと思うんだ。今日は、私と家族がどんなふうに過ごしているのかを交えながら、お話しするね。
親犬の健康が、子どもの未来をつくる
まずね、ミックス犬を迎える前に大切なのは親犬の健康状態を知ることだと思う。キャバリアを親に持つ子は、どんなに元気そうでも心臓病の遺伝的傾向を引き継ぐ可能性があるの。だから、ブリーダーさんや保護団体さんが、心臓の検査をしているかを確認しておくことが、本当に大切なのよ。
心臓の検査って聞くと少し難しそうだけど、実はシンプル。獣医さんが聴診して、必要があれば心エコー(超音波検査)で心臓の弁の動きを確認するの。その結果を見れば、今どのくらいの状態なのかがわかるの。
キャバリアは、若い頃から心臓に変化が出ることもある犬種だから、もしお父さん犬やお母さん犬の段階で健康状態がチェックされていれば、子どもたちの未来にとって大きな安心になるのよ。
ミックス犬の安心は、遺伝のバランスにあるけれど、そのバランスを作るのは、親犬の健康管理なんだと思うの。だから、ミックス犬だから安心ではなくて、健康な親から生まれた子だから安心と言える子が、本当の意味で病気に強いのよね。
毎日の暮らし方が心臓を守ってくれる

心臓病って、遺伝の影響もあるけど、生活の中で進行をゆっくりにできることも多いの。私も病気が見つかってからは、家族がいろんな工夫をしてくれているの。たとえば、
朝のお散歩は気持ちいいくらいで止めること。
以前は張り切って歩いてたけど、今は途中で立ち止まって風の匂いをかいだり、道の草の上に寝そべったり。パパがゆっくりでいいんだぞって言ってくれるのが嬉しいの。心臓に負担をかけないように、無理せず、でも毎日少しは体を動かす。それが私たち心臓の弱い犬にはちょうどいい運動なのよ。
それから、体重の管理。
心臓病の子が太ると、それだけで心臓の仕事が増えてしまうの。だからママは、私のごはんを量ってくれるし、おやつもごほうび程度にしてくれてるの。その代わり、なでてもらう時間がすごく増えたのよ。食べる楽しみをふれあう時間に変えるっての素敵だよね。でね、それが、私たちの家族の新しいルールになったの。
あとね、ストレスを減らすことも大事。
心臓は感情の変化にも敏感だから、びっくりしたり緊張したりすると、ドキドキが強くなってしまうことがあるの。だから、静かで安心できる場所を用意してもらえると、それだけで呼吸が落ち着くの。私の家では、リビングの一角に小さな毛布とクッションを敷いてくれてて、そこが私の場所。家族がテレビを見て笑ってる声を聞きながら、私はその場所でうとうとするのが日課なのよ。
定期的な検診と早めの気づき
心臓病のこわいところは、最初のうちはほとんど症状が出ないこと。でも、早く見つけるほど、お薬や生活の工夫で長く穏やかに過ごせるの。だから私は、年に2回、必ず先生に診てもらってるの。聴診のとき、先生が「リアちゃん、音は落ち着いてますね」って言ってくれると、パパとママはほんの少しだけ安心した顔をする。私も、それを見るとホッとするの。
キャバリア系ミックス犬でも、これは同じ。どんなに元気そうでも、定期的に心臓の音を聴いてもらうこと。もし先生が「少し雑音がありますね」と言ったら、それはまだ早い段階かもしれない。お薬を始める前に気づけるのは、本当に大切なことなのよ。
愛されている環境がいちばんの薬
心臓病と向き合っていると、ときどき思うの。薬よりも効くものって、もしかしたら家族の穏やかさなんじゃないかなって。
私の心臓はちょっと頑固でね、たまに先生が「今日は少し音が強いね」って言う日もあるの。でも、そんな日でも、ママが「大丈夫、大丈夫」って笑ってくれると、不思議と呼吸が楽になるの。犬の体はね、家族の気持ちにすごく敏感なの。だから、心臓病の子と暮らすときは、不安よりも安心を見せてほしいの。その安心が、私たちにとっていちばんのエネルギーになるから。
ミックス犬でもキャバリアでも、病気があることは悪いことじゃないと思うんだ。それを知っている家族と一緒に暮らしていることが、何よりの幸せなんだからね。心臓が弱い分、私たちは愛情にとても敏感。やさしく撫でてもらったり、名前を呼んでもらったりすると、それだけで心臓の鼓動が穏やかになるのよ。
つまりね、「ミックス犬だから安心」というより、ちゃんと見守ってくれる家族がいるから安心ってことなの。キャバリアの血を持つ子も、親犬が健康で、毎日の暮らしが穏やかなら、長く幸せに過ごせる。そして、家族のまなざしがある限り、その子はきっと強く生きていける。
次の章ではね、私がどうやって病気と仲良く付き合ってきたか、そして、心臓病になっても笑顔で生きるコツを、あなたに伝えたいの。病気と共にある日々にも、ちゃんと幸せの形はあるのよ。
心臓病になっても幸せに過ごせる

病気ってね、最初に聞いたときはどうしても怖い言葉に聞こえるの。「心臓に雑音があります」って言われた日、ママの顔がほんの少し曇ったのを、私はちゃんと覚えてる。でも、それから何年も経った今、私はこう思うの。病気は終わりじゃなくて、新しい暮らしの始まりなんだって。
心臓病とともに生きるようになってから、私の毎日は少しずつ変わったんだ。若いころみたいに長いお散歩はしなくなったけど、その代わりに風の匂いや土の温もりをゆっくり感じる時間が増えたの。パパと歩くとき、前よりゆっくりになったけど、そのぶん景色のひとつひとつを覚えていられるようになったんだ。ママが洗濯物を干す音、台所でスープをかき混ぜる音、どれも心臓の鼓動といっしょに、穏やかなリズムを刻んでるみたいなの。
病気になる前は、そんな小さな音や匂いに気づかなかったの。元気なときは、あたりまえだって思ってた日常が、実はどれだけ貴重なものだったか、心臓が少し弱ってから、ようやく気づいたの。だから、私は病気を敵だとは思っていないんだよ。むしろ、いまを大切にすることを教えてくれた、ひとつのきっかけみたいに感じてるんだ。
私の家族も、最初のころは毎日とても心配していたの。お薬の時間になると、ママが何度も時計を見て、パパは寝る前に私の呼吸を確認していた。
だけどね、ある日ママが言ったの。「リア、あなたが病気になってから、家族みんなが優しくなった気がする」って。そのとき、私はすごくうれしかった。病気があっても、家族が笑っている、それが、私の幸せの形なんだと思ったの。
キャバリア系ミックス犬のお友達にも、きっと同じことが言えると思うんだ。もしあなたのお友達が心臓病と診断されても、それは終わりのサインじゃない。むしろ、ゆっくり生きていこうねという合図なんだよ。焦らずに、穏やかに、できるだけ心臓にやさしい毎日を積み重ねていけば、病気と共に生きることも、ひとつの幸せのかたちになるのよ。
心臓病の子にとって大切なのは、何を失うかっていうよりも何を続けていくかがとても大切。お散歩を短くしてもいいし、おやつを減らしてもいい。でも、家族と過ごす時間だけは、絶対に減らさないでほしいの。それが、私たちにとっての生きる力だから。
キャバリアも、ミックス犬も、どんな血を引いていても、一番の薬は愛されている実感。それがある限り、心臓はちゃんと動こうとしてくれるよ。お薬や検査はそのサポートなんだ。本当の治療は、家族と過ごす穏やかな日々の中にあるんだと思うの。
私がこうして15歳まで生きてこれたのも、家族がそばにいてくれたから。パパが私の首の下をそっと撫でる手、ママのやわらかい声、お兄ちゃんやお姉ちゃんの笑い声。全部が、私の心臓を動かす音なんだよ。心臓病になっても、私は幸せ。だって、こんなにたくさんの愛の中で生きてるから。
もし、あなたのお友達がキャバリア系ミックス犬で、ちょっと心臓に雑音がありますと言われたら、どうか落ち込まないでね。代わりに、その日から優しさを重ねる暮らしを始めてほしいの。ゆっくり歩くこと、話しかけること、撫でること、見つめること。それだけで、心臓の鼓動は穏やかに整っていくのよ。
私が教えてもらったいちばん大事なこと、それは、病気を怖がるより、いまを大切に生きること。心臓病は確かに簡単じゃないけれど、そのぶん生きていることを実感させてくれる。そして、愛される力、愛する力を強くしてくれるの。
だから、あなたにも伝えたい。もし心臓病の子と暮らしているなら、その時間を特別な一コマなんだと思って、ひとつひとつの瞬間を心に刻んでね。それがきっと、何よりの宝物になるから。
私の心臓はまだ頑張ってる。ゆっくりだけど、ちゃんと動いてる。この鼓動が続く限り、私は今日も家族のそばで笑っていたいんだ。
リアより


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