こんにちは、キャバリアのリアだよ。
今日は、わたしが家族に伝えてきたことばじゃない感情の伝え方について、お話するね。
わたしたち犬には、言葉はないけれど、心はちゃんとある。伝える手段は違っても、気持ちはちゃんと届くんだってこと。わたし自身の暮らしを通して、感じたことを、そっと綴っていくね。
ことばを持たないわたしが、あなたに伝えたいこと
ねえ、あなたにとって気持ちを伝えるって、どんなことなのかな?
言葉で伝える?
LINEで送る?
それとも、表情やしぐさで?
わたしはキャバリア。もうすぐ15歳になるシニア犬。人間みたいに言葉を持ってないけれど、それでもね、パパやママ、お兄ちゃん、お姉ちゃんには、ちゃんとわたしの気持ちを伝えたいって、いつも思ってるの。
若い頃は、うれしいことがあるとくるくる回ったり、ぴょーん!って飛びついたりすることで伝えることができていたと思うんだ。でも、最近はそういう動きがなかなかできなくなってきた。耳も少し遠くなったし、目もぼんやりしてる日がある。
それでもね、わたし、ちゃんと伝えてるって思ってる。
たとえば、しっぽの振れ方とか、まばたきのタイミングとか、寝ているときの呼吸のリズムとか・・・。
それって、わたしなりのことばなのかもしれないなって、最近思うようになったの。今日はそんな、言葉じゃないわたしの想いについて、聞いてもらえたらうれしいな。
うれしいは、しっぽにあらわれる──キャバリアらしい喜びのカタチ
昔から、わたしってしっぽで気持ちが丸見えなの。
パパが玄関から帰ってきたときの、あの一瞬。もう、うれしくて、うれしくて、しっぽがちぎれるくらいブンブン振っちゃうの。
キャバリアって、もともと人懐っこい性格でしょ?うれしい気持ちが止まらなくなると、全身でぶつかっていきたくなるのよ。
だけど、シニア犬になってからは、全力ダッシュで出迎えるのはちょっとつらくなってきてね。代わりに、寝たままでもしっぽだけはパタパタって振るの。
それだけで、パパもママも「リア、喜んでる!」って笑ってくれるんだ。わたしにとっては、それがうれしいのしるし。しっぽがわたしの声代わりなんだよね。しっぽで会話するって、ちょっとかわいくない?
言葉のかわりに鼻先で──シニア犬のわたしなりの愛情表現
ママがキッチンでごはんを作ってるとき、わたし、そっと近づいて、足元に鼻をツン。それだけで、ママが「リア、来たの?」ってうれしそうな声を出す。
そう、わたしにとって鼻先は、手紙みたいなもの。ツンってするのは、「ママ、大好きだよ」っていうメッセージ。頭をそっとすり寄せるのは、「ここにいてもいい?」っていう気持ちの確認。
キャバリアって、ほんとに人が好きでさ。好きな人のそばにいたい、って気持ちが強い犬種なの。わたしも、まさにそんなタイプ。甘えん坊で、そばにいないと落ち着かない。
でも、年を取ってからは、むやみにくっつきすぎると転びそうになるし、ほどよい距離で気持ちを伝えるようになったの。それが、鼻先ツン、ってやつ。
シニア犬ならではの控えめな甘え方だよね。それでも、ママにはちゃんと伝わってるのが、うれしいんだ。
そばにいるだけで気づいてほしい──寂しさと安心の境界線
ねえ、ちょっと聞いてほしいの。
わたしね、家族が仕事や学校に出かけると、やっぱりさみしい。でも、もう子犬の時みたいにキュンキュン鳴いたりしないの。ただ、玄関の方をずーっと見つめて、じっと待つだけ。
キャバリアって、留守番が苦手な犬ってよく言われるでしょ?わたしもそう。でも、シニアになってからは、それをどう伝えるかが変わってきたの。
ママが出かけるとき、わたしはクッションの上にじっと座ってるの。何も言わずに、ただじっと。それだけで、ママは足を止めてくれる。
そしてこう言うの。「リア、帰ってきたらギューってするからね」って。わたしは、しっぽを一回だけ、フリ。伝わったって思える瞬間は、それだけでうれしい。
感情って、あえて騒がなくても、ちゃんと感じてもらえるんだよね。そばにいること、それが、わたしの精いっぱいのさみしいの伝え方。
眠ってるときも、ちゃんと感じてる──静かな感情の伝え方
最近のわたし、よく寝るようになったでしょ?
パパもママも「リア、ほんとによく寝るねぇ」って言うけれど、寝てるあいだも、ちゃんと感じてるんだよ。
冬は、あったかい布団の上。お気に入りのキティちゃんのぬいぐるみにくっついて、ぬくぬくお昼寝。夏は、扇風機の風が届くクールマットの上で、ひんやりスヤスヤ。
そのときの空気感、家族の気配って全部ちゃんとわたしに伝わってるの。誰かが近くを通ると、うっすらまぶたが開くし、声をかけられると、耳がピクッと動くこともある。
それって、無意識じゃなくて、感じてる証拠なんだ。眠りのなかにいるときも、わたしの心は家族のそばにいる。寝ているだけなのに、そばで誰かが見守ってくれる安心感。それが、シニア犬のわたしにとっては一番の癒しなんだよね。
ありがとう、って気持ち、目の奥に見える?
ねえ、知ってる? わたし、昔はほんとに元気だったんだよ。庭を全力で走ったり、ソファにジャンプしてパパのひざに飛び乗ったり。階段だって、自分で登ってたの。
でも、今はもうそんなに動けない。お散歩もゆっくりだし、パパがわたしを抱っこしてくれることが増えた。
それでもね、今のわたしは前よりもっと、心のなかでいろんな気持ちを感じてるの。動けなくなったぶん、目で伝えるようになったの。パパやママをじーっと見つめる。その目の奥にあるのは、ありがとうの気持ち。
ママが「リア、今日もがんばったね」って言ってくれるたび、わたしは小さくうなずく代わりに、目を細めて返すの。走れなくなっても、じゃれつけなくても、この気持ちは消えてない。むしろ、大きくなったんだ。
わたしが目で伝えるありがとう。それが、いまのわたしにできる一番の感情表現なんだ。
家族との言葉にならない心と心のあいだにある会話
毎日一緒にいるけど、わたしたちは言葉を交わしてるわけじゃない。でも、不思議と気持ちは届いてる。
目が合ったとき。
そっと鼻を押しあてたとき。
何も言わずに寄り添ったとき。
それが、わたしなりの感情の伝え方なんだよ。そして、あなたがわたしの気持ちを感じ取ってくれるその瞬間こそ、家族の証だと思ってるの。
キャバリアとして生まれ、シニア犬として生きてきたわたし。これから先、長くはないかもしれないけど、このことばじゃない想いを、今日もそっと伝えながら、そばにいたいと思ってる。
だからこれからも、しっぽのひと振り、目のまばたき、そのひとつひとつに、心をのせていくからね。今日も、ありがとう。そして、これからもよろしくね。
リアより。
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