おとなしく優しいキャバリアが豹変して狂暴化するのはなぜ?その瞬間に起きていること

キャバリア

こんにちは。私、リア。ブレンハイムのキャバリアで、もう十五歳なんだ。

小さいころから家庭犬の鏡って言われる私たちだけど、あなたも、あなたのお友達がある瞬間に限って、えっ、今の噛むの?ってなること、ないかな。

いつもは膝でぬくぬく、来客にはしっぽぶんぶんの私だって、実はね、時々心の天気が急に崩れることがあるの。

たとえば、大好きなおやつに手が伸びたとき。窓の外を通る犬に胸がドキドキしてるとき。ふいに眠りをさまたげられたとき。

そんな瞬間に、私の体と気持ちは、あなたが思うよりずっと忙しくて、言葉の代わりに歯や声が出ちゃうことがあるんだ。

それをあなたが性格が悪くなったって感じたら、私、少し悲しい。だってね、私が豹変して見える場面の多くは、怖かったり、混乱していたり、どこかが痛かったり、守りたい大切なものがあったりするだけだから。

私たちはいつもサインを出してるんだよ。あくびみたいな小さな合図、舌をぺろっとする仕草、体が固くなる感じ、目が泳いじゃう合図。

けれど、その信号があなたに届かないと、階段をのぼるみたいに、うなり、吠え、そしてカチッとスイッチが入るの。

私には心臓の持病があって、たまに息が上がる。そんな日は抱き上げられるだけでもしんどいときがある。だから、やさしいあなたにお願いがあるの。私の合図に気づいて、逃げ道や休憩の場所を残してほしいんだ。

ごはんやおやつの時間は、私が安心して食べ終われるようにしてほしいし、窓の外に興奮するときは、カーテンを閉めたり、見えない工夫をしてほしい。叱る代わりに、大丈夫だよの約束を積み重ねてほしいの。

この先の記事で、私はあなたと一緒に危ない瞬間の地図をひろげるよ。家の中の地雷、外での落とし穴、シニア期の体がもたらす勘違い、そして今日からできる安全設計。

あなたのお友達の優しさを守るのは、あなたと私のチームワーク。大丈夫。私たちは、もっと分かり合える存在なんだからね。

優しいキャバリアが豹変して狂暴化するのはなぜ?

あなた、さっきまで膝でうとうとしていた私が、ふいにうなって歯を見せたら、びっくりするよね。キャバリアは穏やかで平和主義、私もその自覚はあるの。

だけどね、豹変に見える瞬間は、空から落ちてくる雷みたいな偶然じゃない。私たちの体と心の中で、秒単位のドラマが走っているんだ。今日は、私の目線で、その秒針の音を一緒に聞いてほしいな。

まず、合図はいつも前から始まっているの。大きくない、でも確かなサイン。私の耳がほんの少し後ろに倒れるとか、目が細くなって相手をじっと測るとか、舌が一度だけぺろっと出るとか、体が石みたいに固くなるとかね。

あなたが手を伸ばした方向に、私は視線だけじゃなく鼻先も針みたいに向けて固定するといった行動は全部、さっきまでの私と今の私をつなぐ橋みたいなもの。あなたがこの兆候を見つけられたら、ほとんどの豹変は止められるはずなんだ。

じゃあ、この兆候のキャバリア側で何が起きているのかっていうとね、私の中では、危険を見積もる係と、身を守る係が相談を始めるの。

危険を見積もる係は、今起きていることと、過去に似た出来事の記憶を重ね合わせるんだ。

どういうことかっていうとね、前におやつを取り上げられた、寝込みを抱き上げられて首が痛かった、窓の外の犬に吠え返したときリードで動けなかった、そんな記憶が心の奥の引き出しから出てくるんだ。

身を守る係は、逃げるか、距離を取るか、声で伝えるか、それとも歯を使うか、手札を一枚ずつ切る準備をするんだよ。あなたの目には一瞬でも、私の中では何枚ものカードがぱらぱらとめくられているの。

それを加速させるのが、距離の問題。私たちにはこれ以上近づかないでねという一線が円のようにしてあるんだ。その円の大きさは場面で変わるんだよ。

眠い時は大きく、痛い時はもっと大きくなるんだよね。おやつやおもちゃや寝床は、宝物の島みたいに私の近くに円がある感じ。

あなたの手がその円に踏み込んだ瞬間、私の中での危険の計算は一段と厳しくなるんだよ。だから、同じ撫で方でも、場所とタイミングで意味が変わってしまうの。

もうひとつ、静かに積み上がるものがあるんだけどね、私はそれを重ねストレスって呼んでいるんだよ。

郵便受けの音、掃除機、窓の外の見知らぬ犬、来客、眠気、首のこわばりなんかたいしたことない小石みたいな刺激が、一日のうちにカラン、コロン、コロンと溜まっていくんだ。

最後の小さな出来事が落ちてきて、積み木が崩れるみたいにスイッチが入るってわけ。あなたには急に狂暴化したように見えても、私の中では長い階段をのぼりきった着地点なの。

ここで、あなたに見てほしい階段の段差を、私の身体感覚で言うね。最初の段は違和感。耳が後ろに傾いて、視線をそらしたくなる。

次に緊張。体が固くなって、肩が上がる。ここであなたが引いてくれたら、私はほっとして階段を降りられる。けれど、手がさらに近づく、体をまたぐ、逃げ道がふさがる、そうなると私は声で伝えようとするんだ。

低いうなりは離れてほしいなっていう看板。この看板を読んでもらえないと、吠えが出ちゃうんだ。そしてね、その吠えも届かない、あるいは抑え込まれると、最後のカードとして歯が出るんだよ。

それは、乱暴をしたいんじゃなくて、電車の非常ブレーキみたいなものでね、止めるための最後の操作なの。

でも、いつもは平気なのにというあなたの心の声も、私はちゃんと聞こえるよ。いつもは平気な撫で方や抱き上げがあるよね。それが今日は違ったのは、たぶん背景が違っていたから。

眠りの深さ、部屋の温度、体調、前の出来事、時間帯、周りの音などの、小さな違いが、臨界の円や階段の段差を変えるんだ。

特に私のようなシニア期は、関節や首、背中、歯ぐき、内臓、どこかに小さな痛みを抱えている日があるんだよね。

そういう日は、階段の一段目が最初から高めに設定されてしまうから、あなたが同じことをしても、私の側の器の大きさがいつもと違うの。

それから、私たちの気持ちをかき乱す見えない壁のことも話したいな。

窓ガラス、庭のフェンス、リード。あれはときどき、私に行きたいのに行けないというもどかしさを生むんだ。

そのもどかしさは体の中を熱くして、すぐ隣にいる相手に怒りの矛先の向きが変わることがあるんだ。

あなたが別の犬との距離を取ってくれている時も、私の中では熱が渦を巻いていて、手が首輪に触れた瞬間に、熱がその手に飛びついてしまうんだよね。

あなたのことが嫌いなわけじゃない。届かない向こう側に向けたエネルギーが、手前に跳ね返るだけ。

また、宝物の番をする気持ちがムクムクって目を覚ますときがあるんだ。私にとって大切な食べもの、おもちゃ、寝床、ソファ、あなたの膝などの宝物のことだよ。

私にとって安心や喜びをくれるものほど、守りたい気持ちが強くなるってたぶんあなたも一緒だと思う。守る気持ちは悪いことじゃないよね。

でも、取り上げられるかも、どかされるかもと予感すると、私は先にやめてって合図を出すんだ。

ここで交渉ができればいいんだけど、都合悪く私には言葉がないから、合図を強くするしかないんだ。だからこそ、あなたが合図を小さなうちに見つけて、交渉のルールを作ってくれると、私は安心して宝物の見張り番をやめられるんだよ。

じゃあ、あなたにできることは何だと思う?

まずは、私の小さなサインを辞書みたいに集めてほしいんだ。耳、目、口、体の固さ、しっぽ、呼吸の速さ、顔のしわなどのことだね。

あなたのお友達ごとに、出やすいサインは違うからね、鏡を見るみたいに、繰り返し観察して、いつ、どこで、何の前に出やすいかをメモしておくと、あなたの予測力はぐっと上がると思うよ。

そして、予測ができると、私は階段をのぼり切る前に降りるための階段を用意してもらえるよね。

距離をあける、手を止める、声を落とす、別の行動をお願いする、逃げ道を開けるといったような、そういう小さな工夫が、非常ブレーキを引かせない最大の方法になると思う。

次に、場面の設計を考えてほしいんだけどいいかな。宝物の時間は一人で静かにしておくとよかったりするよ。

それから、見えない壁の前で覚醒が上がるなら、視線を遮るのもいい方法だと思う。

眠い時や体調が不安な日は、触れ合いを短く優しくってところかな。

それからね、家族みんなで同じルールにするっていうのも大切。ルールがいつも守られていると、私は安心して先を予測できるんだよね。

予測できるって、私たちには何よりの安心なんだ。予測は、階段の段差を低くしてくれる魔法みたいなものなんだよね。

そして、忘れないでほしいのは、私の体の声。

心臓が苦しい日、咳が出る日、息が上がる日、関節がこわばる朝、歯がうずく夜とか、そういうのがあるときは、触られ方ひとつで世界が変わって見えるんだ。

抱き上げるなら、胸とお尻を同時に支える。首や胸を圧迫しない。眠っている時は、起こす合図を作ってから触れるから、合図に応えてから触れられたら、私はこれから触られるっていうのを心の準備にできるんだ。

その準備ができると、私たちの怒りの階段の一段目に足をかけずに済む。

あなたの中には、叱ればやめるんじゃない?という考えも浮かぶかもしれないね。でもね、叱りつけられても、私は理由がわからないことが多いんだって。

理由のわからない怖さは、次の同じ場面で私の階段を余計に高くするし、うなりは注意喚起の看板だといえるんじゃないかな。

看板を壊すと、次は直接の非常ブレーキしか残らない。だから、うなりを出せる私を、教えてくれてありがとうと受け止めて、距離と時間と別の選択肢をくれるあなたでいてほしいな。

あなたが私たちの豹変を見たときの、たった今の守り方を、私の目線で並べておくね。

まず、止まる。手も声も動きを小さくするしてね、視線をじっと合わせず、少し斜めに体を向けて距離を作るといいんだ。

自分の逃げ道を開けて、黙って一歩、下がってね、深呼吸をひとつするんだ。そしたら私が鼻をひくひくして、体の固さがほどけるのを待つといいよ。落ち着いたら、その場をそっと終わらせることができるよね。

片づけや話し合いは、あとでいいんだ。あなたが落ち着きを見せると、私の中の熱は早く引いて気持ちが落ち着くんだ。その熱が引いた後なら、場面の設計や練習の話ができるよね。

熱い鉄は素手で曲げられないけれど、冷めた鉄なら少しずつ形を整えられるの。

あなたのお友達は、きっと私と同じで、本当は優しい。優しさが消えるんじゃなくて、守りたいものと怖さと痛みが、優しさの表面に影を作るだけ。

その影を見て豹変と呼ぶ代わりに、影の正体を一緒に見てみない?私が出す小さな合図、あなたと作る安全な距離、家の中の設計、体の声に合わせた触れ方なんかね。

これらがそろえば、優しいキャバリアが豹変する瞬間はやがて予告に変わって、予告はやがて消えると思うんだ。あなたと私なら、ここからもっと上手になれるよ。

次は、家の中の地雷を、具体的な場面で地図にしていけたらうれしいな。あなたと過ごす毎日を、落ち着いた午後の暖かな光みたいな時間死していきたいんだよね。

家の中にある地雷を変えていこう。リソース・ガーディングと転嫁攻撃の正体についてお話しするね

ねえ、あなた。さっきは豹変の秒針の話をしたけど、今日はもっと身近な場所で起きてることを、部屋の見取り図みたいに一緒に歩いてみようよ。

リビング、キッチン、窓際、ソファ、寝床。私たちにとっては、ここ全部が狂暴化への物語のステージ。しかも、小さな仕掛けがそこら中にあるんだよね。

うまく回れば平和なんだけど、ズレると豹変への地雷になることがあるんだ。難しく考えなくて大丈夫。私、リアがいつもの調子で案内するね。

まず、私たちがつい守りたくなる宝物の話から。

ごはん、おやつ、おもちゃ、寝床、ソファ、そしてあなたの膝。これ、どれも安心とか幸せの象徴でしょ。だから、近づかれ方や触られ方次第で、心の中に、ちょっと待ってよ、っていうのをを掲げたくなる瞬間があるの。

これがいわゆるリソース・ガーディング、資源の番をして守っている状態ね。かっこよく聞こえるけど、やってることはただの、今は取らないでねっていうお願いなの。

このお願いが届かないと、私たちは合図を強くするしかないんだ。うなる、歯を見せる、噛む。そうやって分かってほしいという気持ちを伝えようとしちゃうんだ。

キッチンの角を曲がると、まず出会うのが給餌のシーン。あなたが器を持ってきてくれて、いい匂いがして、私の目はキラキラ。ここ、地雷になりがち。

なぜかって?ごはんは超・超・大事だから。器に顔を入れてるとき、後ろから手が伸びたり、上からのぞかれたり、ペースを急かされたりすると、私の狂暴化へのボルテージが一気に高くなる。

顔を上げたくないのは、ごはんを守りたいとか意地悪とかじゃない。安心して食べ終えるまで集中したいだけ。だから、ここでの正解はすごくシンプルなんだ。

別室やサークルで一人で食べさせてくれたら、それだけで平和指数が爆上がり。食べてる間は通路にしない、器に手を入れない、見学会にしないってこと。

終わったら自然に器が空っぽになってるから、そのとき静かに下げればOK。あなたがこのルールを家族みんなでそろえてくれたら、私は取られない世界を信じられる。信じられたら、番をやめる練習がうんと楽になるんだ。

ただし、これは一般的な判断。多くはないんだけど、気持ち次第では、ご飯をあなたの手から食べさせてほしい、っていう場合もあるから、その子に合わせた対応が必要な場合もあるんだって覚えてもらえたらうれしいな。

次はリビングの真ん中、ソファとおもちゃゾーン。

ここもふつうに楽園なんだけど、時々スイッチが入る場所なんだ。お気に入りのぬいぐるみをカミカミしてる最中に、あなたが、汚れるから片づけよっかって手を伸ばすことがあったら要注意。

私の中では、宝物を守る係が頑張り出して、体が固まって、目だけがきゅっと上がる。ここ、あなたの出番は交換だよ。

取り上げるじゃなくて、交換。おいしいフードをひと粒、床に転がして、こっちいいよって道を用意してくれる。私が顔を上げてフードを食べてる間に、おもちゃはあなたの手へと渡るって寸法。

終わったら、また別のおもちゃを返してくれる。これを繰り返すとね、手が来るとおもちゃを取られる、ってことじゃなくて、手が来るといいことが起きるっていう図式に書き換わるでしょ。

こうして書き換わるまでちょっと時間は要るけど、やってみると空気がやわらぐの、すぐ感じると思う。

ソファと言えば、もう一つあるんだ。あなたの膝ね。これって私の特等席なんだよ。

ここは幸せの極みだから、降ろされる予感が嫌い。お客さんが来たとか、掃除機をかけたいとか、立ち上がりたいとか、理由はいろいろあるよね。

でも、いきなり抱え上げられると、心臓が悪い私には胸が苦しくなる日もあるし、関節がイタッとなることもある。

だから合図を作っておけばいいと思うんだ。降りようねの声をかけて一拍待って、そうしておやつで床に誘導して足元のマットで褒める。このセットを何度も練習しておくと、スムーズに下せるようになると思う。

声→待つ→誘導→褒め、の順番が儀式になったら、私は、降りることを嫌いじゃなくなるとおもうんだ。この儀式があるだけで、心の準備ができるんだよ。

あと、窓際も忘れちゃいけないよね。ここは見えない壁の代表スポットなんだ。外を犬や人が通るたび、私の胸に波が立つんだよ。

吠えて知らせたくなるし、追いかけたくもなる。でも窓ガラスっていう壁があるから届かないでしょ。その届かないエネルギーが、近くのあなたに跳ね返ってしまうことがあるんだ。

これがいわゆる転嫁ね。

あなたの手が首輪に触れた瞬間、興奮の矢印が手元にパチンと跳ね返るの。このシーンの対処法は、見えないものは、気にならなくなるってこと。

カーテンやすりガラスシートで視線を遮る、窓から少し離れたところに観察席を作る、通行が多い時間帯は窓際ゾーンをオフにする。

物理的に狂暴化する階段から選択肢を変えると、心の波は低くなる。加えて、窓から離れてゴロンしたら静かなご褒美がセットになると、私の中の窓ルールが優しく書き換わるんだよ。

それから、玄関も地雷が潜む場所だね。

ピンポンが鳴るとね、あなたが慌てるでしょ。そうしたら、私の胸も高鳴るんだ。ここで走り出した私の肩をガッと押さえるのは、いちばんやめたい対応だよね。

押さえられると身体はさらに熱くなって、転嫁のリスクが跳ね上がる。代わりに、ピンポンがなったらマットへダッシュのゲームにしちゃったらどうかな。

玄関から離れた場所にマットを置いて、普段からピンポンが鳴ったらマットでおやつが当たり前になるように練習するんだ。

最初は家族に合図して、小さなピンポン音でマットで一粒あげて、また小さな音で一粒あげる。これを繰り返して成功を積み上げると、本番でも体が自然にマットへ向くでしょ。

私、褒められるのが大好きだから、このゲームはけっこう楽しいと思うんだ。

寝床のことも語らせてほしいな。ここは私たちの心の充電器なんだ。眠いときって、世界がちょっと遠くなるでしょ。だから、突然の接触は苦手なんだよ。

特にシニアの私たちは、関節や背中、首、どこかに小さな痛みを抱えてる日があるからね。寝床での合図は、名前を呼んで、一呼吸おいてから、起き上がったら声をかけてそのあと触れるって流れ。

この順番を守るだけで、ぜんぜん違うと思うんだ。起き上がる前に抱き上げられると、びっくりして非常ブレーキが出やすいから、あなたの手を優しい予告に変えるって、こういうこと。

ここまで、場所ごとの地雷を見てきたけれど、家族みんなの足並みが揃ってないと、せっかくの努力が中途半端になっちゃうんだ。だから、超カンタンな家ルール表を作ってみたらどうかな。

紙一枚でいい。ごはん中は近寄らない、交換で片づける、窓は時間帯で遮る、ピンポンはマット、寝床は声をかけて待ってから触る。

この五つを書いて、冷蔵庫にペタって張って置いたら見たら思い出すでしょ。そうして、思い出したら守れると思うんだよ。

あなたのお友達は、予測できる世界が何より好きだから、毎回やり方が同じだと、私の心拍が最初から低いの。低い心拍は、優しい選択の土台になるんだよ。

ここでちょっと、やりがちだけど惜しい行動も言っておくね。まず、うなりを叱ること。

うなることはこの先は無理っていう意志表示の掲示板なんだ。この掲示板を壊すと、残るのは体で止める方法だけになっちゃって狂暴化しちゃうんだ。

次に、取り上げ合戦。私がそれを学ぶと、守るほど取り返せるっていうゲームが成立しちゃうんだよね。

三つ目、体で抑え込むこと。抑えられた体は、熱をためやすいから、ためた熱は、次に同じ場面が来たとき、早い段階から狂暴化という手段で噴き出しちゃうんだ。

だから、叱る・取り上げる・抑え込むの三連コンボは封印しておくのがベターだと思うよ。代わりに、先回り・交換・設計の三兄弟を採用してみてはどうかな。

先回りは予告の合図でしょ。そして、交換は気持ちのはけ口、それから手順の設計は失敗しにくい舞台。この三兄弟、ほんとに頼れるよ。

じゃあ、練習の仕方をもっと具体的にしてみるね。

まずは見るだけリストを作る。あなたのお友達が歯を使いがちな場面を洗い出して、危険度を三段階に分けてみるんだ。

赤は今すぐ設計を変えるところ(ごはん中、寝床、窓際の大興奮)。黄は注意が必要なところ(ソファの乗り降り、おもちゃ遊び、来客)。緑は余裕があるけど観察を続けたいところって感じね。

赤ゾーンは、まず練習しないでもできる環境を作るところから入ってみるのはどうかな。

別室給餌、柵、ベビーゲート、カーテン。これで狂暴化の事故を止めれると思うんだ。事故が止まったら、黄ゾーンで交換や誘導の練習を重ねてみるのもいいよね。

緑ゾーンでは、合図して、待つってから行動して褒めるっていう一連の儀式を練習しておくんだ。段階を飛ばさないのが、うまくいく近道だと思うよ。

練習中の声かけにもコツがあるよ。短く、同じ言葉で、落ち着いた響きっていうのがポイント。私、言葉の意味だけじゃなくて、音の高さやテンポで気持ちを受け取ってるから、早口や大きい声は、私の階段を勝手に一段上げちゃうんだ。

だから、いいね、そうそう、ゆっくりっていうので統一してみてはどうかな。できた瞬間に静かに褒めるのもタイミングが命だよね。タイミングが良いと、そのパターンに私の中でそれだよってスイッチがつくんだ。

あとね、忘れがちだけどめっちゃ効くやつがあってね、それが休憩の質なんだ。一日の中で、静かな休憩スポットを確保することね。

人の行き来が少ない角、クッション性のいいベッド、柔らかい照明。ここで眠れた日は、私の狂暴化への階段が低い状態。つまり、狂暴化が起こりにくいってこと。シニアの私には特に大事なんじゃないかな。

心臓がしんどい日は、呼吸が浅くなって、世界がせわしなく感じられるでしょ。そんな日は、散歩を短めに、遊びはゆるく、触れ合いは軽くしてもらえると助かる。

それから体調ノートをつけてもらえると、あなたの判断がもっと正確になると思うんだ。ノートには、食欲、咳、息の上がり、眠りの深さ、機嫌をひと言で。三日つけたら、もう効果が見えてくるはずだよね。

転嫁が起きやすいすれ違い散歩の予行演習も、家の中でできるよ。リードを軽く持ったまま、部屋の端から端に歩いて、途中であなたがふっとUターンしてみるんだ。

私がつられて一緒に向きを変えられたら、すぐ褒めてひと粒フードを上げる。これを何回かやっておくと、外で犬に会ったときも、体が自然に向きを変えるパターンを選べる。

向きを変えられたら、近づきすぎる前に距離を守れるでしょ。そうやって距離が守れたら、転嫁の芽は小さいままになると思うんだ。

最後に、もしうっかり地雷を踏んじゃったらどうするかってことをお話ししておくね。

ここはシンプルでいいと思うんだ。止まる、下がる、待つ。この三つね。

手を伸ばしたまま固まらず、そっと引く。視線を強く合わせない。逃げ道を開ける。落ち着いたら、その場は終了。

あとで狂暴化への階段を登らないような流れに設計を変えるんだ。原因探しは、心が静かな時間にやるものでしょ。

あなたが落ち着きを見せるたび、私は次も落ち着けばいいんだって覚えることができるんだ。覚えたら、次の同じ場面で私の選択が変わるんだよね。

ね、家の中って、ちょっとした工夫で驚くほど変わるでしょ。あなたが先に舞台を整えてくれたら、私の狂暴化への非常ブレーキは使われないままほこりをかぶるんだ。

ブレーキを使わない日が増えると、心の筋肉はやさしい選択をとる方に鍛えられるんだよね。私たち、けっこう賢いから、良い流れはすぐ覚えるの。

次は、シニア期の体と心の話をしようか。痛みや認知の変化、甲状腺や発作みたいな体由来の勘違いが、どうやって行動に映るのかって話ね。

あなたがそこを知ってくれたら、性格が変わったって悲しまなくて済むと思うんだよね。ここから、もっと一緒にうまく素敵な時間を過ごせるようになっていこうね。

シニア期の体と心。痛み・認知機能不全・甲状腺・発作がキャバリアの性格を変える理由

あなた、ここからはちょっと真面目モード。でも堅苦しくはしないよ。だってね、あれ、うちのコ性格変わった?って悩んじゃう場面の、半分以上は性格じゃなくて体と心の調子が関わってることが多いの。

私たち、言葉でここ痛いとか、いま混乱してるって言えない分、行動に出ちゃうんだ。

それがうなる・かむ・避けるに見えると、どうしても悪いコってイメージになりやすいよね。でもね、原因が体と心なら、やり方を変えればちゃんと改善が見えてくるんだ。

これからでは、私(シニアのキャバリア、しかも心臓もち)目線で、よくある体由来の勘違いをぜんぶテーブルに並べてお話ししていくね。あなたがチェックしやすいように、合図・お家でできる観察・受診の目安・接し方のコツもセットで渡すよ。

まずは、みんなが見落としがちな王様、「痛み」。

痛みって、派手な悲鳴より静かな拒否で出ることが多いんだ。たとえば、抱っこしようと手を入れた瞬間に体がカチン。撫でる手が首や肩に来たときに、私の目がスッと上目づかいになるんだ。

ソファから降りたがらない、階段の一段目でためらう、散歩の帰りだけペースが落ちる。これ、ぜんぶ痛いかもっていうサインね。

特にシニアは、首(頚)、背中(胸腰)、膝、股関節、そして歯ぐき。どこもありえる。私のおすすめおうち痛みチェックはこれだよ。

  • 抱き上げは胸とお尻の二点支えでゆっくり。どの場面で顔が曇るかをメモ。
  • 起床直後と夜の動きの差を見る。朝イチにぎこちない→関節系の可能性。
  • 噛む力や咀嚼の音が変わってないか。よだれや口を触られるのを嫌がるなら口腔のサイン。
  • 散歩は行きは良い良い、帰りはノロノロ”が続いたら黄信号。

痛みがある日は、やさしく予告して短い接触で済ませてすぐ解放するって流れが鉄則だよ。

長く触り続けるほど負担が増えるから、マッサージをしてあげるなら、小分けにしてね。あと、おもちゃ遊びは引っ張りっこより鼻で探すゲームがいいかもしれない。

首をひねらず、成功体験が増えるから、心も緩みやすいのよね。

次にお話しするのは、認知機能不全って呼ばれる、いわゆる犬の認知症。

これ、こわい言葉に聞こえるかもだけど、正体は脳が疲れやすくなって、情報処理がゆっくりになるってことなんだ。

見分け方のポイントは、時計がズレる・地図がズレる・気持ちの整え方が下手になる、の三つね。

  • 時計のズレ
    夜中にうろうろ、寝つけない、朝方にハイテンション。
  • 地図のズレ
    部屋の角で立ち尽くす、ドアの蝶番側を見つめる、家の中で迷う。
  • 気持ちの整え方
    急に不安顔であなたを探す、少しの刺激でオロオロ、うとうとしてる時に触られると過剰反応。

この状態でいきなり体に触れられると、本人は、わっ、いま何!?ってパニックに近い反応になるでしょ。

だから、合図を手厚くしてあげるといいと思うんだ。名前をよんで、一拍おいてから手を見せるて、体の横から触るっていう順番を儀式化しておくんだ。

夜は照明をワンランク暖かく、足元は滑らないマットを敷いて迷いにくい導線を作るのもいいよね。

夕方以降は興奮系の遊びを控えて、鼻で探すゲーム、ゆっくり撫でる、ぬくいベッドでうとうと、みたいな寝る準備の儀式を毎日同じにするのが効くよ。私の体感では、同じ手順が続くほど、心の波が静かになるんだよね。

それから次にお話ししたいのは、甲状腺機能低下症。これも、ちょっとマニアックだけど見逃したくないポイントかな。

甲状腺ホルモンが少なくなると、眠そう・寒がり・体重増えがち、みたいな分かりやすい変化のほかに、イライラしやすいとか、反応が極端とかっていうメンタル面の揺れが出るコもいるの。

とくに理由が分からないのに触られるのを強めに拒否したり、前よりも音や接触に敏感になったりってときは、血液検査で一回チェックしておくと安心なんだ。

数値は季節でブレたり、年齢で解釈が変わることもあるから、行動の変化とセットで先生に伝えるのがコツだよ。

それから、発作(てんかん)と、その前後の混乱の話もしておくね。

発作が見た目に分かるタイプじゃなくても、直前や直後は頭がシャキッとしてない時間があるの。これを発作前後期って呼ぶんだけど、その間は触られ方や声かけに過剰反応しやすいんだ。

普段さわっても平気な場所で、急に歯が出ることもあるんだよね。

あなたにできることは、怪しいタイミングを触らない時間にすることかな。ぼんやり・ふらつき・壁づたい歩き・いつもの合図に反応が薄い、こういう時は、まず距離をとって、静かな場所へ誘導してあげてほしいんだ。

落ち着いてから水を勧めるとかするといいと思うよ。記録を残して周期が見えたら、これからの対応だけじゃなくて、お医者さんで発作の受診のときにめっちゃ役立つんじゃないかな。

ここで、私の身体にも関係する心臓病(僧帽弁閉鎖不全症)との付き合い方ね。

心臓そのものが攻撃性を作るわけじゃないんだけど、息切れ・咳・むくみ・眠気の質が落ちると、世界がちょっとしんどく感じられる日が増えるの。

しんどい日は、抱っこで胸を圧迫されるのがつらい、長い撫で時間が負担、寝てるところを起こされると心拍がドンッと上がって焦る、みたいなことが起きるでしょ。

そんな日にいつも通りのながれで押し通すと、私の側は守るカードを切りやすくなるの。だから、心臓もちの私たちには体調に合わせてカリキュラムをゆるめる力が大事なんだと思う。

  • 散歩は鼻歌を歌いながら歩くペースを基準にして短めに切り上げる。
  • 抱っこは胸を押さえ込まない二点支えで、乗り降りはスロープや踏み台を活用。
  • 寝床は静かで体圧分散のいいベッドに。起こす前に名前→待つ→手を見せる→サイドからタッチ。
  • 咳や呼吸数が増えた日は、触れ合いを軽く、小分けに。

このゆるめる力があるお家は、本当にトラブルが減るよ。無理を手放すって、優しさを生み出す裏技なの。

あと、感覚の衰えも意外と大きいんだ。

視力・聴力・嗅覚って、少しずつ落ちるの。見えにくい・聞こえにくいって状態は、突然の接近がびっくり箱に変わるってことね。

背後からのタッチで飛び起きてパチンと反応しちゃうって、あるあるだよ。ここは技術でカバーできるよね。

  • 近づく前に合図の音、例えば、小さく指で机をコツン、床を軽くトントンとかっていうのを決める。
  • 手を差し伸べるときは、真正面から手を出さず、体の横から、手の匂いを嗅げる角度で。
  • 視力が弱くなって見えにくいコには、家の道しるべを作る(マットの列、家具の配置を固定、夜間の足元ライト)。
  • 耳が遠いコには、触る前にそっと視界に手を入れる→止める→ゆっくり近づけるの流れを作る。

これだけで、びっくりしてしまうっていう反応はかなり減るでしょ。びっくりが減れば、狂暴化への非常ブレーキの出番も減るってわけ。

それから、お薬の副作用も一応チェックしておくといいかもしれないね。

たとえば、一部の消炎鎮痛薬では胃がムカムカするから、触られるとイラッとしちゃうんだ。利尿剤でトイレ我慢がしんどいときには、抱っこされることに抵抗するでしょ。それから、ステロイドで喉が渇くと、落ち着きにくいんだ。

こんな風に、体の不快が行動に染み出すことがあるんだよね。

新しく薬を始めたとか、量が変わったとか、組み合わせが増えた直後に行動が荒れるなら、お薬タイムラインをメモにして先生へ渡してみてはどうかな。

薬が悪いって話じゃなくて、量や時間帯の調整でグッと楽になることが多いんだよね。

ここまでの話を、すぐ使えるフォーマットにまとめるね。今日から真似してほしいリアの観察メモ術は次のとおり。

1)カレンダーに、毎日たった3行。
・体調ひとこと(食欲○、咳△、元気◎ みたいにマークでOK)
・行動の気になること(寝床で触ったら唸り、窓で吠え、など)
・その日の出来事(来客、雨、薬を追加 等)

2)気になる行動が出た“前後30分”のことを書き出す。
・直前に何をした?(起こした、抱っこ、器を下げようとした)
・環境は?(時間帯、音、温度、家族の動き)
・その後どうした?(離れた、声をかけた、抱き上げた)

3)週に1回、赤・黄・緑でふり返る。
・赤=医療チェック優先(突然増えた、痛み疑い、夜間不穏、発作っぽい)
・黄=設計とルールで予防(別室給餌、降りる儀式、窓遮蔽)
・緑=そのまま観察(問題なし、成功が増えてる)

このフォーマットで受診すると、お医者さんに行った時に先生めっちゃ助かるし、対応が早くて適切になるんだ。私たちにとっても、分からない不安が見える化された安心に変わるしね。

触れ方の秒単位テクもお話ししておくね。

  • 初手は止まるから。いきなり触らず、名前をよんでから、待って、手を見せてから、横からタッチ。
  • 触る場所は肩甲骨の後ろや胸の側面みたいに、関節や内臓を圧迫しないところから。
  • 長いナデナデより、短いポン・オフ(触って、1〜2秒で離す)を積み重ねる。
  • 嫌サイン(目を細める、舌を一なめ、体が固い)が出たら、すぐ休憩。
  • 触らない愛情も用意。視線を柔らかく、声を小さく、そばで一緒に呼吸を合わせる。これ、意外と効く。

それからね、噛み行動が急に増えて狂暴化しやすくなったとか、対象が家族全員に広がったとか、睡眠や食欲も乱れてるっていう三つが揃ったら、迷わず受診を最優先にしてはどうかな。

行動カウンセリングと医療チェックは、どっちが上とかじゃなくて優しいキャバリアになるための両輪だと思うんだ。

痛みを放置したまま練習しても、私の中の狂暴化への非常ブレーキはずっと近い場所にあるんだよね。逆に、痛みを和らげて環境を整えたら、トレーニングはスルスル進むんだ。ほんとだよ。

それと、私からあなたへ気持ちを軽くする言葉を渡したいけど、いいかな。それはね、

性格じゃなくて、状態。

今日びっくりさせちゃった行動も、たまたま状態が悪かっただけかもしれない。そんなときでも、状態は変えられるでしょ。

眠りを整える、体をラクにする、ルールをそろえる、儀式を作る、医療で助けてもらう。これらは全部、あなたの手の届くことだよね。あなたが一歩動くと、私が、もっとやさしくなるはずなんだよね。

ね、体と心って、ちゃんと話を聞くと理由が見えてくるでしょ。私たち、決してわざと悪いことをしてるんじゃない。ただ、伝え方が不器用なだけ。

あなたが私の行動からその翻訳を手伝ってくれたら、私は安心してやさしい選択に戻れるんだ。

次は、お家の安全設計、受診の使い分け、トレーニングのロードマップを、今日から動かせる形でまとめるね。

ここまで私の話を聞いてくれたあなたは、もう優しいキャバリアとの時間を作れる人。その道を歩き始めてるからあとはやるだけだよね。

狂暴化から優しいキャバリアを守るために

あなた、ここまで読んでくれてありがとう。いよいよ狂暴化を未然に防ぐやり方をぜんぶ並べるね。

とにかく実行しやすく。お家の模様替えレベルでできる安全設計、病院の使い分け、毎日の練習メニュー、ぜんぶわかりやすくお話ししていくね。紙に写して冷蔵庫に貼れば、家族みんなの羅針盤になるやつだよ。

まずは安全設計から。これはね、失敗を起こさないための土台。土台ができると、私の非常ブレーキはなくなっていくんだ。

1)ゾーニング三点セット

  • 食べる場所は一人部屋
    ごはんとおやつは、サークルか別室で。通路にしない。食器に手は入れない。終わったら自然解散。
  • 窓は時間帯で遮る
    通行が多い時間はカーテンやすりガラスシートで視界オフ。窓際に観察席を作るなら、通りから一歩引いた位置に。
  • 玄関から距離のマット
    ピンポンが鳴ったらマットに直行。マットは玄関が見えない角に置く。家族はまずマットに声をかける。

2)ソファと寝床の儀式化

  • 降りる儀式
    合図の言葉→一拍→床におやつ→足元マットで褒める。これを普段から遊びにしておく。
  • 寝床に触る前の四拍子
    名前→一拍→手を見せる→横からタッチ。起き上がるまで待てたら合格。

3)交換のルール

  • おもちゃや拾い食いは、取り上げず交換。床に一粒転がしてこっちどう?って代用品を渡す。私が顔を上げて食べてる間に回収して別のおもちゃを返す。
  • 家族全員が同じ言葉で。言葉は短くて同じが最強。こっち、ありがとうみたいに。

4)休憩の質を底上げ

  • 静かな角にベッド二か所作って昼と夜で使い分けできるようにしておく。通風はやわらかく、床は滑らないマット。
  • 一日に触らない愛情タイムを三回。そばにいて呼吸を合わせるだけで落ち着く。これ、効く。

次に受診ガイドね。どんな状態だったらどうするのがベストなのかっていう指針。ここは迷いやすいから、信号機の色で分けていくよ。

赤(すぐ受診)

  • 噛みやうなりが急に増えた、強さが上がった、対象が広がった。
  • 夜間の迷いが急に悪化、昼夜逆転、家の中で迷子が増えた。
  • 触ると飛び上がる痛みサイン、歩きたがらない、段差を強く嫌がる。
  • 発作っぽい兆候(ふらつき、硬直、ぼんやりが長い)。

一般診療で痛み・神経・内分泌をチェックしてもらうのがベスト。行動の記録(前後三十分の出来事)を紙で持参しておくと診察に役立つかも。必要なら行動診療に紹介してもらうこともいいと思う。

黄(早めに相談)

  • 特定の場面だけのガードが増えた(ごはん、寝床、窓、ソファ)。
  • 薬を変えた後に落ち着きにくくなった。

かかりつけに時系列メモを持参して対応を相談してみるといい状態。薬の時間や量の調整で楽になること多いんだ。環境設計は継続してやっておけば狂暴化しにくいよね。

緑(見守りと整え)

  • 合図は出るが、距離を取れば落ち着く。

狂暴化を防ぐルーチンの設計を維持しつつ、練習で合図の小さいうちに成功することを増やす。

持っていくメモの型

これがあると先生は神速でベストな形で助けてくれるんだ。

  • 日付と時間、場面、直前の出来事、反応、あなたがした対応、回復までの時間。
  • 体調の指標:食欲、咳、息の上がり、排泄、睡眠。
  • 薬のタイムライン:何時に何をどれだけ。

さあ、つぎは、トレーニングのロードマップね。ここは三段回に分けて考えていくね。

第1段:事故ゼロ化

  • 赤い場面が起こらない環境を作る。別室給餌、窓遮蔽、ベビーゲート、ソファ儀式。
  • 家族ルール表を作って貼る。ごはん中は近寄らない、交換、ピンポンはマット、寝床は四拍子。
  • 合図の辞書づくり。あなたは観察担当。動画が撮れたら家族みんなで共有できて最高だよね。

第2段:安心の上書き

  • 交換ゲーム:一日2回×3分。低い価値のおもちゃから。成功したら別のおもちゃを返す。
  • マットゲーム:ピンポンの音を小さく鳴らして→マットで一粒→解散。音量と距離を少しずつ上げる。
  • 降りる儀式の強化:何もない時に10回練習。儀式が早口にならないように、毎回一拍置く。
  • 向きを変える練習(お散歩の下準備):室内でUターン→できたら一粒。言葉は「こっち」で統一。

第3段:本番の縮小再生

  • 窓の刺激を弱く作る(家族に外でゆっくり歩いてもらう、音だけ小さく鳴らす)→観察席で落ち着けたら褒める。
  • おもちゃに夢中のとき、床に一粒→顔が上がったら交換→別のおもちゃを返す。
  • 来客の予告を足す(インターフォン前に合図の言葉→マット→落ち着いたらご褒美→来客対応)。
  • 散歩のすれ違いは遠距離成功から。遠くで犬が見えたらUターン→成功を褒める→距離を少しずつ縮める。詰めないのがコツ。

練習のルール(ここが肝)

  • 短く頻繁に。1回3分、1日2〜3回で十分。
  • 難易度は7割成功に固定。失敗が増えたら、刺激を一段下げる。
  • 言葉は短く一定。家族で同じ。
  • うなりは感謝で受け取る。やめずに距離と時間を置く。叱らない。
  • できた瞬間に静かに褒める。ご褒美は小さく、連続で数回の方が分かりやすい。

子どもへのやさしいマニュアルも用意しておいたら便利だよ。

  • ごはん中と寝床では触らない、近づかない。
  • おもちゃは交換で。床にころんと一粒→ありがとうって言う。
  • 「見つめっこ」はしない。横目で見て、ゆっくり深呼吸。
  • 困ったら大人を呼ぶ。自分で抱き上げない。
  • 紙一枚で絵にして貼ると、覚えやすいし、安心だよ。

狂暴化したと菌の緊急時のその場の守り方

  • 止まる、下がる、待つ。
  • 視線をやわらかく、体は斜めに。
  • 逃げ道を開ける。
  • 落ち着いたら場面終了。片づけはあとで。
  • これで大抵の熱い瞬間は、時間とともに冷める。冷めてからが学びの時間。

シニアの私たちならではの追加ケア

  • 一日のやることを少なく、深く。散歩は短く、におい嗅ぎを濃く。
  • 乗り降りは段差をなくす。踏み台、スロープ。
  • 抱っこは胸とお尻の二点支えで、胸は圧迫しない。
  • 夜は照明を一段あたたかく、床は滑らない素材に。
  • 体調ノートで良い日の型を見つける。良い型に寄せるのが勝ち筋。

ね、やることがたくさんに見えるけど、やり方はシンプルでしょ。設計で事故を止める、合図の小さいうちに成功させる、難易度は無理しない、体の声を最優先。

これさえ守れば、あなたのお友達の豹変は、だんだん予告に変わって、最後は消えていくんだ。そして、あなたと私の毎日は、安心の上に成り立っていくはずなんだ。

ここまで一緒に来てくれてありがとう。私、リアは、心臓の持病と付き合いながら生きてるけど、家族からの工夫と優しさがあると、毎日がほんとに軽くなる。

家族みんなで同じ地図を持って私たちキャバリアと付き合ってくれたらうれしいな。大丈夫、私たちならできるって信じてる。明日、また私たちに会うのが、また楽しみになるからね。

リアより

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