こんにちは、キャバリアのリアだよ。もうすぐ15歳になるシニア犬。今日は、わたしと家族の癒しについて、ちょっとお話してみたくなったの。
走り回ることは少なくなったけど、ここにいるだけで、誰かの心がふっとほどける瞬間があるのなら、それって、なんだか素敵なことだと思うから。
家族と過ごす静かな日々から
わたしの名前はリア。キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル。もうすぐ15歳になるシニア犬です。
年齢のせいか、最近はすっかり眠っている時間が増えました。冬はふかふかのお布団と、わたしのお気に入り──キティちゃんのぬいぐるみが定位置。夏は扇風機の前にクールマットを敷いて、その上で涼しく眠るのが最高に気持ちいいの。
わたしが動かないことを心配する声もあるけれど、心はずっと家族とつながってる。その証拠にある日、ママがこんなことを言ってくれたの。
「リアがそばにいてくれるだけで、癒されるんだよ」って。
その言葉が、胸の奥までじーんと響いた。ただ眠っているだけでも、わたしにできることがあるんだ。だから、今日はわたしの家族との物語を、ちょっと聞いてくれないかな?
リアがいてくれるだけで癒される
あの日、わたしはただ、いつものようにお気に入りの場所でくつろいでいたの。そしたらパパが、リビングの椅子に腰掛けながら、ママに言ったんだ。
「リアがここにいるだけで、なんか安心するんだよな。癒される」
わたし、目を閉じてたけど、ちゃんと聞こえてた。心が、じんわりあったかくなったのを、今でも覚えてる。
わたし、昔みたいにボールを追いかけたり、芸をしたりはもうできないけど、それでも、「いてくれるだけでいい」って言われるって、すごくうれしかった。家族って、そういうものなのかな?って、そのとき思ったの。
夜、娘ちゃんが落ち込んで部屋にこもってた日も、わたしは静かにドアの前に座ってた。そっとドアが開いて、「リア、来てくれたの?」って声がしたとき、しっぽが勝手にふわっと動いた。
わたし、何も言ってないのに、ちゃんと気持ちが伝わってたんだ。癒しって、声じゃなくて、空気みたいなもので伝わるんだよ。
わたしの役目ってなんだろう
この頃、ちょっとだけ考えることがあるの。「わたしの役目って、なんだろう?」って。
昔は走り回ったり、家族のあとをついてまわったり、時にはピョンと膝の上に飛び乗って、笑わせたりしてた。
でも、今は違う。耳も遠くなってきて、呼ばれてもすぐに気づけなかったり、そばを通る足音にも、ときどき気づかないことがある。だから、最近はほとんど動かずに、お気に入りの場所でじーっとしてる時間が増えたの。
ある日、ママが電話越しに誰かに言ってたの。
「リア、最近ほとんど動かないの。もしかして、もうすぐ……」
そのもうすぐのあと、言葉が詰まってた。わたし、心がぎゅっとなったの。そうか、動かないって、家族にとっては別れのサインみたいに見えるんだ。
でもね、違うの。わたしは、まだここにいるし、ちゃんと家族の中にいるって思ってる。動かなくても、目を見ればわかるし、空気を感じて、誰がそばにいるかもちゃんとわかる。
わたしの役目って、もしかしたら、「静かにそこにいること」なのかもしれない。昔みたいに、にぎやかに振る舞わなくても、今のわたしらしさがあるんだなって、そんなふうに感じたの。
家族の一員としての覚悟
わたしね、キャバリアとして生まれたときから、人が大好きだったの。ママのあたたかい手、パパの優しい声、娘ちゃんの笑い声。全部、宝物みたいに覚えてる。
でも、時々ふと思うの。この幸せをいつまで守れるのかなって。それは不安とかじゃなくて、覚悟っていうのかな。
だって、家族の一員になるってことは、そのぶん心も深く結びつくってことでしょ?別れが怖いからって、浅くつながるより、とことん愛して、とことん一緒にいたい。
わたし、もうあんまり長い冒険はできないかもしれないけど、このおうちが、わたしの世界だから。その世界を守るって決めたの。
わたしのそばにいてくれる家族のために、わたしも最後まで家族のリアでいたいの。これが、わたしの小さな覚悟。
老いとともに深まる絆
ある日のこと、ママがわたしの目をのぞき込んで、こう言ったの。「リア、なんだか表情が前よりも穏やかになったね」。そう言いながら、そっと頭をなでてくれた。
わたしはただ、うれしくてしっぽを小さく動かすだけだったけど、心の中は、ぽかぽかしてた。たぶんね、ママの言う通り、わたしの表情は変わったのかもしれない。
若い頃は好奇心が先に立って、いろんなものにワクワクしてたけど、今は穏やかな時間の中で、ふとした瞬間がとっても愛おしいんだ。家族との距離も、深さも、前よりずっと濃くなった気がする。
この老いという変化は、たしかにちょっと寂しいけど、でも、絆が深まるっていう意味では、悪いことばかりじゃない。
わたしがそっと寝ているときに、ママやお姉ちゃんがわたしの胸のあたりにそっと手を添えて、「リア、今日もがんばってるね」ってささやいてくれる。わたしはその言葉の重みを、ちゃんと感じてる。
老いることは、ただ弱くなることじゃない。家族との結びつきが、よりやさしく、より静かに、でも確かに強くなることなんだって、この年になって、やっとわかった気がするの。
家族という場所への誇り
そして今、わたしはここにいる。
あたたかい布団の上で、わたしの大好きなキティちゃんと一緒に、家族の声を聴きながら、穏やかな時間を過ごしている。もう走り回ることはないけれど、わたしの存在は、ちゃんとこの家の一部になっていると感じるの。
ママが笑って、パパがうなずいて、お姉ちゃんがわたしの背中をそっと撫でてくれる、その全部が、わたしの世界。
わたしは、家族に癒しを届けてるって、今は胸を張って言える。シニア犬になって、いろんなことができなくなったけど、できることも、ちゃんと残ってた。それは、そっとそばにいて、家族の心をやわらかく包むこと。それが、わたしが生きていく旅の目的なのかもしれない。
家族という場所への誇りを胸に、今日もわたしは、ここにいるよ。ありがとう、わたしの大切な家族。癒しって、ただ静かに寄り添うことから、生まれるんだね。
リアより。
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