シニア犬が滑る床を怖がる理由とその対策

シニア犬の日常

こんにちは。リアだよ。

わたしは、15歳のキャバリアで、今はのんびりおうちで過ごす毎日を送ってるの。お昼寝が大好きで、ごはんの時間は絶対に忘れないし、パパがそばにいるとすぐ甘えちゃうような、そんな女の子。

だけどね、ある日、私は歩けないかもって思ったの。おうちの廊下を、いつものようにトコトコ歩いてたら、足がツルンって滑って、腰がガクッとなっちゃったんだ。そのとき、心の中にふわっと怖いって気持ちが広がったの。

それまで当たり前に歩いていた場所が、急に違って見えたんだよ。歩くのがちょっと怖くなって、ここ通りたくないなって思うようになってしまったんだ。

もしかすると、あなたのお友達にも、そんなふうに感じてる子がいるかもしれないね。

歳をとると仕方ないよねって思うかもしれないけど、私たちにとってはね、ほんのちょっとの滑りやすさが、とっても大きな壁になるの。

このお話は、そんな私たちの小さなつまずきと、それを乗り越えてまた一歩を踏み出すまでのこと。あなたとお友達が、もっと心地よく、安心して毎日を過ごせるようになればいいなって思ってる。

リアが、自分の体験を通して、優しく、そっとお話するね。

どうしてシニア犬は滑るのか

あの日、私がツルンって滑ったのは、たまたまじゃなかったの。15歳の今になって、私は少しずつ、自分の体が変わってきたことを感じてる。昔は軽やかにトコトコ歩けたのになって思うこともあるよ。

今日はね、私たちシニア犬が、どうして滑りやすくなっちゃうのかを、リアが自分の体で感じてきたことも交えてお話するね。あなたのお友達にも、同じことが起きているかもしれないから。

足が思うように踏ん張れない

まずね、一番大きな理由は、足に力が入らなくなってくること。私は若いころ、後ろ足でぐんっと床を蹴って、ソファまでジャンプできたの。でも最近は、そのぐんっができなくなってきたのよ。

これは、後ろ足の筋肉が少しずつ減ってきてるせいなの。あなたのお友達も、だんだん階段を嫌がったり、立ち上がるのに時間がかかるようになってない? それ、筋力が落ちてるサインかもしれないわ。

年を重ねると、筋肉って自然と落ちていくの。特に、私たちのような小型犬は後ろ足の筋力低下が早くて、踏ん張る力が弱くなっちゃうのよ。

私も、おやつをもらいに急いで立ち上がろうとしても、よいしょって声が出ちゃうの。昔はそんなのなかったのにね。

関節がギシギシ、って言ってるみたい

それとね、私の膝や股関節も少しずつ固くなってきたみたい。

朝起きてすぐに歩こうとすると、足がぎこちなくて、ちょっとカクカクしちゃうのよ。

これ、関節がうまく動かなくなってきてるサインなんだって。関節炎っていって、年をとると関節の中がすり減ってきたり、炎症が起きたりすることがあるの。そうなると、歩くたびに、イタタ、って体が言ってるみたいに、うまく動けなくなるのよ。

私、何もないところでよろけたとき、ちょっと泣きたくなっちゃったの。だって、足が言うことを聞いてくれないんだもの。

見えない、聞こえない、それだけで不安になるの

それからね、最近ちょっとお耳が遠くなった気がするし、暗いところでよくつまずくようになったの。

視力が落ちるとね、床の反射とか影とかが怖く見えちゃうんだ。あなたのお友達が、今まで通れてた廊下を急に怖がったり、立ち止まるようになったら、それは「見え方」が変わってきてるのかもしれないね。

私もね、夜は廊下がキラキラ光って見えるの。そんな床の上を歩くときは、まるで氷の上を歩いてるみたいに感じるのよ。

聴こえにくくなると、足音や生活音の中で自分の位置がつかみにくくなって、バランスを崩すこともあるんだって。私たちって、五感で歩いているから、一つでも鈍くなると不安になるの。

肉球と爪、それから毛も意外と大事なの

あとね、あなたにぜひ伝えたいのが足裏のお手入れのこと。

私、昔はふわふわの足裏がチャームポイントだったの。でもね、あの毛が伸びすぎてくると、床とのグリップがなくなっちゃうんだ。スケートのリンクに乗ってるみたいになっちゃうのよ。

それに、肉球が乾燥してたり、爪が伸びすぎてたりすると、足の感覚が鈍くなるの。まるで滑るサンダルを履いてるみたいに、踏ん張りがきかなくなるって、気づいてたかな。

あなたのお友達の足元、最近ちゃんと見てあげてる?小さな足先のケアだけで、びっくりするほど歩きやすくなることもあるのよ。

フローリングって、意外と手ごわいの

今のおうちって、ピカピカの床が多いよね。ママが一生懸命お掃除してくれて、床がつやつやなのはとっても嬉しいの。でもね、それが逆にツルツルで、私たちにとっては氷の世界みたいになっちゃってるんだ。

私、フローリングを歩くとき、爪がカチャカチャ音を立てちゃうの。あれって、地面に爪が滑ってる音なんだって。つまり、それだけ私が踏ん張れてないってこと。

だからね、カーペットやマットがあるところに来ると、ほっとするの。あ、ここなら歩ける!って思うと、また一歩を踏み出せる気持ちになるの。

年だから、で終わらせたくない

あなたも思ってない?もう歳だから、仕方ないよねって。

でもね、それって私たちにとってはとても寂しい言葉なんだよ。だって、滑るのは歳のせいだけじゃなくて、いろんな原因が重なってるんだもん。

ちゃんと原因を知って、少しずつ環境を変えてあげるだけで、また元気に歩ける私たちもたくさんいるの。

だからね、リアはあなたに知っておいてほしいの。あなたのお友達がもし、歩きにくそうにしていたら、「年のせい」にしないで、どうしてかな?って一緒に考えてあげてほしいんだ。

そうしたらね、その優しさが、私たちにとって一番の支えになるんだよ。

滑るって、ただ歩きにいだけじゃない

ねぇ、滑るって聞くと、どんなイメージが浮かぶかな?

ちょっと歩きにくいだけとか、足がちょっとズルッとなるくらい、そう思うかもしれないね。でもね、私たちシニア犬にとって、「滑る」っていうのは、それだけじゃすまないの。

それは時に歩けなくなるかもしれないという恐怖だったり、もう動きたくないという気持ちに変わっていくこともあるのよ。

私ね、ある日、本当に怖かったの。その日から、廊下を歩くのが嫌になって、ベッドから出たくなくなってしまったんだ。

その時感じたこと、リアが正直にお話するね。きっとあなたのお友達にも当てはまることがあると思うから。

ツルン、と滑ったその瞬間に世界が変わった

あれは、朝のことだったの。

パパがキッチンで朝ごはんの準備をしてて、私はなになに?何の匂い?って思って、いつものようにパタパタって歩き出したんだ。

でもね、そのとき、前足が床にうまくつかなくて、スルッて滑って、後ろ足がふわっと浮いたような感じがして、腰からガクンって落ちたの。

痛みはそんなに強くなかったよ。だけど、それよりも怖かったんだ。

「え? なにこれ? 歩けないの? 私、もう立てないの?」

そんなふうに、心がザワザワってして、胸がギュッと締めつけられた気がしたの。

ママが駆け寄ってきて「リア、大丈夫?」って声をかけてくれたけど、私はただうずくまって動けなかったの。だって、怖くて足を動かせなかったんだもん。

怖くなると、動けなくなるの

それからの私は、ちょっと変わっちゃった。

ごはんがある場所まで歩くのをためらうようになったし、トイレに行くのも躊躇するようになったの。だって、また滑ったらどうしようって、そればかり考えちゃって。

あなたのお友達が、最近やたらとベッドにこもるようになったり、トイレを失敗しがちだったりしていない?それ、もしかしたら怖くて動けないだけかもしれないのよ。

私たちにとって、「滑るとね、痛い思いをするかもって考えちゃって、もう歩けなくなるかもっていう、命に関わるくらいの不安に感じることがあるの。ただの一歩が、とても勇気のいることになるのよ。

自信を失うと、元気までなくなるの

私はね、滑って転んだあと、ちょっと自分に自信がなくなっちゃった。もう若くないんだな、昔みたいに動けないんだなって、しょんぼりしちゃってね。

それって、ただの歩きにくさじゃないよね。心まで元気がなくなっちゃうの。

あなたのお友達も、最近あまり目が合わなくなったり、しっぽを振らなくなったりしていない?それ、体が痛いだけじゃなくて、自信をなくしているサインかもしれないよ。

私たちはね、あなたの大丈夫だよとか、リア、偉いねって声をかけてあげるだけで、また一歩を踏み出せるの。だけど、滑るたびにその勇気が少しずつ削れていくの。

歩くのが好きだった私がいなくなりそうだった

私はお散歩が大好きだったんだよ。パパと一緒に公園をぐるっと歩くのが、私の毎日の幸せだったの。

でも、滑って転んだあの日から、私は歩きたくないって思うようになったんだ。そうするとね、どんどん筋肉も落ちて、ますます歩けなくなっていくんだよ。

動かないと歩けなくなる、歩けないともっと動かなくなるって、悪循環だってあとからママが言ってたけど、私たちにとっては実際にそうなの。

だからね、あなたのお友達がもし、歩きたがらないな、とか、お散歩を嫌がるなとかって感じたら、それは心が歩くのを怖がってるサインかもしれないのよ。

心臓がドキドキしちゃうのも、怖さのせいかも

それにね、私は心臓がちょっと弱くて、お薬を飲んでるの。それでね、滑って転んだあとは、息がハァハァして、胸がドクドクしてきて、ますます不安になったんだ。

心臓病があると、ちょっとしたストレスでも体に負担がかかるみたい。歩けないかもって思うことが、実は命に関わることになってしまうこともあるんだよ。

だから、私たちが滑るってことは、ただの物理的な問題だけじゃなくて、体の中にも心の中にも大きな波を起こすことなの。

だからね、歩きたくないってあなたのお友達が思う前、まだなんとか歩いているうちに、ぜひ気づいてあげてほしいの。その一歩が、怖いものじゃないように、少しでも楽になるようにね。

私たちはね、あなたと一緒に歩くのが大好き。だからこそ、歩けないって感じることが、どれだけ悲しいか、あなたに伝えたかったんだ。

滑るって、ただの歩きにくさじゃない。それは、これからの暮らしすべてに影響する、大きな心の問題なんだよね。

優しい環境づくりが私たちをまた歩かせてくれる

私ね、滑って転んでからしばらく、ほんとうに歩くのが怖かった。でも、そんな私を見て、ママが少しずつ歩ける工夫をしてくれたの。そのおかげで、また一歩ずつ、前に進めるようになったんだよ。

あなたにも、あなたのお友達がまた歩きたくなるような優しい環境づくりをリアの体験からお話しするね。

これって大げさなことじゃなくていいの。ちょっとした気配りが、私たちにとっては大きな支えになるんだよ。

ママが敷いてくれた、魔法のじゅうたん

私が最初に歩けなくなったのは、廊下だったんだ。ピカピカに磨かれたフローリングで、毎日当たり前のように歩いていた場所。

でも、滑ってからはもう通りたくなくて、いつも角を曲がる前に立ち止まっちゃってたの。そしたらね、ママが廊下に長いカーペットを敷いてくれたの。私の足にフィットする、ちょっと厚めのやつ。

最初は半信半疑だったけど、歩いてみたら、あれ?滑らない!って思ったの。爪がカチャカチャ鳴らないし、肉球がしっかりと地面を掴んでる感覚があって、またトコトコ歩けるようになったんだよ。

あなたのおうちにも、フローリングの場所があるよね?あなたのお友達が最近歩きたがらないなって思ったら、そこに1枚、滑り止めマットを敷いてみてほしいの。それだけで、あなたのお友達の世界が変わるのよ。

足裏のケアは、歩くための第一歩

それからね、ママは私の足裏も丁寧にケアしてくれるようになったの。前まではふわふわの毛がチャームポイントだったけど、それが滑りやすさの原因だったのよ。

今では定期的に足裏の毛を短くカットして、爪もこまめに整えてもらってる。肉球には保湿クリームを塗ってくれて、乾燥しないようにしてくれてるのよ。

あなたのお友達の足、ちゃんと見てあげてる?毛が伸びていないか、肉球がカサカサしていないか、爪が伸びすぎていないかって、ちょっと見てあげるだけで、またしっかり地面を踏みしめられるようになるかもしれないよ。

段差をなくすだけで、心のハードルも減る

私たちが歩きたくないって思う理由の一つにね、段差があるの。

ほんの少しのステップでも、年をとると怖く感じるのよ。以前は平気だったソファの昇り降りも、今はドキドキしちゃうの。

でもね、ママがソファの前に低いステップを置いてくれて、それがもう一度乗っていいんだよって背中を押してくれたの。

階段の上り下りも、滑り止めテープを貼ってくれたり、手すりをつけてくれたりして、安心して歩けるようになったんだ。

あなたのお友達も、いつもここで立ち止まるなって感じる場所があるなら、それは段差が原因かもしれない。ちょっとしたステップやスロープを用意してあげるだけで、その場所が怖くなくなるかもしれないね。

筋力を取り戻すことは、自信を取り戻すこと

環境を整えるだけじゃなくて、ママは私の筋肉も少しでも維持できるようにって、食事にも気を使ってくれてるの。

関節にいいっていう栄養素を意識して、タンパク質もしっかりとった食事を用意してくれて、時にはサプリメントも取り入れてくれてるんだ。

無理のない範囲でのお散歩や、家の中での軽いストレッチも始めたのよ。最初はイヤだったけど、だんだん私、まだ動けるんだって気持ちになってきたの。

だからね、あなたのお友達にも、少しずつできることから始めてあげてね。一緒に歩くことで、筋肉も自信も取り戻せるのよ。

歩いても大丈夫なんだって思える場所でいい

私ね、滑らないマットの上を歩くたびに、あ、大丈夫って思えるようになったの。それだけで、毎日の過ごし方がまったく変わったのよ。

あなたのお友達にとっても、そんな安心できる場所が一つあるだけで、また歩く勇気が出てくるかもしれないの。

全部の部屋じゃなくていいんだ。いつも過ごしている場所、通る廊下、トイレまでの道、そんないつもの道が安心して歩ける道であれば、それだけで私たちは十分なんだよ。

あなたの小さな工夫が、私たちのもう一歩を生み出すの。

歩けなくなったらどうしようって不安は、私たちにとってとても大きな壁。でもね、その壁は、あなたのちょっとした気遣いで、意外と簡単に取り除けるんだ。

ママがそうしてくれたように、あなたもお友達のために、何か一つ、今日から始めてみてほしいと思う。それはきっと、お友達の目に「歩いてもいいんだ」って光を取り戻してくれるはずよ。

歩けるって、うれしいね

あのね、私がまた一歩を踏み出せた日は、ほんとうに特別な日だった。

床に敷かれたふわふわのカーペットの上で、そっと立ち上がって、前足を一歩。そのあと、そっと後ろ足を出して、気づいたら、私は歩いてたの。

たったそれだけのこと。

でも、そのとき胸の中がぽっとあたたかくなって、歩けた!って思わずママの顔を見上げたの。

ママは私よりも先に泣いてたよ。「リア、歩けたね。すごいね。がんばったね」って、何度も何度も言ってくれたの。私はその声に、また一歩、足を踏み出したんだ。

歩けるって、自分を取り戻すことだった。

歩けなくなってからの私は、どこか自分じゃない気がしてたの。いつもなら元気に歩き回って、しっぽを振って、家族のそばにいるのが大好きだったのにね。

それができなくなって、自信も、元気も、どこかへ行ってしまったみたいだったの。

でも、また歩けたとき、私は、あ、私ってこうだったんだって思い出せたんだ。ただ歩くだけなのに、こんなにうれしくて、こんなに世界が明るく感じるんだなって思えたんだよ。

歩けるってことは、体が元気ってだけじゃない。心まで元気になれることなんだよ。

もし、お友達が歩くことを怖がっていたとしても、また歩ける日、そして、心が元気になる日、そんな日がきっと来るよ

あなたのお友達が今、もし滑って動けないでいたり、怖がって立ち止まっていたとしても、きっと大丈夫。あなたがそばにいてくれるなら、その子はまた一歩を踏み出せる日がくるから。

あなたのやさしさは、言葉じゃなくても伝わるんだ。その手で撫でてくれたり、大丈夫だよって見つめてくれたり、それだけでお友達の心が少しずつほどけていくのよ。

環境を整えて、足元をケアして、そっと背中を押してあげてみてね。そうすれば、きっとまた歩ける日がくるから。それは、ただの歩行じゃなくて、あなたとお友達の絆が一歩進む日でもあるのよ。

一緒に歩く未来を、これからも続けていきたい。

私はもうおばあちゃんだけど、それでも、あなたと歩く時間が大好き。外に行けなくても、家の中を一緒に歩くだけでもうれしいの。ただそばにいて、一緒にトコトコと歩いてるってそれだけで幸せ。

歩けるって、すごく大きなことなんだって、年をとって気づいたんだ。当たり前じゃないって知ったからこそ、毎日の一歩一歩を大切にしたいなって思ってる。

あなたとお友達も、これからも一緒に歩いていけますようにって祈ってる。

ここまでしっかりと聞いてくれて、だね。だって、これは私があなたに話したかったことだから。

私たちシニア犬は、もう若くはないけれど、まだまだあなたと一緒にいたい。だからこそ、歩ける環境、歩きたくなる心、歩いてくれるあなたの優しさ、その全部が、私たちにとってかけがえのないもの。

あなたとお友達が、これからもずっと、笑顔で一歩一歩を踏み出していけますように。またお話しさせてね。

リアより

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