こんにちは。リアだよ。
今日の晩ごはん、ちょっといい匂いしない?キッチンの方からふわ〜っとスパイシーな香りがしてきて、つい鼻をクンクンさせちゃった。
ママが炒め物してる音が聞こえてくると、私、いつもワクワクしちゃうんだよね。ほら、たまにお肉のかけらが落ちてきたりして。ふふ、内緒だよ?
でもね、ママが言ったの。リア、これはダメよ。香辛料が入ってるからって。
香辛料? スパイス? それって、なんなの?いい匂いなのに、どうしてダメなの?もしかして、私たち犬には危ないものなの?
ちょっと気になって調べてみたら、思ってたよりずっと、びっくりすることがいっぱいあったの。今日はそのこと、あなたにもちゃんと伝えたくて、お話することにしたよ。
なんとなくダメそう、じゃなくて、どこがどうダメなのかを知っておけば、あなたのお友達がうっかり食べちゃったときにも、きっとすぐに守ってあげられるよね。
私たちにとって、香辛料ってどうなのか。リアの目線から、ちゃんとお話するね。
香辛料っていい匂いだけど、私たち犬にとってはどうなの?

ねぇ、あなたもこんなことってない?おうちで料理の準備が始まると、ふわ~っと漂ってくるあの香り。パパやママのごはんって、なんであんなにいい匂いがするんだろうって、ついつい鼻をクンクンしちゃうの。
中でもちょっとピリッとした、スパイシーで複雑な匂い。そう、香辛料の香りね。コショウとか、カレー粉とか、ニンニクとか、時には唐辛子の匂いも。
匂いだけなら、なんだか食欲がわいてくるような、クセになりそうな感じさえするの。
でもね、私たち犬にとって、そのいい匂いが、かならずしも“いいもの”とは限らないの。むしろね、香辛料の中には、私たちの体にとってとっても危険なものがたくさんあるんだって。
私も最初は知らなかったの。だけど調べてみたら、香辛料が私たちにどんな影響を与えるのか、どうして危険なのか、びっくりすることがいっぱいあったの。今日はそのこと、あなたにもしっかりお伝えしたいの。
それでね、私たち犬と人間では、体の仕組みがまったく違うってこと、知ってる?
たとえば、消化のしかた、体に入ったものを分解する酵素の種類、肝臓や腎臓の働きって、全部違うの。だから、人間にとってはちょっとピリ辛で美味しい香辛料も、私たちには強すぎたり、うまく分解できなかったりするの。
香辛料って、そもそも何かの植物や種を乾燥させたり、すりつぶしたりして作られているでしょ?その中には、精油成分っていう、すごく強い作用を持つ成分が含まれてることがあるんだ。
この精油成分が、私たちの胃腸や神経、血液にまで影響を与えることもあるの。たとえば、香辛料を食べると、こんなことが起きるかもしれないんだって。
- 胃がキリキリして痛くなる
- 吐き気が止まらなくなる
- お腹を壊して下痢しちゃう
- 元気がなくなってぐったりしてしまう
- 赤いおしっこが出る(これは血尿っていうの)
- 呼吸が苦しくなったり、震えたりすることもあるんだって
もちろん、香辛料の種類や量によって出る症状は違うし、すぐに悪くなるとは限らない。でもね、私たち犬って、言葉で、ちょっとお腹痛いかも、とか、頭がくらくらするよ、なんて言えないでしょ?
だから、ちょっとした異変でも気づいてもらえるように、普段から気をつけていないといけないの。
それに、私みたいなシニア犬は、若いころよりも体の働きが落ちてきてるの。お薬も飲んでるし、肝臓や腎臓に負担がかかると、それだけで体調が崩れやすくなるのね。
香辛料みたいに、解毒にパワーが必要なものは、できるだけ体に入れない方がいいんだって。
じゃあ、具体的にどんな風に体に悪いのか、ちょっとくわしく説明してみるね。
まずは「胃腸への刺激」。香辛料って、ピリッとしたり、ツーンとする匂いがするでしょ?あれって、私たち犬にとっては、胃や腸の粘膜を刺激しすぎちゃう原因になるの。
その結果、吐いたり、お腹を壊したり、食欲がなくなったりすることがあるんだ。たとえばコショウとか唐辛子なんかは、人間でも、辛すぎてお腹にくるって言うことあるでしょ?
私たちにとってはね、そのちょっとが、とってもおおきな刺激になっちゃうの。
次に、血液への影響についてお話しするね。ニンニクやタマネギ、ネギみたいなネギ類に含まれている成分が、私たちの赤血球を壊しちゃうことがあるの。
これを、溶血性貧血っていうんだって。この状態になると、元気がなくなったり、歯ぐきが白っぽくなったり、おしっこが赤くなったりするの。
ひどい場合は、命に関わることもあるんだよ。
そして神経系への影響もあるの。ナツメグとかクローブみたいな香辛料に含まれる成分は、私たちの脳や神経に影響を与えることがあるんだって。
たとえば、震えたり、フラフラしたり、けいれんを起こすようなこともあるんだっていってた。そんなの、怖いよね。
他にも、肝臓や腎臓に負担をかけるっていうのも大事なポイントなんだよ。香辛料の中には、体の中で分解したり、排泄したりするのに時間がかかる成分があるの。
私たちの体はそれを処理するのが得意じゃないから、内臓にどんどん負担がかかっちゃうの。私みたいに、お薬を飲んでいる子や、持病があるお友達にはとくに心配だよね。
それから、見落としがちなのが香りそのもののストレス。私たち犬は人間の何十倍もの嗅覚を持ってるから、香辛料の香りって、人間が感じるよりもずっと強烈なの。
お部屋にただよっている匂いだけで、目がチカチカしたり、鼻がムズムズしたりすることだってあるんだよ。
だからね、キッチンで香辛料を使うときは、換気をちゃんとしてほしいし、私たちのそばでふりかけたりしないでね。あと、落ちた粉をうっかり舐めちゃったりしないように、床にも注意してほしいな。
ちょっとくらいなら大丈夫じゃない?って思う人もいるかもしれない。でも、そのちょっとが、私たちの体には強すぎるってこと、ぜひ覚えておいてほしいの。
香辛料はね、匂いをかいでるだけなら、あ、いい匂い~で済むこともあるかもしれないけど、体に入れちゃうと、とたんに危険になるものもあるの。
たとえば、ニンニクの匂いって、けっこうクセになる感じでしょ?でもね、ニンニクの成分って、とっても強くて、少しでも食べちゃうと赤血球が壊れてしまうリスクがあるの。
それに、粉末やチューブになっているニンニクって、生のときよりも成分が濃縮されていたりするの。だから、少しだけならいいかなって思っても、絶対にあげない方がいいんだよ。
うっかり落ちた人間用のごはんに、ニンニクが入っていたり、香辛料がふりかけられていたりすること、あるでしょ?あなたのお友達がそれをパクッと食べちゃう前に、ぜひ気をつけてあげてほしいの。
そして、もうひとつ。
最近は、犬用ごはんやおやつの中にも、香りづけにハーブやスパイスが使われているものがあるの。でも、それが安全かどうかは、あなたがしっかり確認しないといけないの。
ナチュラルとかハーブ入りって書いてあると、なんだか身体に良さそうに感じるかもしれないけど、実際には犬に合わないハーブや香辛料もあるから、成分表示をしっかり見てね。
私たち犬にとってのいい匂いと安全は、必ずしもイコールじゃないんだ。そして、それを知っているかどうかで、日々の生活の安心感がまるで変わってくるんだ。
ねえ、あなたはどう?私たちの体のこと、ちゃんと考えてくれてるよね。だって、私たちはあなたが大好きだから、いつまでも元気でそばにいたいって思ってるんだよ。
だから私も、キッチンの匂いにちょっと引かれても、がまんするよ。私はね、これはリアに危ないよって、パパが声をかけてくれると、なんだかうれしくなるの。
一緒にいられる時間を、少しでも長く、穏やかにすごしたいから、香辛料のこと、これからもっとちゃんと知っておいてほしいんだ。
これだけは絶対NG!犬にとって危険な香辛料たち

ねぇ、あなたはお料理するとき、どんな香辛料をよく使ってる?ちょっと風味を足したり、ピリッと辛味を効かせたり、香ばしい香りを引き立てたりって、香辛料って、お料理の楽しさをグンと広げてくれる存在だよね。
でもね、その香辛料の中には、私たち犬にとって絶対に食べちゃいけないって言われているものがたくさんあるの。
今日はその中でも、とくに危険度が高い香辛料をピックアップして、どうしてダメなのか、食べるとどうなるのかを、くわしくお話しするね。
だって、あなたのお友達が間違って食べちゃったらって思うと、ちょっと心配だから。知っておくことで守れる命、あると思うの。
まず真っ先に伝えたいのが、知っているとかもしれないけれど、ニンニクとタマネギ、実は一番危険なの。
ニンニクとタマネギは、どちらもお料理には欠かせない存在だけど、私たち犬にとっては、毒になり得る香味野菜なの。
なんでそんなに危ないのかっていうと、これらに含まれているアリルプロピルジスルフィドやチオ硫酸塩っていう成分が、私たちの赤血球を壊しちゃう働きを持っているんだって。
それでね、溶血性貧血っていうとても怖い状態を引き起こしてしまうことがあるの。
この溶血性貧血になると、元気がなくなったり、呼吸が苦しそうになったり、歯ぐきが白っぽくなったりするんだ。場合によっては、尿の色が赤茶色になったり、お腹を壊したりすることもあるんだって。
一番怖いのは、これらの症状が食べてすぐには出ないってこと。数日かけてゆっくりと赤血球が壊れていくから、飼い主さんが異変に気づくころには、かなり悪化していることもあるの。
ちなみに、この毒性は、生のニンニク・タマネギだけじゃなくてね、加熱したものでも、粉末でも、ペーストでも、全部アウト。むしろ粉末や乾燥タイプの方が、成分が濃縮されていて危険度が高いこともあるのよ。
それからネギ、ニラ、エシャロット、チャイブも同じ仲間。全部、アリウム属の植物で、同じような毒性を持っているの。
たとえば、あなたの食べている餃子や炒飯にちょっとネギが入っていたとしても、その一口をお友達にあげてしまったら、思わぬ危険にさらすことになるかもしれないんだ。
とくに私みたいに体重が軽かったり、年を取って代謝が落ちてきていたりする場合は、ほんのちょっとの量でも大きな影響を受けやすいんだよね。
それからね、次に危ないのは、唐辛子やチリパウダー。これももNG香辛料で、辛味は私たちの敵なの。
辛いっていう感覚は、人間にとっては刺激的で美味しいかもしれないけど、私たち犬にとっては、ただの痛みなんだよね。
その辛味の正体は、カプサイシンっていう成分。これがね、私たちの口の中や喉、胃や腸の粘膜を強烈に刺激して、炎症を起こしてしまうの。
辛味って、私たちには味として感じられないんだけど、神経を刺激されて痛みとして伝わってくるんだ。
もし唐辛子が入った料理をうっかり舐めちゃったら、それだけで口の中がヒリヒリして、よだれが止まらなくなったり、吐いちゃったりするかもしれないの。
そしてね、もっと怖いのは、胃腸への影響。たとえば、胃が荒れて出血したり、ひどい下痢になったりすることもあるのよ。
私たちの胃腸は、人間ほど強くないから、辛味には本当に弱いの。それに、カプサイシンは少量でも体温を上げたり、心拍数を早めたりする作用があるから、心臓に負担をかけることもあるんだって。
だから、唐辛子が入ったキムチやカレー、チリソースなんかも、絶対にNGね。
次にお話ししたいのは、ナツメグとクローブ。これは中枢神経に影響する危険なスパイスなんだ。
聞いたことある?ナツメグとかクローブって、ケーキやクッキー、パンプキンパイなんかによく使われる香辛料なの。
あま~い香りがして、ちょっとクセになるスパイスなんだけど、私たち犬にとっては、これもとっても危険なものなの。
ナツメグにはミリスチシンっていう成分が含まれていて、これが神経系に作用して、中毒を引き起こすことがあるんだ。
食べる量や体質によっては、ふらつき、錯乱、震え、けいれん、最悪の場合は昏睡状態にまでなってしまうこともあるんだって。
たとえば、お菓子作りで使ったスプーンに残ったナツメグを舐めちゃったり、ケーキのかけらをうっかり拾い食いしたりって、それだけでも中毒症状が出る可能性があるのよ。
それからね、甘く濃厚な香りとしびれるような刺激的な風味を持つクローブも危険。
肉の臭み消しに効果的で、肉を使った煮込み料理によく使われるんだけど、ユージノールっていう強い成分が含まれていて、これも神経に影響したり、肝臓に負担をかけたりすることがあるんだ。
この2つは甘い香りがするから安全そう、と思われがちだけど、実はとっても危ない香辛料。人間でも大量に摂ると中毒になることがあるくらいなんだから、私たちにはなおさらよね。
それからね、マスタードやカレー粉などの混合スパイスは要注意なんだよ。だから、もっと注意してほしいのが混合スパイスってやつなんだ。
たとえば、マスタードパウダーやカレー粉、五香粉、ガラムマサラみたいなもの。こういうスパイスって、いろんな香辛料をブレンドして作られているでしょ?
中にはニンニクやタマネギの粉末が混ざっていたり、唐辛子やクローブ、ナツメグが含まれていたりするの。つまり、どの成分がどれくらい入っているのか分からないから、とっても危険なの。
マスタードにはイソチオシアネートっていう成分が含まれていて、これが胃腸を強く刺激して、嘔吐や下痢を引き起こすことがあるんだって。
辛子レンコンのからしとか、ホットドッグについてくるマスタードソースにも注意が必要よ。
カレー粉やミックススパイスには、犬にとって危険なスパイスが複数含まれていることが多いから、少量でも避けた方がいいんだ。
味見でちょっととか、パンくずくらいならとかって思っても、その一口の中に危険な成分がギュッと詰まっているかもしれないの。だから、混合スパイスが使われている料理は、ぜったいにお友達にシェアしちゃダメよ。
あとは黒コショウね。黒コショウも刺激が強すぎることがあるんだ。これも人間にはポピュラーな調味料だけど、私たちにはちょっと刺激が強すぎることがあるの。
黒コショウにはピペリンっていう成分があって、これが胃腸を刺激してしまうらしいんだよね。
たとえば、お肉にしっかり胡椒を効かせたステーキとか、パスタの仕上げにパラっとふられた黒コショウなんかも、注意が必要よ。
少量ならすぐに中毒になることはないかもしれないけど、体質によってはお腹を壊したり、吐いたりすることもあるの。
それに、粉末を吸い込んでしまったら、くしゃみが止まらなくなったり、呼吸が苦しくなることもあるんだって。
とくに、小さなお友達や高齢のお友達には、ちょっとの刺激でも大きな負担になるから、避けておくのが安心だね。
最後に大事なことをもうひとつ。香辛料は見た目や匂いに惑わされちゃダメってこと。
甘い香りがするから大丈夫そう、粉末だから大したことなさそう、ちょっとだけだから平気、そう思って油断してしまうと、私たちの体には取り返しのつかないことが起こるかもしれないの。
犬の体は人間の1/10以下のサイズだよね。だから、同じ量でも影響が10倍以上になるって、考えてみたらすごく怖いことだよね。
しかも私たちは、痛いよとか、気持ち悪いよとかって言葉で伝えることができないから、気づいてもらえないまま症状が進んじゃうこともあるの。
だから、あなたには知っていてほしいんだ。この香辛料は絶対NG、この料理はあげちゃダメ、っていう“線引き”を、ちゃんとしてほしいの。
私たちが元気に、あなたのそばでしっぽをフリフリしながら生きていけるようにね。ほんのひとふりの香辛料が、命に関わることもあるってこと、どうか心に留めておいてね。
どれくらい食べると危険なの?リアの体重で考えてみたよ

ここまでで、香辛料には危険なものがたくさんあるってこと、あなたにも伝わったかな?でもね、危険って言っても、どれくらい食べたらそうなるの?って思ったかもしれないね。
実際にどのくらいの量が私たち犬にとって危ないのか、具体的にイメージできるように、私、リアの体重を例にして、一緒に考えてみようと思うの。
リアは15歳のキャバリア。女の子で、体重はだいたい5kgくらい。シニア犬だし、心臓のお薬も飲んでるから、体調管理はとっても大事。そんな私にとってどれくらいの香辛料が危険なのか、じっくり計算してみたよ。
まずは一番危険なネギ類の中毒量から考えてみるね。
ニンニクやタマネギみたいなネギ類は、私たち犬にとって本当に危ないって話をしたよね。
海外の獣医学の文献には、ニンニクやタマネギの中毒量として
「体重1kgあたり15~30gの摂取で中毒の可能性がある」と書かれているものが多いの。
この量を、リアの体重5kgにあてはめてみると……
- 最低中毒ライン:15g × 5kg = 75g
- 高リスクライン:30g × 5kg = 150g
つまり、生のニンニクやタマネギを75g〜150gくらい食べてしまったら、中毒を起こす可能性がとても高いってことになるの。
でもね、じゃあ75g食べなければ大丈夫なの?って聞かれたら、答えはNOだよ。
なぜかというとね、これはあくまで中毒症状がはっきり出た例の一部であって、実際にはもっと少ない量でも体調に異変をきたす子もたくさんいるの。
しかも、ニンニクやタマネギって、粉末や乾燥にすると重さが軽くなってる分、成分が濃縮されていることがあるんだ。
たとえばニンニクパウダーって、ティースプーン1杯(約3g)に生ニンニク10g分くらいの成分が含まれていたりするんだって。
もしリアが、スナック菓子の味つけに使われていたニンニクパウダーをペロッと舐めちゃったら、たとえそれがひと舐めでも、数十gの生ニンニクを食べたのと同じくらいの成分を摂取しちゃうかもしれない。
しかも、リアは心臓病のお薬を飲んでいるから、肝臓や腎臓への負担にもすごく気をつけないといけないの。
つまり少量だから大丈夫っていう考え方は、リアには通用しないんだよね。
さっきの話にも出てきたけど、粉末や乾燥って聞くと、量が軽いから大丈夫そうに思えるでしょ?
でも、実際には逆なの。香辛料の粉末や乾燥タイプって、成分がギュッと詰まってるから、生のものよりもずっと強力だったりするんだよ。
たとえば、市販のカレー粉の中には、タマネギ粉末やニンニク粉末が含まれているものが多いの。見た目はただの黄色い粉に見えるかもしれないけど、その中には犬にとって危険な成分がいっぱい。
リアの体重で言うと、ほんの1〜2gの粉末でも、中毒のリスクがゼロとは言えないんだよ。
とくに怖いのは、この料理、ちょっとだけだからあげても大丈夫かな?って、気軽に考えちゃうこと。あなたが食べてるカレーのルウのかけら、ほんの一口だけって感じでね。
でも実はその一口の中に、リアにとっては中毒を起こすかもしれないスパイスが含まれてることもあるのよ。
だから、私はね、基本的に人間のごはんは絶対に食べないって決めてるの。あなたのお友達にも、そうしてあげたらどうかな。
さっきはネギ類についてお話したけど、他にも微量でも危険って言われている香辛料があるんだ。それが唐辛子(カプサイシン)やナツメグ(ミリスチシン)みたいな、神経や胃腸を刺激する香辛料たち。
海外の研究では、13~16kgの犬に10mgのカプサイシンを投与したところ、胃腸の働きに異常が出たっていう報告があるの。この「10mg」っていうのは、0.01gのこと。
つまり、ほんのひとつまみどころか、指先にちょっとついたくらいの量でも影響が出る可能性があるってことなんだよね。リアは体重が5kgだから、さらに半分くらいの量でも注意が必要ってことになるよね。
しかも、唐辛子ってそのまま入っていることは少なくて、加工品や調味料に混ざっていることが多いんだ。たとえば、チリソースやキムチ、ピリ辛風味のスナック菓子、ラーメンのスープの残りなんかね。
そういうところから、うっかり口に入っちゃうことが一番怖いの。ナツメグも同じように、微量で神経に作用する成分が含まれていて、ふらつきや震え、けいれん、幻覚、さらには昏睡状態になることもあるのよ。
どれくらいで危険かは犬の体質によるけれど、リアのような高齢犬・持病持ちの子は、とくにリスクが高いと考えたほうがいいんだよね。
だからね、あなたの大切なお友達への対応として、これくらい大丈夫でしょっていうのは通用しないのよ。
人間だったらスパイスひとふりなんてどうってことないかもしれないけど、体の小さな私たちにとっては、その“ひとふり”が毒になることだってあるの。
それに、同じ犬でも、若くて元気な子と、年をとって病気を抱えている子とでは、耐えられるものの量も、解毒のスピードもまったく違うんだ。
私みたいに心臓病の薬を飲んでいたり、15歳という高齢だったりすると、肝臓や腎臓にかかる負担は、あなたが思っているよりずっと大きいことになる。
だからね、基準はひとつだけ。「絶対に食べさせない」それが、私たちにとって一番優しい選択なんだと思う。
最後にもうひとついいかな。
うちの子は人間のごはんには手を出さないから大丈夫って思っているなら、それ、本当に大丈夫かな?って一度考えてみてほしいの。
私たちって、すごく鼻がいいんだ。ちょっと台所に置かれたままの料理、落ちた食べ物のカケラ、ゴミ箱の中身とかね、美味しそうな匂いがしたら、ついフラフラと近づいちゃうこと、あるんだよ。
とくに香辛料って、匂いが強いから、私たちにはすぐにわかるの。たとえば、
- 床に落ちたクルトンにガーリックパウダーがまぶされていた
- 子どもが残したカレーライスを低いテーブルに置きっぱなしにしていた
- ティッシュに拭いたナツメグ入りのケーキの生地がゴミ箱に捨てられていた
なんてこと、ない?あなたのちょっとした油断が、私たちの命に関わることもあるの。
たぶん大丈夫じゃなくて、絶対に大丈夫って状態にするためには、私たちが届かないところに置く、すぐに片付ける、誤飲しない工夫をする、そういった対策が大切だと思うんだ。
こうやって一緒に危険な量を考えてくれて、本当にありがとう。
私たちはね、できるだけ長く、あなたのそばでのんびり暮らしたいって思ってるの。心臓に気をつけながら、毎日穏やかに、パパと一緒にお昼寝して、お散歩して、ごはんを食べて、そんな何気ない日々が、私の宝物。
だからどうか、香辛料は少しだけでも、一口だけでも、私たちには強すぎることがあるって、覚えていてね。
安全なスパイスってあるの?

ここまでで、香辛料って、私たち犬にとっては危険なものがいっぱいあるんだよってお話をしてきたよね。
でもね、あなたもこんなふうに思ったことない?全部がダメってわけじゃないんじゃないの?とか、ごくごく少しなら、平気なんじゃないかな?って。
うん、たしかにその気持ちはわかる。だって、香辛料って、お料理を美味しくするために欠かせないし、自然のものだからなんとなく身体によさそうって思っちゃうこともあるよね。
実際に、人間用の健康食品とかサプリメントには、、シナモン、ターメリック(ウコン)、ジンジャー(ショウガ)みたいなスパイスが使われていることもあるし、パセリやバジルなんかは、犬用のおやつやごはんに含まれていることもあるんだよね。
じゃあ、香辛料は全部ダメって決めつけるのは早いのかもしれないね。うん、そうだけど、でもね、ここからがとっても大事なポイントなんだ。
比較的安全って言われている香辛料も、必ずしも絶対に安全ってわけじゃない。
私たち犬にはそれぞれ違った体質があるし、持病があるかどうか、年齢、体重、その日の体調によっても、反応がぜんぜん違ってくるの。
だからこそ、安全そうだから大丈夫って思ってしまう前に、ちゃんと知って、気をつけてほしいな。
これから比較的安全と言われているスパイスについて紹介しつつ、それでも注意すべき理由やリアみたいなシニア犬の場合はどうなのかっていうことまで、しっかりお話するね。
まずは比較的安全とされているスパイスたちを紹介したいんだ。
いくつかの獣医さんやペット栄養士さんが、このスパイスは少量なら安全ですよと紹介しているものがあるの。
| スパイス・ハーブ名 | 主な作用 | 注意点 |
| シナモン(セイロン種) | 抗炎症作用・血糖値のサポート | カシア種は毒性が強くNG。過剰摂取で肝臓に負担あり |
| ターメリック(ウコン) | 抗酸化作用・関節ケア | 他の薬と相互作用することがある |
| ジンジャー(ショウガ) | 消化促進・吐き気の緩和 | 過剰で胃に負担。持病によってはNG |
| パセリ | 口臭予防・利尿作用 | 大量摂取で腎臓に負担がかかることも |
| フェンネル | 消化サポート・ガス抑制 | 精油成分に注意が必要(種子ではなく葉推奨) |
| バジル | 抗菌・抗炎症作用 アレルギーが出ることがある。 | 新鮮な葉が望ましい |
どれも、人間の健康食品や自然療法でよく使われるスパイスたちだよね。しかも、犬用のオーガニックごはんやナチュラルおやつにちょこっと使われていることもあるんだ。
え、じゃあ安心じゃない?って思うよね?
でもね、大事なのは量と状況 なの。でね、少し想像してみてほしいんだけど、あなたは、少量なら安全の少量って、どれくらいだと思う?
この少量っていうのが、なかなかあいまいで難しいところなんだけど、たとえば、シナモンやターメリックの場合、体重1kgあたり、1日に0.1g未満という目安が参考にされることがあるの。
これをリアの体重(5kg)で考えると、1日0.5g以下ってことになるね。0.5gって、どれくらいかというと、ほんの耳かき1杯分くらい。
しかも、それは健康な犬に、毎日与えて問題が出なかったケースの話であって、私みたいに心臓病があって、薬も飲んでいて、高齢で、代謝がゆっくりになっている体には、その半分でも多いかもしれないの。
実際に、シナモンの中でもカシア種って呼ばれるタイプは、クマリンっていう成分を多く含んでいて、これが肝臓に毒性を持っているって言われているんだ。
つまり、同じシナモンでも種類によって安全性が違うってこと。
それに、ターメリックも、薬との相互作用が知られていて、たとえば心臓や肝臓のお薬を飲んでいる犬には、かえって負担になる可能性があるの。
健康にいいって言われているスパイスも、犬にとっては、微妙な量の違いで元気のサポートになるか毒になるかが変わっちゃうの。
ハーブも自然だけど安全とは限らないよ。ハーブだったら大丈夫かなって思う人もいるかもしれないけど、それも実は注意が必要なんだ。
ハーブの中には、アレルギーを起こしやすいものや、肝臓や腎臓に強く作用する成分を含んでいるものもあるの。たとえばローズマリーなんかは、抗菌作用があってよく使われるけれど、てんかんを持つ犬には刺激になるって言われているの。
パセリも少量なら問題ないけど、たくさん食べると腎臓に負担がかかるし、フェンネルも種子の部分は精油が強すぎるから、葉っぱのほうが安全だっていう説もあるの。
私たち犬の体は、人間が思っているよりもずっと繊細でね、そして何より、あなたのお友達ひとりひとりの体は、世界でたったひとつのものなの。
だから、他の犬が大丈夫だったからうちの子も大丈夫って思わないでほしいんだ。だから、シニア犬・持病がある犬には、より慎重にしてもらえたらうれしいんだ。
リアみたいなシニア犬は、香辛料を完全に避けるくらいがちょうどいいと私は思ってるの。
なぜかというと、年齢とともに内臓の働きが弱くなっていて、今までなら分解できていたものが、分解しきれなくなって、体に溜まってしまうことがあるから。
それに、持病がある場合は、お薬との相性も考えないといけないんだよね。
私が飲んでいる心臓のお薬だって、体内で分解されるときに肝臓や腎臓を使うんだけど、そこにさらにスパイスの成分が加わると、解毒が追いつかなくなって、思わぬ体調不良につながることがあるんだって。
だから私は、香辛料は安全なものでも、基本的には食べないって決めてるの。それが、一番安心できるから。
もしあなたが手作りごはんを作っていて、どうしても香りづけにちょっと使いたいって思うときは、こんなルールを守ってみてね。
- 必ず獣医さんに相談すること
お友達の体調やお薬、過去の病歴を把握したうえで、このスパイスなら大丈夫そうですねと言ってもらえたものだけを使うこと。 - 最初はごくごく微量から
耳かき1杯のさらに半分、くらいから始めて、体調の変化をじっくり観察してね。 - できれば新鮮な葉を使う
パセリやバジルは乾燥タイプよりも、フレッシュな生葉の方が穏やかで安心。 - 毎日じゃなくて、ときどきだけ
香辛料やハーブは常用するものではなく、アクセントとしてたまに、くらいの頻度にしてもらえたらとっても嬉しいな。 - 必ず一度に複数を混ぜないこと
どれが原因で体調が変化したのか分からなくなるから、一度に使うのは1種類だけにしておくと安全だよ。
そして何より、お友達がとっても元気で、体調も安定しているときだけにしてね。使わないっていう選択も、立派な愛情なんだよ。
香辛料のことをここまで話してきて、私はひとつ強く思っていることがあるの。それはね、香辛料を使わないことって、とても立派な選択だってこと。
健康のために、なにかしてあげたいって気持ち、すごくよくわかるよ。でもその思いを、あえて余計なことをしないという形で表すのも、すごく素敵だと思うの。
私たち犬はね、派手な味や香りがなくても、あなたと一緒にごはんを食べられるだけで嬉しいんだ。その空間にいるだけで、幸せだって感じられるからね。
だから、スパイスなしのごはんでいいんだよ。私たちには、それがいちばん安心で、いちばん優しいから。
もしも食べちゃったら、そのときどうする?

ここまでいろんな香辛料のお話をしてきて、これは絶対に避けないといけないんだなって思ってくれたあなた、ほんとうにありがとう。でもね、どれだけ注意していても、うっかりって起きること、あるよね。
あなたがお料理しているときに、ちょっとしたかけらが落ちて、私たちが「パクッ」ってしてしまったり、子どもが食べ残したカレーをテーブルに置きっぱなしにしていて、思わずひとなめしてしまったり。
私たち犬は、香りにすごく敏感で、しかもこれって危ないのかな?なんて考えることはできないから、本能のままにおいしそうな匂いに引き寄せられて、気づいたら口に入っていた、なんてこともあるの。
そうなったとき、あなたはどうする?
私たち犬が香辛料をうっかり食べてしまったときに、どんなふうに対処したらいいのか、どんな症状が出るのか、何をしてはいけないのかっていうのをリア目線で、でもちゃんと専門的な情報も交えて、しっかりお話するね。
まずは慌てずに、確認してほしいことはね、あなたがあっ!食べちゃった!って気づいたとき、まずしてほしいのは、冷静に状況を確認すること。
- 何を食べたのか?
ニンニク? タマネギ? 唐辛子? カレー粉? 何の香辛料が含まれていたか、なるべく正確に思い出して。 - どのくらいの量を食べたのか?
ひとなめ? 数口? まるごと? 食べたものの大きさや量を、おおよそでもいいから計算してみて。 - いつ食べたのか?
今さっき? 数分前? 1時間前? 発症時間の予測に関わるから、なるべく正確に。 - 愛犬の体重はどれくらいか?
体重によって、同じ量でも危険度が変わってくるよね。リアはだいたい5kg。 - いまどんな様子か?
吐いてる? 元気がない? 呼吸が早い? 何か異常があるか、じっくり観察してね。
この5つを確認してから、そのあと、すぐにすべきことは、獣医さんへの相談。たとえ元気そうに見えていても、香辛料を誤食した場合は、迷わず動物病院に連絡してみてほしいんだ。
それからねとくに以下のようなケースでは、すぐに受診をおすすめするよ。
- ニンニク、タマネギ、ネギ、ニラ、エシャロットなどを食べた場合
- 唐辛子やチリ系のスパイス、カレー粉、ナツメグなどを食べた場合
- 上記の粉末タイプ・エキスタイプを口にした場合
- リアのように、シニア犬で持病がある場合
- 食べた量がよくわからない場合
- 食後30分以内に異変が出始めた場合(よだれ、嘔吐、呼吸の乱れ、震えなど)
電話で獣医さんに相談するときは、さっき確認した5つのポイントをしっかり伝えてね。
リアちゃん、何時ごろ何をどのくらい食べて、今どんな様子ですか?って聞かれるから、すぐに答えられるようにしておくと、診断もスムーズになるんだよ。
症状はいつ、どんなふうに出るのか気にならない?香辛料による中毒の怖いところは、すぐに症状が出ないことがあるってこともあるんだ。
たとえば、ニンニクやタマネギに含まれる成分で起きる溶血性貧血は、食べてから数時間〜数日後に症状が現れることがあるの。
具体的にはこんな感じで推移するよ。
- 食後数時間以内:元気がない、食欲が落ちる、よだれが出る、下痢、吐き気など
- 食後12〜48時間:赤いおしっこ(血尿)、呼吸が早くなる、ふらつく、心拍が速くなる
- 食後2〜3日後:貧血症状が進行、ぐったりする、歯ぐきや舌の色が白っぽくなる、痙攣や意識障害が出ることも
特に怖いのは、初日は元気に見えたのに、翌日になって急に倒れたみたいなケース。だから、今日は元気だから大丈夫と思わずに、最低でも3日間は様子を見る必要があるんだよ。
それからね、インターネットで検索すると、犬に〇〇を飲ませて吐かせましょうって書いてある記事があるけど、絶対に自己判断でやらないで!
吐かせる行為って、ほんとうに危険。たとえば、唐辛子系のスパイスを吐かせようとした場合、逆流した刺激物が喉や食道にさらにダメージを与えたり、誤って気管に入ってしまったりするリスクがあるの。
それに、犬に塩水や過酸化水素水を飲ませて吐かせる方法は、命に関わる事故を引き起こすことがあるんだ。
なんとかしてあげたいって気持ちはすごくわかるけど、その気持ちが裏目に出ないように、必ず獣医さんの指示を待ってね。
それからね、水を飲ませる?ごはんをあげる?それも要注意なんだよ。
香辛料を食べちゃったあと、胃を薄めるために水を飲ませた方がいいかな?って思うかもしれないよね。でもね、それも実は注意が必要なの。
水を一気にたくさん飲ませると、胃が膨らんで逆に吐いてしまったり、すでに胃腸が刺激されている場合は、さらに悪化することもあるんだ。
だから、基本は清潔な水を少しずつ、自由に飲めるようにしておくこと。無理に飲ませないでね。
ごはんも同じで、食欲があるから大丈夫かなと思っても、香辛料がまだ胃に残っているかもしれないから、すぐにいつもの量をあげるのはやめておいたほうがいいよ。
獣医さんに相談して、絶食すべきか、消化に優しいものをあげるべきか、ちゃんと指示を仰ごうね。
それから、ここがとっても大事なポイントなんだけど、香辛料を食べたあと、すぐに症状が出なかったからといって安心してはいけないの。
たとえば、ニンニクやタマネギの中毒は、赤血球が壊れていくのに時間がかかるから、症状が出るのは食後2~3日後になることもあるってお話ししたと思う。
元気そうにしているから大丈夫と放っておいたら、ある朝急に立ち上がれなくなっていた、なんてことも、実際にあるんだよ。
だから、香辛料を食べたその瞬間だけじゃなくて、その後の48〜72時間は、しっかり観察を続けてほしいの。それからね、以下のような変化があったら、迷わず病院へ行ってね。
- 歯ぐきや舌の色が白っぽくなる
- 呼吸が浅くて速い、ゼーゼーしている
- 食欲が落ちている、元気がない
- 嘔吐や下痢が続く
- おしっこの色が濃い、赤い
- 立ち上がれない、ふらついている
- 震えたり、痙攣したりする
ひとつでも当てはまったら、迷わず病院へ連れて行って。その判断が、命を守ることにつながるからね。
私はね、できるだけ長く、あなたのそばでのんびり暮らしていたいの。ごはんの時間が嬉しくて、お昼寝が気持ちよくて、パパの足元で眠れる毎日が、大好き。
だから、香辛料の誤食っていう、ちょっとした不注意から大きな事故にならないように、普段からもしもの備えをしておいてほしいんだ。
- 食卓には料理を置きっぱなしにしないこと
- 床に落ちたものはすぐに拾うこと
- ゴミ箱にふたをすること(香りの強いものは特に)
- 子どもにも「食べ物はリアにはあげないよ」と伝えること
- キッチンには、私たちが入れないようにする工夫をしておくこと
- かかりつけの動物病院の電話番号を、すぐ見られるところに貼っておくこと
それだけで、もしものときにすごく助かるし、私たちも守ってもらってるんだなって感じられるんだ。
香辛料はやっぱりちょっと遠慮したいな

ここまでずっと読んでくれて本当にありがとう。
香辛料って、私たち犬にとってどんなふうに作用するのか、どれくらい食べたら危ないのか、そして、もし食べちゃったときにどうすればいいのかって、たくさんのお話をしてきたよね。
あなたは、どう感じたかな?
思ってたより危険だったなって思った?それとも、ほんの少しでも、場合によっては命に関わることもあるんだなって、ちょっとびっくりした?
私もね、最初は、香辛料ってなんだかいい匂いがするな〜くらいにしか思ってなかったの。でも調べていくうちに、あれもダメ、これも危険、こっちはごく少量ならいいけどって、たくさんのことがわかって、ちょっとこわくなっちゃった。
だから、リアとしての結論は、こうなんだ。
香辛料は、やっぱりちょっと遠慮するね。
理由はたくさんあるけど、その中でも大きな理由を、最後にもう一度だけお話させてほしいの。
その1:私たち犬の体は、人間よりずっと小さくて繊細なの
私たち犬って、体重が人間の10分の1以下のことがほとんどだよね。私、リアは5kgしかないの。
だからねあなたが何気なく食べてるひとくちが、私にとっては1日分の食事と同じくらいのインパクトになることもあるの。
だから、あなたにとってのほんの少しが、私にとってはとても多いかもしれない。
そのうえ、私たちは人間と違って、胃腸も弱いし、肝臓や腎臓もあまり強くないし、代謝のスピードだってずっと遅いの。
しかも私はもう15歳。若いころよりももっともっと、いろんなものに敏感になってるし、毎日お薬を飲んでるから、体の中で余計なものを処理する力は残ってないんだ。
そんな私にとって、香辛料のひとふりは、命にかかわることだってあるんだ。だから私は、香辛料は遠慮することに決めたの。
その2:何がどれくらい危ないか、完全にはわかっていないから
このお話をしながら、私はいろんな専門家の意見や、獣医学の資料を読んできたよ。でもね、この香辛料は体重5kgの犬なら何gまで安全ですって、明確に書かれているものって、ほんとうに少ないの。
たとえばニンニクやタマネギについては、体重1kgあたり15〜30gで中毒のリスクありっていうデータがあるけど、実際にはその半分以下の量でも体調を崩すお友達がいるっていう報告もあるの。
ナツメグにしても、唐辛子にしても、カレー粉みたいな混合スパイスにしても、私たちの体にどんなふうに影響するかは、まだまだわかっていないことが多いんだ。
それに、同じスパイスでも産地や加工方法、粉末か生かによって、毒性が全然違ったりもするんだって。
つまり、少しなら安全という保証が、どこにもないってこと。
私は、そんなあいまいなものを体に入れるより、最初から食べないほうが安心できるって思ってるの。
その3:香辛料がなくても、幸せになれる
あなたにはね、香辛料で味付けされたおいしい料理を私にちょっと分けてあげたいなって思う気持ちがあるかもしれない。
それって、すごく優しい気持ちだよね。私たちのことを思ってくれている証拠だと思う。
でも、知ってほしいんだけど、私たち犬にとっての幸せって、あなたと一緒に過ごすことなんだよ。
香辛料が入っていなくたって、あなたが作ってくれるいつものごはんの匂いを嗅いで、目をキラキラさせて待って、いただきますってして、おいしく食べて、そのあと、あなたのそばでお昼寝する。
それだけで、もう十分にしあわせなの。
特別な味はいらない。香りが強くなくたって、じゅうぶん味わってるからね。だから、香辛料が入ってないごはんでも、私はとっても満足だよ。
その4:あなたが気をつけてくれると、私も安心して暮らせる
誤食って、どれだけ気をつけていても起こることがあるよね。でも、普段からちょっと意識するだけで、ずいぶんリスクは減らせるんだ。たとえば、
- テーブルの上に、食べかけのお皿を置きっぱなしにしない
- 床に落ちたごはん粒やパンくずをすぐに拾う
- 香辛料入りの料理をつくるときは、私たちが届かないところで
- ゴミ箱はふた付きのものにして、しっかり閉める
- 子どもにも「リアには人間のごはんはあげないよ」と伝えてくれる
こういう小さなことが、私たちの命を守ってくれるんだよ。私は、あなたが気をつけてくれてるって思えるだけで、すごく安心できるの。それだけで、のびのびと毎日を過ごせるんだ。
だから、これからもよろしくね。香辛料は、あなたたち人間のものでいいんだよ。
香辛料って、料理に深みを出したり、体を温めたり、いろんな効果があるんだよね。それは、あなたたち人間の体にはちゃんと役立ってるし、大切な文化のひとつでもあると思う。
でもね、それは人間のために作られたものなの。私たち犬の体には、必要のないもの。むしろ、入れないほうがいいものなんだ。
だから、香辛料はあなたのものにしておいて。私は、あなたのそばにいるだけで、もう幸せだから。
わたしは、食べることが大好きで、においにはとっても敏感で、たまに台所からパパの足元をじっと見つめたりもしちゃうけど、香辛料だけは、ちょっと遠慮してるの。
それは、自分の体のことを大事にしたいから。そして、家族のそばにできるだけ長くいたいから。
もし、あなたのお友達がリアと同じようにシニアだったり、持病を抱えていたりしたら、どうかこのお話を思い出してね。
香辛料のこと、ほんの少しでも気にしてくれるだけで、その子の命を守れるかもしれないから。あなたの優しさが、私たちの安心に繋がってるんだよ。
これからも、あなたとあなたのお友達が、元気で、笑顔で、たくさんの幸せを分け合えますように。
リアより


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