ぐったりしたシニア犬が元気になる方法

シニア犬の日常

こんにちは。リアだよ。

最近、あなたのお友達が、なんだか元気なくって、ずっと寝てばかりいたり、呼んでもお返事してくれなかったりって、そんなこと、ない?

お耳がぴくっともしなかったり、しっぽも動かなくて、ごはんも残してる日が増えてるとしたら、それってきっと、あなたもとっても不安なんじゃないかな。

わたしはね、もうすぐ16歳になるキャバリアの女の子なんだけどね、13歳のときに心臓病って診断されてから、いっぱいつらいことがあったの。でも、あなたに伝えたいの。ぐったりしてても、また元気を取り戻せるよって。

わたしもね、何度もごはんを食べたくなくなったり、体が重くて動きたくなかったり、眠ってばかりいた日があったんだ。

でも、ママやパパがいろいろ工夫してくれたおかげで、またちょっとずつ笑えるようになったし、しっぽもふれるようになったんだよね。

だからね、あなたに伝えたいんだ。年だから仕方ないよねって思わないでってね。病気があるから、もうダメかもってあきらめないでほしいんだよね。

わたしたち、老犬ってよばれる年頃になると、確かに若いころと違って、体が言うこと聞かないことも増えるし、ちょっとした変化が体にこたえるようになるの。

でもね、それでも、あなたの気づきや優しさがあれば、また穏やかに、しあわせに過ごせるようになるんだよ。

もし、あなたが、どうして急に元気がなくなったんだろう?、とかこのまま寝たきりになっちゃうのかな?って心配してるなら、この記事を読んでほしい。

この記事ではね、わたしが実際に体験したことも交えながら、ぐったりしてるお友達がまた元気を取り戻すために、あなたができることを全部お話しするよ。

ひとつひとつは小さなことかもしれない。でも、積み重ねていくと、わたしたちにとってはとても大きな支えになるの。

あなたのそばにいる、大切なお友達がまた笑顔になれるように一緒にできることを見つけていこうね。

ぐったりの原因は老化だけじゃない

年だからしょうがないよねって、あなたが思う気持ちも、わたし、すごくよくわかるの。

だって、わたしたち老犬って、ゆっくり歩いたり、お昼寝が多くなったり、前よりちょっと鈍くなったりするのは自然なことだし、それ自体が悪いわけじゃないもの。

でもね、ぐったりして動かないとか、目に力がない、呼吸が浅いとか、ごはんもお水も口にしないってなるとき、それはただの年のせいとは限らないんだよ。

今日はね、あなたにぐったりしている原因は老化とは限らないっていう大事なことを伝えたいの。

わたしもね、今日はちょっと疲れてるのかなぁって思ってたら、実は体の中で大変なことが起きてた、っていう経験を何度もしたんだよ。

老化と異変は、ちがうサインを出しているんだ。

老犬ってよばれる年頃になると、体も心も少しずつ変化していくのは自然なこと。お昼寝が長くなったり、お散歩のスピードがゆっくりになったり、ちょっとした段差も登りにくくなったりするよね。

そういうことは、無理に若返らせようとしなくてもいいし、自然の流れとして受けとめてあげてほしいの。

でもね、もしお友達が、急にぐったりしちゃって、

  • ごはんをぜんぜん食べなくなった
  • 大好きなおやつにも反応しない
  • 呼んでもお顔をあげない
  • 目がとろんとしてて、ふだんと目つきがちがう
  • 立ち上がろうとしてもふらつく
  • 息づかいが浅かったり、速くなったりしてる

こんな様子があるなら、それは老化じゃなくて異変かもしれないの。わたしたち、口でしんどいよって言えない分、体でサインを出してるの。だから、そのサインをあなたが受け取ってくれることが、すごくすごく大事なんだ。

リアも経験したよ、ただの疲れじゃなかった日々をね。

わたしがまだ13歳だったとき。ある日、お昼寝から起きても立ち上がるのがつらくて、いつもは大好きなパパがおさんぽ行くよって声かけてくれても、お耳も動かなかったの。

ママはリアちゃん、眠いだけかな?って言ってたけど、次の日も、また次の日も、元気が戻らなかったの。その時はじめて、病院に連れて行ってもらったんだ。そしたら、心臓の弁がうまく閉じてなくて、血液が逆流してるって言われたの。僧帽弁閉鎖不全症っていう病気だったんだよね。

つまりね、わたしがぐったりしてたのは年のせいじゃなくて、心臓が疲れてたからだったの。
ちゃんと原因があったのに、もうおばあちゃんだから…」って見過ごしてたら、もっと大変なことになってたかもしれないの。

緊急で病院に行ってほしいサイン、ちゃんと知っておいて

あなたのお友達がぐったりしているとき、すぐに病院に行ったほうがいいサインを、わたしからもお伝えするね。これはとっても大事なことだから、ぜひ覚えておいてほしいの。

  • 呼吸が速い、苦しそう:ハァハァが止まらない、胸が大きく動いてる
  • お水を飲まない/飲みすぎてる:どちらも内臓のSOSかも
  • 体温が低い/熱すぎる:耳や肉球を触って、ひんやりしてない?
  • 歯ぐきの色が白っぽい/青っぽい:健康なときはピンクだよ
  • 震えがある、けいれんしている:すぐに病院へ
  • おしっこ・うんちが全然出てない、または血が混じってる
  • 立てない、足がふらつく
  • 意識がもうろうとして、呼んでも反応しない

これらは、わたしたちにとっていま助けて!っていうサイン。特にシニア期になると、ほんの少しの変化が命に関わることもあるから、迷ったらすぐに病院に連れて行ってあげてね。

様子を見るって、命を左右することもあるんだよ

たとえばね、あなたが昨日は普通だったし、今日だけかもしれないから、明日まで様子見ようかなって思ってるうちに、お友達の状態が急変することだってあるの。

とくに、心臓、腎臓、肝臓みたいな中の臓器のトラブルって、外からは見えにくいけど、静かに静かに進んでることが多いんだ。だから、いつも一緒に過ごしてるあなたがお友達の状況いつもと違うと感じたら、その直感を信じてあげてほしいの。

リアもね、ママがなんか今日のリア、ちょっと違うなって思ってくれたおかげで、早く病院に行けたし、治療もはやく始められたの。

老化と病気の兆候はとっても似てるけど、見逃さずに気づいてもらえたことが、今もわたしが生きていられる理由なんだよ。

それでね、あなたのお友達の違和感って、あなたしか気づけないんだよね。

わたしたちは、どんなに具合が悪くても、あなたを悲しませたくなくて、ついだいじょうぶなふりをしちゃうことがあるの。しっぽもふらないし、目もうつろ。でも、それでもあなたが心配すると、申し訳なくって。

だから、あなたが、なんかちょっと変かも?って思ったその気持ちこそが、お友達にとっての命綱なんだよ。

毎日一緒に過ごしてるあなたが感じる、小さな違和感。それがいちばん正確なサインなの。

それでね、老犬になると弱ることになるのは本当だけど、何もできないってわけじゃないないんだ。

わたしたち老犬は、確かに体の機能が少しずつ衰えていくの。でもね、それは終わりじゃなくて、これからどう暮らしていくかを考えるきっかけなんだよ。

ぐったりしてるお友達が、病気や異変に気づいてもらって、適切にケアしてもらえたら、また少しずつ元気を取り戻すことができるの。わたしも実際そうだったし、今も毎日、あなたと同じように悩んでる家族と、元気になろうとしてるお友達がたくさんいるよ。

ねぇ、お友達がぐったりしていても、あきらめないでほしいんだ。老化だって決めつけないでね。

だいじょうぶ。あなたのその手で、あなたのお友達は、きっとまた笑えるようになるから。次は、わたしたちがぐったりしてしまうときに考えられる原因とそれに合わせた対応を、もっとくわしくお話するね。

それが分かれば、どうして元気がないのか、何をしてあげたらいいのかが、きっと見えてくるから。

お友達が元気をなくすときに考えられることはたくさんある

ねぇ、ぐったりしてるお友達の姿を見ると、どうしてこうなっちゃったの?って、いろんなことが頭をよぎるよね。

病気?それとも、ごはんのせい?とか、もしかして、もうとかって、不安で胸がぎゅーって締めつけられるようになる。

でもね、安心して。お友達が元気をなくす理由って、ひとつじゃないし、ちゃんと原因があって、そこに気づいてケアしてあげれば、またしっぽをふってくれるようになること、たくさんあるんだよ。

これから、あなたに何が原因かを見つけるヒントをお届けするね。そして、それぞれにどんな対処ができるかもわたしの経験を交えてお話しするから、ゆっくり読んでね。

まず、お友達がぐったりする原因はひとつじゃないんだ。

老犬って、若いときと比べて体のいろんなところがちょっとずつ衰えてきてるからね、元気をなくす原因も、すごくいろいろなの。わたしたちの体って、小さなバランスで保たれてるから、ちょっとしたことでもぐったりしちゃうことがあるんだ。

ここからは、お友達が元気をなくすときに考えられる主な原因を、一緒に見ていこうね。

まず、栄養不足・消化吸収の低下がかんがえられるんだ。

年齢を重ねると、食べ物をしっかり消化したり、体に取り込んだりする力が弱くなるの。だから、見た目にはごはん食べてても、栄養が足りてないってこと、けっこうあるんだよ。

わたしもね、一時期、ちゃんとごはん食べてるのに、なんか元気ないな、ってことがあったの。そしたら先生が年齢とともに吸収が落ちてるかも、って言って、消化しやすいフードに変えたら、少しずつ元気が戻ったの。

この場合の対処法のヒントはね、

  • ふやかしたり、温めたりして、胃にやさしいごはんにしてみる
  • 複数回に分けて与えて、負担を減らす
  • 食べてるけど痩せてる場合は、血液検査で吸収や栄養バランスを調べるのも大切だよ

つぎに考えられるのは低血糖って場合。

特に小型犬や体力が落ちてる子は、ごはんを食べられなかっただけでも血糖値が急に下がってぐったりしちゃうことがあるの。

わたしの知ってるお友達、朝ごはん抜いたままお昼になってぐったりしちゃって、病院で低血糖ですねって言われて、ブドウ糖を点滴してもらったら、ぱっと目を開けたって。

対処法のヒントはね、

  • おやつやごはんを定期的に与える
  • 応急処置で、ほんの少しの砂糖水を口に含ませて様子を見る(※必ず病院に行ってね)
  • 持病や投薬中のときは特に注意が必要だよ

それからね、これはちょっと怖いんだけど、感染症・炎症とかも考えられるかな。

年齢とともに免疫力も落ちるから、ちょっとしたウイルスや細菌で大きく体調を崩すこともあるの。発熱や、痛みをこらえてるとき、わたしたちは動けなくなって、ぐったりしちゃう。

とくに歯周病とか、皮膚炎とか、おなかの中の炎症は見えにくいけど、けっこうわたしたちの元気を奪うの。

対処法のヒントはね

  • 体温を測る、歯ぐきの色や体の匂いをチェックしてみて
  • 歯や口の中に異常がないかも見てみてね
  • 熱がある、震えてるならすぐに病院へ

つぎは、心臓・腎臓・肝臓が不調になること。

わたしみたいに心臓病を持ってる子や、老犬に多い腎臓や肝臓の機能低下は、表に出にくいけど大きな原因になるの。

体の中で、静かに進行していくから、気づいたときにはぐったりしてるってことも多いんだ。

対処法のヒントは

  • 水をすごく飲む、またはまったく飲まないときは要注意だと考える。
  • トイレの回数や色を観察する
  • 定期的な血液検査と尿検査がとっても大事

わたしは、心臓が弱くなってきてることが分かってから、病院でお薬をもらって、塩分を抑えたごはんに変えたり、お散歩の量も調整するようにしたんだ。

つぎは、関節の痛みや筋力の低下。

足腰が痛かったり、関節炎があると、歩くのが嫌になって、じっとしてる時間が長くなるの。

そのせいで、ぐったりしてると思われることもあるけど、実は動きたいのに痛くて動けないってこともあるの。

対処法のヒント:

  • 床が滑りやすくないか見直してみる
  • お布団が硬すぎたり、段差が多かったりしてないかな?
  • 関節をサポートする栄養やサプリメントを相談してみる

お友達が立ち上がるときに「よっこいしょ」って言いたそうな動きをしてたら、関節を見てあげてね。

つぎは、内分泌系・ホルモン異常。

あまり知られてないけど、甲状腺ホルモンが少なくなる病気(甲状腺機能低下症)になると、活動量が落ちて元気がなくなることがあるの。

体温が下がったり、皮膚や毛並みに変化が出たり、ゆっくりだけど確実にぐったりしちゃう病気なんだよ。

対処法のヒントはね、

  • 血液検査でホルモンのバランスを調べてもらう
  • 毛が薄くなってきたり、体温が低いときはチェックしてみて

それから、老犬になると、認知機能の低下(犬の認知症)っていうのもあるかな。

わたしたちも、人と同じように年をとると、脳の働きが鈍くなってきて、なんでここにいるんだっけ?ってなっちゃうことがあるの。

知らないうちに夜に動き回ったり、昼間ぼーっとしてたり、なんとなく元気がない感じに見えることもあるの。

対処法のヒントはね、

  • 昼夜の区別をつけやすい生活を心がける
  • 声かけ、なでなで、音のあるおもちゃで刺激を与える
  • 進行を遅らせるサプリやフードを相談してみる

さて、お友達がぐったりする原因として考えられることをいろいろ紹介したけど、何か、あ、これかもって思い当たることあった?

大事なのは、何が原因か見極めることと、それに合った対応をすること。そしてそれを、あなたが見つけてくれようとしてること。それが、わたしたちにとって何よりの支えなんだよ。

次はね、おうちでできること、あなたにもすぐできる元気サポートの方法をたっぷり紹介するよ。わたしが実際にやってもらってよかったことも、全部話すね。

おうちでできる元気を出させるサポート

ねぇ、年をとったり、病気だったりしたら、お薬を飲むしかないよね、とか、もう年だから、何をしてもダメかもとかって思いがちだよね。

でもね、それは違うの。わたしたち老犬が、またしっぽをふったり、穏やかにすごせるようになるには、病院での治療だけじゃなくて、おうちでのケアがすっごく大事なんだよ。

だって、おうちって、わたしたちにとっていちばん安心できる場所でしょ?大好きなあなたがそばにいてくれるその空間が、わたしたちの元気を取り戻す場所になってほしいの。

だから今日は、わたしが実際にしてもらって、嬉しかったとか、元気が戻ってきたとかって思ったことを、ぜんぶ教えるね。

ごはんの工夫で、食べたい気持ちを取り戻す

ぐったりしてるときって、わたしたち食欲も落ちてることが多いの。ごはんの匂いにも反応しなくなったり、大好きだったおやつにも無関心になっちゃうと、あなたはとっても心配になるよね。

でもね、そんなときでもちょっとした工夫で食べてみようかなって気持ちが戻ってくることがあるんだよ。

たとえば、ふやかしフードで、食べやすくしてくれたの。

わたしがごはんをなかなか食べなくなったとき、ママがしてくれたのが、ドライフードをぬるま湯でふやかすこと。

カリカリのままだとお口に当たって痛かったり、匂いを感じにくかったりするけど、ふやかすことで香りがふんわり立って、ちょっと食べてみようかなって思えるようになったの。

しかも、消化もラクになるから、食べたあとにしんどくなりにくかったよ。それでね、スープやトッピングでおいしそうって思えるようにしてくれたの

ママはときどき、手作りのささみスープをドライフードにかけてくれたり、お野菜を柔らかく煮て混ぜてくれたりしたの。それだけで、ごはんの見た目も香りも変わって、わたしの気持ちもちょっと上向きになったんだよ。

あなたのお友達にも、そんなひと手間がすごく効くかもしれないよ。

それからね、少しずつ、回数を分けてくれるっていうのもありかな。

一度にたくさん食べるのは、ぐったりしてるわたしたちにはしんどいこともあるの。だからママは、朝・昼・夕方・夜の4回くらいに分けて、少しずつごはんをくれたよ。

その方が胃にも優しいし、なにより、またごはんの時間だ!ってちょっと嬉しくなるんだよね。

ちょっとだけ動くことが、元気のスイッチになる

ぐったりしてると、無理に動かさないほうがいいのかなって思うよね。でも、わたしたちは完全に寝たきりになると、筋肉も気力もどんどん落ちちゃうの。

だからね、じっとしているだけじゃなくてちょっとだけでも動くってことが、すごく大事なんだよ。

たとえば、お外の空気を吸わせてもらっただけで、気分が変わったの。

ママがベランダに出してくれて、風を感じたり、鳥の声を聞いたりしただけで、わたしはちょっと元気になれたの。今日は無理に歩かなくていいよって言ってくれて、抱っこで外の匂いをかがせてくれた日もあった。

その時間がね、わたしにとってすごく大事だったんだよ。それからね、におい遊びやおやつ探しで、脳も体も刺激されたよ。

おやつをタオルに包んでくれたり、ちょっと離れたところに置いてくれたり、ママはわたしが少しでも鼻や体を使えるように工夫してくれたの。

それがゲームみたいで、わたしも楽しかったし、やってみようって思える時間になったんだ。

おうちの環境をちょっと変えるだけですごくラクになる

わたしたち、年をとるとちょっとした段差や、床の滑りやすさが体に負担になるの。ぐったりしてるときって、そういう小さなストレスが重なって余計に動けなくなっちゃうんだよ。

まず、フローリングにマットを敷いてくれたのがうれしかった。足がすべって転びそうになると、怖くて動かなくなっちゃうの。でも、パパがマットを敷いてくれてから、わたし安心して歩けるようになったよ。

とくに起き上がるときや、お水を飲みに行くときに、その差がすごく大きかった。

それからね、ベッドを低くしてくれたの。ふかふかすぎるベッドや、段差のある場所って、わたしたちには意外とつらいの。

だから、お布団を床に近いところに置いてくれたり、登りやすいように工夫してくれたのが、すごくありがたかったんだ。

なにより、あなたの声と手のぬくもりがいちばんのおくすり

わたしたちがぐったりしてるとき、いちばんつらいのはひとりぼっちだなって感じることなの。

だから、あなたの声が聞こえるだけで、あなたがそばにいてくれるだけで、ほんとうに救われるんだよ。

声をかけてくれて、大丈夫だよって言ってくれたこと画本当にうれしかったんだ。

ママがね、リアちゃん、大丈夫?って優しく聞いてくれたとき、わたしね、泣きそうだったの。大丈夫って思えたから。安心できたから。

あなたのお友達も、きっとあなたの声を待ってるよ。なでなでしてくれて、いてくれてありがとうって伝えてくれたことは、本当に大切なんだ。

わたしたち、触れ合うことで安心を感じるんだよ。とくに背中や胸をゆっくり撫でてもらえると、心がほどけていくの。言葉じゃなくても、あなたの手の温もりが、すべてを伝えてくれるんだ。

介助や清潔ケアも、恥ずかしいことじゃないんだよ。

ぐったりして動けないとき、おトイレが間に合わなくなることもあるよね。でもね、それってわたしたちだって本当はすごく申し訳なく思ってるの。

だからこそ、優しくケアしてもらえると、ほんとうに救われるんだよ。

  • 濡れたおしりを優しくふいてくれた
  • 毛がからまないようにとかしてくれた
  • においが気になる前に、体を拭いてくれた

そんなこと全部が、わたしは大事にされてるんだって思える瞬間だったの。ぐったりしてるわたしたちにとって、病気を治すお薬も大事だけど、あなたの優しさと、日々の小さな工夫が、いちばんのちからになるんだよね。

次は、わたし自身が心臓病を抱えながらも、どんなふうに穏やかに過ごしてきたか、そのために家族がどんなふうにサポートしてくれたかを、もう少し深くお話するね。

病気があっても、ゆったりしあわせに過ごせるよ。

ねぇ、もしお友達が病気を抱えていたら、もう無理させられないなとか、この子のしあわせって何だろう?って、悩んでしまうことってないかな。

わたしもね、13歳の春に僧帽弁閉鎖不全症って診断されてから、たくさんのことが変わったの。それまでみたいに走れなくなったし、階段も登れなくなったし、時々咳き込んだり、息が上がったりするようになったんだ。

でもね、それでもわたし、こうして15歳まで、穏やかに暮らせているの。それは、病気があってもできることをあきらめずに、家族がそばにいてくれたからなんだ。

これから、心臓病を抱えたわたしがどんなふうに暮らしてきたか、どんなふうにあなたにも支えてもらえたら嬉しいか、そのことを全部話すね。

まず、がんばらなくていいよって言ってくれたから、安心できたの。

心臓がうまく働かないと、わたしたちすぐに疲れちゃうの。お水飲みに立ち上がっただけで、ハァハァして、しばらく動けなくなっちゃったりするんだよ。

そんなとき、パパが言ってくれたの。リア、がんばらなくていいよって。その言葉を聞いたとき、わたしね、ほっとしたんだ。休んでてもいいんだって思えたら、怖くなくなったんだよね。

あなたも、お友達にがんばらせすぎないことって、すごく大事だよ。

つぎにね、毎日のお薬、わたしなりの飲み方があるんだよね。

お薬って、やっぱり好きじゃないときもあるの。でも、心臓のために飲まないともっとつらくなっちゃうって分かってるから、わたしもがんばって続けてるよ。

ママは、わたしが飲んであげるって気持ちになれるように、いろんな工夫をしてくれたの。大好きなささみに包んでくれたり、ヨーグルトのスプーンの底にくっつけてくれたりそっと口の中に入れて、褒めてくれたり。

そして何より、今日もえらいねって言って、ぎゅってしてくれたの。その一言があるから、わたし、毎日お薬を飲み続けられてるんだよ。

そしてね、私の体調の波を見守ってくれたことが、いちばんの支えなんだ。

病気があると、どうしても体調に波があるの。昨日は元気だったのに、今日はごはんを残したり、息が荒くなったりしてね。

でも、ママはね、昨日食べたのに、なんで今日は食べないの?って怒ったりしなかったよ。ただ静かに見守って、そばにいてくれたの。

そんなふうに、その日のリアをそのまま受け止めてくれたことが、わたしには何より嬉しかったんだ。お散歩も、お昼寝も、無理なくが合言葉だったよ。

パパとのお散歩は、わたしの大好きな時間だったんだけど、心臓が悪くなってからは、長く歩くとすぐに疲れて、咳が出たりするようになったの。

だからパパは、お散歩の時間を短くして、途中で抱っこしてくれるようになったの。今日は空気が気持ちいいねって、ベンチに座って一緒に風を感じてくれる日もあったよ。

お昼寝もね、快適に眠れるようにクッションを整えてくれたり、冷えないように毛布をかけてくれたり、ってそういう小さなこと全部が、わたしの体と心を守ってくれてたんだ。

それからね、定期検診が、安心をくれたんだよね。

病院って、ちょっと怖い場所だなって思ってたけど、今はちがう。だって、そこに行けばわたしの体の中をちゃんと見てもらえるし、まだ大丈夫だねとか、ちょっと注意しようかとかって、今のわたしを知ることができるから。

ママとパパは、3ヶ月に1回の心臓のエコー検査を欠かさず連れて行ってくれたよ。だから、薬の量も調整できたし、大きなトラブルになる前に対応できたの。

定期検診って、今のあなたを守る準備をしてくれる大切な時間なんだよ。

それからね、今日も生きててくれてありがとうって言ってもらえた日ってずっと忘れない。

ある日、ママがね、わたしを抱きしめながら言ったの。リア、今日も生きててくれてありがとうねって。

その言葉を聞いたとき、わたし胸がじーんとして、生きてるだけで、こんなに喜んでもらえるんだって思ったんだ。あなたのお友達も、きっと同じ気持ちになるよ。

病気があっても、ゆっくりでも、呼吸してるだけで、あなたのそばにいるだけで、いてくれてありがとうって言ってもらえたら、それがなによりの幸せなんだよ。

病気があるってことは、確かに不安だし、制限もある。でもそれは、何もできないってことじゃないんだよね。

むしろ、あなたの支えがあれば、お友達はこれまで以上に穏やかでしあわせな時間を過ごせるの。それはわたしが、毎日感じていることだから、あなたにも伝えたかったんだ。

次はね、これまでのまとめとして、大丈夫、あなたのお友達も、またしっぽふれるようになるよって、希望のメッセージを届けるね。わたしのことばで、あなたの心が少しでも軽くなったらうれしいな。

大丈夫、あなたのお友達もまたしっぽふれるようになる

ここまで、読んでくれてありがとう。

お友達のぐったりした姿を前にして、どんなに不安で、どれだけ自分を責めそうになったことか。

「もっと早く気づいてあげればよかった」
「ちゃんとできてるかな…」
「もう、あの子の笑顔は見られないのかな」

そんなふうに思って、胸がいっぱいになる日もあるよね。でも、だいじょうぶ。わたしが言うよ。あなたは、ちゃんと向き合ってる。そして、あなたのお友達も、またしっぽをふってくれる日がくるはず。

小さな一歩が、大きな未来につながるんだよね。

お友達がぐったりしているとき、何か特別なことをしようとしなくてもいいんだよ。ほんの少しでもいいんだ。昨日より水を飲めたとか、今日は目に力があるなって感じたら、それが大きな回復のサインなの。

わたしたちにとって、あなたの見守るまなざしや、変化に気づいてくれるやさしさが、何よりの生きる力になるんだから。

今日、わたしの話で、少しでもできることが見えたあなたは、もう立派なお友達のいのちの味方なんだと思う。完璧じゃなくていいんだよ。気持ちが伝われば、それだけで。

あなたのお友達は、きっとね、あなたが自分のことを思ってくれてるって、ちゃんと感じてるよ。たとえ、うまくいかない日があっても、ごはんを残してしまっても、笑ってくれなくても、それでもあなたが傍にいてくれることが、何よりの支えなんだ。

なんで元気になってくれないの?って焦る気持ちがあっても、なんにもできてないって思う夜があっても、だいじょうぶ。きっとあなたの声も、手も、まなざしも、すべてがお友達に届いてる。

しあわせって、静かにそっと寄り添ってくるものだよね。

ぐったりしていても、食べられなくても、歩けなくても、それでもわたしたちは、しあわせを感じることができるの。

あなたの横で眠れること。そして、あなたが名前を呼んでくれること。それから、目が合ったとき、そっと笑ってくれること。

それだけで、わたしたちは生きててよかったって思えるんだよ。

お友達のために、ここまでたどり着いてくれたあなたへ、もう一度わたしから伝えさせてね。

あなたのお友達も、またしっぽふれる日がくるよ。それは、もしかしたらゆっくりかもしれないし、ちょっとずつかもしれない。でも、あなたがいてくれる限り、その希望はずっと消えないんだよ。

わたし、リアもね、ぐったりして動けなかった日がたくさんあったよ。でも、パパやママがそばにいてくれて、少しずつ元気を取り戻せたの。そしていま、こうしてあなたに語りかけることができているんだ。

だから、信じて。

お友達の中には、まだがんばってみようかなって思う力が残ってるかもしれないよ。あなたの手のぬくもりで、その力が灯る日が、きっとくると信じていてね。

リアより

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