こんにちは、リアだよ。
夜って、なんだか特別な時間だよね。おうちがしんっとして、みんなが眠ってるその静けさの中で、わたしはふわっとしたあたたかい毛布にくるまれて、パパの足元でぐっすり眠るのが大好き。
でもね、最近ちょっと気になることがあるの。
このあいだ、お散歩の帰りにいつもの公園で出会った、お友達のママが、こんなことを言ってたの。「夜中にね、うちの子が急に鳴き出しちゃって、家の中をウロウロ歩き回るのよ」って。
最初は怖い夢でも見たのかな?って思ったんだけど、それが何日も続いてて、ママも眠れなくてちょっと困ってるって。
その子はね、わたしより少し年上の女の子。
いつも落ち着いてて、やさしくて、とってもがんばり屋さんなんだよ。そんな子が夜に落ち着かなくなっちゃうなんて、なんだか心配でね。
パパにその話をしたら、「シニア犬になると、そういうこともあるんだよ」って教えてくれたの。
夜に鳴いちゃったり、何かを探すように歩き回ったり。それって、年を重ねたワンちゃんにとって、特別なサインなんだって。
わたし自身は、今のところ夜はしっかり寝られてるし、そんなことは起きてないんだけどね。でも、あなたのおうちの子はどう?
もし、「最近ちょっと夜に落ち着かないな……」って思うことがあるなら、もしかしたら、それはワンちゃんからの小さなメッセージかもしれない。
今日は、わたしが聞いたお話や、パパと一緒に調べたことをあなたにシェアしたいなって思って、こうして話しかけてるの。
シニア犬の夜鳴きや徘徊って、どうして起きるの?そして、そういうときに、あなたにできることって何なんだろう?
そんなことを、わたしなりに、やさしく話していけたらいいなって思ってるよ。
最後まで私の話に耳をかたむけてくれたらうれしいな。
最近よく聞く夜鳴きや徘徊に悩む老犬の話

わたし、いつもはお昼にお散歩したり、パパの足元でのんびりしたりして過ごしてるんだけどね。最近、公園とかご近所とかで、ちょっと気になる話をよく耳にするようになったの。
たとえばこの間、お友達のママがこんなことを言ってたの。
「最近ね、夜になるとうちの子が急に起きてウロウロしだして。ソファのまわりをぐるぐる歩いたり、キッチンに行って帰ってこなかったりするのよ。何か探してるのかと思って声をかけても、なんだかボーッとしてるのよ」って。
その子はね、すごく優しい子で、昔から落ち着いてる性格だったの。それなのに、夜になると別の子みたいになっちゃうなんて、わたし、すごく驚いちゃった。
それから、別の子のママも、「最近、夜になると急に吠えるの。家族が寝てるのに、リビングからワンワンって。びっくりして起きてみたら、ただじっと立ってるだけだったの。あれって、何か怖い夢でも見たのかしら」って言ってたの。
その子も、わたしよりちょっとお姉さんなんだけど、普段はとってもおっとりしてて、お昼はぐっすり寝てるって聞いてたから、夜にそんなふうになるなんて、やっぱり何か理由があるんじゃないかなって思ったの。
こういう話を聞くたびに、どうして夜になると落ち着かなくなっちゃうんだろう?って思わない?
わたしはまだそんなことないし、パパと一緒に寝室で朝までぐっすりなんだけど、もしかしたら、年を重ねると、からだやこころの中で何かが変わっていくのかもしれないよね。
そうそう、この前読んだ本に、夜に鳴くとか、ぐるぐる歩くとか、立ち止まって動かないとか、ドアの前で困った顔をしてるとかっていうのは、シニアの老犬によく見られることなんだって書いてあったの。
もしかすると、わたしたちが年をとるのと同じように、お友達にも年齢とともに起きることがあるんじゃないかなって思うんだ。
あなたのそばにいる大切な家族も、もしかしたら、そういうちょっとした変化を見せてるかもしれない。
夜中に歩き回ったり、いつもと違う時間に鳴いたり、どこかで立ち止まって考え込んでたりって、そんな姿を見たとき、なんだろう?って思ったら、それはその子なりのサインかもしれない。
わたしのお友達たちは、何かを伝えたくて、そんな行動をしてるのかもしれないよね。
もしかしたら、うまく言葉にできないけど、なんだか不安なのとか、ちょっとだけ助けてって、あなたに向かって声を出してるのかもしれない。
だからこそ、わたしは思うんだ。
今はまだ平気でも、いつか自分にも同じことが起きるかもしれない。そして、そうなったとき、あなたがそばにいてくれたら、どんなに安心するかって。
わたしは、そういう夜のことを夜のひとりごとって呼んでるの。シニアになったお友達が夜にこっそり言いたくなる、こころの声みたいなもの。
わたしたちには、ちゃんと伝えたい気持ちがあるんだって、あなたに知っておいてほしいんだよね。
老犬になるとどうして夜に落ち着かなくなるのかな?

さっきのお友達やそのほかのシニア犬のお友達が夜に鳴いたり、歩き回ったりしてしまう理由って、一体どうしてなんだろう?って、わたし、すごく気になったの。
だからね、パパに教えてってお願いして、一緒にいろんなことを調べてみたんだ。本や動物病院の先生のコラム、インターネットで読める信頼できるページ、とかね。
そうやって、わたしたちは老犬に起きる夜のナゾをちょっとずつ解き明かしていったの。
そして、わかったことがあるの。それはね、夜の落ち着かない行動って、いくつかの理由が重なって起きることが多いってこと。
順番に、わたしの言葉で話していくね。
まず一つ目は、「ものわすれ」みたいなもの。
人間で言うと認知症って呼ばれてるものが、わんちゃんにもあるんだって。
「シニア犬認知機能不全症候群」ってちょっとむずかしい名前だけど、これはね、年をとったわんちゃんの脳がだんだん働きにくくなっていって、
- 昼と夜がわからなくなっちゃう
- どこにいるのかがわからなくなっちゃう
- 大好きな家族の顔がぼんやりしてくる
みたいなことが起きる病気なんだって。
パパがね、わたしたちで言うと、夜中にトイレに行こうとして廊下で迷っちゃうような感じかなって説明してくれて、なるほどって思ったの。
わたしのお友達が夜中に吠えちゃったのも、もしかしたら、ここはどこ?ってなって、不安になっちゃったのかもしれないよね。
次に考えられるのは、体のどこかが痛いってこと。
わたしたち、年をとると、どうしても足腰が弱くなってくるの。関節がきしんだり、腰が重くなったり、動くたびにチクチクすることもあるみたい。
そんなとき、じっとしているのがつらくて、落ち着かなくなって、歩き回っちゃうってこともあるんだよ。
しかも夜は、まわりが静かで気がまぎれないから、余計に痛みを感じやすいんだって。
それって、人間とちょっと似てるかもしれないよね。あなたも、体のどこかが痛いときって、夜になるとつらく感じたりしない?
それから、見えにくくなるとか、聞こえにくくなるとかっていう変化もあるの。
お友達のキャバリア君はね、最近よく物にぶつかっちゃうらしいの。きっと、目がちょっとずつ見えにくくなってきてるんだよね。
特に夜は暗いから、なおさら不安になっちゃうの。どこにベッドがあるのか分からない、誰かの足音が聞こえない、ってそんな中で、鳴いたり歩いたりしてるのかもしれない。
音や光に頼れなくなるって、わたしたちにとってすごく大きな変化なんだよ。だから、なにが起きてるのか分からないっていうのは、それだけでとっても怖いことなの。
そして、ほかにわかったのが、ひとりが寂しいってこと。
わたしたちって、本当に甘えんぼで、家族のそばにいるだけで安心できるんだ。
でも、夜になるとみんなが寝ちゃって、部屋が暗くなって、気配もなくなっちゃうよね。そんなときに、ぽつんと一人きりになったら、すごく不安になっちゃうの。
きっとそんなときは、あなた、どこにいるの?とか、ちょっとだけでいいから、そばにいてって、鳴いてるんだと思うの。
わたし自身、時々夢から目が覚めて、パパの寝息が聞こえないと、ちょっと心細くなるときがあるんだよ。
こうして、夜に落ち着かなくなる理由をひとつひとつ調べていくうちに、わたしはお友達の行動を、ちょっとだけ理解できるようになった気がしたの。
それはね、怒るべきことじゃなくて、気づいてほしいサインなんだってこと。わたしたちは、何かを伝えたくて鳴いたり歩いたりしてるのかもしれないんだ。
そしてね、そういうときに、あなたがそのサインを見逃さずに受け止めてくれたら、きっとわたしたちは、それだけで少し安心できるんじゃないかなって思うの。
夜は、わたしたちにとってちょっぴり不安な時間になることがあるけど、その不安をやわらげてくれるのは、やっぱりあなたの存在なんだよ。
おうちでできること、いっしょに考えてみない?

あなたのおうちの子が、もし夜に不安そうだったらどうする?
わたしはね、思うの。どうしたら安心できるかな?おうちでできることって、何があるんだろう?って。
だからね、今回は、わたしがこうしてもらえたらきっと嬉しいなって思うことを、あなたと一緒に考えてみたいの。わたしの気持ちを想像しながら、耳をかたむけてくれたらうれしいな。
まずね、夜ってとっても静かで、まわりが暗くなって、わたしたちにはちょっぴり心細い時間だったりするの。
だから、ほんのり明かりを灯してくれるだけでも安心するんだよ。
わたしの目、昔よりちょっと見えにくくなってる気がするから、夜中に目を覚ましたときに、やさしい明かりがあったらここは知ってる場所だなって思えてホッとするの。
それから、ベッドやお水の場所を、いつも同じにしてくれること。
家具の位置が急に変わってたり、床に物が落ちてたりすると、夜中にうっかりつまずいちゃうかもしれないでしょ?だから、わたしたちが迷わないように、いつもと同じ環境を整えておいてくれると助かるの。
パパが教えてくれたんだけど、音ってすごく安心につながるんだって。
だから、夜にクラシック音楽とか、ゆっくりした自然の音を流してくれると、わたしたち、気持ちが落ち着くことがあるんだよ。誰かがそばにいてくれてるって感じられるからかな。
そしてね、ぬいぐるみとか、お気に入りの毛布。こういう匂いのあるものも、わたしたちには心のよりどころになるんだよね。あなたのにおいがついた毛布があれば、きっとそれだけで不安な夜もやりすごせる気がするの。
あとね、パパが言ってたんだけど、年齢とともに必要な栄養も変わってくるんだって。
認知機能をサポートする栄養素や、関節をやさしく守ってくれる成分が入ったごはんやおやつ、それから、先生に相談しながら取り入れるサプリメントとかもあるみたい。
サプリメントって、サケの油からとれるオメガ3脂肪酸とか、脳のはたらきを助けてくれる成分とかがあって、わたしたちの気持ちが穏やかになることもあるって聞いたよ。
でもこれは、必ず動物病院の先生に相談してからがいいよね。わたしたち一匹ずつ、体の状態も違うから。
それともうひとつ、大事なことがあるの。それはね、あなたがそばにいてくれること。
どんなにサプリメントやごはんが良くても、どんなに環境を整えてくれても、わたしたちにとって、いちばんのお守りはあなたの存在なんだ。
あなたがそっと頭をなでてくれるとき、あなたの足音が近くで聞こえるとき、あなたがわたしの名前を呼んでくれるとき。それだけで、夜の怖さはふっとやわらぐの。
夜中にわたしたちが鳴いてしまったとき、イライラしたり、またかって思ってしまうこともあるかもしれない。でもね、その声の奥には、あなたにそばにいてほしいっていう願いがこもってるの。
どうか、それを思い出してくれたらうれしいな。
うちはね、パパとママが、わたしのことを思って工夫してくれる。それだけで、わたしたちは大丈夫って思えるようになるの。
だから、これならすぐできそうかな?って思ったことから、あなたのおうちでも、ひとつずつ始めてみてくれたらいいな。
わたしたちの夜が、少しずつ、やさしい時間に変わっていきますようにって祈ってる。そんな願いをこめて、今日はお話してるんだよ。
今はまだ元気な私。だけど未来のために伝えておきたい

わたしね、今はすごく元気だよ。ごはんもおやつもモリモリ食べてるし、朝はパパを起こして、夜はパパにくっついてぐっすり。お散歩だってまだまだ楽しいし、クッションの上でお昼寝してるときも、心がぽかぽかしてる。
でも、わたしはもう十五歳。いつの間にかシニア犬って呼ばれるような年齢になってるんだよね。
若いころはそんな日、ずっと先だよって思ってたけど、今こうして落ち着いた日々を過ごす中で、もしかしたら、わたしにも夜がちょっぴりこわくなる日が来るかもしれないなって、ふと思うことがあるの。
そしてね、そのときのわたしのために、今のうちに伝えておきたいことがあるの。それは、その変化に気づいてくれてありがとうっていう気持ち。
もし、夜中にわたしがうろうろしはじめても、もし、急に鳴きだしちゃっても、「リア、どうしたの?」って声をかけてくれたら、きっとわたしはそれだけで少し落ち着くと思う。
もしかしたら、その時、わたし自身も何が起きてるのか分からなくて、不安でいっぱいかもしれない。でも、あなたがそばにいてくれたら、どんな夜でも心はぽかぽかになるんだよ。
パパと話してて気づいたんだけど、困ってからじゃなくて、困るかもしれないことを知っておくって、とっても大切なんだよね。
わたしたちって、変化を言葉にできないから、あなたが少し先の未来を想像してくれるだけで、すごく安心できるの。
うちの子はまだ大丈夫だからじゃなくて、いつかそうなる日が来るかもしれないって思って、今からちょっとだけ、心の準備をしておいてくれるだけでいいの。
それは、予防とか対策っていうよりも、やさしい備えみたいなものなんだよね。大切なあなたと、ずっと穏やかな日々を過ごすために、わたしたちにできることって、きっとたくさんあるんだよ。
わたしね、夜がこわくなる日が来ても、あなたがいてくれたら、絶対に大丈夫って思えるの。
でももしも、わたしがどうしても落ち着かない日が来て、あなたも眠れない夜が続いちゃったとしたら、どうかひとりで抱えこまないでね。
動物病院の先生に相談したり、同じような経験をした人に話を聞いてもらったりしたらきっとこころが落ち着くと思うんだ。
あなたがあなたらしくいられることも、わたしたちにとってはとても大切なことだから。あなたが笑っててくれると、わたしもうれしいんだよ。
今のわたしから、未来のわたしへ。そして、未来のあなたへ。
どうか、やさしい夜を過ごしてね。どんなに時間が流れても、わたしの気持ちはずっと変わらないから。あなたと過ごす毎日は、わたしにとって、世界でいちばんの宝物なんだよ。
夜って、ほんとはとってもやさしい時間なんだよね。

一日の終わりに、心をそっと包んでくれるような、静かでぬくもりのある時間。そんな時間が夜だと思うんだ。
でも、年を重ねたわたしたちにとっては、その静けさがちょっぴりさみしくなったり、不安になったりすることもあるんだ。
今回こうして、あなたにお話を聞いてもらえて、わたしはとてもうれしかった。あなたがうちの子のために、できることがあるかもしれないって思ってくれたこと、きっと、その子にもちゃんと伝わってると思うの。
今はまだ元気な子も、すでに夜の不安に向き合ってる子も、わたしたちはみんな、大好きなあなたと一緒にいられることがいちばんの幸せなんだ。
だからどうか、迷ったり、つらくなったりしたときは、ひとりでがんばる必要なんてないと思うだよね。あなたのそばには、あなたを信じてる存在がちゃんといるから。
わたしたちの夜が、やさしさで満たされますように心から願っています。
リアより


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